屋久島は、九州本島最南端から南方約60km、東シナ海と太平洋の間に位置する島です。島の中央には、九州最高峰の宮之浦岳(1,936m)を主峰とする山岳が連座し、その山腹を多数の河川が深い谷を刻んで流下しています。温暖多雨な気候で年間降水量は平野部で4千ミリ、山頂部は1万ミリを超えるといわれています。遺産地域はこの屋久島の中心部から西の海岸部におよぶ約10,700haの地域です。
屋久島では、海岸付近の亜熱帯植生から、暖温帯植生、温帯植生を経て、山頂付近の亜高山帯植生に至る多様な植生の垂直分布が顕著にみられ、多くの固有種や絶滅のおそれのある動植物などが生育、生息しています。また樹齢数千年に及ぶとされる巨大なヤクスギを含む原生的なスギ林は、世界に類を見ない屋久島固有の特異な森林景観をみせています。
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