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[Ｆ−７ 遺伝子組換え生物の開放系利用による遺伝子移行と生物多様性への影響評価に関する研究]
（２）遺伝子組換え植物の導入遺伝子の環境拡散リスクと植物多様性影響評価に関する研究
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独立行政法人 農業生物資源研究所
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新生物資源創出研究グループ 植物細胞工学研究チーム
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田部井 豊・津田 麻衣
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〈研究協力者〉
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独立行政法人 農業生物資源研究所
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新生物資源創出研究グループ 植物細胞工学研究チーム
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萩尾高志・蒲池伸一郎・小長谷 賢一
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宇都宮大学農学部
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金子 幸雄
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[平成15〜17年度合計予算額]
平成l5〜17年度合計予算額 22,055千円
(うち、平成17年度予算額 6,917千円)
※上記の予算額には、間接経費 5,090千円を含む
［要旨］
遺伝子組換えナタネ（B. napus）と我が国の在来ナタネ（B. rapaおよびB. juncea）間の遺伝子拡散程度を評価するため、環境ストレスが交雑親和性や雑種形成率へ与える影響、さらに種間雑種の環境適応度の調査を行った。
環境ストレスとして、根圏の制限や乾燥ストレス・窒素欠乏ストレス、呼吸阻害剤処理などを与えた在来ナタネに、非組換えセイヨウナタネを花粉親として交雑を行った。その結果、根圏を小さく制限した場合に、B. rapaで一莢あたりの種子数、B. junceaで結莢率がそれぞれ高まる傾向が見られた。乾燥や呼吸阻害剤処理では、柱頭における遺伝子発現が大きく変化するが、植物体への影響も大きく結莢率等が大きく低下した。窒素欠乏条件では遺伝子発現の差異は認められなかった。得られた雑種における葉の形質はセイヨウナタネ型を示したが、他の形態的特性および生育特性等を調査したところ、草丈等の生育特性と抽苔性は両親の中間的値を示した。雑種の花粉稔性は親よりも低い値を示すものも見られた。
得られた種子に見られる特徴的として、B. rapa×B. napusで莢内で発芽する種子が4.5％見られ、その91.7％が雑種であった。一方、未発芽種子での雑種は7.3％であった。この結果を考慮すると、自然条件下におけるB. rapa×B. napusの雑種形成率は意外と低いことが推定された。
B. juncea×B. napusの交雑親和性はこれまでの推測より高かった。しかし、B. juncea（黄からしな:種皮色は黄）とB. napus（イスズナタネ:種皮色は濃茶）の人工交配して得られた種皮色で、黄色と両親種の中間色である茶色が出現した。黄色及び茶色種子それぞれを育成しRAPD分析を行ったところ、黄色はB. juncea、茶色は雑種を示した。この結果から、メタキセニアおよび偽雑種の可能性が考えられた。従って、雑種の形成効率は比較的低いものと推定された。
［キーワード］
遺伝子組換えナタネ、生物多様性影響評価、導入遺伝子の環境拡散リスク、環境ストレス、交雑親和性
(3.00MＢ)
