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第8節 

3 日照阻害、風害、電波障害、電磁界による健康影響、花粉症

 典型7公害以外の苦情の種類別苦情件数の推移を日照阻害、電波障害、風害(通風)について見てみると、日照阻害は平成6年度は42件と大きく減少している(5年度、220件)。日照阻害についての苦情件数は、地方公共団体の公害苦情相談窓口で受け付けた苦情件数であるが、実際は別の窓口で受け付けているものも多くあり、必ずしも改善されたとは判断できない。また、地方公共団体の公害苦情相談窓口で受け付けた電波障害についての苦情件数は6年度は414件となっており、最近4年間では減少している(5年度、467件)。同様に通風についての件数は6年度17件(5年度2件)であり、他の苦情件数と比較して低い水準で推移している(第4-8-4図)
 電磁界による健康への影響については、国内外で数々の報告がなされているものの、未だに関係が明らかではない。このため環境庁は平成6年度に超低周波電磁界について「電磁環境の健康影響に関する調査研究」を実施し、電磁界暴露の健康影響の有無については結論づけることができないため、疫学的研究等に必要な技術的事項に関する課題を解決し、具体的な研究方法を確立することが必要であるとの報告を取りまとめた。今後は、この指摘をふまえ、家庭や職場などの個人の日常生活の違いを考慮した電磁界暴露量推定方法等について調査研究を続けていくこととしている。
 また、毎年2月から4月の春先にかけて悩む人の多いスギ花粉症については、発症メカニズム等について未だ不明な点が多く、ディーゼル排気微粒子(DEP)などの大気汚染物質との関係を指摘する研究報告もあることから、環境庁では、ディーゼル排気微粒子(DEP)と花粉症の関係について動物を用いた研究、花粉症情報の提供方法のあり方に関する研究や花粉症発生の素因に関する研究を行っている。

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