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[F−7遺伝子組換え生物の開放系利用による遺伝子移行と生物多様性への影響評価に関する研究]

(3)組換え生物の生物多様性への影響評価手法の開発

東京大学大学院工学系研究科附属水環境制御研究センター

矢木修身・栗栖 太・奥田喜弘

 

[平成15〜17年度合計予算額]

 平成l5〜17年度合計予算額 1,105千円
 (うち、平成16年度予算額 347千円)
※上記の予算額には、間接経費 255千円を含む

[要旨]

  組換え生物の生物多様性への影響評価手法の開発に当たり、微生物間における遺伝子の移行の有無および頻度、遺伝子DNAの微生物への取込みの有無及び頻度、遺伝子移行のメカニズムに関する文献調査を行った。遺伝子の移行は、自然環境中では形質転換、接合、形質導入を通して行われる。これらの現象は、多くの微生物間で確認されている。また、遺伝子の移行に及ぼす因子として、微生物に関しては栄養塩類、無機塩類の濃度、受容菌の種類と濃度、供与遺伝子の濃度等が、植物に関しては、開花時期、植物間の距離、昆虫の存在等が大きく関与していることが報告されている。これらの項目、及びこれら以外の項目について更なる検討を加え、生物多様性への影響評価に際し、考慮すべき重要な事項を整理した。微生物に関しては、分子生物学的手法を用いるモニタリング手法、影響評価手法、遺伝子伝達評価手法の提案、植物に関しては、組換え体を追跡できるマイクロサテライトマーカーの開発、遺伝子繁殖形式の重要性、雑種後代における遺伝子の浸透を予測する手法の開発による組換え体のリスク制御法の可能性を示すことができた。これらの知見をもとに、新たな観点からの影響評価手法を提案した。

[キーワード]

 組換え微生物、組換え植物、生物多様性、遺伝子の水平伝達