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[キーワード]二酸化炭素、フラックス、逆解法、衛星観測、データ同化

[B−2 温室効果ガス観測衛星データの解析手法高度化と利用に関する研究]

(3)二酸化炭素収支分布推定のためのデータ同化手法の開発[PDF](1,136KB)

  東北大学大学院理学研究科

中澤高清

  独立行政法人国立環境研究所
  地球環境研究センター

Shamil Maksyutov
井上元(平成16、17年度)

  独立行政法人産業総合技術研究所
  環境管理技術研究部門


田口彰一

  独立行政法人海洋研究開発機構
  地球環境フロンティア研究センター

Prabir K. Patra

  [平成16〜18年度合計予算額] 46,900千円(うち、平成18年度予算額 19,500千円)

[要旨]

  本研究においては、GOSAT衛星から得られるカラム濃度と地上観測や航空機観測による濃度データを結合し、全球3次元大気輸送モデルで解析することによって、地域別のCO2の収支を全球にわたって評価する手法を確立することを目的としている。そのため、高解像度全球大気輸送モデルの開発・検証、データベース間の誤差や観測サイト選別、総観気象バイアスなどが収支推定に及ぼす影響の検討、逆解法解析手法の高速化、CO2収支分布推定のためのデータ同化手法の開発、CO2濃度の全球分布表示システムの開発、他機関からのCO2濃度データの早期入手の調査を行った。その結果、大気輸送モデルの時間空間分解能を向上させることにより、巨大都市からのCO2の流れ出しや内陸サイトでしばしば観測されるCO2濃度スパイクなどを良く表現できる、データベース間の系統的誤差はわずかであっても収支推定に重大な影響を与える、現在の大気輸送モデルの不完全性に起因して、陸域サイトのデータだけを用いると推定されるCO2フラックスの誤差が大きくなる、低気圧付近での大気の鉛直運動に伴って夏期のCO2カラム濃度がシベリアや北米で顕著に低下することが見いだされ、CO2収支解析の際にこれらのバイアスを考慮する必要性がある、などが明らかとなった。また、全球大気輸送モデルのアジョイント演算子の作成と機能評価を行い、それを基に4次元データ同化システムの構築と動作の検討を行った。さらに、観測が行われていない地域での濃度変動を検討したり、GOSAT衛星から得られるデータの解析に際して必要となる初期値を与えたりするために、逆解法によって推定されたCO2の放出源・吸収源と大気輸送モデルからCO2濃度の3次元分布を計算し、観測された濃度とともに自在に表示するシステムを作成した。国内外の代表的機関を対象として、GOSAT衛星観測データを用いてCO2収支解析を行うために必要な地上および航空機観測からのデータの早期入手の可能性も調査した。