「3つのC」でリチウムイオン電池の火災を防ぐ

[ 特集 ]図解でわかる!環境問題「3つのC」で
リチウムイオン電池の火災を防ぐ

スマートフォンやノートパソコンをはじめ、
さまざまな製品を支えるリチウムイオン電池。

繰り返し充電できる便利な電池ですが、
その一方で、発火や火災につながるリスクもあります。

環境省では、11月を「リチウムイオン電池による火災防止月間」として、
関係省庁や自治体、事業者などと連携した周知啓発を進めています。

便利だからこそ知っておきたい、
リチウムイオン電池との上手な付き合い方として「3つのC」を紹介します。

リチウムイオン電池って何?

世の中を変えたリチウムイオン電池

多様な用途で社会を支えるリチウムイオン電池

未来を拓く技術でノーベル賞に

スマートフォンやノートパソコン、モバイルバッテリー、ワイヤレスイヤホンなど、私たちの身の周りの製品にはリチウムイオン電池が広く使われています。軽量で大容量、さらに繰り返し充電できるリチウムイオン電池は、現代の暮らしや社会を支える重要な技術です。その技術は高く評価され、2019年には、開発に貢献した吉野彰氏をはじめとする3名の研究者がノーベル化学賞を受賞しました。私たちの暮らしをより便利にし、これからの社会にとって欠かせない存在だからこそ、その特性を知り、正しく付き合っていくことが大切です。

世界市場における小型民生用蓄電池の推移(容量ベース)

まだまだ広がるリチウムイオン電池の利用

リチウムイオン電池は、スマートフォンやノートパソコンなどの普及とともに世界規模で飛躍的に市場を拡大してきました。また、これまでになかった便利な製品を次々と生み出す原動力にもなっています。近年では、EV(電気自動車)、住宅や施設などに設置して電気を蓄える定置用蓄電池などにも用途が広がり、リチウムイオン電池全体の需要も大きく伸び続けています。次はどんな製品やサービスが生まれるのでしょうか。リチウムイオン電池の進化は、未来の暮らしにも大きな可能性をもたらし、ますます重要性は高まっていくでしょう。

便利な一方で発火のリスクも

火元はリチウムイオン電池!?

リチウムイオン電池等から出火した火災件数/ごみ収集車・ごみ処理施設での火災事故等発生件数

廃棄物処理に大きな影響

とても便利なリチウムイオン電池ですが、実はリスクもあります。その普及に伴い、発火による火災が増えています。一般住宅や公共交通機関などで発生する発火や火災だけでなく、適切に分別されずに捨てられたリチウムイオン電池による発火や火災が、ごみ処理施設やごみ収集車で大きな問題になっているのです。それは施設や車両の損傷にとどまらず、ごみの収集・処理が停止してしまうなど、地域の暮らしにも大きな影響を及ぼします。現在では、ごみ処理施設やごみ収集車において、リチウムイオン電池が火災の主要な原因の一つになっており、適切な廃棄方法の徹底が強く求められています。

発火リスクを高める主な要因・異常のサイン

思わぬきっかけで発火することも!?

リチウムイオン電池は、衝撃や圧力、高温、過充電、経年劣化などによって内部に異常が生じると、発熱・発火につながることがあります。落としたり強い力を加えたりした電池や、高温になる場所で保管した電池、膨張した電池をそのまま使うのは危険です。少しでも異常を感じたら使用を中止し、適切に廃棄しましょう。

リチウムイオン電池との正しい向き合い方

火災を防ぐ「選ぶ、使う、捨てる」

それぞれの場面で適切な取り扱いを

リチウムイオン電池による火災を防ぐために、購入する際には「賢く選ぶ」、使用する際には「丁寧に使う」、廃棄する際には「正しく捨てる」――それぞれの場面で、適切に取り扱うことが大切です。特に廃棄する際は、お住まいの自治体の分別ルールに従うほか、販売店などに設置された回収BOXなどを利用しましょう。適切に廃棄・回収された電池からは、コバルトやニッケル、リチウムなどの貴重な資源を回収・再利用でき、新たな電池などの材料として生まれ変わらせることができます。一人ひとりの正しい行動が、火災を防ぎ、資源循環の未来につながります。

賢く選ぶ(Cool choice)・丁寧に使う(Careful use)・正しく捨てる(Correct disposal)

リチウムイオン電池の3つのC

リチウムイオン電池による発火・火災事故が増加していることを受け、国では関係省庁が連携して対策を進めています。消費者庁、総務省消防庁、経済産業省、国土交通省、環境省が協力し、事故防止に向けた啓発活動や適正な廃棄・回収・リサイクルの推進を実施しています。その取り組みの一つが、購入前から使用、廃棄まで安全な取り扱いを呼びかけるリチウムイオン電池の「3つのC」です。「3つのC」とは、賢く選ぶ(Cool choice)・丁寧に使う(Careful use)・正しく捨てる(Correct disposal)です。毎日のちょっとした心掛けが、事故の防止と資源の有効活用につながります。

ワンボイスでの呼びかけ リチウムイオン電池の「3つのC」

賢く選ぶ、丁寧に使う、正しく捨てる。
その輪を、社会全体へ

リチウムイオン電池の便利さをこれからも活かしていくためには、
一人ひとりが賢く選び、丁寧に使い、自治体のルールなどに従って正しく捨てることが大切です。

環境省では、啓発や回収などに取り組む自治体・事業者等を「LiB(リブ)パートナー」として認定し、
関係者が連携しながら火災事故防止や適正処理に取り組む輪を広げています。

私たち一人ひとりも、
「賢く選ぶ(Cool choice)・丁寧に使う(Careful use)・正しく捨てる(Correct disposal)」の
「3つのC」を実践し、火災事故を防止していきましょう。

構成・文/鈴木辰美
アートディレクション/三沢雄吾(imagenic)

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