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[Ｆ−７ 遺伝子組換え生物の開放系利用による遺伝子移行と生物多様性への影響評価に関する研究]
（２）遺伝子組換え植物の導入遺伝子の環境拡散リスクと植物多様性影響評価に関する研究
�� 導入遺伝子の近縁野生種への移行頻度に関する研究
独立行政法人国立環境研究所
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生物圏環境研究領域 分子生態毒性研究室
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佐治 光・久保明弘・青野光子
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生物多様性研究プロジェクト 分子生態影響評価研究チーム
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中嶋信美・玉置雅紀
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[平成15〜17年度合計予算額]
平成l5〜17年度合計予算額 23,707千円
(うち、平成17年度予算額 7,340千円)
※上記の予算額には、間接経費 5,471千円を含む
［要旨］
遺伝子組換え植物が生物多様性に及ぼし得る影響の一つとして考えられる、導入された遺伝子が、近縁野生種に移行し、野生種集団内で拡散する可能性を解明するため、ダイズとその近縁野生種であるツルマメを材料に用いて以下のような研究を行った。まず人工交配により遺伝子組み換えダイズ（GMダイズ）とツルマメの雑種を作成し、その生理的性質を調べたところ、F1雑種は、成育や形態に関して両親の中間的性質を示した。またF1、F2雑種には除草剤耐性遺伝子が受け継がれ、除草剤耐性になっていることが確認された。
次に、ダイズとツルマメの間での自然交雑率について以下のような研究を行った。平成16年度は、2品種の在来ダイズ（リュウホウ、フクユタカ）とツルマメ（那須-5）を温室内で育苗後、ほ場の2区画に以下のように定植した。各区画の中心となる直径2mの円内にダイズの各々の品種を18個体ずつ移植し、その周囲１ｍ間隔で直径10mになるまで円を描き、その円上の8方向にツルマメを1個体ずつ移植し、その後は通常管理で栽培した。これらのダイズ2品種とツルマメの開花時期はかなり重なった。ダイズから1及び2m離れたツルマメ由来の種子2,500粒に対し、SSRマーカーを用いて分析を行った結果、ダイズ由来の花粉で受精したと思われるものは全く検出されなかった。平成17年度には、ダイズ（フクユタカ）、ツルマメ（那須-5）とそれらの間で作成されたF2雑種を温室内で育苗後、ほ場の2区画に以下のように定植した。一方の区画（Ａ）ではダイズ24個体とツルマメ20個体を、また別の区画（Ｂ）ではF2雑種24個体とツルマメ20個体を0.8または1m間隔に交互に隣接させた。その後通常管理で栽培したところ、これらの植物の開花時期はほぼ完全に一致したが、Ａ区画から収穫した476粒およびＢ区画から収穫した343粒のツルマメのいずれにおいてもダイズやF2雑種と交雑したと思われる個体はまったく検出されなかった。以上の結果から本研究で使用した条件下では、ダイズとツルマメ間の交雑率は非常に低いことが示唆された。
［キーワード］
遺伝子組換え、遺伝子浸透、交雑、除草剤耐性、ダイズ
(2.19MＢ)
