ラムサール条約湿地とは

「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約(ラムサール条約)」の締約国は、自国の湿地を条約で定められた国際的な基準に従って指定し、条約事務局が管理する「国際的に重要な湿地に係る登録簿」に掲載します。これが「ラムサール条約湿地」です。

湿地とは

ラムサール条約では、「湿地とは、天然のものであるか人工のものであるか、永続的なものであるか一時的なものであるかを問わず、更には水が滞っているか流れているか、淡水であるか汽水であるか鹹水(海水)であるかを問わず、沼沢地、湿原、泥炭地又は水域をいい、低潮時における水深が6メートルを超えない海域を含む。」(条約第1条1)と定義しています。これには、湿原、湖沼、ダム湖、河川、ため池、湧水地、水田、遊水池、地下水系、塩性湿地、マングローブ林、干潟、藻場、サンゴ礁などが含まれます。

詳しい湿地の分類はこちら

国際的に重要な湿地の基準

国際的な基準は次のとおり定められています。

基準グループA 代表的、希少又は特有な湿地タイプの湿地

基準1:
適切な生物地理区における「自然状態の」又は「自然状態に近い」代表的、希少又は特有な湿地タイプを含む湿地

基準グループB 生物多様性の保全のために国際的に重要な湿地種及び生態学的群集に基づく基準

基準2:
危急種、絶滅危惧種又は近絶滅種、又は絶滅のおそれのある生態学的群集を支えている湿地
基準3:
特定の生物地理区における生物多様性の維持に重要な動植物種を支えている湿地
基準4:
動植物種の生活環の重要な段階を支えている湿地。又は悪条件下において動植物種に避難場所を提供している湿地

水鳥の特別基準

基準5:
2万羽以上の水鳥を定期的に支えている湿地
基準6:
水鳥の一種または一亜種の一個体群の個体数の1%を定期的に支えている湿地

魚類の特別基準

基準7:
湿地の恩恵や価値を代表する固有な魚類の亜種、種、又は科、生活史の諸段階、種間相互作用、個体群の相当な割合を支えており、それによって地球規模の生物多様性に貢献している湿地
基準8:
採餌場、産卵場、稚魚の生育場、回遊路として湿地内外の魚類資源が依存している湿地

その他の種群に基づく特別基準

基準9:
湿地に依存する、鳥類以外の動物の一種又は一亜種の一個体群の個体数の1%を定期的に支えている湿地

英語の基準はこちら

ラムサール条約のホームページ(英語)です。

日本での登録条件

日本は、次の条件を満たしている湿地を登録しています。

  1. 国際的に重要な湿地であること(国際的な基準のうちいずれかに該当すること)
  2. 国の法律(自然公園法、鳥獣保護管理法など)により、将来にわたって、自然環境の保全が図られること
  3. 地元住民などから登録への賛意が得られること
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