エコ・ファースト制度実施規約

平成22年9月10日制定
平成26年1月23日改正
令和元年10月23日改正
令和2年11月30日改正

第1条(目的)

この規約は、エコ・ファーストの認定等に関し必要な事項を定めることにより、企業における環境保全に関する自主的な取組を促進することを目的とします。

第2条(認定の申請)

  • 1 エコ・ファーストの認定を求める企業(以下「申請企業」といいます。)は、当該企業の環境の保全に係る取組に関する約束案(以下「約束案」といいます。)を作成し、環境大臣の認定を申請することができます。
  • 2 約束案には、次に掲げる事項を記載しなければなりません。
    • (1)環境の保全に関する明示的な目標
    • (2)環境大臣への報告及び公表に関すること

      2の2 2(1)の明示的な目標の年次が申請の日から5年未満の場合は、可能な限り、申請の日から5年後又はそれ以降の年次についての目標も定めなければなりません。

  • 3 約束案には、次に掲げる書類を添付しなければなりません。
    • (1)申請企業の概要(設立年月日、資本金、事業所の名称、従業員数及び主要製品(又はサービス)名)を示す資料
    • (2)申請の日の属する事業年度の前事業年度における貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書及び個別注記表
    • (3)申請企業の業界シェアがわかる資料
    • (4)約束案が第3条第1項に該当する根拠となる資料(年次計画など、約束案の実現に向けた具体的取組及び同業他社との比較分析を含みます。)
  • 4 環境大臣は、原則として年1回定期的に申請企業を募集するものとします。
  • 5 環境大臣は、申請企業を募集するときは、前項の申請の受付開始日及び終了日について広く一般に示すものとします。

第3条(認定等)

  • 1 環境大臣は、前条による認定の申請があった場合において、次に掲げる要件に該当すると認められるときは、その申請に係る約束がエコ・ファーストである旨の認定をすることができます。
    • (1)約束案に記載された目標のうち、(a)から(h)までに掲げる分野の1つ以上の分野における目標が、①~③を総合的に判断して、エコ・ファーストにふさわしいものであること。
      • ①先進性:トップランナー足り得る高い目標であること、
      • ②独自性:業界の特色を生かしたオリジナルな目標であること、
      • ③波及効果:業界にインパクトを与え、当該業界における取組の向上を促すようなものであること、
    • (2)(1)の目標を含め、約束案に記載された目標のうち、(a)から(h)までに掲げる分野の3つ以上の分野における目標が、別表の基準に鑑みて、環境保全上適切な目標であること。
      • (a) 脱炭素社会への移行に係るもの
      • (b) 循環経済への移行に係るもの
      • (c) 大気、水又は土壌などの環境への負荷の低減に係るもの
      • (d) 化学物質の適正な管理及びリスクコミュニケーションの促進に係るもの
      • (e) 自然との共生に係るもの
      • (f) 環境教育の振興に係るもの
      • (g) 環境金融に係るもの
      • (h) その他環境の保全に係るもの
    • (3)認定企業の約束達成に向けた取組が、環境省が実施する施策の推進に寄与するものであること。
    • (4)申請した日又はその後において第7条第1項各号のいずれにも該当しないこと。
  • 2 環境大臣は、前項の認定に当たって必要があると認めるときは、学識経験を有する者の意見を聴くことができます。

第4条(エコ・ファースト・マークの使用)

前条の認定を受けた企業(以下「認定企業」といいます。)は、「エコ・ファースト・マーク使用規約」に従い、エコ・ファースト・マーク(商標登録第5239241号)を使用することができます。

第5条(報告及び公表等)

  • 1 認定企業は、約束された取組の進捗状況を定期的に把握することとし、その結果について環境大臣への報告及び公表を行うものとします。
  • 2 認定企業が約束の改善を行おうとする場合には、前項の報告を行うに先だって、環境大臣に対し、約束の改善の申請をすることができます。
  • 3 第2条第2項、第2項の2、第3項(4)及び第3条の規定は、前項の申請について準用します。

第6条(認定の有効期間等)

  • 1 第3条第1項の認定の有効期間は、認定を受けた日から起算して5年とします。
  • 2 前条第2項の約束の改善が認められた場合の前項の有効期間は、約束の改善が認められた日から起算するものとします。
  • 3 第1項の有効期間は、その満了の際、申請により更新することができます。
  • 4 第2条第2項、第2項の2、第3項(4)及び第3条の規定は、前項の申請について準用します。
  • 5 第3項の更新の申請が認められたときは、その認定の有効期間は、従前の認定の有効期間の満了の日の翌日から起算するものとします。
  • 6 第3項の更新の申請があった場合において、その認定の有効期間の満了の日までにその申請について認定又は不認定がされないときは、従前の認定は、その有効期間の満了後もその認定又は不認定がされるまでの間は、なお効力を有します。

第7条(認定の取消し等)

  • 1 環境大臣は、次に掲げる場合には、認定を取り消すことができます。
    • (1)不正の手段により第3条第1項の認定(第6条第2項の約束の改善及び第3項の認定の更新を含む。)を受けたとき。
    • (2)認定企業の約束達成に向けた取組が不十分であると認められたとき。
    • (3)認定企業に重大な法令違反又は公序良俗違反が認められたとき。
    • (4)合併その他の理由により、認定企業が第3条第1項の基準に適合しないこととなったと認められるとき。
  • 2 次に掲げる場合には、認定企業に対する認定は、効力を失います。
    • (1)認定を受けた約束のうち、同業他社と比較して先進性・独自性を有し、全国の模範となるようなものであると認められた分野における目標の目標年次が経過し たとき。
    • (2)合併その他の理由により認定企業が消滅したとき。
    • (3)認定企業が認定を辞退したとき。
  • 3 認定企業は、第1項各号及び第2項各号のいずれかに該当するに至ったときは、その旨を環境大臣に報告しなければなりません。

附則(平成22年9月10日)

  • 第1条 この規約は、平成22年9月10日から施行します。
  • 第2条 「エコ・ファースト・マークの使用認定に関する基準」は、廃止します。
  • 第3条 この規約が施行される際に、既に「エコ・ファースト・マークの使用認定に関する基準」に基づきエコ・ファーストの認定を受けている企業は、本規約の施行の日より一年以内に、この規約に準じて認定を受けなければ、認定の効力を失います。

附則(平成26年1月23日)

第1条(施行期日)

改正後の新規約(以下「新規約」といいます。)は、平成26年1月23日から施行します。

第2条(改正前の規約による認定企業に対する経過措置)

改正後の新規約が施行される際に、既に改正前の規約本則に基づきエコ・ファーストの認定を受けている企業は、新規約による認定を受けたものとみなします。

第3条(平成22年9月10日附則第3条の認定を受けた約束の変更)

平成22年9月10日附則第3条の規定に基づき改正前の規約に準じて認定を受けた企業が、その認定を受けた約束中のすべての目標年次の経過に伴いその約束を変更する場合、その変更の申請は、新規約第2条第1項の認定の申請とみなします。

附則(令和元年10月23日)

第1条(施行期日)

改正後の新規約は、令和元年10月23日から施行します。

第2条(改正前の規約による認定企業に対する経過措置)
改正後の新規約が施行される際に、既に改正前の規約本則に基づきエコ・ファーストの認定を受けている企業は、改正後の新規約による認定を受けたものとみなします。

附則(令和2年11月30日)

第1条(施行期日)

改正後の新規約は、令和2年11月30日から施行します。

第2条(改正前の規約による認定企業に対する経過措置)

改正後の新規約が施行される際に、既に改正前の規約本則に基づきエコ・ファーストの認定を受けている企業は、改正後の新規約による認定を受けたものとみなします。

別表(第3条第1項(2)関係)

(a) 脱炭素社会への移行に係るもの

温室効果ガス排出量2050年実質ゼロに向けて、以下の①の取組を行い、かつ、②~⑤のうちいずれか2つ以上の取組を行っていること。
  • ①温室効果ガス排出抑制等指針を活用した取組や温室効果ガス削減のための利用可能な最先端技術(Best Available Technologies :BAT)の最大限導入を前提としつつ、排出係数の低いエネルギーへの転換、再生可能エネルギーの導入、地球温暖化対策の推進に関する法律第26条に基づく温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度において調整後温室効果ガス排出量を算定する際に用いることが認められているクレジットの活用等も含めた温室効果ガスの排出量を2050年までに実質ゼロとする水準以上の目標を設定し、その達成に向けた取組を行うこと。BATの最大限導入については、導入するBATの内容及び削減効果を明らかにしていること。
  • ②自社の脱炭素型の製品・サービス・技術等の普及による温室効果ガス排出削減が促進されるよう、その削減効果を定量的に把握するとともに、国内外の消費者・顧客に積極的に削減効果についての情報提供・啓発を行っていること。
  • ③サプライチェーン全体での温室効果ガス排出量の把握・管理に係る取組に関する情報を公開していること。
  • ④自社の企業活動のカーボン・ニュートラルや、商品、サービス、会議及びイベントに係るカーボン・オフセットの取組を行い、認証ラベルを取得し、それらの取組を同業他社、消費者や顧客に情報発信や普及啓発を行っていること。
  • ⑤「TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」に賛同していること、「SBT(Science Based Targets)」認定を取得していること、又は「RE100」若しくは「再エネ100宣言 RE Action」に参加していること。

(b) 循環経済への移行に係るもの

以下の①~④の基準を満たし、かつ、⑤~⑫のいずれかの基準を満たしていること。
  • ①循環型社会形成推進基本法第11条に則ったものであること。
    また、同法第15条に基づいて策定される循環型社会形成推進基本計画に盛り込まれたいずれかの指標の目標の達成又は数値の改善に資するものであること。
  • ②循環型社会形成推進基本法第11条に則った取組については、直接の事業活動だけでなく、事務所内(オフィス)での社員一人一人の取組の実践も伴うものであること。
  • ③海洋プラスチックごみ対策に係る目標を掲げるに当たっては、「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」の実現に向けて、「海洋プラスチックごみ対策アクションプラン」で示された指標を踏まえ、海洋プラスチックごみの削減に係る数値的な目標であること。
  • ④プラスチックの資源循環に係る目標を掲げるに当たっては、「プラスチック資源循環戦略」に盛り込まれたマイルストーンの達成に貢献するものであること。
  • ⑤高度な廃棄物適正処理に関する取組
    具体的には、処理残さの発生がゼロであるか若しくは極めて少ないこと、処理困難な廃棄物の処理を行うこと、又はこれらと同等の取組を行っていること。
  • ⑥自動車リサイクル法
    自動車の設計及びその部品又は原材料の種類の工夫、関係事業者への部品や原材料の情報提供その他、自動車が長期間使用され、また、使用済自動車の再資源化等を容易にする特徴的な取組を行っていること。
    他者と比較して、再生材の活用を進めており、また、再生材活用に向けたリサイクル技術開発・実証に貢献していること。
  • ⑦家電リサイクル法
    製品の設計段階において、特定家庭用機器の再商品化等を容易にする工夫・配慮を行い、数値的な目標を掲げていること。
  • ⑧食品リサイクル法
    食品循環資源の再生利用等を実施すべき量の業種別の目標値に10%を加えた値を達成することを目標とし、また、食品リサイクル法の再生利用事業計画の認定を受けた者であること。
  • ⑨建設リサイクル法
    特定建設資材廃棄物の再資源化等率100%を達成することを目標とするものであること。
    また、建設工事で発生する廃プラスチックの再資源化等について特徴的な取組を行っていること。
  • ⑩容器包装リサイクル法
    同種の他社製品に比較して、容器包装の重量が少ないなど、リデュース、リユース・リサイクルの取組を行っていること。
  • ⑪小型家電リサイクル法
    他社と比較して、効果的な破砕や精度の高い選別等の効率的なリサイクル体制を構築しており、数値的な目標を掲げていること。
  • ⑫その他の物について、全国的に独自のリサイクルを行っていること。

(c) 大気、水又は土壌などの環境への負荷の低減に係るもの

事業活動において公害防止法令を遵守していることに加え、以下のいずれかの取組を行っていること。
  • 大気汚染防止法第17条の2に則り、事業活動に伴うばい煙の排出を抑制するために必要な措置等を講じていること。
  • 大気汚染防止法第17条の14に則り、事業活動に伴う揮発性有機化合物の排出又は飛散を抑制するために必要な措置等を講じていること。
  • 大気汚染防止法第18条の38に則り、事業活動に伴う水銀等の排出を抑制するために必要な措置等を講じていること。
  • 大気汚染防止法第18条の42に則り、事業活動に伴う有害大気汚染物質の排出又は飛散を抑制するために必要な措置等を講じていること。
  • 水質汚濁防止法第14条の4に則り、事業活動に伴う汚水又は廃液による公共用水域又は地下水の水質の汚濁の防止のために必要な措置等を講じていること。
  • 大気汚染防止法対象施設におけるばい煙等の排出状況に関する情報を公開していること。
  • 水質汚濁防止法対象事業場における排出水の排出状況に関する情報を公開していること。
  • 土壌・地下水汚染の未然防止のための自主的な対策を行っていること。
  • 定期的・自主的に土壌・地下水汚染調査を行い、浄化等の取組を行っていること。

(d) 化学物質の適正な管理及びリスクコミュニケーションの促進に係るもの

【自社での取扱化学物質】

  • ①有害性情報の収集・整理
  • ②取扱化学物質の排出削減
  • ③自社内での適正管理の取組(使用量等の把握、教育・訓練等)
  • ④適切な情報伝達(情報提供システムの構築、表示等)

を少なくとも二つ含むもの。

【リスクコミュニケーション】

消費者や地域住民等との相互理解の推進に関する取組を行っていること。

(e) 自然との共生に係るもの

①及び②に加え、③、④、⑤のいずれかを実施していること。

【自社での事業活動に関する取組】

  • ①事業活動と生物多様性との関わり(恵みと影響)を把握し、生物多様性の保全に資する取組を行うとともに、当該取組に関する情報を積極的に公開していること。その際、サプライチェーンも考慮に入れることが望ましい。
  • ②生物多様性に配慮した事業活動等を行う上で、生物多様性条約等に基づく国際的な数値目標等や、生物多様性国家戦略に盛り込まれた数値目標等に基づき、定量的な目標(又は測定可能な定性的な目標)を定め、生物多様性に及ぼす影響の低減に向けた活動を行っていること。
  • ③持続可能な利用及び遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分に取り組んでいること。
  • ④自社が有する生物多様性に資する技術・製品・サービスの効果を国内外に積極的に情報提供した上で、それらを用いて地域や国際社会に貢献していること。

【社会貢献活動】

  • ⑤社会貢献活動として実施する生物多様性の保全に関する取組について、以下の観点に留意したものであること。
  • 当該活動が生物多様性に与える影響及び効果を検討し、目的を明確化した上で、長期的な視点で取組を実施することを考慮する。
  • 地域の動植物に関する知見を収集するとともに、外来種の利用は極力避けるよう努める。
  • 植林については、土地を確保する際、自然林やその他の自然生態系からの転換を回避するとともに、周辺地域の植生を調べ、郷土樹種を活用するなど樹種選定にも配慮する。
  • 水生生物の放流や緑化等の取組については、在来種の地域系統の遺伝的かく乱(遺伝子汚染)を引き起こさないなど、遺伝子レベルの生物多様性にも十分に配慮する。
  • 本業に関連する分野だけでなく、事業者が有する技術的・経済的な能力を柔軟に活用し、様々な形で貢献することも考慮する。
  • 大学・自治体・NPO等の地域における様々な主体と連携するよう努める。

(f) 環境教育の振興に係るもの

  • ①中立的、客観的な立場から市民、学校などの社外の者に対し、環境学習や実践活動の場や機会を多様な形で提供し人材育成に貢献していること。
  • ②社内において従業員に対し、環境教育を定期的に行ったり、自ら環境に関するボランティア活動等の社会貢献活動に取り組んだり、従業員が社会貢献活動に参加しやすい職場の環境づくりに取り組んだりしていること。

(g)環境金融に係るもの

主に環境の観点からESG金融に係る以下のいずれかの取組を行っていること。
  • ①ESG関連の課題解決に貢献する事業や取組に対する投融資を積極的に行っていること。
  • ②経営戦略や行動にESG要素を組み込んでいる経済主体を評価し、その結果を投融資の判断・条件に反映させていること。
  • ③ESG関連の課題解決に貢献する事業について、企業の経営戦略、ビジョン等に位置付けた上で、グリーンボンド等の方法で積極的に資金調達を行っていること。
  • ④そのほか、環境保全に資する金融商品を積極的に開発・提供していること。

(h) その他環境の保全に係るもの

  • 自ら地域循環共生圏の創造を掲げて、又は地域循環共生圏の創造を掲げる団体と連携して、地域での環境・社会・経済の統合的向上に関する事業に取り組んでいること。
  • 環境マネジメントシステムや環境会計の導入、環境報告書の作成などにより、環境配慮型経営に取り組んでいること。
  • 消費者や地域住民等の環境保全の取組への参加・支援に取り組んでいること。
  • その他積極的に環境の保全に資する取組を行っていること。