中長期ロードマップ調査 第二回全体検討会
議事概要
- 1.日時:
- 平成22年2月10日(水) 9:00~12:00
- 2.場所:
- 東海大学校友会館 富士の間
- 3.出席委員:
- 西岡座長、赤井委員、飯田委員、大塚委員、荻本委員、伴委員、藤野委員、増井委員、村上委員、屋井委員、安井委員
- 4.議題
- (1)中長期ロードマップ調査の進捗状況について
(2)中長期ロードマップの検討事項について
(3)低炭素社会実現のために我が国が取るべき戦略について(委員からのヒアリング)
(4)その他の項目について
- 5.議事概要
(1)中長期ロードマップ調査の進捗状況について
資料1-1及び1-2について説明
(質疑)
- モデル地区や特区を設置することは、社会実験として必要か。
- 従来の対策では、パーツはすばらしくても、これらを組み立てるゾーニングのような視点が抜けている。特区を活用して、各対策を組み合わせて評価を行うべき。
- 行政の縦割りによって対策の導入に限界がでている。環境対策は統合的に進めていくべきものであり、特区は有効な手段。
- 特区は、恒久的に将来も見据えた形で設置するのであればよい。
- 特区は既得権の問題を解決する上で、非常に重要。
- 地熱を評価する際に、温泉法など利害関係が絡む場合は、特区の設置が有効。
- CCSは2020年においてどのくらい有効か。CCSを徹底的に行いCO2排出量を削減すべきか、再生可能エネルギーの推進により削減すべきか、同時並行での推進もよいが、力点はどこか。
- CCSは2020年においては、技術的に問題ないが、コストはまだ高い。
- 日本全体のエネルギー問題については、2020年までの10年間で、できるもの、できそうなもの、取り組みたいものを整理し、どれをやるかを判断していくべき。
- 2020年にCCSは導入可能だが、インセンティブを与える施策が必要。オーストラリアのように、法規制を整備し、行政が一定の保障をすることは、企業のインセンティブとして非常に重要。事業法の整備があれば2020年にできる場合もある。
- CCSの削減ポテンシャルも大きいが、再生可能エネルギーは数千万トンから数億トンの削減ポテンシャルがある。スマートグリッド、スーパーグリッド、ハイブリッド車などと融合させ、この分野を育成すべき。
(2)中長期ロードマップ調査の検討事項について
資料2-1及び2-2について説明
(質疑)
- 将来の前提条件について、最低限必要な情報は各WGでそろえるべき。
- マクロフレームについて、鍵となる素材生産量や旅客輸送量などの重要な指標は2020年、2030年で幅を持って示すことが必要。
(3)低炭素社会実現のために我が国が取るべき戦略について(委員からのヒアリング)
資料3-1及び3-2について、それぞれ赤井委員及び安井委員から説明
(質疑)
- 日本のCCSの削減ポテンシャルは、理論的ポテンシャルと技術的ポテンシャルの間で、1,700億トン程度。実際は、その他に経済的、社会的ポテンシャルを考慮することとなるため、もう少し小さいであろう。
- 住宅断熱の限界削減費用だが、国立環境研究所の研究では住宅断熱の耐用年数を短く見ているため評価が低い。また、温暖化対策以外の利点もあり、総合的に評価すべき。
- 1980年代後半の石油ショックにより対策が進んだが、その後に石油の値段が暴落し、対策は後退した。現状では化石燃料の値段が高くなってきているが、また暴落する可能性がある。対策の推進に当たり、考慮しておくべき。
- 運輸部門では、現在は自動車対策が課題だが、長期的に自動車の排出量削減を進めていくと、相対的に、船舶や航空機の排出量が無視できなくなる。2050年80%削減の世界を考える際は、全体のバランスを確認することが重要。
- 電力がカーボンフリーに近づき、住宅・建築物の使用時の排出量が減少すると、建設段階の排出量の割合が相対的に大きくなる。この際、木造化が有効な対策となってくる。
(4)その他の項目について
資料4-1及び資料4-2について説明
(質疑)
- 産業部門の熱利用は工夫の余地がある。ただ、中小企業が安心して導入できる製品を確立し、早く使ってもらえるようにすることが必要。
- 石炭火力は海外から買える便利な資源。止めようと思えばいつでも止められるので、早期から選択肢として排除すべきではない。
- 石炭は減らすのではなく、今までに増やし過ぎた分を、まず、元に戻すべきということではないか。
- 技術開発について規格や標準化の話が弱い。良いものを作るだけではなく、公的な機関が規格化、標準化に積極的に取り組むべき。
- 産業界の意見を聞く機会を設けるべき。
- 温暖化対策投資に係る経済波及効果だが、基本的にはプラスだけではなく、ネガティブな影響もある。手法によっては、影響を過大評価する可能性があり、分析の限界点は把握しておくべき。
- 資料4-2について、太陽熱温水器を追加すべき。
以上