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第2節 調査研究、監視・観測等に係る国際的な連携の確保等

 地球環境保全等に関する調査研究については、「地球圏・生物圏国際共同研究計画(IGBP)」、「世界気候研究計画(WCRP)」、「地球変動の人間的次元国際共同研究計画(HDP)」等の世界的な研究計画に参画・連携しつつ、地球的規模の諸現象の解明研究、人間活動と地球環境の相互関係に関する研究を始め、自然科学に人文・社会科学的視点を含めた学際的な研究等を積極的に推進した。
 特に、地球環境研究に関する国際的な人材交流を促進し、研究レベルの相互向上を図るため、「地球環境研究総合推進費」に「国際交流研究(エコフロンティア・フェローシップ)」区分を創設し、海外の若手研究者を招聘してわが国の国立試験研究機関等において共同研究を実施した。
 さらに、「アジア太平洋地球変動研究ネットワーク(APN)」の構築については、我が国は暫定事務局として活動を支援しており、平成8年1月には東京においてAPNに関する科学プログラム委員会が開催された。また、3月にはタイのチェンマイにおいて、第1回APN政府間会合が開催され、APNとして今後アジア・モンスーンの変化、人間社会的側面からみた地球環境問題に関する研究等をアジア太平洋地域で支援していくことで意見の一致を見た。
 監視・観測については、国連環境計画(UNEP)における地球環境モニタリングシステム(GEMS)、世界気象機関(WMO)における全球大気監視(GAW)計画、全球気候観測システム(GCOS)、WMO/政府間海洋学委員会(IOC)における全世界海洋情報サービスシステム(IGOSS)等の国際的観測・監視計画に参加・連携して観測・監視を行った。
 特に気象庁及び運輸省は、WMOと協力して、アジア・太平洋地域オゾンワークショップを開催し、同地域におけるオゾン観測技術・精度の向上を図った。
 また、人工衛星による地球観測については、地球観測衛星委員会(CEOS)等の活動と整合性を図った衛星の開発、打ち上げ、運用及び衛星センサー及び航空機センサーの利用などの効果的な手法の開発等を推進した。
 さらに、気象庁では、WMO/GAWの一環としてアジア・南西太平洋地域における温室効果気体等の観測データの品質を評価する品質保証科学センター(QA/SAC)業務を開始するとともに、東京都南鳥島の全球観測所において、降水及び降下じん中の化学成分の観測を開始した。

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