ecojin’s eye

環境のことをもっと知りたくなる、
注目のキーワードや
ニュースをお届けします。

今月のキーワード 世界湖沼の日

世界湖沼の日

ポイント!

8月27日は「世界湖沼(こしょう)の日」(World Lake Day)。2024年に国連総会にて採択され、今年は記念すべき最初の年を迎えます。各国や国際機関が湖沼の重要性を認識し、力を合わせて湖沼および関連する生態系を持続可能な形で維持・保全・再生していくことを目指したものです。

1. 湖沼(こしょう)とは?
湖沼とは、四方を陸地で囲まれ、中に静止した水の塊がある場所のことです。日本には琵琶湖(滋賀県)、サロマ湖(北海道)など多くの湖沼が点在しており、太古から魚介類の恵みや水上交通、美しい景観など多くの恩恵を人々にもたらし、密接な関係を保ってきました。

2. 危機に瀕している湖沼環境
貴重な水資源である湖沼は、人々の生活を豊かにするとともに、生物多様性を支える役割も果たしています。人にとっては飲み水や農業用水、魚類や貝類などの水産資源をもたらす存在であり、同時に都市部でも水辺に触れることができる癒し・遊びの場でもあります。また、渡り鳥など多くの生物にとっては、生息場所や餌場となっています。

しかし現在、湖沼は数多くの課題を抱えています。気候変動による水温上昇、水草の大量繁茂、湖底の酸素量不足による水生生物の減少などによって、ここ数十年の間に多くの水生生物が脅かされ、絶滅の危機にさらされています。こうした課題に対処する必要がありますが、水資源や水環境をめぐる議論では海や河川に注目が集まりがちで、湖沼は話題の中心になりにくいという現実があります。

3. 世界湖沼の日
2024年12月、インドネシアが提案国となり、日本が共同提案国となって「世界湖沼の日」に関する国連決議案が、ニューヨークの国連総会で採択されました。この記念すべき日に選ばれた8月27日は、日本発祥の国際会議である「世界湖沼会議」の1回目が、1984年に滋賀県で開催された日です。湖沼の果たす重要な役割を世界の人々に知ってもらうためのよき日になるように、湖沼から恩恵を受けている私たちも意識を新たにする必要があります。これを機会に、皆さんの身近な場所にある湖沼に目を向けて、環境保全について考えてみませんか。

琵琶湖
琵琶湖
サロマ湖
サロマ湖

原稿/久保寺潤子
イラスト/丹下京子

CATEGORY