2 地球環境に関する調査研究等の推進
科学的知見に基づいた地球環境保全を的確に推進し、世界に貢献するため、地球環境保全に関する関係閣僚会議の定める地球環境保全に関する調査研究等の総合推進計画に基づき、調査研究、観測・監視及び技術開発を計画的に実施する。
(1) 調査研究の推進
地球環境に関する調査研究は、地球環境問題を地球的規模に及ぶ様々な問題を問題群としてとらえ、以下の区分に応じて総合的に推進する。
ア 地球環境問題に関連する地球の諸現象に関する調査研究
イ 人の活動が地球環境に及ぼす影響及び地球環境の変化が人の健康、生態系等に及ぼす影響に関する調査研究
ウ 地球環境を保全するための施策の立案に関する調査研究
また、世界気候研究計画(WCRP)、地球圏・生物圏国際共同研究計画(IGBP)等国際的な地球環境研究計画に参加・連携し、適切な分担を踏まえた調査研究を行うとともに、外国の研究機関等との共同研究等を推進する。外国の研究機関との共同研究等を推進する。平成2年度においては、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)等において国際的な検討が進められている地球温暖化に関する調査研究を特に重点的に推進する。その際、地球温暖化の原因解明、温暖化による生活環境、生態系等への影響、温暖化対策の立案等の調査研究を総合的に推進するとともに、熱帯林、海洋等地球温暖化に関連する各調査研究との連携を図る。
(2) 観測・監視の推進
地球環境に関する観測・監視は、分野、項目、地点、手法等多岐にわたるため、その方法等について国際的な観測・監視計画との整合性を図りつつ、観測・監視実施機関は相互にその結果を交換する。
また、地球環境モニタリングシステム(GEMS)、全球大気監視(GAW)計画、全世界海洋情報サービスシステム(IGOSS)等の国際的観測・監視計画に参加・連携して適切な分担を踏まえた観測・監視を行うとともに、国際的なネットワークを形成する。
(3) 技術開発の推進
汚染物質等の直接的な処理技術はもとより、資源、エネルギーの効率利用等の技術を含め「持続可能な開発」の推進のため、地球環境の変化を緩和するための技術開発を行う。また、変わりつつある環境に適合するための技術開発も行う。なお、特定の地球環境問題の解決のための技術が他の環境問題等を起こさないようその開発に当たり配慮するとともに、開発途上国に適した技術の開発をも推進する。平成2年度においては、地球温暖化問題を中心に、国際的に対応が必要になっている分野において必要となる技術開発を重点的に推進する。