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2002年におけるIEAの活動 |
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IEAは、上記評価モデルのうち2モデル(AIM/Trend及びAIM/E n e r g y
)の完成版を開発し、その他4モデル(AIM/CGE、AIM/Material、AIM/Ecosystem及びAIM/Water)の暫定版を開発しました。さらに、暫定的な戦略的データベースを作成するとともに、いくつかの環境トレンドの推計や、実行可能な環境イノベーションの評価を暫定的に実施しました。また、2002年10月にはIEAの能力向上ワークショップをインドで開催しました。 |
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AIM/Materialは、経済フローと物質収支を統合し、 環境投資や環境産業の効果を明らかにするために開発された一国単位のモデルです。このモデルをインド用に改良し、自然環境との相互作用を新たにモデルの中に組み入れ、土地劣化防止への投資の効果を分析でき
るようにしました。このモデルによるシミュレーションの結果、インドにおいては、環境産業への投資が産業廃 棄物のリサイクルのみならず、経済発展に大きな効果を及ぼす可能性があることが示され、さらには、国土保全対策への早期投資は国家経済に大きな利益をもたらす可能性があることが示されました(図8)。 |
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A IM/Energyは、エネルギー使用技術の選択モデルで、これを改良してインドと中国に適用し、両国のエネルギー分野でのイノベーションの違いを分析しました。
その結果、1990年代の中国におけるエネルギーの効率と二酸化炭素の削減に見られた大きな改善は、製鋼、電力、建材の各産業における技術的進歩、クリーンな燃料の使用、中国経済の構造的変化、及び厳しい環境政策の全てに起因することを明らかにしました。
将来、中国においてさらにエネルギー効率の改善が期待できますが、改善するための限界費用は高くつきます。
しかしイ ンドでは状況が異なり、比較的低コストで大きなエネルギー効率改善を達成できる可能性があります(図9)。 |
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AIM/Trendは、経済、エネルギー、 環境を向こう30年に渡り予測する単純構造の多地域モデルです。このモデルを利用し、アジア太平洋地域における準地域ごと
の環境産業市場の発展を、市場拡大(Market Forces)、 政策改革(Policy Reform)、堅固型世界(Fortress
World)、大幅な移行(Great Transition)の4つのシナリオをもとにシミュレーションしました(図10)。東アジア地域における環境産業の成長について、潜在能力の高さが一目でわかります。 |
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AIM/CGE(アジア)は、多地域・多部門の定量的一般均 衡モデルであり、国際規模の新市場の確立、新規投資、技術移転、国際貿易が、環境・経済にもたらす効果を評価するために現在開発しています。AIM/Trendのシミュ
レーション結果を国別の将来予測の基礎として利用し、これに国際的な相互作用を加えていくことで、アジア諸国の今後の国際協力シナリオを評価していきます。 |
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AIM/Ecosystemは、一連の生態系モデルを経済モデルと関連づけたものであり、全生態系変化に対する統合的評価を行います(図11)。 |
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このモデルは、特にミレニアム生態系評価(MA)のプロセスにおいて、将来シナリオ開発に適用する目的で開発されています。暫定的なシミュレーション結果によると、グローバル化を押し進めると生態系の劣化が加速すること、また、地域化を重視した発展パターンが生態系劣化を抑制する上では望ましいことが示唆されています(図12)。 |
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さらに本モデルは、地域的な水資源に対する負荷を推定するために利用されています(図13)。 |
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