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第1節 

9 開発途上国の公害問題への取組

 開発途上国においては、貧困や人口圧力等を背景として、森林の減少や砂漠化が進むとともに、都市化、工業化等の進展に伴い、大気汚染、水質汚濁等の公害問題が深刻化している。さらに、東欧諸国や旧ソ連地域においても、冷戦構造の終焉に伴い、環境保全対策を軽視した計画経済の下で深刻な公害問題が生じていたことが明らかになってきた。このように世界中至る所で公害問題が発生しており、地球全体でみた場合には開発途上国等の公害問題はもはや局所的に限定されたものとは言えなくなっている。
 ところがこれらの開発途上国等の多くは、公害問題に十分に対処していくだけの経済的、技術的、人的あるいは制度的基盤を有しておらず、有効な対策を進めるためには自国の努力に加えて先進国等の協力が不可欠となっている。
 このような状況の下、我が国でも「地球環境保全に関する関係閣僚会議」で開発途上国の公害問題を国際的に取組を進めていかなければならない問題として取り上げ、これまで政府開発援助等を通じて積極的な取組を進めてきたところである(第4節「開発途上国等に対する環境協力等」参照)。

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