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5.生物多様性保全の総合的推進と自然との共生

215億円(178)


 平成14年3月に改定された生物多様性国家戦略に基づき、従来から自然再生への取組や遺伝子組換え生物の使用の規制等を行うカルタヘナ議定書国内担保法制定などの取組を進めてきましたが、移入種対策や国立公園の魅力の向上、里地里山の保全等更に取り組むべき課題が残されていることから、今後これらの取組を着実に進めていきます。


[1] 移入生物対策等野生生物との共生に向けた総合的・体系的施策の推進
  •  生態系への新たな脅威となりうる移入種について総合的・体系的な対策を実施するため、生物多様性への悪影響を予防・軽減するための措置など移入種対策に関する法制度の整備に取り組むとともに、緊急性の高いものについては駆除作業を進めるなどの対応を図ります。
  •  また、本年6月に成立した「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」に基づき、遺伝子組換え生物のリスク評価や影響の監視、情報基盤の整備などを推進します。
  •  このほか、トキの野生復帰に向けて必要な順化施設の整備を進めるとともに、鳥獣の保護や管理のため、広域種対策や特定鳥獣保護管理計画を推進するほか、動物の愛護及び適正な管理の強化を図ります。
【主な予算措置】 百万円
移入生物対策費 289 ( 80)
遺伝子組換え生物対策事業 100 ( 31)
トキ野生順化施設整備費 702 ( 71)
(新)広域分布型鳥獣保護管理指針策定事業 30 (   0)
特定鳥獣等保護管理対策費補助 150 ( 138)
(新)家庭動物の終生飼養推進事業 20 (   0)
【主な税制措置】
狩猟者登録税と入猟税を一本化し、新たな目的税「狩猟税(仮称)」を新設するとともに、第1種銃猟免許登録を受けた者が空気銃を使用する場合の空気銃に係る「狩猟税(仮称)」の非課税措置を新設。

[2] 世界に誇れる国立公園づくりと自然体験学習の推進
  •  国立公園において、観光立国の実現、都市と農山漁村の共生・対流の視点も踏まえ、自然環境保全、持続可能かつ適正な公園利用等の推進の観点から、地域が一体となって推進する先駆的な事業について、温暖化・廃棄物対策等を含む関連施策を総合的・重点的に講ずるとともに、山岳浄化、安全対策等を推進することにより、世界に誇れる国立公園へと魅力の向上を図ります。また、世界自然遺産の追加登録に向けた調査・検討を行います。
  •  また、損なわれた地域固有の生態系等の自然環境を取り戻すため、関係機関やNGOと連携し、先駆的に自然再生事業を実施するなど、積極的に自然再生を推進します。
  •  さらに、自然系の環境教育の推進のため、国立公園でのインタープリター(自然解説者)などの人材育成を実施するとともに、雇用の促進の観点も含め地域の自然保護の現場における人材の積極的な活用を図るとともに、エコツーリズムの推進や温泉の保護と適正な利用の推進を図ります。
【主な予算措置】 百万円
(新)国立公園先駆的環境保全型拠点整備計画策定調査費 45 (   0)
山岳環境等浄化・安全対策緊急事業費補助 100 ( 50)
(新)世界自然遺産候補地等検討調査費 15 (   0)
(新)やんばる地域国立公園指定計画策定調査費 11 (   0)
自然公園等事業費〔公共〕 うち自然再生事業関係費 16,100 (14,278)
国立公園等民間活用特定自然環境保全活動(グリーンワーカー)事業費 1,221 (1,002)
国立公園自然系環境教育推進事業費(再掲) 600 ( 150)
環境保全型自然体験活動(エコツーリズム)推進事業費(再掲)

[3] 里地里山の保全・再生の推進等
  •  身近な自然とのふれあいの場であり、生物多様性の宝庫でもある我が国の都市近郊なども含めた里地里山について、関係府省と連携し、自治体・市民等でこれらの保全と持続的利用を図るためのモデル的な事業を行います。
  •  また、生態的ネットワークの形成や自然再生の更なる推進を図るとともに、都市住民も親しみ得るような身近な生物の生息空間(ビオトープ)の整備による自然と共生した生活環境の形成を図ります。さらに、生物多様性保全施策の基本となる長期的・継続的モニタリング調査等を推進します。
【主な予算措置】 百万円
(新)里地里山保全・再生モデル事業調査費 100 (   0)
(新)生態的ネットワーク基本構想策定費 15 (   0)
自然共生型地域整備推進事業費補助 119 ( 119)
重要生態系監視地域モニタリング推進事業費(モニタリングサイト1000) 500 ( 400)
自然再生情報整備・市民活動支援推進費(再掲)