前のページ 次のページ

第4節 

2 鳥獣の保護管理対策の強化

(1) 鳥獣保護区の設定等鳥猷保護事業の推進
 新たに涛沸湖を国設鳥獣保護区として設定し、あわせて特別保護地区を指定した。また、第7次鳥獣保護事業計画に基づき都道府県設鳥獣保護区等の設定、有害鳥獣の駆除、傷病鳥獣保護等各種の鳥獣保護事業を推進した(第7-4-1表)。


(2) 渡り鳥保護対策の推進
 国設鳥獣保護区であり、ラムサール条約の登録湿地にも指定されている宮城県の伊豆沼において、コハクチョウをはじめとした水鳥類の生息環境を保全するため、マコモの植栽による環境整備事業を実施した。
 また、平成5年6月に釧路市で開催されるラムサール条約第5回締約国会議に向けて、滋賀県大津市と北海道釧路市において、平成4年10月、関係地方公共団体及び民間団体との共催により、アジア湿地シンポジウムを開催した。シンポジウムには、アジア各国及び国内の専門家、行政担当者、民間団体のメンバー等約150名が参加し、湿地と水鳥類の保護に関する意見交換が行われた。
 その他、渡りや移動の経路等渡り鳥の生態を把握するため、全国60箇所の鳥類観測ステーション(1級10カ所、2級50カ所)を中心に、標識調査を実施した。また、ガン・カモ類及びシギ・チドリ類の渡来状況の基礎データを把握するため、ガン・カモ科鳥類の生息調査及び定点調査を実施した。
(3) 鳥獣保護及び被害防止対策
 野生鳥獣の保護と人間生活の共存を図る指針づくりを目的に「特定野生鳥獣保護管理マニュアル策定事業」を平成4年度から実施し、初年度はシカを対象種とした。また、ニホンザル及びツキノワグマについて、農林被害防止などを目的とした個体群管理手法及び防止技術の確立のための調査等を実施した。さらに、カラス、ドバト及びシカについて害性対策調査を実施した。
 なお、カモシカについては林業等への被害を防止するため、環境庁、文化庁及び林野庁の三庁での合意に基づき、保護と被害防止のための措置を講じているが、その一環として被害の著しい岐阜、長野、愛知、山形の各県において個体数の調整を実施した。

前のページ 次のページ