環境省地球環境・国際環境協力カーボン・オフセットカーボン・オフセットに用いられるVERの認証基準に関する検討会

カーボン・オフセットに用いられるVER(Verified Emission Reduction)
の認証基準に関する検討会(第7回)議事録

平成21年1月13日(火)

於・虎ノ門パストラル アジュール

開会
挨拶(寺田地球環境局長) 
議事
 (1)森林吸収ワーキンググループでの検討状況について
 (2)その他 
   ・平成20年度オフセット・クレジット(J−VER)創出モデル事業の採択について
   ・オフセット・クレジット(J−VER)登録簿の開設について
閉会

開会

○高橋室長 お待たせいたしました。定刻を過ぎましたので、ただいまから第7回カーボン・オフセットに用いられるVERの認証基準に関する検討会を開催させていただきます。

○高橋室長 開催に先立ちまして、寺田地球環境局長より、一言御挨拶を申し上げます。

○寺田地球環境局長 地球環境局長の寺田でございます。
 本日は、年明け早々、大変お忙しい中、御参集賜りましてまことにありがとうございます。私は昨年の7月から地球環境局長を拝命しておりまして、その前1年間ほど海外のほうで勉強させていただいたんですけれども、ことしの正月帰ってきましたら、カーボン・オフセット年賀状というものが販売されており、私もそれを購入して年賀状を出したということで、随分この1、2年、カーボン・オフセットというのは広がってきたのかなという気もいたしております。
 このカーボン・オフセットを発展させるためということで、先生方に大変御努力をちょうだいいたしまして、幸いその成果はありまして、昨年の11月には、いよいよオフセット・クレジット制度、J−VER制度を立ち上げたところでございます。また、12月には申請案件の第1号として高知県から、ボイラー燃料を化石燃料から未利用の林地残材に転換するプロジェクトの申請も受け付けたところでございます。
 年が変わって本日でございますけれども、本日は、森林の吸収量をクレジットとして認証する基準についてワーキンググループでの御検討をちょうだいしているところでございますので、その点について御議論をちょうだいしたいと考えております。もちろん森林吸収というのは、京都議定書の目標を達成する上で非常に大きな役割が期待されております。ただ、それにとどまらず環境問題全般をとらまえて考えてみますと、現在、国内の森林の荒廃というのは、さまざまな意味でさまざまな問題を起こしているところだと考えております。
 こうした国内森林の活性化、林業の活性化にも大きく資するところがあるものではないかと考えておるところでございます。同時に、このオフセット制度の対象となるプロジェクトを拡大するために、オフセット・クレジットの創出モデル事業ということで、いろいろなところからさまざまなアイデアをいただいております。そうしたアイデアについて審査を経て幾つかの採択案件を決定しましたので、本日御報告させていただきたいと考えております。
 いずれにしましても、御存じのとおり京都議定書の次の枠組みが本年いっぱいでコペンハーゲンで合意されることが期待されております。そのための非常に重要な1年が始まったわけでございます。環境省としましても、京都議定書よりさらなる高い目標を達成するため、この達成の一環としてカーボン・オフセットというものを重視しております。これをますます発展させてまいりたいと考えておりますので、よろしく御審議のほどお願いいたします。

○高橋室長 それでは、以後の進行につきましては新美座長にお願い申し上げます。

○新美座長 どうも、皆さんこんにちは。今、寺田局長からありましたように、いよいよことしから重要な局面を迎えるということですが、我々も大詰めにきて、カーボン・オフセットの制度がいよいよ動き出すことになろうかと思います。
 それでは、御議論に入ります前に、最初に事務局から資料確認させていただきたいと思います。よろしくお願いします。

○三菱UFJリサーチ&コンサルティング(平塚) それでは、お手元の資料について確認させていただきます。
 1枚目に本日の議事次第がございまして、めくっていただくと本日の座席表、その裏面が委員名簿になります。その次から資料でございまして、資料1−1が森林吸収WGについて、資料1−2森林管理プロジェクトの適格性及びCO2吸収量の計上方法について(案)、資料1−3森林管理プロジェクトの方法論について(案)、資料1−4森林管理プロジェクトに係るVER発行に関する事項等について(案)、資料2として平成20年度オフセット・クレジット(J−VER)創出モデル事業の採択についてでございます。
 それ以降参考資料になりまして、参考資料1−1森林経営活動(間伐促進型)のポジティブリスト(案)、参考資料1−2森林経営活動(森林経営促進型)のポジティブリスト(案)、参考資料1−3植林活動のポジティブリスト(案)、参考資料2−1森林経営活動(間伐促進型)の方法論(案)、参考資料2−2森林経営活動(森林経営促進型)の方法論(案)、参考資料2−3植林活動の方法論(案)、参考資料3として平成20年度オフセット・クレジット(J−VER)創出モデル事業の募集について、参考資料4として、こちらはカラーになっておりますが、オフセット・クレジット(J−VER)制度パンフレットでございます。参考資料5−1オフセット・クレジット(J−VER)制度実施規則から、参考資料5−7オフセット・クレジット(J−VER)制度モニタリング報告書の検証のためのガイドラインにつきましては、傍聴の方については本日配付を割愛させていただきました。気候変動対策認証センターのホームページで公開されておりますので、そちらを御参照いただければと思います。そして最後に、参考資料6オフセット・クレジット(J−VER)登録簿の開設について、という資料になります。
 過不足等ございましたら、事務局まで御指摘いただければと思います。

○新美座長 ありがとうございます。
 

○新美座長 それでは、始めたいと思いますが、前回11月に検討会が行われましたが、それから随分間があいておりますので、具体的な議論に入ります前に、オフセット・クレジット(J−VER)制度の目的・位置づけ、それから、第1号案件の高知県の審査状況について、環境省から御説明していただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

○高橋室長 それでは、私のほうからオフセット・クレジット制度の開始について御報告、御説明させていただきたいと思います。今お示しした資料の中で、色刷りのオフセット・クレジットのパンフレットがございますので、これを御参照いただければと思います。
 昨年11月にこのVER検討会、前回の検討会において、オフセット・クレジット制度のスキームについておまとめをいただきました。まことにありがとうございました。それを踏まえて、11月14日付で具体的なオフセット・クレジット(J−VER)制度というものを開始しております。趣旨等は御説明するまでもございませんけれども、カーボン・オフセットに用いられるクレジットとして、国内の排出削減・吸収量を認証して使えるようにしていこうということでございます。具体的な大まかな仕組みが、両開きの右側のほうに制度の概要としてございます。
 1点だけ御報告というか、前回の検討会で少し議論になったところで、それを反映した部分ですが、前回の検討会のときに一部の委員のほうから、環境省と気候変動対策認証センターの関係が少しわかりにくいのではないかという、体制について少し御意見がございました。その辺も踏まえて少し明確化させていただきましたが、あくまでも今回のJ−VER制度、オフセット・クレジット制度というのは、環境省がスキームオーナーといいましょうか、実施しているものです。
 「実際のプロジェクトの申請が上がってきたものを審査する。その前に、ポジティブリストとか方法論をつくる。プロジェクトを登録する。実際のクレジットを認証し発行していく。そういう基本的な意思決定については、環境省から任命されたオフセット・クレジット認証運営委員会が当たる」ということでございます。その認証運営委員会の事務局ということで、実際の申請書の受理等、この運営委員会の運営の支援を事務局として気候変動対策認証センターが行うということで、役割を明確にさせていただいております。そういう形で11月14日にこの制度を立ち上げております。
 この裏側に、第1号申請ということで、12月3日に高知県のほうから「木質資源エネルギー活用プロジェクト」ということで、間伐材、林地残材を活用して、ボイラーにおける燃料代替として用いるプロジェクトについて申請がございました。現在このプロジェクトについて登録されて、実際の検証機関による現地の検証等が行われて検証報告書が準備されていると聞いておりますが、そういう状況にきております。また後ほど御説明があると思いますが、実際のクレジットを管理するための登録簿についても準備が大体整ってまいりましたので、口座の開設等も今後できるようになってきている状況でございます。
 現在は、方法論としては、森林バイオマス、特に林地残材を活用したバイオマス、燃料代替の方法論が1つ決まっているところですが、本日御議論いただく森林吸収、それから、当然これまで議論していただいたグリーン電力証書を活用した再生可能エネルギーの利用も次回御議論いただきたいと思っておりますけれども、そういうものを追加していく。それから、これも後ほど御紹介しますが、モデル事業で提案されたものについても方法論を今後検討していくということで、この方法論の追加を今後やっていきながら、より幅広いプロジェクトが申請いただけるように、この制度の普及、促進に努めてまいりたいと思っているところでございます。
 重ねて前回までの御議論に御礼を申し上げるとともに、御報告させていただきました。
 以上でございます。

○新美座長 ありがとうございました。
 ただいまの御説明について何か御質問がありましたら、名札を立てていただけたらと思います。
 特にございませんか。

議事
(1)森林吸収ワーキンググループでの検討状況について
【資料1−1〜1−4、参考資料】

○新美座長 なければ、それでは議論に入ってまいりたいと思います。
 議事のメインテーマ、先ほど局長からもありましたが、きょうは「森林吸収ワーキンググループでの検討状況」について、御紹介いただいた上で御議論いただきたいと思います。資料説明が大分長くなるかと思いますが、全体像を把握してから質疑応答に入りたいと思います。まず事務局から、森林吸収WGでの検討状況について御説明していただきたいと思います。その後、室長と小林委員からの補足説明をしていただく、そういう手順で参りたいと思います。
 では、まず説明をお願いします。

○三菱UFJリサーチ&コンサルティング(竹田) それでは、お手元の資料1−1から4と、それから席上配付になりますけれども、資料番号がついていない参考資料を用いて説明させていただきたいと思います。
 それでは、資料1−1でございます。前回第6回の検討会でも御説明したかと思いますが、このVER検討会のもとに「森林吸収WG」というものを設置しまして、本日御用意しました資料について、10月末から3回ほど検討してまいりました。このWGは、目的の最後のところにも書いてございますが、環境省だけではなくて林野庁と連携して、森林吸収VERを検討するために設置したものでございます。裏のページに書いてありますが、森林とか植林CDMの専門家の方々に入っていただきまして、WGを設置して、これまで検討してきたわけでございます。
 主な検討事項として、これから御説明します森林管理プロジェクトの追加性(適格性)、方法論、既存の森林吸収VERのレビューなどもしてまいりました。その上で、実際のVERの認証発行スキームを検討してきたわけでございます。ただし、※印に書いてございますが、森林以外の開発地、いわゆる都市部の植生回復、都市緑地などがありますが、そういった吸収活動とか、あるいは伐った後の木材製品、木造住宅なんかの炭素貯留のクレジットの考え方も諸外国であるわけですが、こういったものについては、この検討会では検討の対象外させていただきました。
 それでは、その結果を資料1−2から順に御説明したいと思います。
 まず森林管理プロジェクトの追加性(適格性)ですが、これは森林の施業の内容と永続性と採算性の3つの観点から定義、設定させていただきました。
 まず最初の、対象となる森林の種類と施業内容ですが、森林経営プロジェクトと植林プロジェクトの2つございます。森林経営プロジェクトですが、これは京都議定書目標達成計画上計上される対象森林にあわせて、森林法第5条又は7条2に定める森林(「森林計画対象森林」という。)を対象として、その確認のための森林施業計画書、あるいは認定書、森林認証における森林計画の写し等を提出していただくことにしております。
 この森林経営プロジェクトでどういう施業が対象になるかということですが、後段になりますが、2つ用意しました。1つが間伐促進型プロジェクトです。これは京都議定書目標達成のために政府が推進している、平成24年度までの集中的な間伐を支援するということで、森林施業計画の認定を受けた森林、あるいは森林認証を取得した森林における間伐の施業を対象としております。この間伐対象林分については、クレジット対象期間内において主伐、いわゆる木を伐って木材にする活動を行わないことを対象としていること、それから、森林計画等の基準に適合した適切な施業が行われていることを条件としています。これについては後で御説明します。
 もう1つが、持続可能な森林経営促進型プロジェクトと言いまして、これは間伐を対象にしておりますが、それ以外の植栽とか主伐を含めた一連の施業も対象としたプロジェクトでございます。対象林分については、森林計画の基準に適合した適切な施業を行われるものに限定することにしております。
 この森林経営促進型プロジェクトの場合は、2ページ目の上になりますが、主伐を含むので、その主伐に伴う排出量も計上することにしております。
 大きく分けて2つ目の植林プロジェクトですが、これは2008年4月1日時点で、森林計画対象森林でなく、京都議定書に基づく我が国の森林の定義を満たさない土地における植林を対象としております。
 これは番号のついていない参考資料で御説明したいんですが、1枚めくっていただいて、議定書で森林吸収源と認められる森林ということで、京都議定書の3条3項、4項がその対象になりますが、ここでは4つの活動をポンチ絵で書いています。
 1つが新規植林で、過去50年間、森林がなかった土地に植林するというのが新規植林でございます。再植林というのは、議定書で基準年となっている90年時点で、森林でなかった土地に植林する活動です。森林経営というのは、先ほど御説明した森林を適切に施業して永続的に管理するというものでございます。その下に森林減少というのがございまして、90年時点で森林であった土地が、他の土地利用になったもの。例えば森林を開発した住宅、ゴルフ場、工業団地等が対象になります。
 この植林プロジェクトというのは、議定書で言うところの新規植林、再植林活動、いわゆる90年時点で森林でなかった土地に植林する活動に加えて、一番最後の森林減少の、一たん転換された土地をもう一度森林に戻す活動も含めるということで、2008年4月1日時点で森林でなかった土地を対象としているということです。
 具体的には、90年時代にゴルフ場等で開発されたんですが、その後、経営破綻してゴルフ場をもう一度森に戻すという活動、90年から2008年に一たん森林でなくなった場所にもう一回木を植える活動ということになります。こういったものを植林プロジェクトとするということでございます。
 それから、2つ目の大きな条件として、永続性を担保するための条件ということです。これまでずっと御議論していただきました排出削減プロジェクトと異なり、森林をCO2の吸収源とみなすためには、森林が永続的に管理されて、吸収された炭素ストック量が維持されることが必要になります。長期的に炭素ストック量の維持を担保するための条件として幾つか議論した結果、設定させていただきました。
 1つが、森林施業計画に基づく森林管理活動を第三者が検証する方法でございます。森林所有者は、単独、共同あるいは森林組合という形で受委託契約を使って、30ha以上の森林を対象に森林施業計画、どういう施業をどういった時期にやっていくかという計画を作成して、その計画が適切なものかどうかを市町村が認定するという制度がございまして、この認定された森林所有者は、伐採、造林を行った場合には、森林施業計画に係る伐採・造林の届出書を提出するということで、この届出書を用いて森林施業計画に沿った施業が行われているかどうかを確認することができます。これで、恣意的に木を伐らないとか、木を伐るのを遅らせるとか、そういったものをチェックしていこうということでございます。
 そのために、この申請時点で森林施業計画書と認定書の写しを提出していただくとともに、実際に施業した後の吸収量を第三者検証するときには、計画に基づく伐採届の写しを提出していただきまして、継続的な施業を確認することにしたいと思います。国有林の場合は、施業実施計画という名前になります。さらに3番目として、森林施業計画の認定が取り消しとなった場合、あるいは森林施業計画は一定期間で更新していきますが、その更新が継続して作成されなかった場合には、クレジットの発行を取り消すことにしたいと思います。
 それから、もう1つが「企業の森づくり」制度というのが地方公共団体の森林整備手法としてあります。これは企業のCSRの一環として普及している制度ですが、こういう取り組みをする場合は協定を結ぶのが通例となっておりまして、この協定書の写しを提出していただくことと、先ほど申しました森林施業計画の認定の取得を受けなければならないということです。
 もう1つが、森林認証制度に基づく方法でございます。表2に我が国の森林認証制度の概要を示しております。持続可能な森林経営を評価するための指標として、FSCとSGECという略称ですが、この認証制度が普及しておりまして、我が国でも、それぞれの表の中に書いてあるとおり、数十カ所の認証している場所がございます。こういった森林認証を受けている森を評価しまして、その森林認証を受けているということと、その森林認証を受けた森林の森林計画書、これはどういう施業をするかを書いた計画書がありますが、これにおいて、伐採後の森林の確実な更新が行われることが記載されている森林については、炭素ストック量が永続的に維持されるであろうということを担保しているとみなそうということでございます。取り消しの基準については同じでございます。
 それから、適格性基準以外に、永続性を担保する方法を幾つか検討してまいりました。1つが自然撹乱等の影響への対処ということで、森林火災、台風被害、病虫害で、木が燃えたり倒れたりすることを「自然撹乱」と申しますが、こういう自然撹乱による影響に対処するため、発行されるであろうクレジットのうち一定量を認証センターの口座にバッファーとして確保し、もし自然災害があった場合に、あらかじめ確保したバッファー分から補填するものを考えております。
 ただ、日本全国の統計値を見てみますと、こういう自然撹乱を受ける土地が年間0.1%ぐらいで、諸外国に比べて極めて少ない状況になっておりまして、どれぐらいのバッファーを確保したらいいかは、これから検討していきたいということでございます。
 それから、4ページ、2つ目の対処の方法が土地転用・主伐への対処ということです。間伐促進型プロジェクトの場合は、クレジット発行対象期間内には間伐実施森林について転用、いわゆる違う土地利用に変更する開発とか、あるいは木を皆伐、択伐の主伐という行為を行わないことを条件としておりまして、クレジット発行期間後に転用とか主伐を行った場合は、先ほどの永続性を確保するという観点から、同程度の炭素ストック量が期待できる施業を同じ林分、他の林分で行うことを環境省、気候変動対策認証センターのほうに誓約していただくことを条件としたいと思います。
 それから、吸収量を一度クレジットとして発行した森林で主伐が行われた場合、その後木を植えることになりますが、そういう場所は既にクレジットが発行されたものを補填するという活動でございますので、新たなクレジットの発行対象とはしないということでございます。もう1つのタイプの持続可能な森林経営促進型プロジェクトというのは、主伐の排出量も引き算してクレジットを発行しておりますので、この規定の対象外になります。
 それから、3つ目の条件がクレジット発行対象期間後の植林放棄等への対処ということです。これがかなり社会問題となっているわけですが、クレジット発行対象期間後の伐採跡地に植林することを放棄してそのままになっているような場所については、炭素ストックが減少するのでそれを防止する観点から、環境省または認証センターのほうで、実際に承認された森林プロジェクトの情報、だれが森林所有者で、どの土地の森林が対象になっているかをWebサイト等で公開して、一般世間に見ていただくことにしております。
 それでクレジット発行対象期間後に炭素ストック量が明らかに維持されていないことが判明した場合には、クレジット補填のための必要な措置を講じることにしたいと思います。必要な措置については、かなり今後も検討が必要ということで、どのような措置にするかは法律の専門家等と相談して、今後もう少し詳細について検討していきたいと考えております。
 それから、森林施業計画の認定、あるいは森林認証の取り消し、非継続、これで取り消した場合も同様の措置をとって厳しくしていきたいということでございます。
 それから、適格性条件の大きな3つ目のプロジェクトの採算性でございます。これはJ−VER制度の中で補助金を含めた事業採算性の要件が入っておりますが、今回、森林のプロジェクトの場合は、補助金を受けていることをもって申請の対象から除外する、あるいはクレジット量を割り引くことはしないということにしたいと思います。森林経営プロジェクトをクレジットの対象とする場合、間伐を対象とするんですが、間伐しなくてもいいような木まで伐るとかなり収益性が上がるということで、採算性を過度に重視した不適切な間伐を行うプロジェクトは不適格としたいと思います。
 本制度では、事後に提出される森林施業計画に係る伐採・造林の届出書、森林認証における監査報告書、企業の森づくり制度で言うと進捗報告書というものがございますが、こういったものの写しにより各計画の遵守を確認するとともに、現地で専門家に適切な間伐量かどうか、間伐率が適切かどうかを判断していただくことにしております。
 森林認証制度についても、毎年の監査時に施業林分の届出照合とか現地確認を行っていないということで、現地確認のコストを軽減する観点から、必要な確認事項の認定についてはどの程度まで入れるか慎重に今後検討していきたいと考えております。
 それから、2つ目の大きな考え方の吸収量の算定・計上方法でございます。森林経営プロジェクトですが、5ページになります。京都議定書の第一約束期間においては、国内の森林経営活動に基づく吸収量、議定書では「RMU」と言っておりますが、この計上方法としてはグロス‐ネット計上方式が採用されておりまして、そのデータがきちんと整備されていること、それから、ベースライン‐クレジット計上方式には運用上の困難が生じることから、グロス‐ネット方式をJ−VER制度でも採用したいということでございます。
 これについては資料番号のない参考資料で御説明したいんですが、1ページ目に森林経営活動に伴う吸収量の考え方ということで、左側にグロス‐ネット計上、右側にベースライン‐クレジットによる計上がございます。グロス‐ネット計上というのは、この図で言うと2008年から2012年の実際の森林の炭素ストックの増加分を吸収量として計上するという考え方でございまして、もう1つが、森林経営がなされなかった場合をベースラインとして、それに加えて森林経営された場合の森林の吸収量の差をとってクレジットにするというのがベースライン‐クレジットという方式でございます。これは排出削減と同じような――これは反対を向いているかと思いますが、同じような考え方でございます。今回は京都議定書の方法と同じグロス‐ネット計上を採用することにしたいと思います。
 それから、持続可能な森林経営型については、繰り返しになりますが、主伐に伴う排出量も計上することになります。
 それから、算定方法については、後で詳しく1−3で御説明します。
 次に、植林プロジェクトです。これは同じグロス‐ネット計上方式を採用しますが、実質的には、最初に木がなかった場合ですので、ベースライン‐クレジットも同じような算定式となるということでございます。
 3番目、プロジェクトの排出量・吸収量算定対象範囲ということです。基本的にはプロジェクトの対象範囲の中の排出・吸収を漏れなく算定するということですが、幾つか算定の考え方について整理しております。
 まず森林経営プロジェクトについては2つございまして、次のページの図を見ていただきたいと思います。6ページの上の図1が間伐促進型プロジェクトの場合の排出量・吸収量算定範囲ということで、いわゆる全体のプロジェクト対象範囲の中で間伐をした場所、委員の資料については黄色になっていますが、黄色のところが対象範囲で、この黄色の場所については、転用とか主伐を行うことができないことになります。
 それから、下の持続可能な森林経営促進型プロジェクトということで、その対象範囲のうち、本制度の適格性基準をクリアした施業の森林施業計画及び森林認証の対象林分のうち、プロジェクト開始時期以降に適切な施業、これは植栽、間伐、主伐が入りますが、そういった一連の活動した場所が対象となるということで、お手元の資料では赤いところになります。プロジェクト開始時期は後で御説明しますが、90年以降の活動を対象にしたいと考えております。この対象のうち、いまだ間伐等を実施していない林分については算定対象外になります。
 次の7ページ、プロジェクトの開始時期及びクレジットの発行対象期間です。間伐促進型プロジェクトの場合は、政府として森林吸収源対策を毎年20万ha実施するという追加的な整備を開始したのが2007年4月ですので、2007年4月以降に実施した間伐林分については、採算性の乏しい林分も含めた間伐を促進しているとみなすことができますので、この算定対象にするということでございます。
 それから、持続可能な森林経営促進プロジェクトの場合は、3条4項の方法と整合性を考慮して、この森林経営自体も最近収入が乏しいということですので、90年以降に施業がされた林分を算定対象にすることにしております。
 それから、2008年4月以前に植林が行われたプロジェクトは、2008年4月1日以降、間伐等の適切な施業が行われていることを確保することが重要であるということで、植林プロジェクトのEarly Actionとして扱うのではなくて、森林経営プロジェクトとして扱うことにしたいと思っております。
 それから、クレジットの発行対象期間です。その増大効果というのは、間伐・植林実施後一定期間継続されます。それから、京都議定書3条4項に基づく報告でも、間伐・植林後複数年の吸収量を算定対象にしているということで、クレジット発行対象期間中の複数年、いわゆるやった年から最後の第一約束期間終了までの吸収量を算定対象とするということで、2008年にしたものは5年分、2012年では1年分という形になるかと思います。
 それから、5番目として都道府県等の既存制度の移行ということです。森林経営に当たっては、個別の森林所有者における取り組みが重要であるということですが、一方において、現地調査の手法開発、あるいは地元の森林組合の担い手の意識啓発を考えると、都道府県の役割がかなり大きいだろうということでございます。
 ただ、この検討会の中でレビューしましたけれども、各都道府県が実際に実施している森林の吸収証書の発行制度は、クレジット量と価格の考え方、吸収量の算定方法がかなり異なっております。そこで市場流通型のクレジットにするためには、同一の活動に対しては同一の対価を有するという考え方から、同じような方式を持っている都道府県がするのであれば、プログラム認証してよいのではないかということにしております。
 次に、資料1−3が森林管理プロジェクトの方法論でございます。先ほど申しましたとおり、吸収量の算定式はグロス‐ネット方式とするということです。吸収量の算定対象とする炭素プールは、京都議定書ではIPCCの算定方法を採用しておりまして、その対象となる土地には5つのカテゴリーがあります。1つが地上部バイオマスで幹と枝葉の部分です。それから地下部バイオマスで木の根っこになります。それから土壌炭素ということで土壌に含まれている炭素量です。それから土壌の上にリターと言って葉っぱが蓄積される部分がありますが、葉っぱの部分のリターの部分と、あるいは枝も含めて枯死木というのが森の中にございまして、そういったものを対象としております。
 ただ、一定期間、継続的に森林管理されている土地においては、土壌とかリターの炭素ストックは大きく変化しないということが科学的に知られております。また施業実施後一時的に変化したとしても、長期的に見ればもとの状態に回復するということで、枯死木の炭素ストック量は一定期間後に腐朽されて放出されることから、算定に当たっては大きな影響はないのではないかということで、今回、吸収量の算定対象とするのは、先ほどの地上部バイオマスと地下部バイオマスの2つにしたいと思います。
 お手元の資料番号のない資料がございますが、2枚めくったところに炭素プールの考え方がございます。これの生体バイオマスのところだけを対象にするということでございます。
 それから、間伐等の施業に伴う温室効果ガス排出量の取り扱いということです。間伐施業を実施した場合、チェンソーとか集材機で化石燃料が消費されるわけでございまして、こういった化石燃料の消費に関しては、クレジットの対象活動の施業に伴って排出されますので、吸収量から差し引くことにしたいと思います。
 それから、自然撹乱等の影響への対処方法については、先ほど御説明しましたので説明は省略させていただきます。
 実際に計算方法をどうするかということですが、資料の2ページに純吸収量の算定式がございます。基本的には森林経営活動とか植林活動の炭素吸収量から主伐等のその他排出源を引いた後、化石燃料の排出を差し引くということでございます。
 (2)で吸収量の算定を示しておりますが、先ほど言いました地上部バイオマスと地下部バイオマスの年間のCO2吸収量を算定することになります。ちょっとパラメータが多くてややこしい式になっておりますが、基本的に森林経営活動に基づく吸収量は、森林施業した森林の面積に単位面積当たりの幹材積成長量、これは各地域の収穫予想表というのがありますが、その収穫表に基づく材積量を選択していただくことになります。これは樹種別にございます。
 それから、材積量は面積と合わせて出るわけですが、その材積量を、幹の部分だけですが、それを枝葉の部分に補正する拡大係数というのがございまして、加算補正するための係数を乗じて、その材積量、重量を換算する容積密度という係数がございまして、これを掛け算して、最後にその中の重量ベースで炭素の含有率(0.5)がございます。この係数を乗じて、あと12分の44を掛けてCO2換算するということになります。地下部については、地上部に対する地下部の比率という係数がございまして、これを乗じて計算することになります。
 3ページ、プロジェクト排出量の算定ということです。これは植林プロジェクトと、森林経営プロジェクトでその他差し引く数字を掲載しておりますが、植林プロジェクトの場合、特に農地とか草地になりますが、植える前に植わっていたバイオマスの吸収量、それを全部取り除く作業が入りますので、その取り除かれるバイオマスの蓄積量を引き算してもらいます。
 それから、森林経営促進型プロジェクトでは、先ほど御説明しましたとおり、木材として売るための主伐というものを差し引きますので、地上部バイオマスと地下部バイオマスの両方を引き算してもらいます。ただ、根っこの部分は森に残っているじゃないかということで言われる方もいますが、これについてはやがて排出されますので、根については伐採即排出ということで計上しております。
 一番下が燃料消費量、これは間伐を含めチェンソーとか化石燃料を消費する機材の排出量です。これを引き算するということです。これについては吸収量に比べてかなり微少で、大体10立米か20立米に1リットルぐらい消費すると聞いております。
 この算定式にどういうパラメータを使うかということですが、5ページに森林簿樹種の拡大係数、枝根率、容積密度数があります。先ほど御説明した0.5の炭素含有率を含めて4つのパラメータは全国標準値を使っていただくということですが、一番最初の材積量を計算する場合には、土壌条件とか土地の傾斜に応じた地位級というのがありまして、大体5段階評価をしております。そういったもの別に材積量を計算する必要があるということで、地位別の収穫表を用いて材積量を測定していただくことになります。
 4ページの申請時の吸収量の算定に用いるパラメータの部分ですが、パラメータのところは先ほど申したとおりですが、申請時にどこまで計算する必要があるのかということです。材積量、樹種別・地位別収穫予想表を適用してもいいんですが、なかなか難しい場合は、森林総合研究所のほうで簡単に計算できるモデルがあるということ、こういったモデルを用いて算定してもいい、ということにしたいと思います。
 施業が実施された森林面積については、施業計画の記載値を使用することになりますが、対象林分を明確にするため、計画図の写しと現地写真を申請書に添付して、書面で確認することになります。
 それから、モニタリング・検証時におけるパラメータということで、基本的なパラメータは先ほどと同じ表1のパラメータを用いますが、材積量については、現地調査によって地位級を特定していただくことになります。ただ、地位級の特定方法については、地域別に同じ方法を同一に使うのは難しいと聞いておりまして、プロット調査法とかいろいろありますが、複数の手法を認めることとして、プロジェクト申請時にモニタリングプランを確定していただくことにしたいと思います。
 森林施業が実施された面積ですが、GISとか測量に基づいて計測されたもので、伐採・造林届、森林簿における記載値を採用するんですが、現地調査時に境界が適切かどうかを確認していただくとともに、間伐が実際に行われているかどうかを確認していただくことにしたいと思います。
 それから、資料1−4、その他の事項になりますが、VER発行に関する事項で3つほど用意しました。1つがオフセット・クレジットの用途ということで、繰り返しになりますが、京都議定書の目標達成計画上、吸収源対策というのは排出削減対策とは別途計上されておりまして、京都議定書の第一約束期間においては、排出削減対策の目標遵守に森林吸収VERを活用することについては想定し得ないということでございます。ただし、都道府県別に排出量取引制度等を整備しているところもあるわけですが、こういったところの活用まで妨げるものではないということにしております。
 それから、少し技術的になりますが、後で御紹介いただきますJ−VER登録簿というのがございまして、すべて「JVR」というクレジットで管理する方針ですが、森林吸収プロジェクト由来のクレジットは「JRM」とか、J−VERの排出削減プロジェクトのクレジットとは別の種類として取り扱うことにしたいということでございます。
 それから、吸収量の検証ということでございます。これは森林施業計画等に基づく適切な施業が行われているかどうかの確認、それから、施業が実施されたかどうか面積を確定する行為は、対象が小規模森林であっても現地調査が必要になります。これは計算していただいたらわかりますが、かなり費用は割高になるかと思います。
 そういった観点から吸収量の検証は、ISO認定第三者検証機関により行われることを原則としますが、現地有識者・民間業者の活用とか、検証機関との適切な連携により、効率的に検証作業を行う体制を検討する必要があるのではないかということでございます。端的に言いますと、大きな面積がある森林でないとなかなか採算が合わないということでございます。
 それから、現在策定しております、参考資料の4以降にありますが、検証ガイドラインとかモニタリング方法ガイドラインについては森林吸収量の方法が記載されておりませんので、その部分について追記・見直しを図っていきたいということでございます。
 それから、3つ目がプロジェクトのバンドリングということです。先ほど申しました小規模森林所有者にとっては、森林施業計画の策定に必要な最低森林規模(30ha)に達しない、あるいは達したとしてもクレジット化する際の作業とか検証費用が大きな負担になることが考えられます。
 こういった観点から、例えば政府のほうで検討されている山村再生支援センター、森林組合、認定林業事業体、地方公共団体等により、小規模森林所有者の施業を取りまとめて、申請することを可能にすることがいいのではないかということです。
 また、モニタリング方法ガイドラインと検証ガイドラインの策定に当たっても、このバンドリングの可能性について考慮していきたいということでございます。
 最後、参考資料1のシリーズ3つと、参考資料2の1シリーズ、これは簡単に御説明しますが、参考資料1−1シリーズが、先ほど申しました資料を活動別に適格性要件をポジティブリストとしてまとめたものでございます。
 参考資料1−1だけ簡単に構成を御説明しますと、先ほどの森林経営活動におけるプロジェクトのうちの間伐促進型プロジェクトの条件を示したものです。これは排出削減プロジェクトと同じような書き方になっておりまして、プロジェクトの概要がありまして、その下に適格性基準ということで条件を3つほど書いております。あと補足の記載がございます。
 ページをめくっていただきますと、条件1から順番に記載されておりまして、これは資料1−2で御説明した内容を改めてこのプロジェクトのタイプ別に整理したものです。タイプ別にチェックする場合には、これを見ていただければと思います。
 それから、最後の5ページにポジティブリストに関する特記事項ということで、永続性担保の条件について3つほど記載しております。これは先ほど説明したものと同じものでございます。
 参考資料の2シリーズが方法論のほうでございまして、先ほどの資料1−3の内容をそれぞれ方法論として書いたものでございます。参考資料2−1だけ御説明しますが、これは間伐促進型プロジェクトに関する方法論でございまして、対象プロジェクトとその計上方法ということで、計算で考慮すべき排出・吸収源について記載しております。それぞれの算定方法が4番、5番で書いてございまして、その後、2ページ目でプロジェクト排出量の算定、全体の考え方と、それからモニタリング方法の、実際にモニタリングが必要なパラメータとか、測定方法例を簡単に記載しております。この内容についてガイドラインのほうで詳しく今後記載していきたいと考えております。
 以上でございます。

○新美座長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明に加えまして、森林吸収WGの座長でありました小林委員から補足説明していただいて、その後、室長から加えていただくことにしたいと思います。
 まず、小林さんお願いします。

○小林委員 それでは、森林吸収WGの座長をさせていただきました小林でございます。事務局の竹田さんからの説明で十分だと思うのですが、若干追加で御説明させていただきたいと思います。
 まず最初に、私としてはIPCC、京都議定書でどういうふうに森林吸収源が位置づけられているかに触れまして、それから、どのような検討経緯をたどったかということを御説明したいと思います。IPCCの第4次第3作業部会報告書では、森林吸収源についてさまざまな分析、評価がなされております。結論としては、森林、林業の温暖化防止の貢献の可能性を高く評価しております。
 そのためには、第1に持続可能な森林経営を国の戦略として実践すること。2番目に吸収量増大のための可能な施業としては、森林面積の維持増加がまず第一。それから林分レベル、ランドスケープレベルでの炭素蓄積量の維持増加を行う。こういったことが述べられております。私は大事なポイントは、IPCCの報告の中でこのあたりであろうと思います。
 そして政策措置としては、これはほとんどの国で共通することでありますが、森林維持管理のための資金インセンティブの必要性が述べられておりまして、今回ここで検討するところは、このあたりの有効な手段になるのではないかと私は考えております。
 2番目に、森林の温暖化防止への効果の評価では、CO2の吸収量の評価が重要な課題であります。これは既に事務局からの報告の中で詳しく述べられております。ポイントを繰り返して若干申し上げたいと思います。
 京都議定書におきましては、国内森林の3条3項、4項、それからA/R CDM制度の中で、こういったことが国際的に十分な検討がなされておりまして、ルールづけがされております。課題は2つでありまして、1つはこれも詳しく述べられたとおり吸収量の算出、算定方法。これはアカウンティングとかメジャリングというのが1つ。それから、永続性をどう確保して担保するか。この2点に集約されるのではないかと思います。こういったことをもとにして、どのようにしてクレジットを発給するかということであろうかと思います。この辺も事務局からの説明で十分述べられたとおりであります。
 さて、我が国の状況を見ますと、目標達成計画6%のうち3.8%が森林吸収源で、先ほど局長からお話がありましたように極めて重要な位置づけになっております。今回検討する制度は、この発給されるVERは目標達成計画には使えない、つまりコンプライアンスには使えないわけですが、我が国の3.8%の森林吸収源目標達成に側面から支援する大きな効果があると私は信じております。
 ちなみにこの制度に対する期待は、各都道府県自治体、民間の企業、NGO等から高い期待が寄せられておりまして、ある機関の都道府県を対象にした調査では、森林CO2吸収量の認証制度があると答えた府県が13、検討中が17で、全体の6割が既に実施もしくは検討中。したがいまして、早急にこの制度をこちらで固めまして、より適切な方法で森林吸収源が生かせるようにしていければ非常にいいのではないか。これは先ほどおっしゃったとおり、単に温暖化防止ではなしに我が国の森林を健全に整備する、それから地域の活性化等考え、環境社会との効果を考えた場合に、これも評価できる点だと思います。
 そこで、これまでの検討のことを若干触れさせていただきます。メンバーについては資料で出ているとおりでありまして、私としては、我が国において森林吸収源における最も豊かな知見と豊富な経験を有する専門家に集まっていただいたと思います。このうち何名かはIPCCの評価報告書の執筆評価にかかわっておりますし、また何名かは実際に林野庁、環境省とともに国際交渉に参加しておられる専門家であります。また、実務家としても、我が国の林業界の雄である速水さん、それから、国際的にはさまざまな活動をしておられる日比さんも入っていただいております。
 そういったことで私としては、我が国として現在考え得る最高のメンバーでこの検討ができたのではないかと思っております。この場を借りまして各委員の方々に感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございました。
 まず第1点については、森林管理プロジェクトの森林経営における吸収量の算定の基本的な考えとして、京都議定書の計算方法と合致するグロス−ネット方法を採用したことであります。これも詳しく事務局から説明があったとおりであります。
 京都議定書の第一約束期間においては、国内の森林経営活動に基づく吸収量、「RMU」と申しておりますが、計上方法としてグロス−ネット方式が採用されております。先進的に取り組んでいる都道府県等の多くは、議定書における我が国の森林吸収量の計上方法にあわせて、グロス−ネット計算方式を採用しております。
 このWGでは、このような我が国の現状を踏まえて、京都議定書の第一約束期間においては、国内の森林経営プロジェクト、J−VER制度を活用して進めることによって提唱、達成を支援する観点から、グロス−ネット計上方式を採用することとしました。
 第2点目は、プロジェクトの排出量・吸収量算定対象範囲の考え方に、個別林分を対象とする考え方と森林経営全体を対象とする2つの考え方がありますが、両者についてポジティブリストと方法論を策定、作成しました。先ほど申し上げましたとおり、京都議定書の目標達成を支援する観点からは、平成24年度まで毎年20万haの追加的な間伐、全体では年間55万haになりますが、集中的に推進するためには、これまでの間伐が進んでいない森林において間伐した林分を算定対象とする間伐促進型と、それから1990年以降の主伐等を含む一連の森林経営を実施しながら経営されている人工林について、森林経営が困難な状況を踏まえて、その森林経営全体を算定対象とする持続可能な森林経営促進型の2つのタイプを用意しております。
 第3点目は、これは重要なポイントですが、永続性の確保です。吸収された炭素ストック量を維持するためには、森林等における一連の適切な施業を永続的に実施していく必要があります。その永続性を確保するために、森林法11条に定められている森林施業計画、企業の森等による森林計画、及び森林認証制度等を活用しまして、検証時にこれらの森林施業計画等に従い適切な管理が実施されているかどうかを確認することにしました。また、森林火災、台風被害、病虫害等の自然撹乱の影響や、主伐後の植林放棄、土地、自然を監視するための必要な措置についても検討しました。
 以上、現在の世界の知見、我が国の知見等を総合して考え得る、最も適切な方法を制度設計として考えたつもりでございます。
 以上です。どうもありがとうございました。

○新美座長 ありがとうございました。
 続いて、高橋室長お願いします。

○高橋室長 私からは今後のスケジュールだけですが、本日この案について御議論いただいた上で、早急にこの案についてパブリックコメントをしたいと思っております。広く意見をいただいた上で、小林委員に座長をお願いしています森林吸収WGを再度開催しまして、中身を固め、必要な手続を経まして、年度内には吸収についてポジティブリスト、あるいは方法論を整備して、J−VER制度として実施できるように持っていきたいと思っております。
 以上でございます。

○新美座長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの事務局からの説明と小林委員及び高橋室長からの補足の説明、合わせて質疑及び議論に入りたいと思います。御発言の方は名札を立ててください。
 山本さんお願いします。

○山本委員 素人的な質問になるかもしれませんが、資料1−2と資料1−3を照らし合わせながら、実際に対象となる森林で具体的にどういったデータが得られて、モニタリングして吸収量が求められるのかというところを質問させていただきたいんです。
 まず資料1−2の2ページ目で、森林施業計画というのがあって、これは30ha以上だったら必ず作成して、市町村の認定を受けて、それで伐採とか造林したら必ず届出をする。このとき森林施業計画というのは、どんなデータがあって、この1−3の中で、モニタリング・検証時におけるパラメータとか申請時の吸収量の算定に用いるパラメータがありますが、これを私なりに見ると、幹の部分の材積量を計算すれば、あと拡大係数で枝、葉、根、炭素含有量が全部わかるので、そうすると炭素のストック量が決まってくることなんでしょうか。
 そうすると、ここの森林施業計画の中に具体的な数値というか、幹なりがどのぐらいの大きさで何本ぐらいあるか。あと樹種、地位によってもいろいろ変わるんでしょうが、そういった情報があって、既にデータとしたらどの程度のものがあって、それをどの程度活用できて、あと補足的にどのくらいやればこういった吸収量がきちんと算定できるのかという点、それが第1点です。
 それから、間伐とか書いてありますが、具体的に市町村の認定がどの程度のものなのか。これが非常に信頼性があってきちんと把握して、申請した内容を確認されて、要は信頼に足りるもので一応これを信頼することによってあとの検証も、要はこのデータをもとにずっと後々の吸収量の算定量をするに十分信頼性が得られるようなシステムになっているのかということ。
 あと間伐自体、私は山を見ないと。間伐はやられていますが、どういった間伐で、例えば1ha当たりどのくらいの木を残すのが間伐で、その辺の妥当な値がきちんと定められているのか。このあたりで、きちんとこういった施業計画は信頼性のあるものであり、これにのっとってやればどの程度のデータが得られて、後々の排出の吸収量をどういった形で計算できるのか、というところを御回答いただきたいんです。

○新美座長 それでは、事務局から説明をお願いします。

○三菱UFJリサーチ&コンサルティング(竹田) 1つ目の森林施業計画に記載されている内容等の算定方法を改めてもう一度御説明したいと思います。森林施業計画自体は、材積量そのものが載っているわけではなくて、実際の伐採、長期計画と直近の計画の2つありますが、森林は小林班という林業する単位の区分がありますが、それごとの樹種と、いつ植えていつ間伐とか主伐をするのかという計画を記載するようなものでございまして、実際に適切な施業をどういう形でこれから施業していくのかというのが記載されている計画書でございます。吸収量を算定するための何がしかの係数が載っているものではないということで理解していただければと思います。
 計算のほうですが、資料1−2は簡単にしか書いてございませんので、資料1−3でもう一度改めて御説明したいんですが、既存の数値は、先ほど山本委員からも御指摘があったとおり、表1の拡大係数と根の係数、容積密度、炭素含有率というのは、日本の吸収量のインベントリを整備する中で日本全国でかなりデータを集めたものでございまして、これはかなり精度のいい数字でございます。これをパラメータ数値で使っていただくということです。
 先ほどの2ページ目の算定式を見ていただければ、この基本的なケース以外にないところが、森林の面積と実際の材積成長量の部分になります。この面積自体は、先ほどの施業計画にも記載されておりますし、伐採届の中でも、どれぐらい間伐したのか出てくるわけです。それが土地面積と正しいかどうかは、現地で確認していただくということです。
 ヘクタール当たりの材積量は、2ページの長い式の(3)式の下に、3つ目のパラメータでTrunkというのがありますが、これの幹財積の年間成長量が実際に独自で整備してもらうデータでありまして、これは収穫表というのがありまして、スギとかヒノキの樹種別に、それから土壌の肥沃度を考えた5段階の地位表がありまして、その地位別、樹種別の収穫表で、例えば30歳のスギの木があったとしたら、それがヘクタール当たりどのぐらいの幹材積量があるかという早見表のような表がありまして、これは各都道府県で整備されておりますが、この収穫表に基づいてその成長量を選択することになります。
 この収穫表自体は、各都道府県でかなりデータを集めてつくった表でありまして、これの表に基づいて選択していただくことになります。この材積と面積を合わせて対象値の材積量が出まして、あとはパラメータを掛ければ吸収量が出るということでございます。したがいまして、独自の部分は、先ほどの各都道府県の収穫表で適切に材積量を選択することになります。
 それから、2つ目の御質問が市町村の認定のところですが、これも後で小林座長なり林野庁のほうから補足していただければと思うんですが、昔の施業計画の認定というのは不十分な部分もあったということですが、平成13年に森林法が改正され、翌年に新施業計画制度スがタートいたしまして、18年度以降で言いますと、これはすべてが認定を受けるわけではないんですが、大体45.8%ぐらいの面積が認証を受けていることになります。
 この制度自体、特に市町村が所有している森林は自己認定になってしまうわけでして、そういったものの信頼性をどうするかという御指摘もありましたが、今回、森林計画制度があればそのとおり認めるというのではなくて、その施業計画どおり森林整備がなされているかどうかを検証時点で現地調査するということですので、改ざんすれば改ざんの履歴も残るし、施業計画どおりにやっているかどうかというのは、専門家が現地に入ればすぐわかるということはこのWGの中でも専門の方から御指摘いただきました。すなわち、検証時点で、施業が正しく実施されているかどうかは検証できるため、そういった検証でパスしたものについては、変なものは入ってこないという形で、担保できるのではないかということで結論に至っております。
 以上でございます。何か補足があれば。

○新美座長 小林さんお願いします。

○小林委員 今の説明で十分だと思います。WGでもかなりこの問題については検討しました。林野庁の方からも詳しい説明を受けておりますし、その上で信頼できるのではないか。なおかつ、検証時点で専門家が現地を見れば、これはわかるのではないかと考えております。

○新美座長 ありがとうございます。
 
 それでは、続いて水野さんお願いします。

○水野委員 ありがとうございます。私からは3点あります。
 資料順に行きますと、資料1−2の最初に「森林管理プロジェクトの追加性(適格性)」という言葉が出てきて、私はこれは最初から「適格性」でいいのではないかと思います。J−VERの制度実施規則には、確かに「追加性」という言葉が書かれていますが、かなり議論して、ここで言う「追加性」というのは、つまり「適格性」だということで合意、コンセンサスがあって、実際に方法論を見ると「適格性基準」という言葉が最初に出てくることもありますし、ここに書いてある森林経営とか間伐促進というのは、追加性の議論ではないと思いますので、私はこれは最初から「追加性」という言葉は取ったほうが誤解は少なくなると思います。
 2点目は、同じ資料1−2の4ページの真ん中辺にある「クレジット発行対象期間後の植林放棄等への対処」ということで、ここで「補填」という言葉が出てきて、皆さんも御承知のとおり、CDMのほうのA/Rというのは、補填という問題がかなりバリアになっていることからすると、WGの中で、いかに補填という概念を取り外す方策というのがどのぐらいあったのか。
 例えばなんですが、私はこれはなるべく外すためには、1つは買った人が、そうするとオフセットではなくなるんですが、キャンセルしたい。自分の排出量をオフセットするというのではなくて、森林の吸収に貢献したいんだ、自分のオフセットは別にいいんだというふうにキャンセルされたクレジットについては補填の必要はないと思いますから、どんどん外していくとか、あとはクレジット発行対象期間後に明らかに維持されていないことが判明された場合とありますけれども、これは説明があったかもしれませんが、発行期間対象後というのはどのぐらいなのか。私はある程度の時間が過ぎたら、もう補填という概念は外していいのではないか。逆にそういうふうにしないとすごく管理のコスト、例えば登録簿もすごい管理コストがかかってくるので、いろいろな知恵を絞って、補填をなるべくバリアにしないようにしていったほうがいいのではないかと思います。
 それから、最後3点目は、資料1−3の真ん中の「間伐等の施業に伴う温室効果ガス排出量の取り扱い」で、チェーンソーの燃料消費に伴うものは、CDMと同じように差し引くというふうに書いてあるんですが、これはちょっと前まではそうだったんですが、直近の第44回のCDM理事会では、これは無視するということが決まっています。先ほどおっしゃったように1リットル程度ということで、十分少ないようですから、もしCDMと同じような考えに基づくのであれば、これは無視できるものでして。私自身は何でもかんでもCDMと同じようにする必要はないと思いますが、たまたまCDMでそうなったこともありますし、これは計算しないほうがいいのではないかと思います。
 以上です。

○新美座長 ありがとうございます。
 この点について事務局、あるいは小林さんのほうから再度コメントございますでしょうか。特に補填のところで何かあったと思います。

○三菱UFJリサーチ&コンサルティング(竹田) 御質問という形で、どれぐらいの期間を想定されるのかというお話がありましたが、御指摘のとおり、本当は30年とか40年とか長い期間引っ張ればいいんですけれども、それも本当に制度上担保できるのかというのもありまして、10年でいいんじゃないかとかいろいろと議論はしておりますが、今後もう少し検討を重ねて、どの辺が妥当かという時期については検討したいと思っております。
 それから、もう1つはチェーンソーの排出量の部分ですが、確かに事務局で調べた中ではかなり小さい数字でございます。この場でよければ、これは除外してもいいのではないかと考えております。

○新美座長 どうぞ。

○小林委員 水野委員の御意見、ありがとうございます。この補填については御指摘のとおり、できるだけバリアがないような制度を考えたほうがいいと思いますので、さらに検討してはどうかと思います。
 それから、チェーンソーや集材機等での燃料消費については、私もこれは外していいのではないかと思います。私自身はCDM理事会でこういうのが決まったのは知らなかったんですけれども、これまでの現地調査では非常に少ない割合ですので、これは外してもいいのではないかと考えております。データでもこれは証明できると思います。
 以上です。

○新美座長 小さいというのは、どの程度ですか。もうネグリジブルと言っていいですか。

○小林委員 ネグリジブルですよね。

○三菱UFJリサーチ&コンサルティング(竹田) 30haで計算したところ、1%未満でございます。

○新美座長 1%には行かない。ありがとうございます。
 チェーンソー等については、水野委員、小林委員からあったように、特にこれは加えるべきだということでなければ、CDMの方法と合わせるということで、ここで合意して事務局のほうに最終的な表現を委ねるということでよろしいでしょうか。
 それでは、そういうふうにして、あとの点についてはパブコメにかける前に少し環境省等と相談しながら最後は決めることにしたいと思います。
 今度は飯田さんお願いします。

○飯田委員  森林の吸収に関して実質論というか、本質的に非常に重要であることは私もそのとおりだと思いますし、今回の作業そのものの重要性も認めて十分高い評価をしているのですが、この仕組みそのものを大きな構図の中にどう当てはめて考えていったらいいのかということの頭の整理として質問したいと思います。先ほど小林さんからも御説明ありました資料1−4にも書いてありますが、京都議定書の目標達成計画上、第一約束期間においては、森林吸収VERを活用することは想定し得ないと書いてあって、都道府県単位の活用では使ってもいいのではないかということが書いてある。
 この実質論としての吸収源の話と京都議定書の3.8%の話はなかなかリンクしていなくて、例えば資料番号のない3ページ目に、日本の全森林で約2560万炭素トンで、3.8%が1300万炭素トン、要は約半分なわけです。では、1990年に森林が半分だったかというとそんなわけはなくて、そこに大きなずれがあるわけです。それはそれで、ある意味決まったものとして飲み込むことで一応京都議定書になっていますが、次の例えばコペンハーゲンで決まるかどうかは別として、次期枠組みではどうなっていくのか、つまり条約上の日本に割り当てられるものがどうなるのか。その中において、この中でつくった仕組みがどういうふうになっていくのかということに関して、多分だれもまだ答えを持っていないかもしれませんが、環境省なり林野庁はどういう見通しを持っているのか、大枠のところをお伺いしたいのが第1点目です。
 それから2点目は、同じ問題に関連しますが、資料1−2の2ページ目に、「京都議定書に基づく我が国の森林の定義を満たさない土地」と書いてありますが、先ほどの3.8%という大きな枠とここで書いてあるものが明示的に、つまりこの場所というのは明らかに京都議定書対象ではない、この場所は対象だということが明確に決まるのかどうかをお伺いしたいんです。これに定義していたら例えば何%ぐらいに相当して、それを計算したら3.8とは全然合致しないとか、そもそもの大きなずれというのは存在しないのか存在するのか、そこの京都議定書に基づく森林の定義を私は初めて見たものですから、どなたが詳しいのかわかりませんが、そこを教えていただきたいと思います。
 3点目は、さきほどの追加性に関するところで、7ページ目の4−1の「プロジェクト開始時期」の1ポツ目です。この1ポツ目に書いてある、政府として森林吸収源は毎年20万云々という文章は、一昨年から昨年にかけて何度も見た、まさに目達計画そのままの林野庁の計画だったと思います。ただ、目達計画というのは緩いものですから、これに書いてあるからといって直ちに追加性がないとは思わないのですが、これは林野庁の予算を挙げて真正面から取り組むものなので、これを対象とする、つまり追加性というか、さっきの話で適格性があるという判断をしたのは、「採算性の乏しい林分も含めた」云々というこの1行で判断していいのかどうか、ちょっと私としては理解できません。私はもともと追加性に必ずしも厳密にこだわるべきではないと考えているのですが、そうはいっても林野庁の真正面の施策なものですから、果たしてこれをこの中に織り込んでいいのか。織り込むとすれば、これはほとんど補助金で行われる間伐だと思っているので、このクレジットをとる人は一体だれなのかということをお伺いしたいと思います。

○新美座長 ありがとうございます。
 3点について、まず事務局から答えられるものを答えていただいて、あと林野庁、環境省のほうから補完していただくことにしたいと思います。どうぞお願いします。

○三菱UFJリサーチ&コンサルティング(竹田) 特に事務局が答えるものはなかったと思います。

○新美座長 では、林野庁の施策とかなり絡みますので、赤堀さんお願いできますか。

○林野庁 まず最初に、コペンハーゲンで最終的にはどんな姿になるかということですね。これはだれも予測できないところではあるんですが、1つ言えることは、今の姿というのは、各国どれぐらい吸収量があるかということもあるんですが、国際条約である京都議定書上では、それにキャップがかかっているという仕組みです。それから、国内的にはその量が京都議定書目標達成計画に反映されているという形になってくるわけです。その辺が次の約束期間でどういう形になるか。同じような、いわゆる総量に対して、使用が可能な量のキャップがかかるかどうか、またそれが次の約束期間の目標達成計画にどう反映されるかということが、このようなオフセット制度に活用するときにどんな形になるかにかかわってくるということです。これはいろいろなパターンが考えられますので、ここですべてお話しすることは難しいですが。

○飯田委員 今の構造的なずれをどういうふうに埋めていく努力をされるのかということをお伺いしたくて、先ほど申し上げたように、3.8%は政治的に決まった数字ですね。それと実質的な吸収量、いわゆるアクティビティーとはずれが大きくあるわけです。そこから先は政治的なものももちろん重要ですが、本当に日本の森林が機能することが必要なわけです。内実論を埋めていかなければいけないわけです。京都は京都でああいうふうに最終日に決まった数字ですから、それはそれで目達計画はできているわけですが、今度はコペンハーゲン、さらにはその先へ向けては、本当に日本の森林が活性化して吸収するようにしなければいけないわけで、そこで今の大きなずれをこれからどのように埋めていくのか。それにこの制度をどのように生かしていくのかということをお伺いしたいということです。答えは今ないと思いますが。

○林野庁 今回できる制度については、先ほど言われた3.8%に向けた間伐などの推進を後押ししていくという効果は十分期待できますから、それは期待したいと思っております。つまり、京都議定書の算定対象と本制度の対象はフィールドとして重複しておりまして、本制度により森林整備が進むことにより京都議定書上の対象森林としてのFM林が拡大していくことにつながりますから、そういう形で京都議定書の約束の履行にも資していくのではないかと思っています。

○新美座長 よろしいでしょうか。
 あと20万haというものを政策でやるということで、これで適格性を満たすかどうかという質問があったかと思います。その点についてはどうですか。

○高橋室長 WGで議論がございましたけれども、そこはどちらかというと公平性というか、アーリーアクション、いち早く取り組んだ人が不公平にならないように、そういう政策的な要請に基づいて早期に間伐をされた方々の努力も認めるべきではないかということで、最低限1年間さかのぼってもいいのではないか、そういう議論があったと記憶しております。

○新美座長 飯田さんのはそれだけではなくて、20万haそのものは林野庁の政策としてやるから、その分をクレジットで認める必要があるのかという議論ですか。

○飯田委員 認めてもいいとは思うのですが、認めるならそれなりのきちんとしたロジックを固めておかないと、一方では、前半あれだけさんざんアディショナリティーにこだわった議論したのに対して、これはここの1行でパッと片づけというのは、バランスとしていいのかなという疑問です。

○新美座長 多分その辺は明日香さんも絡むと思いますが、違いますか。

○明日香委員 ちょっとは。

○新美座長 違う。
 小林さん、ありましたらお願いします。

○小林委員 これは多分林野庁、環境省も同じ答えだと思いますが、現在20万ha追加的に推進しようとしておりますが、現実問題、非常にさまざまな困難があります。よく言われているとおり、地元負担、森林経営者負担分の財源がない。地元自治体の財源も非常に苦労しておられる。担い手の問題、等々たくさんあります。これは幾つかのバリアになると思いますが、この制度を導入することによって、それらの困難性の幾つかが私は克服できると思うし、なおかつ、これまで各自治体がやっておられるケースを見ても、こういう制度を導入することによって地元の方々のやる気の問題も起こってくる。それから、派生的に新たな産業も起こるとかいろいろありますので、私は十分な効果は考え得ると思います。政府の補助金だけでは足りないところをこの制度で補うという観点も考えてもいいのではないかと私は思っております。
 なおかつ次に、飯田さんの御指摘で、2013年以降についても、国内の森林吸収源をどういうふうに考えるかというのは、実際にこの制度を国内でやっていってノウハウを培って、ある面では国内森林はこういうふうにしていけばもっと吸収量が上がるということを国際的にも発信できるようなことができればいいなと思っております。もちろん望むべくは、国内の排出量取引の試行制度の中にもこれを入れてもらえばいいんですけれども、残念ながらこれは入らない。だから、カーボン・オフセットの中で実績を積んでいって、国際的にも次の枠組みの交渉の中でも発信できるようなことになれば非常に幸いと思っております。
 以上です。

○新美座長 ありがとうございます。
 20万haに対する国の施策では十全とまではいかないところが出てくるから、それについてオフセット、J−VERでカバーしようということなんですが、そういう説明でいかがですか、飯田さん。

○飯田委員 はい。

○新美座長 では、この問題については最後そういった方向で検討を加える、最終的にはパブコメにかけるということにします。
 冨田さんお願いします。

○冨田委員 この算定方法にかかわる誤差について教えていただきたいんですが、例えばこの表を見ますと、BEF値というかバイオマス拡大係数、これは20年を境にして、これは樹種にもよりますが、大きいものですと2割ぐらいの差が発生しているように見受けます。この算式自体問題はないと思うんですが、これでポテンシャルとしてどの程度の誤差があるのかを教えていただきたい。背景は先ほどのチェンソーの問題等ありまして、余りこの時点で算出の誤差が大きいのであれば、そういった非常に細かい、そもそも排出量の少ないものに関しては算出式から無視していくという考え方が多分とれると思いますし、あと以前に議論した未利用林地残材ですか、ボイラー転用とか、今後出てくるようなプロジェクトに対してどの程度の誤差の大きさがあるかというのは、VERの信頼性の問題にもかかわってくると思いますので、これがどの程度あるのかということを教えていただきたいと思います。

○新美座長 ありがとうございます。
 では、事務局のほうからお願いします。

○三菱UFJリサーチ&コンサルティング(竹田) 資料1−3の表の出典にもなっています日本の森林全体の不確実性評価というのがありまして、それを一部使って御説明しますと、間伐の対象となる20年生以上のスギの場合で言うと、全体で大体12%から13%ぐらいの不確実性評価になります。係数とかそれぞれパラメータごとに誤差を評価しているんですが、表1に示している各パラメータは大体数%ぐらいでございまして、不確実性の大きなところは収穫表を使うということです。一部加工した全体で見ますと、材積の不確実性評価は15%ぐらい、森林面積自体が6%ぐらいで、それを全部合成して全体の評価としては13%ぐらいになります。
 以上です。

○新美座長 よろしいでしょうか。
 それでは、明日香さんお願いします。

○明日香委員 幾つか意見と質問です。最初に追加性のところなんですが、今冨田さんがおっしゃったように「追加性(適格性)」という書き方、資料1−2の一番最初の1の大見出しのところですが、僕もちょっと違和感がありまして、適格性の中の1つとして追加性があると思いますので、違うレベルの言葉だと思いますし、書くとしたら適格性が最初にあって、もし必要でしたら追加性を書くのかなと思います。
 書かなくてもいいんですけれども、追加性がここで振られていないかというと多分そうではなくて、4ページの1−3に「採算性等を過度に重視した不適切な間伐」というふうにあるんですが、先ほどの説明では、間伐を逆にたくさんすると採算性が上がる、でもそれは余りよくない、不適切だというお話だったと思います。多分ここが追加性の話なのかなということと、実際はそこら辺は不適切なというのをどうやってだれが判断できるのか、客観的なものはだれにとって、木にとって不適切なのか、そこら辺を教えていただければと思います。もし採算性云々という話になるんだったら、その数値みたいなものを申請の際に出すのか、出さなくていいのか、そこら辺も一応質問というか教えていただければと思います。
 あと永続性のところで、自然撹乱を考慮して、バッファーというふうにおっしゃっていたと思いますが、バッファーをどのくらい考えているのかとか、それは売る人が一部は売れないというか、そういうふうに考えを整理すればいいのか、先ほどの補填の話とどうつながるのか、そこら辺のお考えがあれば教えていただければと思います。
 最後に、コンプライアンスに使えないというお話だったと思います。都道府県のコンプライアンスには使える。J−VERとの交換可能性についての質問なんですが、東京都の方にお聞きしたいんですが、ここら辺は東京都としては使えるように考えていらっしゃるんでしょうか。そこら辺もし何か議論なりあれば教えていただければと思います。
 以上です。

○新美座長 ありがとうございます。
 それでは、前半2つについては事務局から。

○三菱UFJリサーチ&コンサルティング(竹田) 2つ回答させていただきます。
 1つ目の不適切な間伐ということですが、一般になぜ間伐するかというと、木は光合成で幹が太くなっていくわけですが、最初は数多く苗木を植えて、成長していくと過密になってきて、間引いて適切に太陽光を与えて、より幹を太くするために間伐をやる。売れる木材、太い幹をつくるためにやっていくということです。では、どれぐらいの量が適切かということですが、これはワーキングの中でも随分議論しまして、間伐率を議論しました。ただ、数値を全国一律設定するのは難しいということで、一応目安としては収量比率がありまして、理論的に可能な単位面積当たりの容積に対して、残っている木の材積量の比率がありますが、大体0.85未満が適切な数字だと言われます。それぐらいの数字でおさまっているかどうかというのが1つの指標として考えられるかと思います。
 2つ目がバッファーの率ですが、先ほど口頭で御説明しましたように、年間0.1%程度で日本の場合はかなり少ないんですが、これもワーキングで議論して一たん数字も出したんですが、もう少し議論が必要だということで、その場では1%とか数%でいいんじゃないかという議論をしておりました。
 それから、実際にバッファーした部分、自然撹乱がなかったら補填されないわけでして、それも事業者のほうに還元したほうがいいのではないかという議論がなされておりました。ただ、このあたり全体の制度設計をもう少し永続性の担保の制度と合わせて議論することが必要だということになりまして、次の人為的な土地転用の対処と合わせてもう少し議論していきたいと考えていきたいと考えております。
 以上でございます。

○新美座長 ありがとうございました。
 小原さんお願いします。

○小原委員 御指名いただきましたので、現時点でのお話ということでお答え申し上げます。資料1−4の冒頭のところで、実際に書いてある文言としては、都道府県単位における排出量取引制度等における活用まで妨げるものではないという書きぶりでございまして、利用できると書いてあるわけではないということです。つまり、これは都道府県がそれぞれ持っている制度の運営者の制度設計の都合に応じて、この制度を活用することを妨げないということであって、活用しろと言っている話ではないのかなと読んでおります。
 では、東京都についてはどうなのかと申しますと、実際には今年度中に規則その他を制定することになっておりますので、まだ決定していない事項ですので、今の時点で確定的に使えるとか、使えないということはまだ言えない状況であります。
 大きいところで物の考え方として東京都は、どういう考えに立って現在政策をやっているのかということで申しますと、東京都内で排出するCO2の量を、2000年対比で2020年までに25%削減するという大きい目標が中心にあって、それに向かってさまざまな政策をやっておりますので、ここではエネルギー消費に由来するCO2排出量をどう削減するかという政策を大規模事業者に対する排出削減の義務づけの背景にある政策目的として今まで政策を進めてきた経緯がございます。
 そうなると3.8%の範囲のものは、普通に考えるとなかなか取り扱いにくいタイプのものかなと思っております。そういった点で申しますとJ−VER制度というのが、吸収量のものも当然カーボン・オフセットに用いるクレジットということですから、J−VERの中には取り込まれるものではあるんですけれども、J−VERの中に吸収によるものとそうでないCO2排出削減、既にJ−VERとして認定されているプロジェクトは、まさにCO2排出削減につながるプロジェクトから出てくるクレジットかなと思っておるんですが、J−VERの中身次第によって、他の制度が使う場合の使いやすさ使いにくさというのは、自然と差が出てくるものかなと思っております。
 以上です。

○新美座長 ありがとうございます。
 東京都も、制度設計をこれから考えていく中でということですね。

○小原委員 そうです。

○新美座長 わかりました。
 関連ですか、小林さん。

○小林委員 これまでの事例では幾つかの県においては、この制度が生まれる前ですが、既に森林吸収源を埋め合わせるという制度は条例等でつくっておられます。それは幾つかの県の温暖化対策条例等を見ていただければわかるところであります。

○新美座長 ありがとうございます。
 それでは時間もあれですので、最後に向井さんの意見でこのテーマについては終わりとしたいと思います。

○向井委員 意見というか確認なんですけれども、資料1−2の間伐促進型と森林経営促進型と2つあるわけです。間伐は当然の前提条件がここに書いてあって、森林施業計画の認定を受けた森林及びということで、もう特定された森林における間伐ということなので、私がこういうことを言うのはナンセンスだと言われるかもしれませんけれども、例えば鋸谷式間伐みたいな放置間伐、間伐したものをそのままそこに残しておくほうが生物多様性にはいいという考え方でやっておられる自治体も少なからずあるわけです。私もかなり森林吸収に興味を持って大分前からいろいろと現場に行っているわけですけれども、確かにそういうところは非常に豊かに自然が復元していることを見て大変感銘を受けることが多いわけですが、そういうものの扱いについてはどうなのかということを確認したいと思います。
 もう1つは、持続可能な森林でこれも現場での体験から言うと、例えば皆さんが頭でドングリを地面に植えるというイメージを持っておられるかもしれませんが、実際はそういうことは余りなくてナーサリー、すなわち育苗センターである程度大きくなってから移し替えるんです。ナーサリーというのは、ケミカルファーテライザーなどを使っているケースも少なからずあるわけです。そういうものは今回WGの中で検討されたのか、議題になったのかならないのかということを知りたいということです。
 それからもう1つは、さっきの飯田さんのお話ではないのですが、クレジットをカーボン・オフセット用に購入した人の、例えばモニタリングして森林マネジメントがしっかり行われていなかった場合には、クレジットの発行を取り消すとか無効にするということになると思うんですが、それを購入してしまった人は、当事者責任で民間同士の話し合いで、相対で何とかしなさいということなんでしょうけれども、それも今回私もこの委員として責任を感じる立場から言うと、もうちょっと何とか考え方が整理されるべきなのかなと。やはりユーザーの声、ユーザーの不利益を余り被らせないような方法はないかと思う次第です。

○新美座長 ありがとうございます。
 今の点、事務局のほうから答えられるところをお願いします。

○三菱UFJリサーチ&コンサルティング(竹田) 3点あったと思いますけれども、1つ目については、放置したものについては枯死木ということになりますが、枯死木の吸収量についてはやがては排出になるということで本制度では算定対象外にしています。
 2つ目の苗木ですけれども、これは森林法上の森林とみなしてからのものを対象にしますので、苗木の部分の吸収量は今回対象外にしております。

○向井委員 ケミカルファーテライザーの使用も一切考慮しないんですか。

○三菱UFJリサーチ&コンサルティング(竹田) 日本では例がないので、対象外にしております。

○向井委員 実際に現場を見ると、肥料等化学薬品を使っている例がありますよね。それは一切考慮しなくていいですか。現場へ行くとそういうことがありますが。

○三菱UFJリサーチ&コンサルティング(竹田) 日本の森林でですか。

○向井委員 はい。

○三菱UFJリサーチ&コンサルティング(竹田) これは後で林野庁に答えてもらえればと思いますが、事務局で調査したところでは、ないというふうに聞いておりまして、日本の吸収量の算定でも計算に入れていませんので、日本ではないというふうに理解しております。
 3つ目が消費者保護の観点をどうするのかということで、それについては先ほどの幾つかバッファーの部分とか必要な措置の部分を一部保留にしたのもそうなんですが、消費者保護の観点から、もう少し制度自体を再認識というか、チェックしたほうがいいということで、それについては今後の作業の中で、実際にガイドライン等をつくる中で考慮していきたいと考えております。
 以上でございます。

○新美座長 ありがとうございます。
 それでは、赤堀さんお願いします。

○林野庁 確かに苗畑で仕立てる上で全く肥料も農薬も使わないということはちょっと考えにくいかもしれません。そういった中で、非常に大量に使うなど不適切なものがあれば、それは問題なんでしょうけれども、この制度の中でそこまで規定する必要があるかどうか。特に個別事例で問題であるようなことがあればまた後ほどお話を伺えればと思っております。

○新美座長 今のお話ですが、森林吸収量の中でカウントしなくても、ナーサリーの業種における排出量としては当然カウントされることになるわけでしょう。違いますか。

○三菱UFJリサーチ&コンサルティング(竹田) 国内であれば、農業のほうの化学肥料は日本全体の化学肥料の販売量で把握しているので、そういう意味では排出源としてはカウントしております。おっしゃるとおりLCAのようにどこまで吸収量の算定でさかのぼるかなんですが、IPCCの国際的な排出吸収量の算定の方法で、ここまでさかのぼって吸収源のほうで計算すべきというのは見たことはございませんので、算定外にしてもいいのかなと思っております。

○新美座長 今の点は他の制度とも比べながら、重要な指摘だと思いますけれども、扱い方については少し精査してからパブコメにかけたいと思います。そういうことでよろしいでしょうか。

○小林委員 そういうことで結構だと思います。ただし、私も長年林業に携わっておりますけれども、じゃぶじゃぶ肥料を使う、農薬を使うということは特殊なケースであろうかと思います。それは全体の植林による吸収量に非常に大きな影響を与えるという排出にはならないのではないかと思います。もちろんこれはもう一度調べてみて、検討したらいいかと思います。
 以上です。

○新美座長 小原さんどうぞ。

○小原委員 もう締めでと言っている中で、お願い事なものですからちょっと割り込みで恐縮なんですけれども、このVER制度なんですが、私も検討委員をやっている関係で、東京都の立場でいろいろな質問を受けるところがあります。ですから、事務局とか環境省のほうにこの検討会との関係でのお願いになるんですが、排出量取引が片一方にある。もう一方カーボン・オフセットというものがあって、その関係が、こういったパンフレットなんかを読んでいただければおわかりいただけることかと思っているんですが、何分難しいというか、わかりにくい状況はあるのかなと思っております。
 つまり排出量を削減しなければいけない立場にいる人たちがたくさんいる中で、その排出削減量というのは自分でできないものを、ほかで実現された排出削減量を取引として買ってきて、削減としてみなしますよと扱われる排出量取引のような仕組み。片一方では、もともと排出量をふやしたくないという気持ちはあるけれども、排出削減しなければいけない立場にあるわけではない人が、ここのパンフレットで言いますと、カーボン・オフセット旅行とか、カーボン・オフセットガソリンとか、そういった自分が使う行為の中に費用負担を一緒にやりながら地球温暖化防止に貢献したいという思いで、そういった対象としては吸収量のJ−VERもすごく質のいいプロジェクトとして、言ってみれば日本国外における植林活動にお金が行くぐらいだったら、日本国内の植林活動にしっかりお金が行く仕組みをここで担保されているから、そういうものがついている商品を自分は任意で買っていきたいよというところで言うと、すごくいい仕組みになるんです。
 ですから、対象としてカーボン・オフセットが想定しているものと排出量取引が想定しているものは大きく違いがある。この辺の議論は当初ここの中では、コンプライアンスと任意のものという形で議論があったところなんですが、実際にこうやって仕組みが11月に立ち上がって、それでクレジットをどうするみたいな話になってきますと、ずっとこの議論を追いかけている人たちばかりではないわけでございまして、ここは随時、随時、出てくるJ−VERの価値を市場にしっかりと落ち着けていくための広告宣伝費と割り切っていただいて、普及に努めていただく必要がある。そこでのブランディングをしっかりやらないと、ここの吸収源から出てくるクレジットというのは、得てして排出削減の義務を負っている人から見ると、算定量として扱えないまがいものだなみたいな扱いをされてしまって、いわれのない冷や飯を食わされることになってしまいかねないので、せっかくの取り組みですので、しっかりとブランディングとお客さんというか、きょうお越しになっている方々から見ても、パッとわかるような手当てをぜひお願いいたします。
 以上です。

○新美座長 ありがとうございます。
 それは心がけていくということで、事務局、環境省のほうにお願いしたいと思います。
 それでは、森林吸収の問題については、あるテーマについては大体共通認識ができたし、まだ少し詰めていないテーマもありましたが、この意見については、パブコメにかける時間からいくと、再度ここで検討会を開くことは難しいと思いますので、座長預かりとさせていただいて、あと関係の委員の先生方と相談しながら、いただいた意見の最終的な詰めをして、それを終えてパブコメにかけるという手順をとりたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。
 それでは、そういう手順でパブコメの実施に向けて作業を進めてまいりたいと思います。

(2)その他
   ・平成20年度オフセット・クレジット(J−VER)創出モデル事業の採択について【資料2、参考資料3】

○新美座長 それでは、その他の議題ということで次のものに入りたいと思います。
 事務局から、オフセット・クレジット創出モデル事業の採択結果について説明をいただきたいと思います。

○三菱UFJリサーチ&コンサルティング(竹田) 時間が押しておりますので、簡単に御説明したいと思います。お手元の資料2と参考資料3を見ていただければと思います。
 このオフセット・クレジット(J−VER)モデル事業を一言で言うと、現在認証センターで承認されている方法論、お配りした資料のとおり1つしかございませんで、もう少し数を増やす上で、優先的に取り組むべきものを募集して、その方法論を早くつくろうではないかというためにいろいろと募集したものでございます。詳しくは参考資料3を見ていただければと思います。
 1つだけ強調しますと、参考資料の別紙についています2ページから3ページにプロジェクト・アイデア例がございます。これは排出量削減のプロジェクトが並べてあるわけですが、いわゆる最新の省エネ機器を導入するだけではなくて、実際に運用改善も対象にしております。今回御応募していただいたもの以外に、もし追加で方法論をつくっていただきたいというのがあれば、認証センターさんのほうに、これは意見として随時受け付けておりますので要望を出していただければと思います。
 資料2に戻っていただきまして、今回モデル事業として採択したプロジェクトですが、1ページめくっていただきまして、採択基準とその結果一覧がございます。全体で34件ほど御応募がありまして、それをプロジェクトのタイプ別に整理した後、実際に審査会を開いて選定したわけですが、採択の基準としては、1つは本日も御議論いただいております追加性、適格性の中の方法論がきちんとつくれるかどうかというところと、それからモデル事業ということで、優先的に採択する方法論として、ほかの事業体、市民とか企業の主体的な排出削減努力を呼び起こす契機となるのかどうか、あるいは削減ポテンシャルとして大きいのかどうかというのが2つ目のポイントでございまして、3つ目が森林なんかもそうかもしれませんが、排出削減以外のコベネフィット、経済発展とかその他の影響としてどういうものがあるのか、政策的な意義について評価ポイントをつけていただきました。
 それから、優先的に取り組むということで、実際にやろうとしている方のプロジェクトの実現可能性が高いのかどうかというものも評価基準として、最終的には9件、ちょっとページ番号はついておりませんが、4の採択事業者一覧のところで選ばせていただきました。上3つが木質バイオマスの燃料代替なんですが、これまで林地残材だけであったのを、間伐材由来とか製材端材というものをピックアップして、ボイラーだけでなくペレットストーブ等のストーブの燃料代替として採択させていただきました。4番目が小水力発電のプロジェクトでございまして、残り2つが廃油由来のバイオマス燃料製造と下水汚泥由来のバイオマス燃料製造ということで、6件採択させていただきました。
 今後ですが、これのポジティブリストと方法論を策定して、認証運営委員会のほうでポジティブリストを確定して公表していくという段取りになっております。先ほどの繰り返しになりますが、これ以外に、もっとこういうのも優先的にやってほしいというのがあればセンターのほうに御意見をいただければと思います。
 各プロジェクトの概要等は、その次のページ以降に表と図表で整理させていただいております。
 以上でございます。

○新美座長 どうもありがとうございます。
 それでは、ただいまの説明について御質問ございましたらどうぞよろしくお願いします。
 飯田さんお願いします。

○飯田委員 1点だけお伺いしたいのですが、小水力発電による系統電力代替というのが採択されているのですけれども、これは後ろのほうに高知県梼原町の絵が書いてあります。具体的にこれがどういうスキームなのか。つまりRPS対象でないとか、電力会社の買い取り条件等はどうなっているか、単に事実だけお伺いしたいと思います。

○新美座長 お願いします。

○三菱UFJリサーチ&コンサルティング(弓場) 今回この件に関してはヒアリング等で確認しておるんですけれども、基本的にはほかのスキームとの被りはないようにということでの確認はさせていただいておりますので、恐らくRPS対象ではないということでよろしいかと思います。

○飯田委員 後でもいいのですが、要は四国電力さんとどういう買い取り条件になっているかだけ教えていただければと思います。

○新美座長 今資料を持っていますか。

○飯田委員 中の説明を見ると、系統電力に供給しながら、中の文章では「電力会社からの電力供給量を削減する」と書いてあるので、託送しているのかなとも見えます。でも、この小規模で託送というのも余り現実的でないと思います。四国電力さんが実際に幾らで買っていて、それはCO2価値を放棄しているということがちゃんと明記してあるかどうかということも含めて確認されているかということです。具体的な数字はなくてもいいですけれども、RPSでもないと、グリーン電力も発行していないということを確認されているかどうか、採択に関してはクリティカルだと思います。

○新美座長 要するにダブルカウントしているのではないかという。

○飯田委員 そうですね、ダブルカウントの可能性も考えられます。RPSだったら間違いなくダブルカウントですし、今回の公募条件はグリーン電力対象外となっていましたから、そうではないということを明示する必要があります。

○新美座長 確認できるかどうかですね。

○三菱UFJリサーチ&コンサルティング(弓場) 先ほどの一部訂正も入るかもしれませんが、夜間の発電分に関しては売電も行っているという状況です。こちらに関しては後ほど個別に確認させていただきたいと思います。

○新美座長 よろしいでしょうか。
 ほかに質問はございますでしょうか。
 明日香さんお願いします。

○明日香委員 そもそものスケジュール感みたいなものを教えていただきたいと思うんですが、これはたしか方法論をどんどん新しくつくることのサポートにするという話だったと思うんですけれども、そういう意味ではここをすべて方法論みたいな形で、いつぐらいにある程度ポジティブリストが入っている方法論ができるのかとか、それ以外の方法論は今どんな感じでいつごろどうだというもし何かわかれば教えていただけると、いろいろ考えている方、デベロップしている方に良い情報になると思いますので、教えていただければと思います。

○三菱UFJリサーチ&コンサルティング(竹田) このモデル事業のポジティブリストと方法論については、年度内。パブコメをどの段階でかけるかはまだ作業と見合いなんですけれども、年度内で全部事務局としてはつくる予定で考えております。

○気候変動対策認証センター 認証センターのほうに直接いただいている現在のモデル事業以外のものについては、まずはモデル事業のほうのポジティブリスト方法論づくりを優先して、その後にポジティブリストなり方法論を作成するということで現在準備を進めております。

○新美座長 よろしいですか。モデル事業については年度内を目途にやっておるということですね。

○明日香委員 先ほどの小水力のグリーン電力のやつも、方法論を今つくろうとしていると。

○三菱UFJリサーチ&コンサルティング(竹田) 今回採択された6件すべて。

○明日香委員 それはかなり汎用性があるものになるかもしれないということですか。

○三菱UFJリサーチ&コンサルティング(竹田) それは逆に厳しくして、狭くする可能性もあります。

○新美座長 それでは、ほかにございますでしょうか。
 なければ、モデル事業についてはこれくらいにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

・オフセット・クレジット(J−VER)登録簿の開設について【参考資料6】

○新美座長 それでは、続きまして気候変動認証センターから、J−VER登録簿の開設について御説明をお願いしたいと思います。

○気候変動対策認証センター 気候変動対策認証センターでございます。
 参考資料6という一番最後についている1枚なんですが、もう時間も押しておりますので、かいつまんで説明させていただきたいと思います。
 まず、オフセット・クレジット制度におけるオフセット・クレジット登録簿の考え方についてということで、囲みの中にある2つ目の丸にあるように、オフセット・クレジット登録簿の設計に当たっては環境省の自主参加型排出量取引制度、JVETSに用いられている登録簿を参考にしてつくっておりますので、比較的それに準じたような設計にしております。ただし、実際には自主参加型排出量取引制度とオフセット・クレジット等の制度設計の違いをうまく加味しながら設計を進めておるところでございます。
 今回のペーパーで書いているのは、口座の開設を明日より受け付けを開始して、何件ぐらい申請をいただけるかわかりませんので、事務局のほうで2月2日で一たん締め切りを設けまして、2月2日までに受け付けたものについては、そろえて同時期に口座開設できるようにということで手続を進めさせていただきたいと思っております。
 あとは囲みの外の1番の(2)の申請書記載事項の4ポツにありますが、実際に口座を開設して、この口座を開設した方の中で、口座情報の公開を希望される方については、例えば購入希望をされている内国法人、あるいは国、地方公共団体については、購入希望あるいは売却希望というふうに欄を設けます。あるいは、そこがどんな法人で、この申請書の記載事項の情報などをホームページ上に公開して、その取引をスムーズにできるように情報公開を進めていきたいと考えております。
 めくっていただきまして(5)番ですが、この口座自体は、内国法人につき1つ開設を受けることができます。その後にただし書きで、国、地方公共団体においては、別途定める手続により、目的に応じた複数の口座を開設することができるとあります。これは何を言っているかというと、それぞれの国あるいは地方公共団体においていろいろな制度設計があろうかと思いますので、例えば先ほどの森林WGの中でもあった、バッファーに用いられる口座だとか無効化の口座。無効化の口座の中でも、例えばカーボン・オフセットの口座とか、排出量取引の口座、取り消しの口座とか、そういった複数の口座を設けることができる。これはこういった意味でございます。
 あと気候変動対策認証センターの中では、無効化を行った際に、無効化の証明書も発行することを計画しているところでございます。
 非常に駆け足でありますが、オフセット・クレジットの口座の開設申請受付を開始いたしますので、その対象となる内国法人、国、地方公共団体の方については、まずは2月2日までに申請をいただければと思います。
 事務局からは以上でございます。

○新美座長 ありがとうございます。
 一応アナウンスメントということですが、何か質問があればしていただきたいと思います。余り複雑な議論をする時間はありませんが、何かございますでしょうか。
 なければ、とりあえずアナウンスをしていただいたということにさせていただきます。
 最後に、環境省から連絡事項等がありましたら。

○高橋室長 どうもありがとうございました。
 きょう御議論いただきました森林吸収クレジットにつきましては、なるべく早くパブリックコメントにかけたいと思います。
 次回ですが、次回はちょっととまっておりましたグリーン電力証書の関係の取り扱いを中心に議論させていただきたいと思います。日程については、準備等の状況を見て改めて御連絡させていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 以上でございます。

○新美座長 それでは、第7回の検討会を終了したいと思います。お忙しい中、熱心に参加していただきましてありがとうございます。毎回ですが、司会の不手際で延びてしまったことをおわび申し上げます。
 どうもありがとうございました。

閉会