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第3節 その他条約等に基づく国際協力

(1) 南極条約等について
 1991年(平成3年)10月に、地球環境保全の体制作りの重要性が強調されるなかで南極における包括的環境保護の枠組みとして採択された「環境保護に関する南極条約議定書」について、我が国は、平成4年9月に署名した。
 また、1961年(昭和36年)6月に発効した南極条約に基づく南極条約協議国会議が1992年(平成4年)11月にイタリア(ヴェネチア)で開催され、次回会議が平成6年春に我が国で行われることが決定した。
(2) 世界遺産条約について
 「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」(世界遺産条約)は1972年(昭和47年)11月に採択され、1975年(昭和50年)12月に発効した。我が国は平成4年6月に受諾し、同年9月に我が国について発効した。平成4年10月には、この条約に基づき、関係する環境庁、外務省、文化庁、林野庁等が連絡調整を図り、自然遺産の候補地として白神山地及び屋久島の2地域を世界遺産委員会に推薦した。
(3) 日米環境保護協力協定に基づく活動
 1985年(昭和50年)8月に日米環境保護協カ協定が締結されて以来、同協定に基づき広範な環境問題を討議するため、閣僚レベルによる合同企画調整委員会を過去9回開催している。
 また、同協定に基づき、現在15のプロジェクトが設置されており、情報交換、会議の開催、専門家の交流が進められている。
(4) 天然資源の開発利用に関する日米会議(UJNR)の下での活動
 1964年(昭和39年)に設置されたUJNR傘下の保全・レクリエーション・公園専門部会のパネル会合が、これまでに15回開催されているが、平成4年度は、情報交換を引き続き行った。
(5) 日米科学技術協力協定に基づく活動
 1980年(昭和55年)に締結された旧協定に代わる新日米科学技術協力協定が1988年6月に締結され、閣僚級の合同高級委員会がこれまで3回開催された。同協定の附属書Iにおいては、7つの主要協力分野が挙げられており、このうち「地球科学及び地球環境」分野においては現在47プロジェクトが合意され共同研究等を行っている。
(6) 日・EC環境高級事務レベル会合
 1991年(平成3年)7月に発出された日・EC共同宣言において、環境分野における日本とEC間の協力の必要性が強調され、これを受けて、1992年1月に第1回日・EC環境高級事務レベル会合が東京において開催され、具体的な協力プロジェクトについて協議された。さらに12月には、ブラッセルで、第2回同会合が行われ、着実に日・EC間の協力が進展している。
(7) 日独科学技術協力協定に基づく活動
 1974年(昭和49年)に締結された日独科学技術協力協定に基づき「環境保護技術パネル」が設置され、1976年以来協力が行われている。同パネルは、日本とドイツで交互に毎年1回づつこれまで14回開催されており、閉鎖性水域における富栄養化など9つの協力テーマについて情報交換等が行われている。
 第14回会合は、1991年11月に開催され、環境保護技術分野における両国の研究開発の一般的動向、既存の研究テーマに関する研究開発の現状と協力実施状況について意見交換が行われた。
(8) 日中科学技術協力協定に基づく活動
 1980年(昭和55年)に締結された日中科学技術協力協定に基づく第6回日中科学技術協力委員会が1992年6月に東京で開催され、「大気汚染の防止等公害防止に関する研究」等の既存案件の継続と「東アジアにおける酸性雨共同研究」等の新規案件の実施が合意された。
(9) 日韓科学技術協力協定に基づく活動
 1985年(昭和60年)に締結された日韓科学技術協力協定に基づく第6回日韓科学技術協力委員会が1993年2月に東京で開催され、「酸性雨調査研究協力」等の既存案件の継続と「都市スモック現象と拡散型開発研究」等の新規案件の実施について合意された。
(10) その他の国との科挙技術協力協定に基づく主な活動
 1986年(昭和61年)に締結された日加科学技術協力協定に基づき、1992年10月に第4回合同委員会が東京において開催され、環境関連個別協議において活発な協議が行われた。
 また、1973年に締結された日ソ科学技術協力協定に基づき、1993年2月に日ロ科学技術協力委員会第一回会議がモスクワにおいて開催され、「バイカル湖における地球環境変遷史の復元」等のテーマが合意された。

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