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第9節 

2 工業立地の適正化

 産業公害の抜本的な解決を図るためには、工業立地の適正化を図ることが必要であり、大都市圏においては、「首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する法律」等の厳正な運用等により、工場の新規立地の抑制を図っている。
 また、「工業再配置促進法」に基づき、移転促進地域から誘導地域への工場移転及び誘導地域における工場の新増設の促進を図るため、産業再配置促進費補助金制度等を活用するとともに、地域振興整備公団による中核工業団地造成事業等の事業や、日本開発銀行等による貸付等を行った。
 なお、このような産業再配置対策の実施に当たっては、工場の設置が環境の保全に十分配慮して行われるよう指導し、また、工場跡地利用については、都市環境の改善に資するように配慮している。
 このほか、環境事業団においては、住工混在地区等で操業し公害の原因となっている中小零細工場等を適地へ移転集約化させるため、事業者からの依頼に基づき集団設置建物の建設及び事業者への譲渡を行っている。また、中小企業事業団においては、都道府県と一体となって、市街地に散在している中小企業が、集団化して郊外の工場適地に移転する等のために行う工場団地の建設、共同工場の建設等の事業に対する必要な資金の貸付けを行っている。
 さらに、個々の工場立地については、周辺生活環境との調和を進めるため、「工場立地法」に基づく「工場立地に関する準則」等に従い、工場環境整備対策の推進を図った。また、日本開発銀行及び中小企業金融公庫から環境整備のための融資を行う等の助成措置を講じ、中小企業金融公庫等において、公害防止のための工場移転等を促進するための資金を貸付けた。

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