(1) 南極条約について
1994年(平成6年)4月に、我が国で開催される南極条約協議国会議に向けて、国内の準備等を推進した。
(2) 世界遺産条約について
我が国が、1992年(平成4年)6月に受諾し、同年9月に我が国について発効した「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」(世界遺産条約)に基づき、同年10月に関係する環境庁、外務省、文化庁、林野庁等が連絡調整を図り、自然遺産の候補地として白神山地及び屋久島の2地域を世界遺産委員会に推薦していたところ、1993年(平成5年)12月の世界遺産委員会において世界遺産一覧表への登録が決定した。
(3) 日米環境保護協力協定に基づく活動
1975年(昭和50年)8月に日米環境保護協力協定が締結されて以来、同協定に基づき広範な環境問題を討議するため、閣僚レベルによる合同企画調整委員会を過去9回開催している。
また、同協定に基づき、現在15のプロジェクトが設置されており、情報交換、会議の開催、専門家の交流が進められている。
(4) 天然資源の開発利用に関する日米会議(UJNR)の下の活動
1964年(昭和39年)に設置された天然資源の開発利用に関する日米会議の第14回全体会議が1993年(平成5年)7月に米国で開催された。また、UJNR傘下の保全・レクリエーション・公園専門部会第16回総会も開催され、情報交換等を引き続き行った。
(5) 日米科学技術協力協定に基づく活動
1980年(昭和55年)に締結された旧協定に代わる新日米科学技術協力協定が1988年(昭和63年)6月に締結され、閣僚級の合同高級委員会がこれまで4回開催された。同協定の附属書?においては、七つの主要協力分野が挙げられており、このうち「地球科学及び地球環境」分野においては現在45プロジェクトが合意され共同研究等を行っている。
(6) 日・EC環境高級事務レベル会合
1991年(平成3年)7月に発出された日・EC共同宣言において、環境分野における日本とEC間の協力の必要性が強調され、これを受けて、1992年(平成4年)には2回会合が開催された。さらに1993年(平成5年)11月には第3回会合が東京において行われ、環境分野における日・EC間の協力が着実に進展している。
(7) 日ソ環境保護協力協定に基づく活動
1991年(平成3年)4月に、日ソ環境保護協力協定が締結されたが、その後ロシア側の事情等により合同委員会が開催されていなかった。しかし、1994年(平成6年)1月東京において、両国の環境行政、地球環境問題等を議題として開催され、活発な議論が行われた。
(8) 日独科学技術協力協定に基づく活動
1974年(昭和49年)に締結された日独科学技術協力協定に基づき「環境保護技術パネル」が設置され、1976年(昭和51年)以来協力が行われている。同パネルは、日本とドイツで交互に開催されている。閉鎖性水域における富栄養化など5分野20テーマについて情報交換等が行われている。
第15回パネル会合は、1994年(平成6年)2月にボンで開催され、環境保護技術分野における両国の研究開発の一般的動向、既存の研究テーマに関する研究開発の現状と協力実施状況について意見交換が行われた。
(9) 日中環境保護協力協定の締結
これまで日中科学技術協力協定の下で進められていた環境保全の分野での両国間の協力を一層拡大・強化させるため、日中環境保護協力協定が、1994年(平成6年)3月に締結された。今後は、本協定に基づく日中環境保護合同委員会の場で、具体的な協力活動について協議される予定である。
(10) 日中科学技術協力協定に基づく活動
1980年(昭和55年)に締結された日中科学技術協力協定に基づく日中科学技術協力委員会がこれまで6回開催されており、環境分野では「大気汚染の防止等公害防止に関する研究」、「東アジアにおける酸性雨共同研究」等の協力プロジェクトが実施されている。
(11) 日韓環境保護協力協定に基づく活動
これまで日韓科学技術協力協定の下で進められていた環境保全の分野での両国間の協力を一層拡大・強化させるため、日韓環境保護協力協定が、1993年(平成5年)6月に締結された。これを受けて、本協定に基づく第1回合同委員会が1994年(平成6年)1月に東京で開催され、日韓の環境政策の現状、地球サミットのフォローアップの現状等について情報及び意見交換が行われた。また、同年3月の第7回日韓科学技術協力委員会において、これまで日韓科学技術協力協定に基づき実施されてきた「環境汚染防止技術交流」等計11件の既存協力案件の日韓環境保護協力協定への移管が合意された。
(12) 日韓科学技術協力協定に基づく活動
1985年(昭和60年)に締結された日韓科学技術協力協定に基づく第7回日韓科学技術協力委員会が1994年(平成6年)3月にソウルで開催され、「東北アジア地域における気候変化監視システムの構築」等の既存案件の継続と「沿岸域における汚染物質の輸送と循環に関する基礎的研究」等の新規案件の実施について合意された。
(13) その他の科学技術協力協定に基づく主な活動
1986年(昭和61年)に締結された日加科学技術協力協定に基づき、これまで合同委員会が4回開催され、環境分野における協力が進められている。
また、1973年(昭和48年)に締結された日ソ科学技術協力協定に基づく第1回合同委員会が1993年(平成5年)2月に開催されており、「バイカル湖における地球環境変遷史の復元」等のテーマについて協力が進められている。