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独立行政法人 |
産業技術総合研究所 |
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エネルギー利用研究部門 |
クリーン動力研究グループ |
清水 健一、二瓶 光弥、岩月 徹 |
平成12〜14年度合計予算額 13,740千円
(うち平成14年度予算額 4,065千円)
[要旨] | 62 |
1.はじめに | 62 |
2.研究目的 | 62 |
3.研究の内容と成果 | 63 |
3.1.従来の燃費試験法の概要と対象とするHEVs、 | 63 |
(1)従来の燃費試験法との差違 | 63 |
(2)対象とするハイブリッド車 | 63 |
3.2.再充電可能エネルギー蓄積要素の影響とその排除方法 | 64 |
(1)再充電可能エネルギー蓄積要素の影響 | 64 |
(2)SOC計測の困難度 | 65 |
(3)繰り返し走行による平均値の推測 | 65 |
3.3.SOCの影響の除去方法 | 66 |
3.4.試験精度に影響を与える要素 | 67 |
(1)試験方法の概要 | 67 |
(2)線形範囲について | 67 |
(3)試験モードによる△SOCの感度の差 | 68 |
(4)冷間時スタート試験結果のばらつき | 69 |
(5)車両の模擬機能の利用の是非 | 71 |
3.5.精度確保方法の検討 | 73 |
(1)手順の概要 | 73 |
(2)使用したデータの収集条件 | 73 |
(3)良好な精度を保証するパラメータについて | 74 |
3.6.精度推測方法の検討 | 75 |
(1)誤差についての検討 | 75 |
(2)精度推測手順 | 75 |
(3)処理例 | 76 |
(4)回帰式の検討 | 76 |
4.まとめ(本研究で得られた成果) | 77 |
5.引用文献 | 77 |
6.国際共同研究等の状況 | 77 |
7.研究成果の発表状況 | 77 |
8.成果の政策的な寄与・貢献について | 79 |
ハイブリッド自動車は従来の内燃機関自動車の概ね2倍の燃費が確保できることから、開発と普及が盛んで、短期の高効率車両として期待されている。運輸部門でのこれら新種高効率車両の消費エネルギー削減量を検討するために、そのエネルギー効率を他の一般車両と同じスケールで精度よく評価できる、汎用性の高い燃費評価基準が必須である。
ハイブリッドEVのエネルギー効率を評価する場合、一般の内燃機関自動車と比較する意味で、一般の内燃機関自動車と同様のモード燃費試験を行うことが必要となる。しかし、ハイブリッドEVにはエネルギー蓄積要素としてモーター駆動用のバッテリーがあり、燃料と電気エネルギーの双方で走行することから、試験時の燃料消費量から燃費を推計するためには、試験前後で電池のエネルギー状態が同一であることが条件となる。そこで電池の状態変化をキャンセルする三つの方法のうちから、複数回の燃費試験結果から電池の状態変化がゼロの際の燃費を推測する方法について、市販のハイブリッド車を用いて詳細な検討を行った。
その結果、電池の状態変化と燃費が比例状態にある範囲の検定方法、電池の電気量変化の測定精度と試験の総合精度の確認方法等、試験精度を大きく左右する要素を把握することができた。
また、米国規格の、始動直後の燃費を評価するいわゆる「コールドスタート燃費試験」では、冷えた状態で一回だけしか試験ができないため、複数回の試験を実施することがきわめて困難であるが、この際の一つ一つの試験の精度が温間時のデータより大幅に悪化することが判明した。この精度悪化の原因が車両状態が変化することにあることを確認し、データ処理を工夫することで温間時に近い精度を確保できることを確認した。
燃料消費率、ハイブリッド車、燃費試験法、エネルギ蓄積用電池、モード燃費