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[研究代表者] |
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運輸省 港湾技術研究所 |
●堀江 毅 |
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[運輸省 港湾技術研究所] |
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海洋水理部部長 |
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●堀江 毅 |
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海域環境研究室 |
●村上和男、菅沼史典、清水義勝、山田邦明 |
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海水浄化研究室 |
●細川恭史、関根好幸、古川恵太、平野隆幸 |
(委託先) |
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茨城大学 工学部 都市システム工学科 |
●三村信男 |
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都立大学 理学部 地理学科 |
●堀 信行 |
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43,980千円
沿岸域に集積された、人口・社会資本・情報といった有形無形の資産を高潮・高波・降雨等の外力から守るため、沿岸防災システムが整備されてきた。沿岸の防災システムを含む社会基盤システムへの海水面上昇の影響を評価する手法の開発と、日本・東南アジア・島しょ国での海水面上昇の影響評価をケーススタディとして実施することを試みた。
温暖化による沿岸影響は、温暖化による外力変化とそれを受ける沿岸部の地理的社会的な条件とによって異なってくる。外力変化の地域分布や変化規模・変化速度が不確定であることから、沿岸影響の予測は非常に困難である。そこで、沿岸影響と外力とを結び付ける「影響伝播」の流れを整理した。また、いくつかの防災システムに関し、外力に対するシステムの設計法をレビューした。最も特徴的な外力である海水面に関し、過去の検潮記録を整理してみたが、全国的な海水面の上昇は把握できなかった。
そこで、外力の変化に関し、IPCC等の検討を拠り所に仮想のシナリオを与え、他の条件はそのままにして、システムへの影響の大きさを見積もった。内水排除システムでは、集水域面積の割に内水面面積の小さなシステムで影響が大きく見られるなど、脆弱性の機構が把握できた。さらに、河川河口からの塩水の侵入や内水排除にとっては、降雨パターンの変化や河川流出の変化によって影響が大きく増幅される可能性があること、沿岸高潮の影響は、平均海水面の上昇よりも台風規模の増加の効果が大きく表れる可能性があることなどが示された。平均的な気温上昇や海水面上昇と共に、気候の変動幅や頻度が変化し従来以上の極端な気象海象条件が高頻度で表れることの影響が懸念される。
沿岸影響の機構解明には、沿岸の地形図や社会統計が不可欠であるが、多くの途上国では十分に整備されているとは言い難い。IPCCの沿岸域管理部会(CZMS)では、世界のどの地域地形での影響が大きいの評価のため、統一的な手法での脆弱性評価を提唱した。水没の恐れのある地域(area at risk)の、海水面上昇による拡大状況を把握しようというものである。これに応える形で、日本沿岸・中国天津沿岸・トンガ王国トンガタプ島沿岸について脆弱性の評価を実施した。日本沿岸では、三大湾を中心にした人口・産業集積地域(平野)での影響が大きいこと、中国天津沿岸では沿岸に広がる製塩業への影響がまず大きく海水面の上昇如何によっては天津都市部への影響が懸念されること、トンガタプ島では周辺珊瑚礁の上昇速度は海水面上昇に追いつける速度を有してはいるものの人口圧力から生じる沿岸開発が脆弱性を助長していること等を見いだした。こうした解析結果は、IPCCのワークショップへの参加・発表やその他国際会議などで公表され、IPCCのレポートへ反映された。IPCC統一手法の改善提言等への契機ともなっている。
海水面上昇、脆弱性評価、沿岸域、東南アジア、島しょ国