ちょっとecoに詳しくなる ecojin's EYE 環境のことを考えるヒントとなる、エコなキーワードを解説します。
今週のテーマ ふゆみずたんぼ
「ふゆみずたんぼ」は、冬の間も田んぼに水をためておく農法をいいます。通常、稲刈りをした後の田んぼは乾いた状態ですが、そこに水を張ることで、キツネなどが寄りつかなくなり、マガンなどの水鳥が安心して休んだり餌を取ったりできる環境が生まれます。そして、集まってきた水鳥のふんや水田に残った藁(わら)、稲株が、微生物やイトミミズ類の働きで天然の堆肥になり、農薬や化学肥料に頼らない田んぼができます。
ふゆみずたんぼで生き物や自然と共生しながら作られた米は、付加価値が高く、消費者からも高い評価を得ています。さらに、水鳥をはじめとする湿地に暮らす生き物の多様性の回復につながるなど、自然環境の保全にも貢献しています。ふゆみずたんぼは、生物多様性と農作物の生産、どちらにもメリットのある環境配慮型農法といえるでしょう。
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ふゆみずたんぼは、実は300年以上前の江戸時代に書かれた『会津農書』にも登場する、古くからある農法です。また、スペインの地中海沿岸でも、200年ほど前から収穫後の田んぼに水を入れる「ぺレローナ」という農法が行われていることが知られています。