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[B‐14 動物プランクトン群集組成の長期変動データに基づく海洋生態系の気候変動応答過程の解明]
(1)Odate Collectionのデータベース化
独立行政法人水産総合研究センター東北区水産研究所
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混合域海洋環境部 高次生産研究室
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杉崎宏哉
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鹿児島大学水産学部
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小針統
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[平成15〜17年度合計予算額]
平成l5〜17年度合計予算額 74,633千円
(うち、平成17年度予算額 20,966千円)
[要旨]
東北区水産研究所で保管している動物プランクトン標本群(Odate Collection)を、その採集年月・時刻、採集点のOmおよび100m深水温、湿重量などのデータが記載された採集野帳と整合し、磁気データセットとしてまとめた。1960年から2001年までに親潮域(100深水温5℃以下で定義)と混合域(100m深水温5-15℃で定義)で採集された2885本の標本を抽出し、カイアシ類の種組成解析を完了した。40年以上にわたる広域で詳細な海洋プランクトン種組成データセットは、西部北太平洋では初めて得られたものであり、世界的にレベルの高い貴重なデータセットとなった。
この種組成データセットにプランクトン標本に付随する海洋環境データを、水産研究所、各県研究機関の他、気象庁、NOAA、その他のデータセンター等から収集し、年代別、海域別に種組成-海洋環境データベースを開発し、完成した。
これまでに解析が終了した標本から、親潮域で174種、混合域で236種のカイアシ類が確認され、優占種の順位変動や種多様度には長期的な傾向のほか短期的な変動等多様なパターンが認められた。このような変動のメカニズム解明や物理変動との関連を解析するため、サブテーマ2―4にデータセットの提供を行った。さらに今夏いえられたデータセットを用いて簡便に必要なデータを抽出したり図示したりできるシステムを備えたデータベースを開発し、完成した。今後、一般研究者が利用できるようにインターネット上で公開することを目指す。
[キーワード]
気候変動、海洋生態系、動物プランクトン、データベース、西部北太平洋