4 先進国首脳会議(サミット)における環境問題への取組
1981年(昭和56年)のオタワ・サミット以来、経済宣言において環境問題が取り上げられてきているが、特に1989年(平成元年)のアルシュ・サミット以降地球環境問題が重要な課題として位置付けられていることが大きな特色である。
1994年(平成6年)7月のナポリサミットでは、環境は、国際協力の最優先事項であるとの認識が示され、環境政策が適切な技術投資、エネルギー効率改善、汚染地域浄化等を通じて、成長、雇用及び生活水準の改善に寄与し得るとされた。また、「持続可能な開発委員会」での作業、生物多様性条約・気候変動枠組条約の実施、地球環境ファシリティ(GEF)の機構改革及び増資、砂漠化防止条約の締結と小島嶼国会議の結果等の、地球サミットフォローアップのための一連の取組を支持・歓迎し、今後とも強化していくことが確認された。特に温暖化対策については、気候変動枠組条約の下での自国の計画の実施を早め、来年のサミットにおいて実施状況を報告すること、さらに、2000年より先の措置を策定する必要性があることが認識された。
また、貿易と環境との関係に関し、新設されるWTOにおいて行われる作業に対する歓迎の意が表明された。
なお、ナポリサミットに先立つ1994年3月、事前にG7諸国の環境大臣の意見聴取を行いたいとのイタリア首相の意向を受け、フィレンツェにおいてG7環境大臣非公式会合が開催された。
会合では地球環境問題や、環境と人口、雇用、貿易、経済との関係など幅広い分野にわたって意見交換が行われ、その結果はナポリサミットの経済宣言に一部反映された。