1 土壤汚染の現況
「農用地の土壤の汚染防止等に関する法律」に定められた特定有害物質による農用地の土壤汚染の実態を把握するため、昭和46年度から、汚染のおそれのある地域を対象に、農用地土壤汚染防止対策細密調査(細密調査)が実施されており、平成5年度においては、カドミウムに係る調査が8県15地域、794haにおいて実施され、銅に係る調査が1県1地域1haにおいて実施された(砒素に係る調査は実施されていない)。この結果、新たに対策地域の指定要件に該当する特定有害物質が検出された地域(基準値以上検出地域)はなく、基準値以上検出地域の累計は、128地域7,140haである。
一方、市街地の土壤汚染問題については、汚染地のほとんどが私有地であり局所的な汚染が多いこと等から顕在化することが少なかった。しかし、近年、生活水準の高度化、産業活動の活発化に伴い、新たな化学物質による環境汚染の懸念や廃棄物の不法投棄問題等に関連して土壤汚染に対する関心が高まっており、また、地下水の監視等を通じ、汚染の実態が明らかになる事例が増加している。