現代日本に生きる我々の多くは豊かで恵まれた生活を享受している。
序章でも見たように、我々の生活は環境の中での物質やエネルギーの循環を基盤として営まれている。しかし、今日我々が営んでいるライフスタイルは、自然界から採取した資源やエネルギーを大量消費し、排水、排気ガス、ごみを大量排出するものであり、我々の生存を支える環境に多くの負荷を与えている。日常生活が環境に与える負荷をやや単純化された形で分かりやすく表現してみると第1-1-1図のようになるが、本章では、日常生活における個別の行動と環境への負荷をより具体的に見てみたい。一方、現在のライフスタイルを見直し環境への負荷を減らしていこうという市民の積極的な取組が始まっており、こうした事例についても取り上げてみたい。さらに、環境にやさしい生活様式や行動様式が人々に広く伝播、共有され、新しい生活文化として定着していくために必要な方策等について考えてみたい。