ページ内を移動するためのリンク
本文(c)へ
大山隠岐国立公園(PC表示) 大山隠岐国立公園(SP表示)

大山隠岐国立公園のストーリー

大山隠岐国立公園は、中国地方最高峰の大山から蒜山一帯および三徳山一帯の山岳地帯、三瓶山、島根半島の海岸部、そして隠岐諸島の4つの地域から成り立っている。これらの地域は「国引き神話」を始めとした神話・信仰の舞台となっており、自然と結びついた文化や人々の生業が今に息づいている。
山地部は、火山地形、森林と草原など、多様な要素で構成され、それぞれに個性的な山岳景観を呈している。なかでも見る角度によって表情を変える大山は、標高800〜1300m地帯に、西日本最大規模のブナ林が残る。
また、大山は歴史上最古の神山として知られ、三徳山は山岳修行の聖地として知られている。 出雲大社が鎮座する島根半島の各地には、「国引き神話」を始めとする日本神話にまつわる名所旧跡が残る。
隠岐諸島は、ダイナミックな大地の活動により形成された島しょ景観や海岸景観が魅力だ。大地の成り立ちや離島独自の生態系、そこで育まれてきた人の営みも評価され「ユネスコ世界ジオパーク」に認定されている。

神話の時代から残る自然と人の営みの歴史

8世紀前半に編纂された『出雲国風土記』の「国引き神話」では、神様が国造りのために大陸や隠岐諸島から土地を引っ張って出雲とつなげたときの綱を結んだ杭が、現在の大山や三瓶山になったとする。登場する地はいずれも大山隠岐国立公園に位置し、公園区域全体が神話の舞台と言える。

島根半島東端に位置する美保神社では、『古事記』『日本書紀』に記される「国譲り神話」にちなんだ神事が地域行事として伝承され、島根半島西端に位置する日御碕神社では、夕日を象徴する神として天照大御神を祀ってきた。出雲大社は、主祭神である大国主大神が国を譲る際、天照大御神の使者が建てた宮と伝わる。本殿は日本最古の神社建築様式で国宝。毎年旧暦の10月は、他の土地では神様が留守になるので「神無月」と呼ぶが、出雲では「神在月」と呼ぶ。全国の八百万の神たちが出雲に集結し、目に見えない様々な「縁」を結ぶ話し合いが行われる。

この地域では、「神」がとても身近な存在だ。古来日本人は、山や火などの自然を信仰し、森羅万象に「神」が宿ると考えてきた。その考え方は、自然との付き合い方や生活習慣に深く根付いている。大山隠岐国立公園は、日本人が持つ価値観、精神性に触れることができる国立公園なのだ。

出雲大社本殿
大社造と呼ばれる日本最古の神社建築様式の神殿で国宝。現在の建物は1744年に造営されたもので高さが24mある。
大山のたいまつ行列
毎年6月最初の週末に行われる「大山夏山開き祭」の前夜祭として行われる。およそ2,000人がたいまつを掲げ参道を練り歩く。
島根半島からの夕日
古代日本の政権の中心地である大和地方から見て、日が沈む地として認識されていた出雲地方。現在も夕刻への特別な思いが残る。
三瓶山
男三瓶山、女三瓶山などの6つの峰が火口を囲むように連なり、その中央には室ノ内池が、麓にも2つの湖がある。

2億5千万年前からの大地の歴史が残るジオパーク

島根半島の北40〜80㎞の日本海に位置する隠岐諸島。

隠岐の大地は時代ごとにその姿を〝七変化〟させており、太古からの大地の成り立ちを身近に体験できる。例えば、ユーラシア大陸と地続きだった約2億5千万年前に形成された岩石を、集落にある神社で踏みしめ、日本海が湖だった約2300万年前の地層に触れることもできる。深い海底だった時代の化石をビジターセンターで見てから島を巡れば、眼前に広がる火山活動によって隆起した時代の岩石・地層の力強さを感じられるだろう。現在の隠岐は、島根半島と地続きになった時代を経て、1万年ほど前に形作られたため、その頃に本土からやってきて、取り残された生き物たち独自の生態系も観察できる。

日本列島の形成を垣間見ることができる地形や地質の価値が、世界レベルで認められ、ユネスコ世界ジオパークにもなった。打ち寄せる波や火山の溶岩が造った断崖、大小の島々が浮かぶ景観など、悠久の歴史が刻んだ大地のアートが海岸線の至る所に見られる。

また、この地形と日本海側の潮の満ち引きを利用した「船小屋」が連なる港や鎌倉時代に隠岐に流刑された後鳥羽上皇を慰めるために始まった「牛突き」など、本土にはない独自の文化や歴史、人の営みが島々に息づいている。

牛突き
800年の歴史を持つ隠岐の牛突き。年3回行われる本場所以外に「観光牛突き」も行われており、こちらは勝負をつけず引き分けにする。
赤壁
知夫里島の西海岸にある、赤、黄、茶色などの色鮮やかな崖。約600万年前の火山の断面で50〜200mほどの高さがある。
国賀海岸
隠岐諸島西ノ島北西部に位置し、海の波の作用で発達する断崖絶壁である一方で、牛馬が放牧されている牧草地でもある。
船小屋
隠岐諸島、島後の都万湾に100mにわたり並んで建つ、木造平屋の船小屋。古きよき時代の漁村の風情を今に伝える建築物。

ここからサイトのご利用案内です。

サイトのご利用案内ここまでです。