ホーム >
RISPO |
|
|
|
|
|
 |
 |
革新的戦略オプション研究サブプロジェクト(RISPO)は、アジア太平洋地域における持続可能な開発に向けた、戦略的政策オプションの提案及び優良事例インベントリの開発を目的としています。APEIS
第1 フェーズでは、次の4つの研究テーマについての研究が実施されています。 |
|
 |
エコ市場及びエコ産業の促進 |
 |
革新的都市システムの開発 |
 |
地域資源の適切な利用 |
 |
行動のためのステークホルダー・ネットワーク |
|
|
さらに、これら4つのテーマのもとに、8つのサブテーマが設けられています(表2)。
これらの各サブテーマについて、アジア太平洋地域における国際研究チームを編成し、優良事例の収集及び政策オプションの検討を行っています。 |
|
RISPOの研究アプローチは、他のサブプロジェクトとは異なります。 統合環境モニタリング(IEM)及び統合環境アセスメント(IEA)が、広域的かつ俯瞰的なアプローチをとるのに対して、RISPOでは、持続可能な開発に向けた取組の成功事例についての実地調査に重点を置いています。こうしたアプローチを採用することによって、RISPOは、持続可能な開発を促進する、またはこれを阻害する様々な要因についての詳細な理解が可能になります。 |
|
表2 RISPO のテーマとサブテーマ |
テーマ |
サブテーマ |
エコ市場及びエコ産業の促進 |
再生可能エネルギー開発のための革新的資金メカニズム |
再生可能資源の地域内取引促進 |
中小企業の環境パフォーマンス向上 |
革新的都市システムの開発 |
持続可能な都市交通システムの開発 |
地域資源の適切な利用 |
バイオマス・エネルギーの利用促進 |
自然保護地域における地域型ツーリズムの促進 |
行動のためのステークホルダー・ネットワーク |
NGO による環境教育活動推進 |
地域固有の知識に基づく持続可能な資源管理の促進 |
|
|
|
 |
 |
 |
 |
|
 |
 |
 |
 |
 |
優良事例インベントリ(GPI) |
|
持続可能な開発に向けた様々な優良事例から得られた教訓を普及することは、RISPOの最も重要な役割の一つです。優良事例インベントリは、アジア太平洋地域において、こうした取組に関する情報不足を解消することを目指しており、経験の蓄積や情報共有・意見交換のための基盤を提供します。 |
|
優良事例インベントリは、利用者が知りたい事例を、RISPOのウェブサイト上で簡単に検索することのできるデータベースです(図16)。それぞれの優良事例に関する情報には、事例の取組を成功に導いた重要な要素や革新的な手法、教訓、応用可能性等が含まれます。
優良事例を選ぶための一般的な基準には、以下が含まれ ます。 |
|
- 従来とは異なるアプローチで状況の改善をもたらすもの
- 目に見えるまたは測定可能な変化に関する指標を用いたもの
- 革新的で再現可能または応用可能なアプローチをはっきりと示しているもの
|
|
|
|
図16 優良事例インベントリの検索サイト |
|
 |
 |
 |
 |
 |
戦略的政策オプション(SPO) |
|
RISPOでは、地理的、社会的、文化的、経済的に多様なアジア太平洋諸国において応用可能な様々なオプションを準備するために、優良事例を幅広く収集しています。これらの優良事例の分析に基づき、戦略的政策オプションを開発しています。 |
|
戦略的政策オプションは、主に地方、国、地域、国際レベルの政策決定者を主な利用者として想定しています。各サブテーマにおける持続可能な開発に向けた取組の成功の鍵、政策オプションの実施における手順、政策措置及びス
テークホルダーの役割、さらに、異なる社会経済状況下での代替案などを提示する予定です。 |
|
戦略的政策オプションには、課題に対する戦略的アプロー チ、政策オプション、活動計画等に関する提案が含まれ、
以下に示す要素に焦点があてられます。 |
|
 |
技術的手法(開発、移転、普及) |
 |
財政措置 |
 |
ガバナンス(規制、制度的枠組み、能力開発) |
 |
意識啓発とパートナーシップ |
|
|
能力開発とパイロットプロジェクト |
|
RISPOは、ステークホルダーによるこれらのツールの利用 を促進するために、能力開発の機会を提供するとともに、パイロットプロジェクトを実施して提案内容の実現可能性を検証することが重要であると認識しています。能力開発活動の大半は、2004年3月以降に開始する予定ですが、いくつかの活動はそれ以前に始動します。
|
|
 |
 |
 |
 |
 |
2002年におけるRISPOの活動 |
|
初年度のRISPOの活動は、8つの研究サブテーマのための国際共同研究チームの構築と優良事例インベントリのプロトタイプの開発に重点を置きました。 |
|
8つのサブテーマに関して収集された優良事例には、次のような事例が含まれます。 |
 |
 |
小規模風力タービン市場の成長促進のための経済的
インセンティブ政策(中国) |
 |
資源管理と製造工程におけるリサイクルの活用(フィリ ピン) |
 |
小規模ガラス産業におけるクリーナーテクノロジーの デモンストレーションと普及(インド) |
 |
カトマンズにおける電動三輪自動車の導入(ネパール) |
 |
籾殻を利用したスチームボイラー(インド) |
 |
カオ・ルアング国立公園におけるワン・ラング村の環境保護グループの創造的活動(タイ) |
 |
NGO環境教育ネットワーク(インドネシア) |
 |
地域住民の知識に基づいた再植林プロジェクト(ベト ナム) |
|
|
また、バイオマス・エネルギーの利用や持続可能な交通システムといった一部のRISPOサブテーマでは、統合的環境アセスメント(IEA)と共同で、施策評価の定量指標に関する研究が進められました。 |
|
優良事例インベントリの内容(例)
分散型太陽光発電システム普及のための市場指向型ネットワークと資金調達(インド) |
事例要旨: |
「Uttam
Urjaプロジェクト」は、地元のNGO、太陽光発電システムの製造業者、卸売業者及び販売者、資金調達仲介者からなる草の根のエネルギーサービスネットワークを展開しています。このプ
ロジェクトは、政府の取組としてよく見られるような、太陽光発電システム本体の供与・普及ではなく、製品とメンテナンス等のサー
ビスをパッケージにし、地域の人々に販売しました。「Uttam Urjaプロジェクト」は、政府からの補助金が制限されている中で、地元の技術や販売システムを応用・活用することによって問題を克服できることを実証しています。 |
重要な要素: |
「Uttam Urjaプロジェクト」は、独自のネットワークと技術、意識 啓発、能力開発を組み合わせることで、太陽光発電システム市場の商業的可能性を示しました。 |
効果: |
1999年から2003年3月の間に、1000世帯分の家庭用照明システムと太陽光発電パネルが、政府の補助金を受けずに販売されました。 |
教訓: |
地域における製品組立てと販売促進システムを立ち上げることによって、生産・サービスコストを削減することができました。製品やサービ
スが高品質である場合、利用者は実際の市場価格(補助金なし)でも、製品を購入したいと考えています。このような条件下では、製品購入
のための補助金の代わりに、ベンチャー企業によるイニシアティブの促進及び購買者のための低金利融資に努力を向けるべきです。 |
応用可能性: |
草の根エネルギーサービスネットワークは、過去の経験に基づいて、容易に再現可能な事例です。 |
|
|
 |
 |
 |
 |
 |
2003年におけるRISPOの主な成果 |
 |
 |
アジア太平洋地域内の研究機関、大学、NGOと研究ネットワークを構築。 |
 |
約100の事例をデータベース化した優良事例インベントリの第一版がウェブ上で閲覧可能。 |
 |
8サブテーマについての戦略的政策オプション(SPO)データベースは2005年3月にウェブ上に掲載予定。 |
 |
SPOの影響評価を目的としたIEAとの協働。
詳細は、RISPOテクニカルサマリー2004(PDF英文)をご参照ください。 |
|
|
 |
 |
 |
 |
 |
 |
2004年におけるRISPOの主な成果 |
 |
 |
アジア太平洋地域内の研究機関、大学、NGOと研究ネットワークを構築。 |
 |
約140の事例をデータベース化した優良事例インベントリの最終版がRISPOのウェブサイトで閲覧可能。 |
 |
8つのサブテーマについて、それぞれ戦略の枠組み及び戦略的政策オプション(SPO)を策定。約80の戦略的政策オプションを収録したSPOデータベースは、RISPOのウェブサイトで閲覧可能。
|
 |
IEAとの協働によるSPOの影響評価を目的としたシナリオ分析を実施。
詳細は、RISPOテクニカルサマリー2005(PDF英文)をご参照ください。 |
|
|
 |
 |
 |
 |