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第3節 

2 快適で環境にやさしい地域づくりの推進

 豊かな緑や清らかな水辺、美しい街並みや歴史的な雰囲気などといった快適な環境(アメニティ)は、私たちの生活に潤いとやすらぎをもたらす。国民の生活環境に対するニーズが高度化している今日では、公害の防止や自然環境の保全にとどまらず、このような快適な環境を積極的に創造していくことがますます重要となってきている。
 環境の快適性を高めるための快適環境づくりの施策としては、?緑や水といった快適な環境に親しむための施設の整備、?身の回りにある樹林地や水辺などの良好な自然の保全、?道路や街並みの景観など快適な都市・生活空間の創出、?日常生活において、環境に配慮した生活・行動ルールを確保するための施策、?環境の質を高める歴史的・文化的事物の保存などのハード・ソフト両面にわたって様々なものが考えられる。このため、快適環境づくりは、行政、住民、企業等がそれぞれの役割分担を明確にしつつ、これらの施策を地域の特性に応じて選択し、快適性向上のための方向づけを行い、施策の総合的、計画的な展開を図る必要がある。
 このような観点から、平成元年度においては、引き続き管下の市町村に快適な環境づくりを普及・促進する基本的方向を示した「アメニティ・マスタープラン」を策定する都道府県に対し助成を行った。
 また、各地の取組事例の紹介を通じて快適環境作りの意識を全国的に広く普及させるためのシンポジウムを開催した。
 さらに、平成元年度10月に、快適環境づくりにおいて顕著な実績をあげている地方公共団体を表彰する「アメニティあふれるまちづくり優良地方公共団体表彰制度」を創設した。
 また、現在の都市は、都市機能の効率化を主目的に形成されてきたため、都市内に存在する身近な自然を喪失させているだけでなく、エネルギーの非効率・高密度利用等によって都市の生態系循環を損ない、熱帯夜の増大等の環境問題を引き起こすとともに地球環境へも大きな負荷を与えている。
 そこで、環境への負荷の少ない都市づくりを進めるため、透水性の舗装、下水道からの排熱利用、自然エネルギー利用等環境保全型の都市システムを導入し、都市の生態系循環を再生していくための構造的な対策が必要になっている。このため、平成元年度より環境保全型の都市システムの導入や都市内の自然の保持を総合的に推進するための計画(エコポリス計画)を策定する地方公共団体に対し助成措置を講じている。

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