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Interview自然系 職員インタビュー
- どんな仕事をしているのですか
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在ケニア日本国大使館では国連班にメインで所属しつつ、経済・経済協力班業務も担当しています。
国連班では、当地ナイロビに本部が所在する国連環境計画(UNEP)に関係する業務を主に担当しています。常駐副代表として日本政府を代表してUNEPの会合に出席対応する他、日本政府の拠出予算による事業の管理、その他UNEPへの連絡等々を日本側の窓口として行っています。また、UNEPのみならず、ナイロビの国際機関に勤める日本人職員の方々との連絡調整も行っています。
経済・経済協力班では、気候変動や廃棄物管理等の環境分野を担当しています。気候変動に関しては、日本とケニアの間で構築されている「二国間クレジット制度(JCM)」、廃棄物分野では、JICAによる技術協力プロジェクトが動いている最中です。 - 海外での生活はどんな感じですか。困ったことはありますか(生活や語学など)
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以前もケニアには遊びと仕事で来たことがあったので知っていましたが、ナイロビは高層ビルが建ち並ぶ都会で、基本的にいろんな生活物資も手に入る便利なところです。大型ショッピングモールがいくつもあり、スーパーマーケットもレストランもなんでも家までデリバリーしてくれます。日本米や醤油、お味噌なども買えます。もちろん、治安は日本と比較すれば悪いですが、危ないエリアには立ち寄らない・徒歩移動しない等の基本的なことを守っていれば、さほど危険な目に遭うこともありません。外をぶらぶら散歩できないのは残念ですが、運動したい人はアパートに大抵ついているジムに行ったりしています。停電や断水も時々ありますが、そこまでひどくはありません。
困った点を強いて挙げるとすれば、特に朝夕のひどい交通渋滞です。ナイロビの人口は増加する一方で、その分交通量も増えているため、週末だったら10分で行けるところを、平日夕方は1時間以上かかることもあります。交通ルールがきちんと守られず、車線もあってないようなもので、皆とても荒い運転をしています。最近私は平日も自分で運転するようになったのですが、最終的には慣れの問題かなという気もしています。
暑い場所というイメージがあるかもしれませんが、ナイロビは標高が高いこともあり、一年を通じ涼しく、湿度も低いため非常に過ごしやすいです。
大好きな野生生物を見にサファリに気軽に行けるので、ここでの生活をとても楽しんでいます。 - いまの仕事のやりがい
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UNEP関係の会議は、自分が日本政府を代表して発言対応するという緊張感と責任感が常にありますが、地球規模の環境課題に関して、各国の代表者たち(=私と同じように、各国の在ケニア大使館に駐在している担当官)と一緒になって議論でき、それぞれの国が重視するポイントやトレンドを知ることができるのは、とても面白いです。会議の場では立場が異なることがあっても、各国代表者たちとはプライベート含め良い関係を築いており、皆で和気あいあいと食事に行けたりするのは、皆が同じ立場でナイロビに駐在しているからこそと思います。本省で条約の担当をしていたときにその条約の会議に出席したこともありますが、単に年一回の会議で会うだけの関係性とは異なり、連帯感のようなものを感じます。
日本-ケニアの経済協力に関しては、発展途上国の中ではかなり発展度の高いケニアと言えど、日本の高い技術力や、きめ細やかな支援に対する高い期待を感じます。具体的な案件や現場があるので、日本の支援の状況を直接自分の目で確認し、地域の方々が喜んでいる様子を見ることができるのは非常にうれしいですし、本省からの遠隔での業務とはまた異なる点だと思います。
とは言え、国際機関やケニア政府・郡政府などの仕事の進め方が、日本の役所とはだいぶ異なり、スムーズにいかないことも多々あります。例えば日本では、一人だけではなく複数名で案件を見るので、お互いにカバーし合ったり、きちんと内部での確認や意思決定を経て組織として動くとか、タイムラインを決めたらそれに向けた段取りをしっかり組んで順々にステップを踏んでいくとか、時間をきちんと守るとか色々ありますが、そのあたりの文化がやはり異なるので、その違いを認識しつつ対応するようにしています。
国内で勤務していたときは、自分の比較的狭い担当業務に注力しがちでしたが、現在は環境分野を見ている担当官は大使館では私一人なので、今までどっぷり浸かっていた国立公園や野生生物といった生物多様性分野以外に、気候変動や廃棄物管理等の業務にも携われるようになり、幅が広がった感じがします。 - 学生へのメッセージ
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私自身は学生時代に、漠然と「何か野生生物に関わる仕事がしたいな」と思いつつ、そのような企業は多くないのでどうしたものかなと思っていました。そのようなときに環境省の採用パンフレットを見て、私が大好きなケニア(学生時代にサファリをしに旅行したことがありました。)のポストがあるのを知り、「環境省に入ったら自然ぽい仕事ができるし、ケニアにも行ける!」という何とも不純な動機を抱き、幸いにも自然系職種で採用されました。実際に入ってみると、当初やりたいと思っていた野生生物行政以外の業務も非常に面白く、また国内各地の赴任地では、地元の方々と一緒になってあれこれ悩んだり、喜んだり、実際に現場が目の前にあるからこその醍醐味を感じることができました。
環境行政の幅はますます広がっており、日本のみならず地球規模の課題でもあることから国際業務のウェイトも増しています。将来はまたさらに新たな業務が生まれている可能性もありますし、環境省本省の各部署や地方、民間や他機関等への出向などを通じて、様々な立場・視点で環境分野に携わり経験を積めるのはとても面白いです。 - これまでの経歴と担当業務の概要
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2011年入省/Ⅰ種農学Ⅲ
環境省入省後、本省や釧路自然環境事務所勤務(知床担当)の後、奄美において野生生物業務を、やんばるにおいて国立公園の保護管理を担う自然保護官として勤務。その後、本省勤務(ワシントン条約担当、海洋保護区担当)、外務本省(生物多様性条約担当)への出向を経て、現在は外務省在ケニア日本国大使館において、国連環境計画(UNEP)やケニアに対するODAのうち環境案件を担当。