2 研究活動の充実
(1) 研究業務
4年度においては、環境保全に係る経常研究137課題及び特別研究9課題のほか、地球環境研究総合推進費による地球環境研究40課題等を実施した。このうち4年度に実施した特別研究の課題は、次のとおりである。
? 粒子状物質を主体とした大気汚染物質の生体影響評価に関する実験的研究(最終年度)
? 水環境における化学物質の長期暴露による相乗的生態系影響に関する研究
? 産業構造の変化及び生活様式の高度化に伴う多様な環境汚染に係る対策に関する研究(最終年度)
? 閉鎖性海域における水界生態系機構の解明及び保全に関する研究
? 環境保全のためのバイオテクノロジーの活用とその環境影響評価に関する研究
? 湿原の環境変化に伴う生物群集の変遷と生態系の安定化維持機構に関する研究
? 環境中の有機塩素化合物の暴露量評価と複合健康影響に関する研究(初年度)
? 湖沼水質指標の開発と新たな湖沼環境問題の解明に関する研究(初年度)
? 都市型環境騒音・大気汚染による環境ストレスと健康影響に関する環境保健研究(初年度)
(2) 環境情報業務
環境情報センターにおいて、我が国の大気質及び水質の数値情報ファイルをはじめ自然環境保全総合データベースの開発等、環境データベースの拡充を図るとともに、図書資科を始めとする文献情報など国内及び国外の環境に関する情報の収集を行った。このうち大気環境及び水質環境のデータファイルについては、4年10月より(財)環境情報普及センターを通じた外部提供を開始した。
また、国連環境計画(UNEP)の国際環境情報源照会システム(CNFOTER‐RA)における我が国の窓口としての諸業務を行った。
(3) 地球環境研究支援業務
地球環境研究センターにおいては、地球環境研究者交流会議の開催、日本学術会議との共催による地球圏−生物圏国際協同研究計画(IGBP)シンポジウムの開催、UNEPの地球資源情報デークベース(GRID)の我が国のセンターとしての活動及び地球環境データベースの整備を行うとともに、3年度に導入したスーパーコンピュータシステムを、温暖化を始め地球規模の環境変化に関する解明、予測及び影響評価等のための各種数値シミュレーション研究に供した。
(4) 地球環境モニタリング業務
地球環境研究センターでは、前年度に引き続き、オゾンレーザーレーダーによる成層圏オゾン層、定期便船舶による海洋の栄養塩・クロロフィル等の観測、地球観測プラットホーム技術衛星(ADEOS)に搭載するセンサーのデータ処理・運用システムの開発を行うとともに、航空機によるシベリア上空の温室効果ガスの観測を行った。
また、3年度に完成した沖縄県波照間島の地球環境モニタリングステーションにおける温室効果ガス等の大気微量成分の試験モニタリングを新たに開始した。