狩猟の意義や役割
狩猟とは、野生鳥獣を捕まえる営みです。狩猟ができる人(ハンター)は、野生鳥獣に対する深い理解と感謝の念を持ち、とらえた獲物を「いただく」ことをとても大切にします。さらに現在では、ハンターは社会的役割も担うようになってきています。社会的役割とは、増えすぎたシカ等が引き起こす様々な被害(生態系への被害、農作物への被害、人の生活環境への被害)を抑制するために、ハンターがシカ等の生息数を適正に調整することです。
- シカによる被害の現状と狩猟の役割[PDF:475KB]
(本ページの情報をダウンロード用にまとめたものです) - 狩猟のことや役割についてもう少し詳しく知ろう![PDF:2.05MB]
(子どもにもわかりやすいように解説したものです)
シカが日本の自然を食べつくす!?
シカは、植物を食べる日本の在来種で、全国で分布を拡大し個体数が増加しています。シカが増えるのは良いことと思うかもしれませんが、全国で生態系や農林業に及ぼす被害が深刻な状況となっています。
樹皮を食べられた木々が枯れ、森林が衰退することで、そこをすみかとする多くの動植物に影響を与える例も見られます。森林をはじめとする植生への影響が深刻な地域は、尾瀬や南アルプスなど日本の生物多様性の屋台骨である国立公園にもおよんでいます。


シカによる高山植物への影響

その他の被害等の様子

シカによる樹皮剥ぎの状況。樹幹が一周剥がされると木は枯れてしまいます。
写真:環境省

シカにより植物がほとんどなくなったと考えられる林内の様子(標高約2,800m)。
写真:環境省

イノシシに踏み倒されたイネ。
写真:EAC
- 農林水産業被害の詳細については、農林水産省 鳥獣被害対策コーナーをご参照下さい。
なぜシカが増えたのか
シカが増えた要因は、様々なものが関係しているといわれています。
- 人間が、シカを肉や毛皮として利用する機会が減り、シカの捕獲数が減ったため
- ハンターの高齢化・減少により、シカの捕獲数が減ったため
- 積雪が減り、シカが生息できる範囲が増え、冬を乗り越えられるようになったため
- 放棄された農地が増え、雑草や低木がシカの餌資源として利用されたため 等
シカなどによる被害への様々な取組と課題
人間と野生鳥獣の適切な関係をこれからも続けていくためには、絶滅のおそれのある鳥獣は積極的に保護し、逆に、シカのように自然環境や人間生活に被害をもたらすほど数が増えた鳥獣は、被害防除を行うとともに、必要に応じてその数を抑制する等の対策が必要です。
対策の例
植生保護柵の設置
シカが、植物などを食べ荒らすのを防ぐために、シカが侵入できないよう柵やネットを設置しています。

写真:EAC
捕獲による適正な数への誘導
ハンターによる狩猟は、増えすぎたシカなどを適正な数に調整するために役立っています。

写真:北海道立総合研究機構
環境科学研究センター
今、求められるハンターの技術
ハンターは、野生鳥獣に対する深い理解と感謝の念を持ち、とらえた獲物を「いただく」ことをとても大切にします。また、ハンターは、狩猟免許試験に合格して狩猟免許を受けており、猟具(銃器、わな、網)の安全で適切な使用に関する知識と技術を持っています。

くくりわなの設置の様子。
猟具を適切に扱うには、知識と技術が必要です。
写真:EAC

エゾシカロースト。
感謝して美味しくいただきます。
写真:北海道
減少・高齢化が進むハンター
こうした倫理観、知識、技術を持つハンターが行う狩猟は、野生鳥獣の個体数を適正に維持し、野生鳥獣と人が共存していくために、重要な役割を担っています。一方で、近年ハンターの減少や高齢化が顕著です(狩猟者数は、昭和50年代の50万人以上をピークに、平成22年度は、20万人以下まで減少し、さらに60歳以上が60%以上を占めています)。