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独立行政法人森林総合研究所 |
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海外森林研究領域 |
海外森林資源保全研究室 |
松本陽介 |
植物生態研究領域 |
樹木生理研究室 |
石田 厚・上村 章・ |
北海道支所 |
植物土壌系研究グループ |
丸山 温・北尾光俊・ |
水土保全研究領域 |
水保全チーム |
坪山良夫 |
立地環境研究領域 |
土壌資源評価研究室 |
大貫靖浩 |
森林植生研究領域 |
植生管理研究室 |
奥田史郎 |
気象環境研究領域 |
気象研究室 |
大谷義一・渡辺力・ |
独立行政法人国際農林水産業研究センター |
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林業部 |
野口正二 |
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東京大学 |
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アジア生物資源環境研究センター |
小島克己・則定真利子・ |
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八木久義・益守眞也・ |
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京都大学大学院 |
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農学研究科 |
谷 誠 |
平成11-13年度合計予算額 70,562千円
(うち、平成13年度予算額 22,367千円)
本研究は、熱帯林の持続的管理を行うための基礎として4つの分野で構成される。実証的な緑の回廊造成試験を含む「緑の回廊造成のための造林技術開発」および「問題土壌地の造林技術開発」によって緑の回廊造成の造林技術の向上を図り、「熱帯林伐採前後の土壌水貯留と侵食の変化」および「熱帯林の蒸発散量の長期推定」によって熱帯林の水収支および森林伐採の影響を明らかにすることを目的とする。
「緑の回廊造成のための造林技術開発」では初期植栽樹種は、クロロフィルの蛍光反応特性や光合成・蒸散特性による評価・診断を行った。極相林を構成できる熱帯郷土樹種においては、ShoreaplatycladosおよびDipterocarpus oblongifoliusが植栽後の高温・強光耐性が高く有望であること、および、触媒効果が期待できる食餌木樹種ではFicus spp.(現地名:ARA)が有望であることを明らかにした。実際の緑の回廊植栽試験においては、バックホーなどの機械を用いることによって元肥を能率よく鋤き込めること、および、Ficus spp.(現地名:ARA)が植栽後の成長および生存率が良いことを明らかにした。また、「問題土壌地の造林技術開発」では熱帯アジアの問題土壌である砂質土壌、酸性硫酸塩土壌、泥炭土壌のそれぞれにおいて、植物の成育を制限するストレス要因を見出し適応できる樹種を選抜し造林手法を考案した。「熱帯林伐採前後め土壌水貯留と侵食の変化」では、土壌水貯留量は降水量に対応して季節変動し、土壌深度によっても異なることなどを明らかにし、温帯域の平均的多目的人エダムより熱帯林のほうが“緑のダム”としての機能が高いことを明らかにした。また、森林伐採による侵食・堆積量は20m幅程度のバッファーゾーンでも斜面上方の伐採地や集材路からの流出土砂を捕捉する効果が高いこと、集材路の侵食量は伐採跡地と比較して非常に多いことを明らかにした。さらに、「熱帯林の蒸発散量の長期推定」によって低地熱帯林における蒸発散量は、降雨量の約89%の約1,550mm/年で、アマゾンの熱帯降雨林と同様に純放射エネルギーに強く影響されることを明らかにした。
半島マレーシア、緑の回廊造成、水文試験、森林伐採、造林樹種特性