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[H−4 東アジア諸国での日本発の使用済み自動車及び部品の不適切な使用・再資源化による地球環境負荷増大の実態とその防止策の検討]

(7)日本からの使用済み自動車及び部品の適切な使用・再資源化実現のための政策の検討

中央大学理工学部

鹿島茂

<研究協力者> 財団法人日本自動車研究所

湊清之

 

[平成15〜17年度合計予算額]

 平成l5〜17年度合計予算額 8,291千円
 (うち、平成17年度予算額 2,344千円)

[要旨]

  本研究では日本から東アジア諸国へ輸出される使用済み自動車の適切な使用・再資源化システムの構築に必要となるわが国の国際貢献策とその継続的改善策を検討した。平成15年度は、タイ、インドネシアの研究者との共同研究体制を構築し、日本での研究会を通じて、互いに協力・補完できる共同研究案を検討した。本研究成果をアジア各国の関連する研究者や政府関係者に宣伝し議論することにより効果的にわが国の国際貢献を検討するための準備を行った。さらに東アジア諸国を中心に各国の中古車及び部品に関連した輸入政策に関して、文献調査を基に関税と関税を伴わない規制の両面から整理した。平成16年度は、タイ、中国、インドネシアを対象に自動車の使用・再資源化に関する各政策課題とその個別の改善策についてまとめ、その評価に必要となる情報およびデータの入手と手法開発を目的とした共同研究会をタイと中国で行った。そしてタイでは、運輸政策の評価ツールである自動車保有・使用モデルの課題として自動車性能の評価が明らかになり、その克服に必要となる現地の詳細な自動車燃費データを入手した。また中国では、自動車の使用や再資源化の現状が省間で大きく異なることが明らかになったため、上海に加え大連における自動車の使用やリサイクルの現状を把握するための共同研究体制を構築した。平成17年度は、各サブテーマの成果を、海外の共同研究者と共に総合的に検討することで、東アジアでの日本からの使用済み自動車が引き起こす環境問題に対する適切な防止策を検討した。防止策として各国状況に応じた最適な個別防止策を講じる自動車国際使用・再資源化システムと使用済み自動車を全て国内再資源化する自動車国内使用・再資源化システムを提案した。輸出先での自動車使用・再資源化体制に問題があるほど自動車国際使用・再資源化システムが有効であるという知見が得られたため、各国の現状に加え将来の動向についてより正確かつ網羅的な把握と、システム導入には日本を含めた関係国間の協力体制の構築が重要であることを確認した。

[キーワード]

 適切な使用・再資源化システムの構築、国際貢献策と継続的改善策、タイ、中国、インドネシア