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第9節 

4 情報の提供

 環境の状況、個別の社会経済活動による環境への負荷、環境保全活動への取組などに関する情報を人々に提供することは、環境教育・環境学習を推進したり、環境保全意識を啓発する上の基礎的条件であるといえる。環境庁では、環境に関する国民等からの照会に対して迅速、的確に対応できる体制を確保するため、環境情報をパソコン通信を活用して国民等に提供する環境情報提供システムの運用を平成8年3月から開始している。
 同システムにおいては、環境庁をはじめとする環境行政機関等から発表される環境の状況や行政の取組に関する情報、環境教育や環境保全活動等に関する情報及びこれらに関する情報源情報を収集、整備し、提供を行うほか、電子掲示板システム等を利用した利用者相互の情報交流も可能となっている。
 平成7年12月に47都道府県12政令指定都市(以下「59地方公共団体」という)を対象に実施した「環境情報の整備状況等に関する調査」によると、59地方公共団体のうち環境情報システムを持っている地方公共団体は58(平成6年度は58)地方公共団体であり、これらの地方公共団体が持っている環境情報システムの数は合計で154(平成6年度は139)であった。これらの環境情報システムは、行政内部での利用を主目的としているが、一方で、住民または事業者への情報提供が33.5%となっており、増加傾向となっている(第4-9-10図)
 また、環境の現状に関する年次報告(環境白書)の刊行に加え、環境白書を基にして、図で見る環境白書、英語版図で見る環境白書、マンガで見る環境白書、英語版マンガで見る環境白書、音で聴く環境白書、CD-ROM版環境白書を作り、様々な媒体を通して環境に関する情報提供を行っている。平成7年度は新たに、環境白書を題材にしたVTRの作成、ミュージカルの上演等も行い、情報の媒体はますます多様化している。
 最近急速にそのネットワークを広げているインターネットでは、世界気象機関(WMO)の公表資料情報など国連関連機関の環境情報の入手や米国環境保護庁の環境関連情報提供サービスの利用が可能となっている。我が国でも首相官邸にインターネットのホームページを開設しており、環境白書の要約版等の情報を利用できるほか、国立環境研究所においてもホームページを開設している。また、環境庁でもファックス通信を活用した情報提供や、インターネットを利用した国際的な情報提供等について検討している。

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