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第4章 地球にやさしい足元からの行動に向けて

 前章においては、国民生活や世界における我が国の経済活動とかかわりの深いエネルギーと森林資源の利用に伴う様々な環境問題を取り上げ、詳細な分析を行うとともに今後の環境政策の進むべき方向を模索してきたが、ここで再び地球環境が直面する問題全般に立ち返って、我が国が地球社会の一員として、人類共通の未来を脅かすこの重要な課題にいかに取り組んでいくべきかを述べることとしよう。
 地球環境問題への取組に当たっての基本的考え方及び世界への貢献の方向については、一昨年の当日書(昭和63年版環境白書)において提唱したところであるので、以下では、この方向に沿ったその後の進展の状況を踏まえながら、国、地方公共団体、民間企業あるいは事業者、一般国民等の主体ごとに、地球環境問題に対する対応戦略と新しい「環境倫理」の確立に向けて、社会各層のなすべき具体的な実践の方途を明らかにする。なお、これらに共通する「持続可能な開発」のための開発援助のあり方については、別に節を立てて論ずることとする。

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