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エコフロンティアフェロー研究員 |
Damasa B. Magcale-Macandog |
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独立行政法人国立環境研究所 |
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地球環境研究センター |
井上元・清水英幸 |
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(研究協力機関) |
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財団法人地球環境戦略研究機関 |
気候政策プロジェクト |
西岡秀三・平石尹彦・田辺清人 |
平成11〜13年度合計予算額 5,546千円
(平成13年度予算額 1,968千円)
本研究は、森林・土壌部門からの温室効果ガス(GHG)排出量推計の精度を高めることを目的として、国際協力研究(エコフロンティアフェローシップ・プログラム)の研究員が、自国のGHGインベントリーを対象としてケーススタディを行ったものである。
平成11年度は、東南アジア3カ国(フィリピン、インドネシア及びタイ)の国別GHGインベントリーおよび関連文献の調査を実施し、この3カ国におけるインベントリーの現状から課題と今後の方向性を検討した。その結果、この3カ国の土地利用、土地利用変化及び林業(LULUCF)セクターにおけるGHG排出・吸収量推計の最大の問題点は、活動量データの不足と、散在するデータヘのアクセスの制約であることがわかった。活動量データと排出係数の質を改善するためには、データベースの開発が強く求められる。データベース構築のためには、あらゆる既存のデータおよび文献を収集し、森林資源と土地利用に関する統計の更新を行い、活動量データおよび排出係数に関する測定実験、サンプリングおよび調査を実行するなどの必要がある。
平成12年度は、熱帯地域に広く見られる休閑地(2次林、管理放棄された耕地、牧草地あるいは不毛な荒廃地、1年のなかで耕作期と耕作期の狭間にある期間の耕地など)に注目した。フィリピンの休閑地に関する文献を調査したところ、休閑地系の種類および休閑地に生える植生(高木類、低木・潅木類、草木類および草)について、さまざまな種類が存在することがわかった。これら休閑地に関係のある人為的な活動には、移動耕作、2次林、アグロフォレストリー、劣化した草地のリハビリ、そして植林などがあり、これらの活動に伴う炭素貯蔵量変化を評価したところ、フィリピンでは全体として大きな炭素固定能力があることが示唆され、気候変動緩和のために大きく貢献する可能性を持っていることが判明した。
GHGインベントリー、地上バイオマス量、年間バイオマス増量、炭素固定、休閑地