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第4節 

1 農薬汚染の現況

 戦後の農薬使用の増加に伴い、BHC、DDT、ディルドリン、有機水銀剤等による食物及び環境の汚染が社会問題化したが、昭和46年以降「農薬取締法」の改正等による使用規制の強化及び科学技術の進展による毒性の低い農薬の開発により、そのような毒性及び残留性の高い農薬は、使用されなくなったり登録が失効し、残留性の高い農薬による環境汚染の問題は少なくなってきている。
 また、昭和63年頃からゴルフ場で使用される農薬による水質汚濁が社会問題化したが、平成2年5月に定められた「ゴルフ場で使用される農薬による水質汚濁の防止に係る暫定指導指針」の着実な運用、平成5年12月の中央環境審議会答申「水道利用に配慮した公共用水域等の水質保全対策のあり方について」に沿った各種対策の推進等により、現在農薬による水質汚濁問題は改善されつつある。
 しかし、本来、農薬の使用は生物活性を有する物質を環境中に放出するものであり、今後とも、人体や環境に悪影響を及ぼすことのないよう、適正に安全性を評価し、管理していくことが必要である。

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