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環境省国立環境研究所 |
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生物圏環境研究領域 熱帯生態系保全研究室 |
奥田敏統 |
社会環境システム研究領域 |
森田恒幸 |
(株)日経リサーチ |
倉内敦史・若杉和代・小牧知志 |
鷲田豊明・栗山浩一・坂上雅治 |
平成ll〜13年度合計予算額 20,469千円
(うち、平成13年度予算額 6,487千円)
本研究では、仮想評価手法であるコンジョイント分析を用いて熱帯雨林にっいての杜会的評価の経済価値を知ることを目的とした。まずはじめに、マレーシアの都市部において調査を行い、都市部に居住する人々の熱帯雨林に対する評価を測定した。マレーシアの4都市で総計1000サンプルの面接調査を実施し,マレーシアの三つの土地利用形態の現況をどのように変化させる政策が望ましいかを、それにかかる税金の支出とともに回答者に尋ねた。その結果、lhaあたりの杜会全体としての支払い意思額として、保護林RM27(マレーシア通貨リンギット)、生産林RM5.6、農業用地RM22.7であることがわかった。この結果は、保護林をlha保護、ないしは増大させるために、RM27だけの支出を許容することを意味する。農業用地についても、同じような解釈ができる。生産林については、符号が逆になっているが、これは生産林を減少させるには、lhaあたりRM5.6だけの税金の支出が許容されることを意味していた。次に、都市部での調査とは対照的に、より熱帯雨林に密着して生活を営んでいる農山村部において調査を行い、農山村の人々による熱帯雨林に対する評価を測定した。都市部での評価値(支払い意思額)と比較すると、保護林および特に農業用地という土地利用形態がより高く評価された。また、農山村を対象に,熱帯林に対する選好に基づき因子分析およびクラスター分析を用いて分類したデータを用いてコンジョイント分析を試みた。その結果、例えば森林保護の意識が高い「森林共存型」では、保護林に対する評価が高くなるというように、それぞれのクラスターの特徴と整合的な推計結果が得られた。本研究で得られた熱帯雨林の評価額は過小評価されている可能性もありうるが、調査対象域を一地域から世界的レベルにスケールアップした場合、はるかに大きなものとなると考えられる。
社会経済的評価、土地利用形態、熱帯林、コンジョイント分析、マレーシア