環境省地球環境・国際環境協力カーボン・オフセットカーボン・オフセットに用いられるVERの認証基準に関する検討会

カーボン・オフセットに用いられるVER(Verified Emission Reduction)
の認証基準に関する検討会(第5回)議事録

平成20年8月27日

於・虎ノ門パストラル新館4階プリムローズ

開会
議事
 (1)国内クレジット(VER)に必要な条件の基本的考え方(案)について
 (2)ポジティブリスト(追加性)の考え方(案)について【資料2】
 (3)国内VERプロジェクト申請書(案)及び方法論(案)について
 (4)その他
   ・高知県のモデル事業の現状について 
   ・東京都のグリーン熱証書の検討状況について
閉会

開会

○二宮課長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第5回カーボン・オフセットに用いられるVER(Verified Emission Reduction)の認証基準に関する検討会を開催したいと思います。
 本日は、小原委員と水野委員が御欠席となっておりますので、御了承ください。
 それでは、議事の進行を新美座長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○新美座長 それでは、議事に入る前に、事務局から資料の確認をお願いします。

○三菱UFJリサーチ&コンサルティング それでは、資料の確認をさせていただきます。
 議事次第をめくっていただきまして、資料1として「国内クレジット(VER)に必要な条件の基本的考え方(案)」というものです。資料2として「国内VER認証・発行・管理スキームにおける追加性に関する考え方」、資料3が「国内VER認証・発行・管理スキーム(素案)の論点」です。資料4が「国内VER認証・発行事業CO2排出・吸収プロジェクト申請書(案)」になっております。資料5が「ISO14064-2で要求されている事項と本スキームでの対応の比較表」のA4横置きの資料でございます。資料6が「国内VER方法論の(案)」でございます。
 それから、参考資料として、高知県さんのほうで記入していただきました申請書でございます。A4横置きです。参考資料2として、東京都のほうで発表されましたグリーン熱証書の概要をまとめた資料でございます。資料3として、前回お出しした資料でございますが、国内VERの認証・発行・管理スキーム(案)のフロー図を御用意しております。参考資料4として「信頼性の高い国内クレジット(VER)の創出」イメージという資料を御用意しております。
 以上でございます。

○新美座長 資料に過不足ございませんでしょうか。

議事
(1)国内クレジット(VER)に必要な条件の基本的考え方(案)について【資料1】

○新美座長 よろしいようでしたら議事に入りたいと思います。
 きょうはかなりたくさんの議題がございますが、最初に、「国内クレジット(VER)に必要な条件の基本的考え方(案)について」御議論いただきたいと思います。
 それでは、環境省の二宮さんのほうから御説明をお願いします。

○二宮課長補佐 それでは、資料1に基づきまして、国内クレジット(VER)に必要な条件の基本的考え方という資料の御説明をさせていただきたいと思います。
 1.国内クレジットの用途別区分でございますが、国内クレジットの用途として、秋からの排出量取引の国内統合市場の試行的実施が予定されておるわけですが、こちらの排出目標遵守への充当という用途が1つとして考えられます。それとは別に、個人・企業等が実施する自主的なカーボン・オフセットへの利用、この2通りが今考えられるわけでございます。
 そして、クレジットの発行主体やプロジェクト実施時期、プロジェクト種類の違いなどから、排出目標遵守への充当には不適切なものがあるのではないか。そして、排出目標遵守への充当及び自主的なカーボン・オフセットへの利用の双方が可能なものというパターンが2つ考えられるわけです。
 そこで、この紙では、前者の遵守目的、すなわち排出目標遵守への充当可能なクレジットを「遵守VER」、略して「c-VER」と呼んでおりますが、これはコンプライアンスVERの訳で、「c-VER」と書かせていただいております。それとカーボン・オフセットへの利用のみが可能なものを「自主VER」、こちらを「v-VER」、これはボランタリーVERというふうに区別して取り扱って、この紙を書いてございます。したがいまして、前者はコンプライアンスパーパス、後者はボランタリーというふうに分けて整理してございます。
 2.として、国内クレジットに求められる国際整合的な信頼性と書いてございます。これはv-VER、c-VER双方について言えることなんですが、市場取引における信頼性確保の観点から、削減量の確定に当たっては一定レベルのモニタリング・報告・検証というものが必要とされると考えられます。
 今回対象となるような国内クレジットを創出する、プロジェクトレベルでの排出削減量のモニタリング・報告・検証等の手法については、既に国際標準としてISO14064シリーズ及びISO14065というものが既に制定されておりまして、当該ISOの準拠を通じて国際整合的な信頼性を確保することが、我が国の国内クレジットの市場の信頼性を確保する観点から極めて重要であると考えます。このため、クレジットの信頼性を確保するためのモニタリング・報告・検証といった基本的な認証プロセスについては、v-VER、c-VER関係なく国際標準に沿って行われるべきであると整理しております。
 3.目がベースライン及び追加性でございます。コンプライアンス目的のc-VER、つまり遵守に使えるクレジットについては、国内排出量取引の実施によって京都議定書目標達成計画における対策水準を低減させることがないよう確保する観点から、目達が実施されるシナリオをベースラインとし、目達に含まれない対策及び目達における対策水準以上の削減効果を生む対策を追加的なプロジェクトとして位置づけることが望ましいと考えられます。つまり、目達計画以上の削減をしたものがc-VERとして位置づけられるべきだという考え方がございます。
 一方、個別プロジェクトについて、目達が実施されるシナリオの設定や、目達に含まれない対策の差別化を通じた追加性の判断は実質的に非常に難しい面がございます。したがいまして、ベースラインの設定や追加性の判断に当たって、目達との厳格な整合性を追求することは現実的ではございません。このため、ベースライン及び追加性については、c-VERとv-VERの間で差別化することなく一体的に取り扱うことが適当と考えられます。
 また、個別プロジェクトで追加性の判断に当たっては、CDMで採用されているような障壁分析の手法を使った場合、客観性の確保やプロジェクト間の公平性の確保が非常に難しい。円滑な審査プロセスを阻害するおそれがあるという問題がございます。これは既にCDMの世界で問題になっておりまして、非常に難しい障壁分析とか追加性の立証が求められていることによって、本当に必要なプロジェクトが実施されないという問題が発生しております。
 こういった問題点を踏まえますと、政策的に誘導するべき排出削減プロジェクトのうち、採算性等の観点から通常では実施が困難なプロジェクトのタイプを、あらかじめ一覧表としてポジティブリストとして事務局及び環境省の側で作成する。そして、一定の条件を満たすプロジェクトを登録する方式を採用することにしたいと思います。こうすることによって、プロジェクトの審査に当たっての主観性を排除することができますし、公平で極めて簡素な運用を図ることができるのではないかということです。ポジティブリストに載っているものについては、最初から追加性があると判断するということでございます。
 また、政策的に誘導するべきであり、かつ採算性の観点から通常では実施が困難な排出削減プロジェクトには、補助金や税制優遇措置などの公的支援が採られているケースが多々あるわけですが、補助金を受けてもなお採算性に欠けるプロジェクトについても対象とすべきではないかと考えております。
 なお、ポジティブリストに掲げるプロジェクトのタイプのうち、国内での森林管理に伴う吸収量については、これは既に御承知のとおり、当該吸収量の上限が京都議定書の下で既に設定されておりまして、その全量を国が京都議定書目標達成のために用いるということが政策上決まっておりますので、国内排出量取引における個別事業者の排出目標の遵守に活用することは、現在のところこれは適当ではないだろうと考えられます。
 したがいまして、国内での森林管理に伴う吸収量については、c-VER、コンプライアンスパーパスではなく、あくまでv-VER、自主的なオフセット等に用いるものとして流通可能とすることが適当ではないかと考えられております。
 4番目でございます。適格な排出削減主体及び排出削減時期と書いてあります。国内排出量取引において、排出削減目標を持つ事業者による追加的排出削減がなされた場合、つまり目標を既に負っている事業者の中で、その事業者単位で何らかの排出削減が行われた場合、これがポジティブリストの条件を満たすプロジェクトが実施された場合でも、これは当該事業者からの排出量の減少をもたらし、余剰枠の発生にもつながるものであると考えます。つまり、その目標を持っている事業者さんで何らかのプロジェクトが行われて削減されても、それは単に排出枠の余剰が発生するだけだと。それをもちろん売ることができる、余剰になるわけですが、それが発生するだけというふうに考えられるわけです。
 このため、これらの排出削減目標を持った事業者における排出削減プロジェクト由来のクレジットは、c-VERとして位置づけるのは不適当と考えられます。その余剰枠は単純に余剰枠として他者に売却できるものですから、あえてコンプライアンスVERとして位置づける必要はないということになります。
 ただし、これらのクレジットはv-VERとして取り扱うことは可能であると考えられます。v-VERとしてこの場合、ボランタリーな自主的なオフセットとして用いるためのクレジットとして他者に売却されることは可能と考えられまして、こういった場合、v-VERとして他者に売却されたクレジットの排出削減量がダブルカウントになる可能性が出てまいりますから、当該事業者の排出枠から差し引く、あるいは排出量として上乗せする、いずれかの補正をする必要があると考えられます。
 一方、そのような排出削減目標を持たない、つまり排出枠、排出目標を持たない事業者からの追加的な削減は、他者の事業者の排出枠への遵守に利用可能なクレジットになります。つまりc-VERとしてなり得るということです。ところが、過去の排出量もc-VERとして認証できるかどうかについては、クレジットの過剰発行の回避、あるいはアーリーアクション、つまり早期実施、事業者の優遇、京都議定書の第一約束期間との対応などの観点から、ここは議論が必要な部分と考えられます。
 ここに1つ論点がございまして、期日の設定に当たっては、当該期日以降の新規に設置または稼働した設備に伴う排出削減量のみをコンプライアンス目的のc-VERとして取り扱うようにすべきなのか、あるいは当該期日以前に設置または稼働していた設備も含めて当該期日以降の排出削減量を適格とするのか、こういった議論があると思われます。
 以上の議論を整理しますと、次のようになると思います。c-VERすなわち遵守目的で使える国内クレジットとして認証される国内クレジットは、先ほど私が御説明しましたポジティブリストの条件を満たしていること。それから、ISO14064シリーズ及びISO14065に準拠した排出削減量のモニタリング・報告・検証が行われていること。それから、排出目標を持たない事業者による追加的削減のうち、一定期日以降に生じたものというふうに考えられると思います。
 なお、森林管理に伴う吸収プロジェクトについては、先ほど御説明しましたように、現在の施策上はc-VERとして取り扱うことは適当ではないと考えられます。
 そして、v-VER、こちらはボランタリーパーパス、オフセット等の自主的な利用に使うクレジットとして認証し得る国内クレジットは、新規植林や森林管理プロジェクト由来のもの。これは先ほどc-VERとして使うのは現在のところ不適当と申し上げましたが、ボランタリーの目的としては、もちろん使っていただけるものと考えられます。
 また、ポジティブリストの条件を満たした上、ISO14064シリーズ及び14065に準拠した排出削減量のモニタリング・報告・検証が行われ、排出枠を持つ事業者による追加的排出削減によるものもv-VERに含めるというふうに考えられます。
 以上で説明を終わります。

○新美座長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明について質疑応答したいと思います。発言される方はネームプレートを立てていただきます。順次、順を追って私が指名させていただきます。どうぞお願いします。
 それでは、飯田さんお願いします。

○飯田委員 ディテールに入る前に大きな流れというか、頭の整理をしつつコメントしておきたいんですが、この検討会そのものが3月に始まってきょうに至るまでで、6月の初めまでの議論、つまりグリーン電力証書中心に議論していたフェーズと、そこから後のフェーズがかなりガラッと変わっていて、ここの整理については、前半の議論が基本的に消えてしまっているのではないかという懸念を覚えます。
 この整理に関して言うと、1つは「ベースライン及び追加性」のところの下に、「このため、政策的に」云々という、いわゆるポジティブリストという考え方があるんですが、全般としてこれで基本的な考え方としてはいいとはいうものの、グリーン電力証書はプロジェクトではなくてプログラムとして、ある程度認めていくという話で前半議論しているかと思います。きょう最後に私が東京都の代理として御紹介する、グリーン熱証書という考え方もそうかと思います。
 この間、前半で、経産省においてもグリーンエネルギー普及拡大小委員会を設けて、今は一定の損金化の道が開かれているわけですし、このVERの中で相当大きな領域をグリーン電力証書というプログラムが占めることを考えると、グリーン電力証書という1つのプログラムが日本の中でこれまで8年間定着して今拡大している中で、それを全く入れずそのプログラムを見ないでまた改めてプロジェクトで見るというのは、極めて非合理的ではないかと思います。ユーザー側にとっても非常に過剰感がありますし、前半のところで追加性についても、グリーン電力認証機構のエネルギーセンターの中で、ある程度あれでいいのではないかという合意もあったわけですので、そこのところをきちんと考えとしては入れていただきたいというのがあります。
 そうした場合に、裏側のところの「論点」からアンダーバーが引いてあるところなんですが、あのときの整理では、グリーン電力証書に関しては、これはまだ議論の途中ではありましたが、設備としては、グリーン電力証書という新しい制度が始まった2001年以降に設置されたものを認めていこう。発行については、当然2008年度以降だろうと思いますので、そういう整理にしていくことが適切かと思っております。
 それを前提として、あと後半ですね、ISO等の適合性とか、いわば書式レベルまで全部一からやり直すという話も含めて、プログラムという話は1つ大きなブロックで入れておく必要があるかと思います。
 以上です。

○新美座長 ありがとうございます。
 この点について環境省のほうから。

○二宮課長補佐 私の御説明で足りなかったところがあると思うんですが、プロジェクトごとに見るのではなくて、プロジェクトタイプですね。太陽光であれば太陽光でもう終わりということになると思います。先ほど飯田委員は、プロジェクトごとにということをおっしゃったんですが、プロジェクトタイプで。

○飯田委員 それもちょっと違うんです。太陽光でもグリーン電力証書ではなくて、余剰電力購入メニューで電力会社がRPSで買っているやつがあるわけで、そういう切り方をすると今のRPSとグリーン電力は既存の世界で現存、動いているものを全く見ずにまた別の切り分けをする話になるので、それも私は支持できないです。

○二宮課長補佐 具体的にはどういう御提案になるんでしょうか。対等でするべきではないという御議論ですか。

○飯田委員 プロジェクトタイプはタイプであってもいいんですが、グリーン電力証書というブロックはプログラムとして、それありきでこの中に織り込んでいくという考えを織り込むべきではないかということです。

○高橋室長 具体的にはVERを認証・発行する場合に、グリーン電力証書については、グリーン電力証書発行の段階でさまざまな審査が行われているので、それを十分踏まえて活用して、二重にならないようにということでよろしいのではないかと私は理解しているんですけれども。

○新美座長 飯田さんのおっしゃることと環境省が考えていらっしゃることは多分同じだろうと思いますが、ただ、ここでちょっと表現に出ていないので、グリーン電力証書についての扱いをきちんと位置づけでほしいということだと思います。
 それでは、小林さんお願いします。

○小林委員 まず最初に、ISO14064、それから14065に準拠して行う。この辺はいいかと思うんですけれども、国際整合的な信頼性というところで、そういうものに準拠するということ。その場合にc-VERとv-VERは、同じような中身で審査するかどうか。c-VERは当然ISOの規格に準拠するようにしていいと思いますが、v-VERについてはもう少し柔軟性を持ってもいいのではないかと思います。現実問題、小さいプロジェクト等で今後NPOの方々がやる場合に、ISOの規格に準拠してやるというのは、果たして現実的にできるかどうかという問題が出てくると私は思います。その辺どういうふうにどれぐらい柔軟性を持つかということも考えておくべきではないかと思います。
 それから、2点目はそれに伴ってなんですが、ここでは第三者認証については余り表面立ってうたわれていないんですが、当然第三者認証が出てくると思うんですけれども、その場合も、第三認証の必然性について、v-VERとc-VERと必ずしも私は同じではないと思っておりますので、その辺をどのように考えていくか。
 次に、森林のことに関して若干申し上げたいと思いますが、この文章では一貫して「森林管理」という表現が使われているんですが、これはむしろ「森林経営」というほうが妥当ではないかと思います。現に3条4項のところではフォーレストマネジメント、これは日本語では通常「森林経営」というふうに訳していますし、そのほうがいいのではないかと思います。
 それから、2ページ目のところで、国内排出量取引における個別事業者の排出目標の遵守に利用することは適切ではないということで、二宮課長補佐のほうから口頭で、現状の施策上と言われましたが、これはぜひ「現状の施策上」ということを明記していただきたいと思います。といいますのは、まず第1に私自身はこの第一約束期間についても、必ずしも将来、第一約束期間が終わる2012年まで使えないと、必ずしもそうではないと私は思っております。可能性はまだあると思います。
 もう1点は、この制度設計自身は、決して第一約束期間だけではなしに、将来もにらんで考える。将来枠組みに入ってから、つまり2013年以降についても考えておく必要があると思います。そのときに2013年以降は森林吸収源がどういう扱いになるか、まだ国の施策上との関係でも明確ではない。私は当然将来枠組みについては、こういった森林吸収源について、もっと民間で活用できる余地は残しておくべきであると思っております。
 その他幾つかありますけれども、もう1点お聞きしておきたいのは、ここでは当然排出源に関するクレジット、CDMのクレジットについては対象となるという前提をしておられると思いますが、AR−CDM、もしくはAR−CDMとして国連に登録されていないものでも、海外で行った植林プロジェクトについてどういうふうに扱うか、これも考えておく必要があるのではないか。
 いずれにしても、森林管理については、今後また別途議論されることだと思うんですけれども、とりあえずこの文章の中ではその辺のことを申し上げておきたいと思います。以上です。

○新美座長 ありがとうございます。
 環境省のほうからお願いします。

○高橋室長 まず最初のc-VERとv-VERでISOの適用関係に違いがあるのではないかということですが、このペーパーでの整理は、c-VER、v-VERいずれの場合も、ここにございますように市場に広く流通して取引されるという意味で、信頼性の観点から、この数字の正確性という意味では同じレベルが必要ではないかと考えております。
 もちろん小林委員の御指摘のとおり、自主的なカーボン・オフセットについては、地域のNPO等の取り組みで、市場に流通することを前提とせずに効率的にやるという観点の取り組みがたくさんございますし、そういうものを決して排除するものではございません。ですが、一応ここで今回議論いただくスキームについては、統一された登録簿の中で全国的に流通し得る信頼性の高いものとして位置づけて、そのための基準をつくっているということで整理したほうがいいのではないかと私どもとしては考えております。ですから、それに合わないv-VERというか、自発的なカーボン・オフセットに使われるクレジットとして、このv-VERに合わないものも当然あり得ると申し上げておきたいと思います。いわゆる特定者間のオフセットということで、そういうものは当然あり得るということかと思っております。
 例えば、私ども今年モデル事業もやっております。そういう中で森林を活用してエコツーリズムをやるという事例も出ておりますので、そういうものはそういうものとしてきちんと評価していきたいと思っております。
 それから、後段の森林3.8%とか、森林についての御意見は基本的におっしゃるとおりだと思います。言葉の使い方等、それから、現状の施策においてはということもそうかと思います。海外については、この詳細が国内クレジットと書いてございまして、当然VERの検討を始める関係で、特に植林関係、海外のVERは大事であるという御指摘がございました。そこは現地でそこまで検討の範囲が及んでおりません。今後の課題として、次の段階でそういうものを取り上げていければと思っております。

○新美座長 よろしいでしょうか。
 今の論点について、ほかの委員の方で御意見がございましたら。日比さんお願いします。

○日比委員 1つだけ、森林に関して、むしろ私も勉強不足で御質問なんですが、c-VERでなくv-VERとして流通のみが可能というのはよくわかります。これは上限の数値として何トンというのを京都議定書で使えるかというのは決まっているということになってくると思うんですが、森林の場合に何トン吸収というのは、逆に面的に決まっていることになってくると思うんです。そうするとv-VERとしてできる場所は限定されるという理解ですか。

○高橋室長 v-VERについては、そのクレジットを排出事業者が遵守に使うわけではありませんので、そういう意味で3.8%の枠の管理に何ら直接影響は及びませんから、場所についても特段制約はないのではないかと私どもは思っております。

○新美座長 よろしいでしょうか。
 小林さん、今の点で。

○小林委員 私もそのように考えておりますし、ということだと思います。

○新美座長 それでは、森林経営の問題については特になければ、次の発言者に。向井さんからお願いします。

○向井委員 幾つかあるんですけれども、1つは前々回までの議論で、この検討会が3月に設置されたときのミッションですが、むしろv-VERの認証基準が期待されているということであったわけですが、きょうのこれを見ますと、v-VERもミッションになるという理解でいいんでしょうか。まずそれを教えてもらいたいと思います。

○高橋室長 おっしゃるとおり、v-VERについての検討をやろうというのが最初のミッションでございました。その後、総理の秋の試行という新たな状況がございましたので、v-VERとして検討していく中で、遵守目的にも使えるものがあるのではないかということで議論していって、今のような状況になっているということでございます。当然、当初のv-VERの自発性カーボン・オフセットに使うクレジットを国内で何とかつくり出そうというミッションは重要なものとして残っているという認識でございます。

○向井委員 わかりました。
 あと1つはこの紙の裏ですが、4.の適格な云々というところの上に、「c-VERではなくv-VERとしてのみ流通可能」とあります。私は民間の立場で、トレードのスキームをつくっている立場から言うと、この検討会のミッションがトレードのスキームをつくるということではないことはよくわかっておりますけれども、実際にこれが世の中へ出回った場合、クレジットに色がつくというか、どういうことになるか想像力がないのでよくわからないんですけれども、v-VERとc-VERと世の中に出回った場合、間違えてそれを買ってしまったり、誤認したりいろいろなことが考えられます。ということで、どうやってそれぞれの流動性を保証するのかということがわからない。それもこの検討会の検討課題にしていいのかどうか。それは別のところでしかるべき検討が進んでいるのかどうかわかりませんが、それがちょっと心配だなということです。
 それから、4.の適格な云々と書いてあるところの1行目ですが、「目標を持つ事業者による」云々と書いてありますが、余剰枠の発生につながるものである。経産省の国内CDM制度では、目標を持っている大手企業が目標を持っている中小企業というプロジェクトもありということになっていると思いますが、いわば京都メカニズムで言うJIという考え方からすると、こちらが減ってこちらに付け替えるという、いわばプラスマイナスゼロであるという、JIという理解を私はしているわけですが、そうなると目標を持っているところが、この文章によると余剰枠の発生につながるというのは、どういう理屈なのかなということがわからない。この2つだけお願いします。

○新美座長 お願いします。

○高橋室長 まず最初の御質問は、c-VER、v-VERという区別が本当にできるのかということで。そこは今後、実施に当たって注意しなければいけないと思っております。ただ、誤解しやすいという意味では、一般消費者という立場から考えると、一般消費者の方は基本的には自発的なカーボン・オフセットということになりますので、その場合はc-VER、v-VERでもどちらでも使えますから、間違ってということはないかと思っております。むしろ秋からの試行、将来排出取引があるかわかりませんけれども、少なくとも秋からの試行で、参加される事業者の方が遵守目的でどういうクレジットを使うかというところについてはわかりやすくきちんと説明して、例えば森林吸収のクレジットは使えませんということは明確にしておかなければいけないということかと思います。
 それから、後段の御質問ですが、おっしゃるとおりJI的な発想でv-VER、要するに排出枠を持っている事業者についても。排出枠を持った者同士であれば、基本的に排出枠のやりとりだと思うんですが、そうではなくて、排出枠を持ってない人がボランタリーなオフセットをするために、排出枠を持っている人からプロジェクトベースの排出量を買うというケースを一応想定しておりまして、その場合はJI的な発想で、排出枠を持った人がプロジェクトしてそれで減った分は、売った場合には当然その排出枠から差し引くという非常に単純なことを書いております。
 ちょっとわかりにくいんですが、ここでの考え方は、排出枠を持っている人でも枠の調整をすれば、カーボン・オフセット用の排出枠を売ることの可能性、そういうことをやりたい人がどのぐらいいるかわかりませんけれども、そういう可能性も残しておいてもいいのではないか。それはわかりにくければ、そんなカテゴリーまでつくる必要はないんじゃないかという御意見もあるかもしれませんが、一応ここではそういう可能性も残している。排出枠を持った人同士は、基本的にはわざわざVERしなくても、排出枠をやりとりすればいいのではないかという考え方で書いております。

○新美座長 よろしいでしょうか。
 それでは、富田さんお願いします。

○富田委員 今の御質問と同じ部分なんですが、私もこの表現が非常にわかりにくいなと感じました。排出目標を持つ事業者が、余剰枠の発生にはつながるけれども、c-VERとしては位置づけられないというところなんですが、必ずしも京都議定書の枠組みのように、目標を持つ事業者が常時明確になっているのかどうかという疑問がそもそもありますので、この辺の流動的なことを考えると、ある意味でやりとりの仕方として、確かに枠のやりとりというふうに持っていく考え方もあるかと思いますが、c-VERとしてやりとりするというのも、別にオプションとして残しても余り不都合はないのではないかと感じます。
 仮に排出目標を持っている事業者であっても、自分の排出削減のためにやるプロジェクトで、仮にc-VER目的で何らかのプロジェクトを起こすこともあり得ない話ではないと思います。その辺の使い道については、ここで位置づけられるものではないというのは言い過ぎではないかなと感じますが、いかがでしょうか。

○新美座長 その辺はいかがでしょうか。

○高橋室長 そういう御意見もあるかと思います。ただ、排出枠を持った事業者という概念が、実はこれから秋からの試行ということで、今の段階ではそういう概念、具体的にはまだ日本国内では排出枠を持った事業者という概念がまだ確立しておりません。自主参加型の排出取引ではございますけれども。そこは政府部内でどういうルールでこの試行をやっていくかは議論しておりますので、その辺との絡みもございまして、今の御意見も踏まえつつ、さらに検討をさせていただきたいと思います。
 ただ、排出枠を持った方は、仮に秋からの試行で排出枠を持ったという場合に、その方が自ら削減努力をして排出枠を売ろうというのは当然ありますけれども、その場合に、そういう方が例えばバイオマスを導入して排出量削減をしよう。その排出枠から過剰に達成した分、余剰枠を売ろうということであれば、あえてVERを発生する手続を踏まなくても枠を売れるので、あえてc-VERとしてそれを転換して売るというところまで用意しておく必要があるのかなという素朴な疑問というか、そういうことでこういう表現にしているということでございます。

○富田委員 私が考えたのは先ほど飯田さんからも御指摘があった、例えば何か排出目標を持った事業者がグリーン電力導入みたいにして証書の発行するケースというのも、もしかしたら考えられるかもしれない。そういった場合のやりとりのスキームを排出枠でやるのか、もう証書という形を持ったものでc-VER的に扱うというやり方が考えられるのではないかと思いましたので、そういうアプリケーションも当然あり得るだろうということで先ほどの御質問になったわけです。

○新美座長 今の御意見だと、排出枠の取引にこだわる必要はないと。c-VERによる道もあるんじゃないかという御指摘ですけど、この辺は今後検討の余地があるということですか。それとも、とりあえず今回はc-VERとしての道は考えずに、秋の実施に向けては考えに入れないということでよろしいんですか。

○高橋室長 多分グリーン電力の扱いみたいなことかもしれませんので、それが当該排出枠を持った事業者のバウンダリーの中なんですね。外で行われればそれは明らかに排出枠の外ですから、そもそも排出枠を持った事業者が行うという分類に入らないわけです。ですから、当然それはc-VERでもv-VERでもつくることはできます。ただ、排出枠を持っている当該プロセスにおいてあえてv-VER、c-VERを発生させるかというところ、それは余りないんじゃないか。外で太陽光パネルをどこかに設置するとか、バイオマス発電に排出枠を持った方が支援する。その場合は、そこで得られたグリーン電力なりを別途売るということは当然あると思います。それはその人が持っている排出枠から出てくる、バウンダリーから出てくる排出量には直接影響しないということで解釈はできると思います。

○富田委員 基本的には対象となる事業所がどれぐらい広がるかによって随分状況は変わる。非常に限られた事業者間であれば、そういったケースは余りないのではないかと思います。その辺は私は読めませんので、こういった御質問をいたしました。

○高橋室長 御指摘の点も踏まえて検討させていただきます。

○新美座長 それでは、明日香さんお願いします。

○明日香委員 質問の前に、今の議論は、多分EU-ETSの中でキャップがかかっている発電所なり事業者がJIをできるかどうかという話ですよね。一応EU-ETSはかなり厳しくやっていたと思います。ですから、基本的にダブルカウントがなければいろいろできるのかもしれませんので、EUの場合はかなりややこしいから、一律やめたということもあるかと思います。
 私のコメントと質問なんですが、コメントは、私もc-VERの重要性は非常に、特に追加性とc-VERの重要性は認識したほうがいいと思っています。くどいかもしれませんが、追加性のないクレジットを買った人がばかを見るだけなんですが、c-VERになった途端、国が全部帳じりを後でCERを買ってくるということで合わせなければいけないので、国民の税金がある意味では不当に使われるということなので。v-VERの場合は買った人だけばかを見るんですが、c-VERの場合は国民全体がばかを見るということになるということは認識したほうがいいと思います。
 その追加性なんですが、ポジティブリストということでこれはかなり革新的なものなのかなと思っています。というのは、VERの世界でも幾つかスタンダードがあるんですが、CDM、ゴールドスタンダード、VCS、VER+CCX、VOS、CCBS、プランビーノ、GHGプロトコル、ISO等、10個WWSホーのスタンダードのリストにあるんですが、その中でプロジェクト・スペシフィックなアディショナリティーのチェックをやっていないのはISOとGHGプロトコルだけです。多分VERの世界のスタンダードの中のスタンダードになっているVCSというのがあるんですが、それはプロジェクト・スペシフィックにやっている。だから、ほかがやっているから日本もやらなければいけないということではないと思うんですが、一応プロジェクト・スペシフィックが海外では主流だということは認識したほうがいいのかなと思います。当然そういう理由があるんだと思います。
 質問が2つあるんですが、次の資料2でも追加性の議論があるので簡単にしますし、そのときにお答えいただいてもいいと思うんですが、ポジティブリストをした場合に、ここにあるように採算性の観点なりで評価すると思うんですが、それが変わる場合があります。採算性も変わるし、プロジェクトの種類も変わる。そういうダイナミックに動くものをどういうふうに改定という形でコントロールするのか、そこら辺はどう考えていらっしゃるのかということです。
 最後は、CDMの場合でも、ツールというのがあってそれを使わなければいけないのか、使ったほうがいいのか、使わなくてもいいのかという議論があったと思うんです。例えば日本の場合でも、ポジティブリストを使わなければいけない、ポジティブリストに入っていないプロジェクトの場合はもうだめなのか、入っても違うような、補足的かどうかわかりませんが、ほかの追加性なりベースラインを設定した場合は認められないのか、そこら辺はどう考えればいいか教えていただければと思います。

○新美座長 ありがとうございます。
 多分次のテーマの中に入ると思いますが、この段階で答えられる範囲で結構ですので、環境省のほうからお願いできますか。

○高橋室長 基本的には資料2でさらに細かく議論いたしますので、そこで御議論いただければと思います。基本的には私の理解では、もちろんポジティブリスト方式ですが、リストに載っていれば無条件にOKということではなくて、そのリストのプロジェクトごとに幾つかチェックポイントを設けるという考え方かなと思っております。ポジティブリストに載っていないプロジェクトについては、これは新規方法論として審査をどこまでできるか、体制の問題もございますが、必要に応じてそういうものも追加していけるような体制。すべてを審査するのは不可能かもしれませんが、有効と思われるものは適宜新しい方法論として、プロジェクトリストをふやしていくことは必要かと思っております。

○新美座長 飯田さん、関連されますか。
 それでは、小林さんお願いします。

○小林委員 私はCDMのさっき明日香先生がおっしゃったアディショナリティーの考え方。そのアディショナリティーの考え方はそれはそれで尊重すべきなんですけれども、ただ、アディショナリティーに関するツールがありますね、いろいろこういうふうにするという。ここに出ている障壁分析の手法。確かにあれは綿密にできていいと思うんですけど、国内のカーボン・オフセットに使うには非常に難しいと思います。ですから、あれを適用して使うことに対しては私は賛成できかねます。
 それで、ここに書いていらっしゃるとおり障壁分析の手法を援用した場合、客観性の確保やプロジェクト間の公平性の確保は難しく、円滑な審査プロセスを阻害するおそれがある。私はこの書きぶりでいいのではないかと思います。

○新美座長 追加性のところについてはまた後でも議論しますので、今のコメントを踏まえて次の議題のところで議論したいと思います。
 この議題については、飯田さん、仲尾さん、山本さんまでで打ち切りたいと思います。

○飯田委員 さっきの富田さんの議論に関連して、何をもってコンプライアンス、VERとするかという話をちょっと頭を整理しておきたいんですが、というか、その整理が実は難しいのでプロジェクトリストになっているという要素もあるというのがまず1つです。
 大前提として、目達計画というものがバウンダリーが非常に緩いというか、テレワークとか、エコドライブとかそんなものが入っているわけですから、何をもってバウンダリーにするかは非常に難しいという話があります。
 もう1つは、経団連自主行動計画を事実上のキャップとみなして、それをバウンダリーとして見るというのももう1つありますが、ここも若干難しい話はあるかと思います。それはそれとしてコンプライアンス、c-VERにしたときに、逆にその先の制度整備としてきちんと環境省のほうで織り込んでいただきたいのは、目達計画に使えるということは、それが制度的に例えば算定報告の中に織り込んでいけるという形についてはきちんと。算定報告に使えるからc-VERという関係はないと思いますが、c-VERであれば算定報告に使えるという話は、ちゃんと道筋はつくっていただきたいというのが1つです。
 もう1つの話は、グリーン電力を発行した電力会社については、電力会社が発行するわけではないんですが、例えば北海道電力に風車ができて、北海道電力は電気しか買わないけど、それのグリーン価値は多分ソニーさんとかほかのところが買うんだというところについては、前々から議論していますが、間違いなくまず電力会社はそれに対して、その分の二酸化炭素量を乗せるという手続もきちんと道筋をつくっていただきたい。そうしないことにはまさにダブルカウントになります。RPSのところは、まだ議論が経産省のほうでは及んでいないのは、それは置いておけばいいんですが、少なくともグリーンをVERとしてプログラム認証し、それについてはCO2に乗せろという話は制度化が必要である。
 それに関して言うと、これは間違いなく深掘りになっていきます。つまり電力会社が自主行動計画でマイナス2割を約束している。グリーン電力証書を発行すると、電力会社はそこにCO2を乗せなければいけなくなるわけですから、彼らはグリーン電力の発行は全くそこから外に出て、電力会社はマイナス20%を何をやってでも達成しなければいけない。そうするとグリーン電力は、まさに追加性をもって目達に対して深掘りをしていける。しかもソニーさんが買った場合には、算定報告で報告していくと国、ナショナル全体で深掘りにつながっていくという仕組みになっていきますので、この2つの道筋、算定報告と電力会社の排出量に乗せていく。これは必須ですので、ここは間違いなくやっていただきたいということです。
 どういうCO2を乗せるかというのはもう一段議論がありますが、それは私は環境省に提案していますけれども、それはまたそのディテールに入りませんが、そこのところは間違いなくお願いしたいということです。

○新美座長 今のはコメントということですね。
 それでは、仲尾さんお願いします。

○仲尾委員 本日このc-VERとv-VERというのが出てきたんですけど、ほかにも経産省が今やられ考えられている国内CDMのクレジットとか、先ほど飯田さんがお出しになったグリーン電力証書、既に売買されているものとかいろいろ出てきて、今回この場でこれをお聞きになった方は多少混乱しているんじゃないかと思うんです。
 例えば経産省さんがやられている国内CDMは、環境省さんが考えられているc-VERになるのかv-VERになるのかとか、いろいろなすり合わせもあるかと思うんですが、秋の排出量取引が始まるまでにその辺の整備がつくのか、それとも全く違ういろいろなクレジットが国内で出回るようになるのか、その辺も含めて現在の状況というか、それから今後のスケジュール感を説明していただきたいと思います。

○高橋室長 当然、政府部内で秋の試行に向けていろいろな制度について議論を始めております。まだ細かい議論まで行っていない部分もございますが、経産省の特に国内クレジットについては、私の理解ではc-VERになるんだろうと思いますが、その考え方についてすり合わせをしていく必要があると思っておりますので、ぜひそのようにしていきたいと私どもは思っております。
 スケジュールについては、今まで申し上げているのは9月中に中身を詰めて、10月からいろいろと募集など開始できるようにというスケジュール感でやっているところでございます。

○新美座長 よろしいでしょうか。
 それでは、山本さんお願いします。

○山本委員 今回のVERは、国内の排出削減を進めるということで非常に大きなツールになると思います。そのためにも、VERが結局貨幣価値を持って1トンということで取引されることになれば、当然市場の信頼性がなければきちんと動かないものなので、信頼性確保が非常に重要だと。そのために、2点目に書いてある国際整合的な信頼性を確保するために、ISOシリーズに準拠した形でスキームづくりをするということになると思います。
 そうであれば、今ISO14064-2がプロジェクトタイプの規格ですが、これを見ると先ほど飯田さんがおっしゃったプログラムというお話なんですが、この中身を見ますと、プログラムという言葉はなくてプロジェクトレベル。スコープは、ガイダンス・アズ・ア・プロジェクト・レベル・フォー・コンティフィケーションと書いてあるので、一応プロジェクトが対象だということなので。必ずしもプログラムを否定しているわけではないんですが、非常に既存の法体系を利用して、なるべく精度を確保するために、既存の法体系を活用することにより簡潔に簡易に進める。例えば購買データであれば、計量法に基づいているので、そういったものを使えば既にあるデータで精度が確保できるとか、同じように今のプログラムの中での数値を使えば非常に精度が高くて簡単に得られるということだと思いますので、そういったプログラムを既存の法体系、プログラムを活用するのは非常に簡潔に進めるということで結構なやり方だと思いますが、14064-2の整合性は必ず確保するということで考えていく必要があると思います。

○新美座長 ありがとうございます。
 今の点はコメントということでよろしいですか。

(2)ポジティブリスト(追加性)の考え方(案)について【資料2】
  (3)国内VERプロジェクト申請書(案)及び方法論(案)について【資料3〜6】

○新美座長 それでは、次の議題に移りたいと思います。先ほども話題になりましたポジティブリストの考え方、いわゆる追加性についての御議論をしたいと思いますので、事務局のほうから説明をお願いします。

○三菱総合研究所 ちょっと時間が押しておりますので、資料2から資料5、あと資料6をまとめて事務局のほうから御説明させていただきます。
 まず、前回の議論の出された論点を簡単におさらいしたいと思います。資料3にまとめております。前回第4回で出された論点を事務局のほうで簡単にポイントをまとめてございます。
 全体の前提部分としては、遵守VERと自主VER、いずれに軸足を置くかを明確にすべきというところですが、こちらについては資料1で説明したとおり、両方とも想定して、両方ともでスキームは基本的には同じものを想定する。個別のポイントでは、多少異なるルール等は出てくるかと思いますが、制度そのものとしては、両方ともに使えるものを構築していくことになるかと思います。
 2点目として、既存スキーム、特に京都議定書、京都メカニズムのもとで行われているCDMとの違いですが、こちらについては国内でやるものなので、なるべくシンプルなスキームにすることを考えている。
 ISOの準拠という点ですが、ただいま山本委員のほうからも御指摘がありましたが、次のページに参りまして、基本的にはVERは市場取引を想定されますので、ISOにのっとった形の制度とすることを考えております。
 そのISOとの比較という点ですが、資料5で簡単に整理してございます。ISO14064-2がプロジェクトタイプのGHG削減スキームについて規定しているものですが、こちらで要求されている項目が左側に書かれております。基本的には要求事項ということで、こういうふうにしなさいということが書いてあるんですが、この中で唯一要求事項ではなくて、望ましいという形で推薦事項になっているのが、3ページにあります5.12の有効化審査・検証という、いわゆる第三者認証・検証の部分でございます。こちらについては要求ではなくて、こういったことを第三者検証を行うことが望ましいというふうにされております。
 それ以外の点については、基本的には要求事項となっておりまして、こちらに書いてある内容は、いわゆるプロジェクトの計画なりについて、どういった内容を書かせるべきかということを求めております。
 右側がこのスキーム、VERスキームでどういった対応を想定しているかということですが、右側に書いているとおり、プロジェクトの申請書の中で、ISOで求められている要求項目を満たすような形で様式を作成しているので、こういった形でISOにのっとったスキームでやっていくことになるかと思います。
 資料3の3ページに戻ります。本日の議論の中心となると思われる追加性、ポジティブリストの部分ですが、そちらについては前回の検討会では、そもそも追加性の立証が必要かどうかという御意見が出されております。こちらは先ほど資料1でも説明しましたが、このスキームが存在することによって、よりCO2削減が進むことを担保することが重要だと。そのための追加性立証をどういったアプローチで行うかという観点になりますので、そのプロジェクトごとにやるのか、スキーム側であらかじめそういった基準を示すのか、そういうのは方法の話でありますので、追加性の立証そのものについては重要である。あとはどういうふうにやるかということです。資料2で後ほど説明しますが、本スキームでは、国内で行う取り組みということもあって、なるべく簡素化したものということで、ポジティブリストという考え方を提示していることになります。
 4ページに参りまして、[4]として申請受付とあります。いわゆる補助金等の公的資金を活用したプロジェクトを対象とするかどうかという論点ですが、事務局の案としては、一律に補助金をもらっているからだめということではなくて、プロジェクトの種類ごと、プロジェクトのタイプごとに、例えば太陽光パネルを設置するようなプロジェクトであれば、補助金があってもなおかつまだ採算性が低いものも想定されますので、そういったプロジェクトタイプごとに現状を把握して、VERの対象とするかを検討していくことを考えております。
 もう1点のポイントとして、複数の活動をまとめて申請することを可能とするか。いわゆるCDMで言うバウンドリングということですが、これは細かい面的な取り組みをVERの対象とする場合に、一つ一つのプロジェクトで提案していただくような形ですと、その申請者の負担が大きいので、なるべく同じような活動であればまとめて提案できるようにしてはどうかという点で、そういった方法論等を用意していきたいと考えております。
 6ページに参りまして、[8]VER発行です。プロジェクトの開始時期とクレジットの発行期間をどうするかということですが、このVERスキームが立ち上がる前から実施されているプロジェクトの扱いをどうするかということですが、事務局による案としては、既に実施されているプロジェクトであっても、VERのインセンティブがなければなかなか採算性が低いものというのは対象としてはいいのではないか。ただし、クレジット期間は、特に京都議定書の第一約束期間と合わせて、2008年4月という形で期日は定める必要があるのではないか。
 先ほど飯田さんのほうから御指摘がありましたけれども、グリーン電力証書の場合は、2001年以降に設置されているものも対象にしていいのではないかということですので、例えばグリーン電力証書に関してはそういった対応も考えられるかと思います。
 資料3、前回の主な論点としては以上のとおりです。特にその中でも重要と思われる点、追加性の部分について資料2のほうでまとめておりますので、こちらで説明したいと思います。
 国内VERのスキームにおいて、追加性がなぜ重要かということですが、国内VERはあくまでもプロジェクトベースであるということで、キャップ・アンド・トレード型のように絶対量での排出量のキャップが存在しない。その部分についてクレジットを発行することになるので、キャップがあればキャップの移転という形になるので、それは売る側と買う側が認識していれば、キャップそのものの全体の枠は変わらないため問題にはならないんですが、このVERの場合には、キャップがない主体がクレジットを発行することになりますので、追加性あるいはベースラインといった考え方が重要になるということです。
 これは自主的に行う削減活動に対してVERを発行するものですけれども、このVERスキームというのが、現在の目標達成計画に基づいて行われている温室効果ガスの削減対策をより促進させるものでなければ、VERスキームをつくることの目的には反するということで、このスキームが存在しない場合に対して、追加的であるかどうかという考え方は重要ではないかということです。
 1点目として、追加性の立証方法をどうするかという点です。こちらについては、先ほど明日香委員のほうから御指摘がありました、プロジェクトごとに追加性を立証する、評価する方法が現在は一般的です。CDMでもこの方法がとられております。
 @のプロジェクトごとの評価ですが、これはプロジェクトごとに、プロジェクト事業者の事情とかプロジェクト特有の状況を考慮しつつ、どんな障害があるか。例えば投資面での障害がある、技術面での障害がある、資金調達面での障害がある、という要因を特定することにより、VERというクレジットがなければプロジェクトが進まないので、追加性があるという証明を行うものです。すなわち、そのプロジェクト実施者が自ら追加性をこういった要因を踏まえて自己宣言をさせて、それに対して第三者機関が、それが正しいかどうかをチェックする。プロジェクトをケースバイケースで見ていくことになるかと思います。
 この方法のメリット、デメリットですが、メリットとしては、プロジェクト個々の状況に応じて追加性をチェック、正確に評価できる可能性がある。もう1点としては、個々の状況で評価するため、排出削減量をベースラインと比較して、より正確に算定できる可能性がある。
 デメリットとしては、個々の状況に応じて結局、自己宣言させたものに対して、第三者機関がそれが正しいかどうかをチェックするということですので、自己宣言、第三者機関なりのある程度主観性が入ってきてしまう。類似プロジェクト、同じプロジェクトであっても、ある人がやったら追加性があって、ある人がやったら追加性がないということも生じるおそれがある。
 追加性の立証においては、プロジェクト事業者自らそういったドキュメントを用意しなければいけないとか、それを第三者機関が検証するということで、そういった負担、コストがかかる。
 また、明確な基準がなくプロジェクト個々の状況に応じて評価するということは、逆に言えば評価されない、承認されないリスクもあるということで、そういったリスクが発生することになります。
 2つ目の方法ですが、こちらが今回このスキームで提案している方法ですが、プロジェクト種類ごとの基準による評価というものです。これはあらかじめ制度側で何かしらの基準を設ける。この基準に即しているかどうかという観点で追加性をチェックするという方法です。その場合にすべてのプロジェクトをまとめて1つの基準で見るという考え方もございます。それは例えば投資回収年数、何年以上であれば追加性があるというふうに考える見方です。こちらのスキームでは、そういった一律の基準ではなくて、プロジェクトのタイプごとに異なる観点からの評価が必要であろうということで、プロジェクト種類ごとに基準を設定する考え方を提案しております。
 この場合は、基準として想定されるのは、例えばプロジェクトの種類。一般的に非常に採算性が低く、もうGHG削減のためにやっているようなもの、自治体などが進める過程等を対象としたプロジェクトがプロジェクト種類で考えられるかと思います。
 そのほかには、例えばエネルギー効率が一般的に流通しているものに対して高いもの、あるいは機器や対策の普及率が極めて低いもの、あるいは一般的に機器の導入による投資回収年数が比較的長いもの、こういった観点で基準を設けて、それに対して満たしているかどうかの評価を行うというものです。
 メリットとしては、主観性を最小化できるということです。あらかじめ基準を定めるので、その基準に即しているかどうかがポイントになります。
 もう1点としては、あらかじめ制度側で基準を示すので、第三者検証等がかなり簡素化できる。
 3点目としては、基準が示されていることにより、不確実性が下がってリスクが下がる。
 4点目としては、一度そういった基準等を構築すれば、その後の運用自体は簡素となるという点です。
 デメリットとしては、その基準そのものをつくるのが比較的大変なのではないか。例えば省エネ設備を導入するプロジェクトの場合に、どういった基準を設けるかというのは、今日本全体で導入されている省エネ機器等の状況をかんがみて基準を定める必要があるということで、そちらの準備の手間がかかるということです。
 2点目は、プロジェクトの実施者の状況は基本的には見ずに、そのプロジェクトタイプごとに基準を設けるという考え方ですので、もともと実施予定だったプロジェクトに対して、基準にたまたま合っているのでクレジットが発行されるというような、フリーライダーのようなものがある程度発生してしまう。
 3点目としては、基準を構築したプロジェクト種類のみ限定されてしまうおそれがあるということです。
 4点目としては、個々の状況を評価することは余り行いませんので、いわゆるリーケージといった問題が起こる可能性があるということです。
 この2つのアプローチが追加性立証方法では考えられますけれども、本スキームで提案している追加性立証方法をBのほうに書いております。
 プロジェクトごとの追加性の立証というのが、現在CDM等においてはメインでありますが、さまざまな問題があるということです。このスキームで想定しているのが、国内の削減対策であるということ。これはCDMですと、例えば各国の状況等に応じて評価しなければいけないので、個々のプロジェクトごとに評価するのも必要ですけれども、国内のプロジェクトで、しかも主体がある程度想定されるものであれば、事前の情報収集さえ行って正確な基準さえつくれば、CDMのような多様性を考慮する必要はないのではないかということで、このスキームではなるべくプロジェクト事業者にとって負担が少ないプロジェクトごとの追加性の立証ではなくて、プロジェクト種類ごとに基準を設けて、それによって追加性を評価する方法を提案してございます。
 3ページの上に参りますが、具体的にどうするかということですが、制度側で追加性があると判断されるプロジェクトの種類及び適格性基準を整理して、ポジティブリストとして公表する。プロジェクト種類ごとの基準の作成に当たっては、現在の状況等を考慮して、なるべくフリーライダー等の排除を努めることが必要になるということです。
 このプロジェクトごとではなくて、プロジェクトの種類ごとに基準を設けて追加性を評価する方法がISOと比較してどうかという点ですが、ISO14064-2においては、追加性の概念については、いわゆる「追加性」という言葉自体は使わずに、吸収・削減がプロジェクトがなかった場合に比べて確実に増大しているよということを整理すればよいとしておりますので、この点では不整合はないのかなと。
 下のベースラインシナリオの決定の部分については、プロジェクトごとに評価するようなアプローチと、制度側であらかじめ基準を設けてそれをベースラインシナリオとするアプローチ、いずれもISOの中では説明されておりますので、このスキームが提案するようなポジティブリスト、あるいは適格性基準に基づく方法というのは、ISOにものっとっていると言えるのではないかと思います。
 4ページに参りまして、ポジティブリストの作成とプロジェクト適格性基準の設定について具体的に検討を行っております。こちらで基準をどういう形で設定するかということで3つの観点を挙げております。プロジェクトの種類でこれは対象にするということを決めてしまう方法、普及率で見る方法、平均的な投資回収年数で見る方法という3つの観点を示しております。
 1つ目のプロジェクトの種類ですが、実施の目的が、そもそも省エネとかコスト削減効果をねらったものではなくて、純粋に温室効果ガスの削減をねらったようなプロジェクトについては、自治体等が行うもの、NPOが行うもの、こういったものはプロジェクトの種類としてもポジティブリストに載せて、それは追加性があると初めから評価してしまってもいいのではないかという考え方です。
 2点目は普及率です。普及率が比較的低いものに関しては、現在は進んでいないということで、こういったものはポジティブリストに載せることが考えられる。
 3点目、平均的な投資回収年数。投資回収年数が、例えば長いものについては、通常のビジネスベースでは進まないと想定されますので、そういった機器の導入についてはポジティブリストに挙げることが考えられます。
 こういった形でポジティブリストに載せて、そのポジティブリストに載ったプロジェクトについては、一律すべて追加性ありと見るのが非常にシンプルな考え方なんですが、一方でプロジェクトによっては、設備効率あるいは投資回収年数にばらつきがあり、一律にポジティブリスト化することが難しいものも想定されます。
 5ページに参りまして、そういったものについてはポジティブリストにも掲載するんですが、一方で基準を設けて、その基準を満たしたものについてはVER対象プロジェクトにするという考え方があります。
 例えば2点、基準として想定していますけれども、ベンチマーク、いわゆるエネルギー効率等の基準というもの、もう1点が投資回収年数。この基準については、省エネ機器であれば、一般的に流通している機器に比べてより効率がよいものというものに対しては、VERを発行するという考え方です。
 投資回収年数としては、一般的に導入される際の投資回収年数が例えば3年が全国的な平均であれば、その3年を超えるような採算性の低い事業に関してはVERの対象にするというものです。省エネ設備であれば、1つの設備についてもいろいろな稼働条件、設置条件によって投資回収年数が変わってくることを考慮して、こういった基準が必要ではないかと考えております。
 6ページに具体的な検討結果を載せておりますが、こちらでは2つ例として挙げております。1つは高効率ボイラー、これは目達計画でも挙げられている対策ですが、高効率ボイラーを導入する場合に、どういった基準を設けるべきかということです。
 1つは、効率をどの程度にするかということですが、今ある補助金制度で定められている基準を整理しますと、大体似通っている。高効率という場合に想定されるボイラーの効率が大体90%切れるようなものであるということで、この基準以上の効率を達成するような設備であればVERを発行することが考えられるかと思います。
 8ページに飛びまして、高効率ボイラーの普及率についてですが、データの制約がありなかなか正確な数字を把握できないんですが、さまざまな想定を置きますと、およそ2%程度ではないかということで、普及率は2%ということで必ずしも高くないということです。
 9ページに参りまして、3番の投資回収年数ですが、こちらについても情報の制約があり、省エネセンターが実施した報告書にこういったものがあるんですが、平成10年度ということでかなり古いものです。こちらについてはまた改めて実態調査をしなければいけませんけれども、この報告書を参考にすると、ボイラーで導入する場合の投資回収年数というのは、大体3年以下の場合には導入されているケースが多いということですので、この3年を超えるものに関してはなかなか導入が進んでいないというふうに見ることが可能かと思います。こういった観点を整理しますと、高効率となる基準を設定することは可能ではないか。2点目として、普及率としては、現在の普及率は低い。3点目として、投資回収年数は比較的短い。3年以下のケースだと、ビジネスベースでも進んでいると見ることができます。
 こういったオプションを踏まえてどういった基準なりを考えるかということですが、1つ目のオプションとしては、一定の効率を持つボイラーに対しては一律に認める。2点目に関しては、投資回収年数が現時点で短いものが多いということで、VERのプロジェクトとしては対象としない。3点目としては、個々のプロジェクトにおいて投資回収年数を提出させて、一般的に導入されている3年以下のものに対しては不適格としますが、3年を超えるものに関してはVERの対象とする。こういった考え方が想定されるかと思います。
 10ページで、同様に高効率空調機についても整理を行っております。こちらについてはまた後ほどごらんいただければと思います。
 12ページに参りまして、ポジティブリストに掲載する具体的な対策例ということで、これは現在の目達計画で対象とされている対策、あるいは「低炭素社会づくり行動計画」で掲げられている対策をもとに整理したものです。ですので、このリスト化されている対策はすべてVERの対象になるということではなくて、これが最大数だと。これから例えば今のような観点で、現状を調査して、VERの対象とすることが適当かどうかをチェックして、落としていく。
 対象とする場合にも、今のようなボイラーでやったような観点から、例えば基準を設けて、ポジティブリストには載せるけれども、効率はこれ以上でなければいけないとか、採算性が低いものだけを対象とする、そういった整理が必要になってくるのかなと考えられます。これでは幅広く、産業部門、業務部門、家庭、運輸、エネルギー転換、吸収源を検討する必要がある。
 この場合、それぞれ右側のほうにあるような対策別に基準を検討していく必要がありますので、かなり膨大な作業になるかと思います。ただ、これをやれれば、日本国内で進めるべきVER対象プロジェクトが整理されることになるのかなと思います。
 この際、先ほど飯田委員のほうからありました、グリーン電力証書のように既にプログラムとして条件があって、それで認められているものをどう扱うかということなんですが、それについては、例えばプログラムとして条件を満たしているものについては、そのままVERを発行するという整理もできるかと思います。その場合はポジティブリストの中に、そのプログラムそのものが入るというイメージかと思います。
 そのかわり、ほかの省エネ機器の場合は、VERの対象とすることが適当かどうかというのが悩ましい部分もありますので、そういったものは基準を設けるという、多少そういった丁寧な対象化が必要になってくる。そうすることによってVERによって促進されるプロジェクトの種類が特定されることができる。そうすることでいわゆるCDMで言われているような省エネプロジェクトが進まないとか、そういったことを避けることができるのではないかと考えております。
 資料4は、具体的な申請書(案)ですので、こちらはまた後ほどごらんいただければと思いますが、この申請書を初めにプロジェクトの提案段階で書いていただくことになります。この申請書の中で基本的な情報、プロジェクトの内容、削減量の見込み、あるいは技術の内容、モニタリングの方法を、その方法論にのっとって記入していただく。
 この申請書を提出して、事務局側のJ−COFがこれを確認して、問題なしとした場合には、その後実際にプロジェクトを始められるということで、事前の段階で一定のチェックを行うという形になるのかなと思います。
 続きまして、資料6のほうの説明でございます。

○パシフィックコンサルタンツ 資料6の御説明をさせていただきます。資料6は、国内VER方法論(案)ということです。方法論ということですので、プロジェクトタイプごとに、そのプロジェクトによるGHG排出削減量をどういうふうに求めるのか、その計算方法について書かせていただいております。
 こういう方法論をきちっと整備することによって、だれがやっても、あるプロジェクトからの排出削減量というのはこうだということで、その計算結果が信頼性のあるものになるということで、このVER制度全体の信頼性の確保につながるのではないかと考えています。
 今回、作成させていただいた方法論のプロジェクトタイプとしては3つございまして、1つ目が化石燃料からバイオマスへの燃料代替に関する方法論ということです。2つ目、3つ目が再生可能エネルギーの発電に関する方法論で、その2つのうちの1つ目が、バイオマス以外の再生可能エネルギーによる発電、その2つ目がバイオマスによる発電ということで、この3つの方法論について今回案を示しております。
 1つ目のバイオマスへの燃料代替に関する方法論ですが、「JAM0001」という形で名づけておりまして、このJAMというのは、CDMで承認方法論というのはAM、アプルード・メサドージと言われていますが、それにジャパンのJをつけて「JAM」という形でネーミングさせていただいております。
 この方法論なんですが、この後御説明していただきます高知県さんのモデルプロジェクトの排出削減量を計算する際に適用される計算方法、方法論ということです。
 この詳細については時間の都合で省かせていただきますが、基本的には3.のところを見ていただきたいんですが、プロジェクトによって化石燃料の使用量が減りますので、その分がもちろん排出削減になります。しかし、プロジェクトを実施したことによって、間伐材の切り出しとか、バイオマスの収集・運搬、事前処理等で化石燃料電力が消費されてCO2がふえます。その分はしっかり差し引いて削減量を計算してください。こういう形で計算方法を示しております。これが1ページから3ページに書いております。
 4ページ目ですが、こちらはバイオマス以外の再生可能エネルギーの発電に関する方法論です。基本これは売電です。再生可能エネルギーにより発電を行って、系統電力に売電した場合の排出削減量を計算する方法ということで示しております。計算式については、基本的には簡単なんですが、発電量をモニタリングして、それに発電設備の補機による年間電力消費量を差し引いて、ネットの発電量を求めて、それに排出係数を掛けて削減量にするという形です。
 そのモニタリング方法についても示しておりますが、先ほどもグリーン電力証書との関係という議論がありましたけれども、グリーン電力をやっていらっしゃる方が二重の手間がかからないように、この方法論をもう少し見直す必要があると考えております。
 5ページ目から7ページ目については、バイオマスによる発電に関する方法論です。先ほどのJAM0002番と3番の方法論を分けている理由なんですけれども、バイオマスの場合には、その下の方を見ていただくと削減量の計算式が全く違うのがわかるかと思うんですが、バイオマスの収集・運搬、事前処理でのCO2排出量を考慮しないといけないとか、いろいろ計算方法が違ってくるので、わざわざ2つの方法論を分けております。基本的な考え方はJAMの2番の方法論と同じです。
 最後に8ページ目ですが、こちらには化石燃料の単位発熱量、排出係数のデフォルト値を示しております。その方法論の中に、1番から3番を説明させていただきましたが、デフォルト値としてこういう値を使ってもいいですよというのを書いてあります。そのデフォルト値として具体的に使ってもいい値というのはこれですよということです。この値は自主参加型の国内排出量取引制度のモニタリング検証ガイドラインで書かれているデフォルト値ということです。
 今後は、ポジティブリスト等の内容を見ながら、ポジティブリストに含まれているプロジェクトタイプについて、こういう方法論を整備していくということですので、そのポジティブリストの内容を見ながら、方法論を順次整備していければなというふうに考えております。
 以上です。

○新美座長 ありがとうございました。
 たくさんの資料に基づいて多岐にわたる点について御説明いただきましたが、中心的なところが追加性に関するところであり、それをどう立証し認証していくかということの方法論が後半にあったかと思います。全体について御質問、御議論がありましたらお願いします。
 まず小林さんお願いします。

○小林委員 簡単な点から課題を申し上げたいと思います。今までの議論から、今御説明がありました資料等からいきまして、ISO14064-2が非常に重要になってくると思います。私が知っている限りは、これはまだ邦訳されていないと思うんです。オブザーバー、傍聴者も含めまして、この内容を知っている方はほとんどいらっしゃらないと思うんですけれども、今後これをどういうふうに。資料5で対比したものが出ておりますが、これを見ても多分おわかりになる方は極めて少ない。しかも、14064の内容を知らないとこれに対してもわからないと思うんですが、その辺、今後この普及をどう考えていかれるのか。もちろんこれは経産省の所管だと思いますので、その辺は経産省との協議等も要ると思いますが、それが1点です。
 もう1点は、参考のためですけれども、この14064-2は、さっきの対比表にも、それからほかのところにもあったと思いますが、排出のほうは総説になって、それから吸収のほうもシンク、もしくはリザーバーとして入っておりますので、参考のため。ただし、これについての森林吸収源は不十分ですので、このまま適用できるとは私は思っておりません。
 もう1点は、これは本日の議論の要点ではないと思うんですが、方法論に関すること。これはまた別途時間をとって議論されることだと思いますけれども、ここでバイオマスの使用に関して0001、0002でありますが、化石燃料、バイオマスの山から運搬分を排出にカウントしているということ。これについてはもう少し検討すべきであると考えます。その辺は林野庁もオブザーバーでいらっしゃいますが、多分、林野庁の考えと違ってくるのではないかと思います。その辺をどういうふうに今後詰めていくのか、課題であると考えます。もちろん化石燃料についても、運搬部門をマイナスにさせるならいいんですが、バイオマス分だけマイナスにするのは検討の余地があると思います。
 以上です。

○新美座長 ありがとうございます。
 3点にわたりましたが、コメントのところはそれにとどめておいて、質問があった点について、これは説明していただいた三菱総研のほうがいいのかな。
 環境省のほうからお願いします。

○二宮課長補佐 御指摘のありましたISOですが、環境省はISOの所管ではないということもありまして、普及・啓発についてどう施策を実施するかについてはお答えしにくいんですが、必要なことについては調整を図っていきたいと思います。
 それから、方法論について御指摘がありましたが、今御指摘のあった個別の方法論の、例えば運搬に伴うCO2排出を入れるか入れないか、非常に細かい個別の方法論の議論になっていきますので、それは別途、しかるべき方法論の検討の場で詳細に御検討させていただきたいと思います。

○新美座長 続きまして、飯田さんお願いします。

○飯田委員 さっきの私の発言で三菱総研の方からサジェスチョンいただいて、基本的にはそういう方向でいいと思います。きょう小笠原さんが出席されていないので代弁しますと、そうは言っても調整は必要だと思います。多分グリーンエネルギー認証センターのほうも、これを受けて若干のガイドラインとかいろいろ見直しも必要だと思いますし、こちらのほうでもうまく反映する。そこの調整作業については、ぜひ認証センターとお話をしていただいたら。あちらもきょう同じ時間にちょうどやっているんですが、調査検討委員会を新たに発足しますので、うまくこの状況に合わせて向こうも間口を開いている状況だと思います。
 1点、細かいけれども極めて重要な要素が書いてあったので、頭出しの議論だけしておくと、先ほどのVERの方法論の資料6の4ページ目に、あるいはバイオマスもそうですが、系統電力のCO2排出係数とサラッと書いてあって。これは系統電力を使うのか、火力代替を使うのか、はたまた原油、これは結構大きな議論だと思います。
 頭出しの議論だけしておきますと、電力会社が今新エネ等の電力を買ったときに支払っている金額は、各社ホームページで公表しておりますが、皆さん、火力発電のたき減らしという説明が書いてあります。それぞれ大体3.5円という値段で風力発電の電気の電気のみ価値を、RPSを手放した後のものを買っている。そのロジックをそのまま援用するのであれば、火力代替のほうが価格で言えばリーズナブルです。追加性で言うと価格要素は極めて重要ですので。
 ロジックを貫徹するのであれば、この系統電力というものが物理実態でもし近いということであれば、こちらで電気のみを電力会社が買う金額も合わせていただく必要があります。そこのつじつまを合わせるという話が社会プログラムとしては必要なことですので、これはテイクノートしておいていただければと思います。

○新美座長 ありがとうございます。確かに非常に重要な指摘だと思います。
 飯田さんの質問は特になかったですね。コメントとテイクノートですね。
 続きまして、富田さんお願いします。

○富田委員 ただいまの御説明を伺っていて、プロジェクトごとの評価というのはそういう意味ではハードルが高いというか、この仕組みをつくることが目的ではなくて、いかにこういった仕組みをきちんとつくって普及させ、さらには削減に貢献するかというところが大きな目的だと思いますので、この仕組みをいかにシンプルに持っていくかというところが重要ではないかと思います。
 方向性としては、このプロジェクトの種類ごとの考え方がいいと思うんですが、プロジェクトの種類という表現自体もかなり個別感が残されているような気がします。ここは先ほど飯田さんおっしゃった「プログラム」という言葉がいいのかわかりませんが、もう少し上位概念的な大きなくくりを持ち、この方法論だけではなく、ある種管理スキームを含めた1つの母体みたいな、プログラムみたいな形をつくって、そういうのを幾つかポジティブリスト化していく考え方に早急につなげたほうが普及につながるのではないかと感じます。
 もう1点は、特に高効率機器の問題が事例として出てきているんですが、ここで出てこなかったのかなと思ったポイントとしては、実際に高効率機器自体を何らかの方法論をもって認めること自体は反対ではなくて、これはいいと思うんですが、どれぐらいの期間このVERを発行できるかというところに対する注意も非常に必要ではないかと思います。
 例えばグリーン電力みたいな場合は、一たん導入してしまうと永続的に排出量がゼロでありまして、多少そのベースラインがだんだん変わってきて、そこのところを考慮すればいいというお話だと思いますので、ある種永続性はあると思うんです。高効率機器の場合は、耐用年数の問題もあると思いますが、技術革新がものすごく早くいきますので、ことし導入した機器は確かにトップランナーだったかもしれないんですが、3年後には陳腐化しているかもしれない。
 その場合、3年後までVERを発行していいかというと、これはちょっとおかしい話になりますので、VERとしての有効期間も同時にきちんと位置づけていかないといけない。それをかんがみた上で、本当に投資的にやるかどうかを考慮したプログラムにしていかないと逆に排出量をふやしてしまう。一たん通したら、それが永続的につながるとずっとそれを持って回る、いわゆる買換えにつながらないということになると思いますので、そこのところは注意して考慮すべきではないかと思います。

○新美座長 ありがとうございます。
 それでは、山本さんに発言していただいて、その後、明日香さん、日比さんという順序で行きたいと思います。

○山本委員 最初に、資料2で追加性の話を言われましたが、先行しているCDMでは、追加性とかベースラインの設定というところにものすごい時間を割かれて、逆にそれがきちんとできているかということで、審査する審査機関が審査しても、実際にそれが妥当かどうかというのをまたCDMの理事会の事務局がチェックしている。さらにRITというレビューチームがチェックする。最終的にCDM理事会と、ものすごく煩雑なスキームというか、そういうプロセスを通らないとCDMにプロジェクトして登録できない。
 しかも、本当にプロジェクトを進めるということが、先ほどおっしゃったとおり今回の目的は、国内で排出削減をどんどん進めていきましょう、そのためのツールとしてこういったVERを使いましょうということなので、進めるというところが一番重要なことなんです。こういう時間がかかるようなことをやってしまっては元も子もないということで、そういう意味からもポジティブリストの観点は非常に重要だと思います。
 余りにもやり過ぎると個々の判断がずれる。信頼性を確保するということは、いつでも、だれでも、どこでも、だれがやっても同じ答えができるというロバストなスキームが確保されていることが非常に重要なことであって、必ずしもとことん何かを突き詰めるということではないと思っています。そういった観点からも、今三菱総研のほうから御説明があったポジティブリストということでは非常に賛成しています。
 ただし、基本的に初めてこういった取り組みをするのであって、やはりラーニング・バイ・ドゥーイングということで、スキームとしてもっと高めていったり改善していかないといけないと思うんです。これですべて終わりだということではなくて、使いやすいもの、より効率的なものにしていくという観点からも、とりあえずこれを決めた。だけど改善する。
 そういう観点からすると、これで決めたからこれじゃないといけないというよりも、基本論はこうなんですけれども、若干原則はこうだけど、ある程度追加性のところも斟酌する余地は残しておいたほうがいいのではないか。それは一応追加性があると想定してこういったことをつくったとしても、想定外のことも出てくる可能性もあるので、そういう余地は残しておいたほうがいいのではないかというのが1つあります。
 それから、若干細かい話になるんですが、方法論を資料6で出されております。これは一番最初のページで先ほど小林委員からもありましたが、プロジェクトの排出量のところで、間伐材の切り出し、バイオマスの収集・運搬、バイオマスの事前処理がプロジェクトの排出量で入っておりますが、この場合必ずしも間伐材の切り出しから入れないといけないのかというのはあると思います。基本的に間伐材を切り出すのは通常やっていることであって、ただそこでの林地残材を収集・運搬してバイオマスの燃料として持ってくるかというところは、新たに追加的な作業は発生するかもしれません。その辺はある程度適用できるように臨機応変にできるようにしておいたほうがいいと思います。
 それから、2ページ目で、方法論は別のところで議論したらいいと思いますが、ここでデフォルト値使用可ということでデフォルト値のことを書いておりますが、JVETS、自主参加型国内排出量取引制度で、一応デフォルトが使えるものと使えないもの、実測が必要なものということを分けていまして、液体燃料はデフォルトはOKなんですけれども、石炭みたいな個体燃料は産出する場所によって変動が非常に大きいので、これは実測じゃないとだめよということにしているんです。そういった自主参加型のJVETSとも整合性を図る観点から、その辺は見直しが必要ではないかと思います。
 それから、5点目のモニタリングのところですが、モニタリングというところはリアルに現場で物をはかるので、ここは本当に計測とかそういう世界になってくると思います。だから、計量法のデータを使えば必要ないところもありますが、実測するというのであればもっと中身を、要は構成をどうしているのかとか、どの程度の精度なのかというところまで。あとQA/QCですね、どういう制度管理をしているのかということも当然必要になってくるので、これだけでは十分ではないと思います。
 それから、最後がポジティブリスト、資料2です。12ページ目のポジティブリストです。一番下の業務のエネルギー管理システムで、エネルギー管理システムの導入とありますが、この意味として、ITを利用して適切なエネルギー管理をすることによって排出削減を行うという視点と、それともう1つは、IT自体も最近は電力をたくさん使うということもありますので、IT自体の省エネの視点も含まれるのではないかと思いますので、その辺も追加していただければと思います。
 以上です。

○新美座長 ありがとうございます。
 非常に多岐にわたる御指摘ですので、これも検討の対象にしていきたいと思います。
 それでは、明日香さんお願いします。

○明日香委員 ありがとうございます。私も何点かあります。
 まず気になったのは、大きな話からいきますと、多分プロジェクト・スペシフィックにするか、パフォーマンス対応にするか、今多分アフリカのアクラでも同じような議論を、CDMでどういうふうにするかということをやっていると思います。だから、ある意味ではどこでもずっと続く問題かと思います。
 ちょっと気になったのは、ポジティブリストだと客観的で、プロジェクト・スペシフィックが主観的とありましたけれども、多分ポジティブリストの場合は政府のかなり主観が入るというか、こういうのは普及させたいとか、こういうのはベンチマークを厳しくするとか、そういう意味で。だからちょっと微妙なのかなという気がします。そういう意味で、かつ政府が非常に賢くなければいけないと思いますので、まあ頑張ってくださいと言うしかないんですが。
 もう1つ大きな論点として、目達計画があります。ある程度予算措置もされていて、各産業がやることになっている。それでマイナス6%を実現することになっていると思うんです。そこら辺のポリシーアディショナリティーというんでしょうか、そういう追加性をどこまで認識してどこまで認識しないかというのもクリアにしたほうがいいのかなと思います。
 特に、c-VERの場合は、マイナス6%に対してという意味では結局減らないですから。結局ポリシーに対しても追加的ではないものをc-VERとして認めた場合には、ある意味で目標達成計画自体を変える危険性なりリスクもあることは認識したほうがいいと思います。そういう意味で1つの方法としては、買うほうのキャップなりをどう変えるかというのも議論できることかと思います。
 最後に、プロジェクトかプログラムかという話があったんですけど、基本的にどっちでもよくて。どういうことかというと、何かアクションをしたことによって、メーカーディフェンスと言うんですけど、変化するかどうかなんです。だから、プログラムなりプロジェクトであろうが、買った人がCERなりVERなり何でもいいんですが、グリーン電力証書でも何でもいいんですけれども、買ったことによって何らかの代替が起きるか、または代替が起きることが予想されるようなアクションにつながるかということが大事なので、何も変化がないというのが一番非追加的なクレジットを発生することになりますので、それがある意味では最悪のシナリオなので、なるべくそのシナリオを避けるよう頑張っていただければと思います。
 あと先ほど質問しました、どんどん状況が変わっていくときにどうダイナミックに変えていくかというのは、まさに政府も賢くなければいけないので、そこら辺のいつまでにどういう、ある程度手続論みたいなところもしっかり最初にしておいたほうがいいかと思います。もちろんだれがどういう権限でどういうサイクルで見直すとか、そういうのは議論しておいたほうがいいと思います。
 以上です。

○新美座長 ありがとうございました。
 続きまして、日比さんお願いします。

○日比委員 基本的にポジティブリストという方式は、トランザクションコストを下げていくということではいいと思うんですけれども、この対策例の参考2、12ページの表を拝見させていただいて、勝手にイメージとしては、もう少し数は絞り。これがすべてポジティブリストになるわけではないという御説明ではあったんですけれども、ここに多分40ぐらい詳細で挙がっていると思うんですけど、イメージ的にどれぐらいになってくる想定をされているのか。というのは結構、その前の御説明は適格条件にいろいろ合ったりという御説明がありましたので、それと対策を掛け合わせていくと、ほとんどどれも何かの条件をつければ追加性が出てくる可能性があるのかなと。そうすると、例えば40個の方法論を用意しますという話なのかなと。それで用意しますということであれば別にいいんですけれども、それは結構大変かなと、方法論をつくったことのある身からするとちょっと思ってしまうというのが1点です。
 それから、これは山本委員もおっしゃっていたかと思うんですが、ここに載っていないものがまず入ってくる可能性があるのと、今後状況が当然変わってくる可能性があるということで、ポジティブリストの見直しをしていくのをちゃんとそのプロセスの中に入れ、かつパブコメなのか何なのか、マーケットというか実施者側、あるいはバイヤー側からの意見をちゃんと吸い上げる仕組みをその中にぜひ入れ込んでいただきたいという点があります。
 それから、これはポジティブリストの最初の質問にもかかわりますが、どれぐらいのポジティブリストになってくるのかということにもかかわるかもしれませんが、仮にポジティブリストに入らないものがあって。先ほど明日香先生がおっしゃっていたかもしれませんが、載っていないものを出せるのかどうかというところも、多分どれだけポジティブリストでカバーするのかという兼ね合いもあると思いますが、1つ重要な観点になってくるかなと思います。
 以上です。

○新美座長 今の点について何かお答えいただけますか。

○三菱総合研究所 ありがとうございます。ポジティブリスト、今こちらに挙げているのはどちらかというとこれが全体で、このうちから選んでいくということなので、もっともっと減っていくのかなと。先ほどボイラーで1つ例を挙げましたが、ああいう普及率等を調べていくという作業があります。恐らく最初は確実に、これは追加性があると、特に政府が進めたいというものを挙げていくのかなと。そのイメージとしては、最初の段階で10個とかそういう程度なのかなと。
 そのときにプロジェクトタイプをどういうふうに定義するかということで、右側に詳細ということでかなり細かい技術ごとに挙げていますけれども、まとめられるもの、例えば省エネ機器という形でまとめられるのか。例えばボイラーと工業炉はまとめられるのか、そういったところを考えてプロジェクトタイプをどの程度一般化できるかというところがかなり重要になってくるのではないか。あるプロジェクトをやるときに、これはこのプロジェクトタイプに該当するのかどうかという定義がある程度ちゃんとしていないと混乱するので、そこについては今後検討が必要なのかなと思います。
 あと方法論との対応なんですが、できる限り方法論は少なくて、かつ一般的なもののほうがいいと思いますので、必ずしもこのプロジェクトタイプに対して1個方法論があるというよりは、まとめられるものであれば、省エネ系のものであればまとめられるということであれば、まとめる。そのとき重要になるのは、モニタリングの方法が同じであればまとめられると考えられますので、方法論が必ずしもプロジェクトタイプごとに必要になってくるかどうかは、必ずしもそうではないのかなと思います。
 あとは新規、ここに載っていないものをどう吸い上げるかというスキームについてはまた別途考えなければいけないのかなと思います。CDMであれば、自由にだれでも新規方法論の提案ができて、それをスキーム側が承認するという仕組みになるんですが、個別の申請書をすべて承認するのか、あるいは吸い上げる窓口を用意しておいて、そのニーズを踏まえてスキームオーナー側でこういった形で方法論、こちら側から提示するという方法も考えられますので、それはどちらのほうがお互い負担が少ないのかというのを考えながらつくっていくことになるかと思います。

○新美座長 ありがとうございます。
 それでは、向井さん、それから山本さんが最後ということでお願いします。

○向井委員 時間が押しているようなので簡単に、コメントだけですので特に回答は要らないと思います。
 中小企業の省エネ支援をずっとやっている立場からすると、先ほどの三菱総研さんの御説明で、例えば投資回収年数が余り短いものは該当しないよ、みたいな御説明があったわけですけれども、中小企業からすると、このVERという制度を利用して省エネといいますか、活動の後押しをしたいと。中小企業の支援ということから言うと、中小企業の背中を押して、とにかく一歩踏み出してもらいたいと。そのためにVERも意味があるかなと思っているわけです。
 そうなってくると、投資回収熱が3年未満のものは該当しないというのは大企業の論理であって、短くて元が取れることがわかっていてもなかなか一歩踏み出せないというのが中小企業のつらいところです。ですから、VERを何らかの形でインセンティブに使うようなスキームにしたいということで、投資回収年数が一定以下であれば該当しないというのはちょっと乱暴な話ではないかということが1つの意見です。
 それから、運用改善です。12ページの対策一覧、これは目達計画から引用されたということですけれども、運用改善というのは、例えばボイラーの空気比の調整であるとか、コンプレッサーの突出圧力の調整という、その日から効果が上がるのがあります。その場合ポジティブリストにこういう形で載せたとして、クレジット期間はどうなるかということが非常に問題です。他の設備投資であれば、法定耐用年数であるとか何らかのクレジット期間は設定できるかもしれませんが、その場で金もかからず、効果がすぐに上がるような運用改善についてこそ中小企業は大事である。そういう場合のクレジット期間はどう考えるべきかということは、設備投資案件とは別に考えるべきではないかということが意見です。
 それからもう1つだけですが、中小企業の現状をよく知っている私からすると、技術的な切り口からのみVERのポジティブリストを考えるのはちょっと片手落ちではないか。例えば社内に省エネを推進するためのマネジメント体制ができていない。そのためにいろいろな仕組みづくりからアドバイスするみたいなことを私たちはやっているわけですけれども、そういうものはプログラムCDMといいますか、あるいはコベネフィットCDMというか、いろいろな副次的な効果。マネジメント体制が確立されれば、従業員が元気になって省エネに努めるとか、いろいろな副次的な効果が期待されるので、むしろコベネフィットCDMというふうにイメージしたほうがいいかもしれませんが、そういうぐあいにソフト系といいますか、マネジメント系の要素もポジティブリストにぜひ入れてもらえれば中小企業がこちらを向いてくれるのかなという気がします。
 以上3点、コメントのみです。

○新美座長 ありがとうございます。
 それでは、山本さんお願いします。

○山本委員 資料5でISO14064-2とスキームとの対応が書いてありまして、その3ページ目の5.12のところで、14064-3に基づいて審査をやりますよ。バリデーションはJ−COFが実施し、ベリフィケーションは14065にて認定された検証機関が実施すると書かれているんですが、これは体制という話で後で出てくるのかもしれませんが、1つはJ−COFのほうでバリデーションを実施するということであれば、基本的なバリデーションというのはプロジェクトの計画を承認すると。このプロジェクトでいいでしょうかという、計画の承認の段階です。
 ベリフィケーションというのは、実際に承認されたプロジェクトを実施して、排出削減を行ってそれをモニタリングして、モニタリング報告書として出して、それをクレジットで承認する。そういう2段階と。計画を承認する段階をJ−COFが担うのであれば、当然モニタリングプラン、モニタリングをこうやっていいでしょうかというプランも承認する。JVETSとの整合性を見ると、JVETSでもCAというところでモニタリングプランを承認して、承認されたモニタリングプランに基づいて、実際にモニタリングをしていただく。検証機関は何をやるかといったら、そのプランどおりやられているかを見るということなので、検証のほうも手間が省ける。
 それであれば相当モニタリングのところは、実際の申請書のところでもきちんと書かないと承認できない。中身がわからないので、J−COFで承認できないのではないかと思います。それと実際に承認するには、ある程度の専門的な知識も必要でしょうから、運営体制の中で専門家がきちんと判断できるようなところもないといけないのではないかというふうに思います。一応コメントさせていただきます。

○新美座長 ありがとうございました。

(4)その他
・高知県のモデル事業の現状について

○新美座長 まだまだ御意見はおありかと思いますが、既に時間も予定を大幅に過ぎつつありますので、次の議題に移りたいと思います。
 きょうは事例紹介が2件ございます。オブザーバー参加していただいている高知県の塚本様からまず御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

○塚本オブザーバー 高知県環境共生課の塚本と申します。
 それでは、今から少しお時間をいただきまして、高知県で実施しております事例紹介について御説明させていただきたいと思います。
 お手持ちの資料の参考資料1に沿って御説明させていただきたいと思います。1ページ目をめくっていただきたいと思います。こちらのほうに、高知県で平成19年度から実施しております排出量取引地域モデル事業の流れについて書いてございます。県では、外部の専門家によるCO2削減専門委員会で昨年度制度設計を行いまして、次のような事業を実施しております。
 まず県は、発電事業者に、間伐材を石炭の代替え用燃料としての利用委託をしております。発電事業者は、地元の森林組合の協力を得て間伐材を調達し、石炭と混焼し発電を行うことでCO2の排出量を削減しております。あわせて、CO2削減専門委員会で検討されたモニタリング計画に沿ってモニタリングを行い、その結果を県に報告していただく。
 当初は、その結果によって県が削減量を認証し、環境先進企業様に売却する計画でしたが、今回環境省のモデル事業ということで、第三者機関の検証を受けまして、市場で流通するVERを創出するということで取り組んでおります。
 そのため、今国のほうで考えられているスキームに合わすということで、プロジェクト申請書を作成してJ−COFに登録し、そして第三者機関による検証を行う。また、その結果をCO2削減専門委員会に諮問し、県がまずはCO2削減量を認証し、その結果をJ−COFへVERの発行を要請するということです。
 そして発行されたVERを、今回は(株)ルミネ様に売却します。(株)ルミネ様はこのVERでカーボン・オフセットを行う。このようなスキーム、事業の流れを考えております。
 それでは、プロジェクトの概要について少し御説明させていただきます。次をめくっていただきたいと思います。
 まず、プロジェクト事業地の位置ということで御説明いたします。この地図は四国の地図ですが、高知県は四国の中の南半分に位置しておりまして、非常に東西に長い県になっています。プロジェクトの事業地は中西部に位置しておりまして、森林間伐材の供給元である伐採現場は中土佐町にございます。また、それの供給元である発電事業者は隣接する須崎市にございます。
 間伐材の供給ですが、周辺の4市町村の民有林を管轄しておる須崎地区森林組合が行っております。現在伐採されている現場ですが、発電事業所まで大体36.7km、陸路で50km以下ということで、プロジェクト事業地として適しているのではないかと思います。
 また、発電事業所は、主に石炭による火力発電を行っておりますので、須崎市の海岸部に位置しておりまして、石炭を搬入するのに適した立地条件となっております。
 続きまして、木質バイオマス利用の概念について説明いたします。
 次のページをめくっていただきたいと思います。上のほうに荒廃森林、間伐が実施された森林で、林内の状況を対比しております。また、それによって放置された林地残材を今回バイオマスに利用する写真がありますが、本県のバイオマス利用の考え方は、どこの県でも同じようなことがありますが、木材価格が低迷して林業が不振している。担い手の減少や高齢化で、戦後植えられたスギやヒノキの人工林の手入れ不足による荒廃が大きな問題になっております。間伐の遅れによって、ここの荒廃林を見ていただいたらわかりますように、林内に光が差し込まないことから、植生が後退する。それによって地力も低下するという悪条件になっております。
 これが右側の間伐を実施することによって林内に光が差し込むので、下層植生も豊かになって地力も回復する。それによってCO2の吸収源としての機能も高まるし、また水源涵養機能という公益的な機能も高まっております。
 しかしながら、先ほども申し上げましたように木材価格の低迷によって間伐は進みません。また、間伐が実施されたとしてもコストの問題で切り捨てされる。また、搬出されたとしても、柱などの用材に使われない部分については林地に放置される状況ですので、今回県が考えたのは、間伐材や林地残材を有効活用することでCO2を削減する。そのCO2の削減を環境汚染企業などに売却して、その売却された利益を木材の搬出コスト、森林の中から外に出すコストに充てるというプロジェクトを考えた次第でございます。
 続いて、木質バイオマスの調達、その範囲について御説明いたします。次をめくっていただきたいと思います。
 上から見ていただきますと、まず森林ですが、立木をチェンソーで伐倒します。そして伐倒木にワイヤーをかけて、架線集材といいますが、線を張ってそれによって移動するようなもので、後ほど写真でも御説明させていただきますが、それにかけて土場まで搬出いたします。排出された伐倒木については、高性能林業機械であるプロセッサーで玉切りをして、用材用、パルプ材、林地残材、今回使用するのは林地残材の部分ですが、その3つに仕分けされます。今回の対象である林地残材については、グラップルで専用トラックに積み込んで発電事業者のほうに運搬されることになっております。
 先ほど申し上げましたように、緑の部分がプロジェクトの範囲になります。
 次は、それぞれの工程について写真で御説明します。イメージがわかないということで、まず木材を伐採するところから順次写真をつけております。まずはチェンソーによる伐倒作業を行います。
 次をあけていただきます。架線を張るためには、集材機というこのような機械がありまして、ここにウインチがありますが、そこにワイヤーをまきつけて、それを伸ばす、それから引っ張るという作業によって材を土場に引っ張り上げていく機械でございます。
 実際の搬出作業が次の写真でございます。このように架線により木材を吊り上げて土場まで搬出しております。
 次は、枝や葉っぱすべてついた形で土場まで出てきますので、プロセッサーによって枝葉を払い、そして必要な寸法に玉切るという作業をいたします。
 次に、玉切られたものをそれぞれ丸太材、パルプ材、ここに枝葉がありますが、木質バイオマス用にという形で仕分けをされます。
 次ですが、その仕分けされた木質バイオマスについては、専用の箱型のトラックにグラップルで積み込んで運搬します。
 次ですが、そういう過程を経て発電事業所に着いたときに、これはトラックスケールなんですが、これでそれぞれの木質バイオマス量の計測を実施しております。計測された木質バイオマスは、専用ストックヤードがございますので、そこにまとめて集積してございます。
 次ですが、すごい機械がありますが、これは木質バイオマスを破砕する機械でございます。後ほど破砕の過程について御説明しますが、これは1次破砕ということで、ハンマークラッシャーという、たたき割るような形で1次破砕で100mmアンダーまで破砕します。
 最後のページですが、破砕の設備ということで、100mm以下に破砕された材料については、2次破砕機に投入されて45mm以下に破砕されます。最後に比重差選別機にかけて金属などの異物が取り除かれて、石炭の代替えをして発電用のボイラーに投入され、それによってCO2の排出量の削減が行われるというプロジェクトになっております。
 県としては、未利用の森林資源を有効活用することにしてVERを生み出す。そして、そのVERの売却益を森林整備の資金に充てて森林を再生するという、本県は森林県ならではの森林循環モデルの提案を目指したいということで取り組んでいる次第でございます。
 以上、木質バイオマスの活用によるCO2排出量削減のプロジェクト事業の中身について御説明させていただきました。

○新美座長 どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの説明について質疑応答したいと思いますが、発言される方は名札を立ててください。
 飯田さんお願いします。

○飯田委員 時間が押していて申しわけないんですが、制度設計上1点だけ気にかかるんですけれども、高知県は森林環境税を持っておられると思うんですが、森林環境税も間伐のところにいっているお金だと思うんですが、それとこのVERとのお金の追加性という意味での仕分けとか、考え方とか、そこら辺についてはどういう根本的な発想でやられているのか、その1点を伺いしたいと思います。

○塚本オブザーバー 森林環境税について、荒廃森林の整備ということで、間伐するという行為に助成するという考え方でございます。先ほども申し上げましたように、間伐する行為によって間伐された木を林内から林外に出すときに新たな費用が発生することになります。残念ながら、この新たな費用の分については森林環境税で対応する制度になっておりませんので、森林から外に出す、外に出すことによって利用するという、その搬出するという部分についてVERの売却益を充てるということで考え方を整理しております。

○新美座長 よろしいでしょうか。
 それでは、林野庁さんお願いします。

○香月林野庁木材利用課課長補佐 ありがとうございます。林野庁でございます。
 方法論の話でございますので、御検討は必要ありません。高知県の方式でも、バイオマスの運搬制度に係る排出というのは見てないと思いますが、林野庁としてもこれは必要ないと思っております。3点理由がありまして、先ほどのパシコンさんの案ですが、間伐材だけ見るとなっていますが、むしろこれは逆だと思います。間伐材は、このプロジェクトがあろうがなかろうが間引きしないといけないので、このプロジェクトによって伐採されるという考えはおかしいのかなと思います。
 2点目は、プロジェクトの外で排出がふえるということが問題だと思いますので、代替によって石油やA重油が減りますので、これにかかる採掘、輸送、製造というものが減りますので、相殺ということでバイオマスの運搬制度はネグリジブではないかと思います。
 3点目ですが、そもそも途上国のCDMであればプロジェクトの外で排出がふえたのは見ないといけないんですが、先進国の場合は別途ガソリン、電気の使用量が把握されるものであれば、そもそもダブルカウントになってしまうのではないか、必要ないのではないか。例えば、ほかに石炭ボイラーからA重油とか天然ガスに燃料転換する場合でも、そういったA重油の採掘、輸送、製造を見るのであればまだしも、バイオマスだけそういったものを見ないといけないというのはどうかなと思っております。
 ありがとうございました。

○新美座長 ありがとうございます。
 今のコメントは、先ほど小林さんがおっしゃったことと共通するところですので、これは後ほど森林のところで改めて議論になると思います。
 ほかに。明日香さんございますか。

○明日香委員 ちょっと確認ですが、これはc-VERとして考えているということですね。じゃなくてv-VERですか。わかりました。

○新美座長 よろしいですか。

○明日香委員 済みません、先ほど言い忘れたので追加的に簡単に。
 先ほど、投資回収年数が、中小企業の場合は短いものでもやはり難しいというお話があったと思うんですが、イービーの41ですか、この前あったイービーでパブリックコメントに出ている文章で、投資回収年数が短いプロジェクトの追加性をどう考えるかということに関する考え方がたしか1週間ぐらい前に出ていたと思います。そのときには考え方としては、それがないとだめというのと、あと普及率と、銀行がお金を貸してくれないとか、そういうものが補足的に説明できれば、投資回収年数が短いものでも追加性を認めてもいいんじゃないかというのはどうでしょうかというパブリックコメントがCDM理事会のほうから出されています。なので、国内の場合でもそういう補足的な説明が必要で、それが納得できるものであれば認めてもいいということになるかもしれません。そうするとプロジェクトはどんどんスペシフィックになっていく世界でして、そこら辺はJ−COFが最終的にどう考えるかという話になるかと思います。
 あと1点だけ、皆さんは追加性のないプロジェクトはちょっとイメージがわかないかもしれませんが、例として追加性がないプロジェクトを紹介したいと思います。例えば私が仙台から東京へ来るときに、新幹線で来るというプロジェクトをつくって、別ラインを飛行機としたときに、当然排出削減量はクレジットとして売りたいというプロジェクトなんです。それは追加性がないものでして。というのは、いつも新幹線で来ているからです。ですが、別ラインを飛行機にすれば絶対に排出削減量は出るんです。追加性のないプロジェクトというのはそういうものを言って、結構いろいろ考えるとそういうのがあると。ある意味では詐欺みたいなもので、v-VERの場合は買う人がだまされるだけでいいんですけど、c-VERの場合は国民全体でツケを払わなければいけないということなので、追加性にこだわっているというふうに理解していただければと思います。
 以上です。

○新美座長 ありがとうございます。
 それでは、高知県の事例についてはこれくらいにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

・東京都のグリーン熱証書の検討状況について

○新美座長 それから、もう1件は東京都の例なんですが、東京都の小原さんがきょうはお休みなので、飯田さんがかわりに御報告していただけるということです。お願いします。

○飯田委員 きょう小原さんは別の検討会に回られているので、私がここの検討会の副座長を拝命していたということもあるので、参考資料2に沿って御報告します。
 東京都は、2年前の3月に「東京都再生可能エネルギー戦略」を策定して、その中で既にグリーン熱証書の構築を検討すると言及しておりまして、それに沿って昨年度1年間、光と太陽熱それぞれを含めた「太陽エネルギー利用拡大会議」を1年間検討して、そちらのほうも私は検討委員として参加しておりましたが、ことしの2月に最終取りまとめで、ここに書いてあるように、太陽熱の飛躍的利用拡大に向けた方向性というもので、グリーン熱証書市場を創設しようという提言がなされております。
 それに沿って今年度6月から、「太陽熱の利用拡大に向けたグリーン熱証書検討会」を設置して、先週の金曜日に、中間取りまとめとか報告という形で取りまとまったものですが、若干修文があるので、きょうはその本文がついておりません。
 内容としては、基本的に太陽熱の普及に向けて、太陽熱を熱源としたグリーン熱証書導入を図るために、今後、学識経験者、太陽熱関連企業、関連団体の代表により構成された検討会で、基本的な考え方や具体的な課題を検討し、その整理を行ったという形になっております。
 これをちょうど本日、グリーンエネルギー認証センター、全くこの時間に開かれているところで、「太陽熱を熱源としたグリーン熱証書制度の創設について」という形で附議されておりまして、グリーンエネルギー認証センターの運営委員会のほうでも、基本的に新しいグリーン熱の認証基準の策定について議論するための新しい検討会を立ち上げることが、きょうそちらのほうで提言されることになっております。したがって、この先、年度後半はグリーンエネルギー認証センターのほうでも新たにグリーン熱証書のガイドラインの制度化を行う。
 同時に、東京都は来年の4月1日から、太陽熱を熱源としたグリーン熱証書を開始するための事務方の準備が始まるという段取りで進んでおります。
 時間がありませんので、最終取りまとめの要旨が2ページ、3ページ目についておりますが、これは割愛します。皆さん目を通しておいていただければと思います。ちなみに東京都は明後日、この太陽熱及び太陽光も含めてキックオフ会議というものを開催して、関連事業者の方々と今後進めて行こうという後半の議論の開始の段取りになっているところでございます。
 これについては、環境省のほうでもオブザーバーで、グリーンエネルギー認証センターとこの太陽熱の検討会の両方出ていただいておりますので、VERの先ほどあったプログラムとしてグリーン電力証書から半歩遅れる形になりますが、今後視野に入れた形で入れていくと、日本の既にある程度確立された制度をうまくこのプロジェクト、カテゴリーの中で効果的に利用できる仕組みとして可能性は大いにあるのではないかと思いますので、検討議題のほうに乗せておいていただければと思っております。
 以上です。

○新美座長 ありがとうございます。
 ただいまの説明につきまして、御質問がありましたらお願いします。
 飯田さん、これはc-VERとして使うことを予定しているんですか。

○飯田委員 そこはまだc-VERでもv-VERでも全く想定はなく、東京都版排出量取引、そういう意味ではv-VERですが、v-VERには少なくとも使える形で来年の4月1日から使えるようになる。それがc-VERに部分的にでもなれば非常にいいのではないかと思います。

○新美座長 ありがとうございます。
 ほかに御質問の方がいらっしゃいましたら。
 では、山本さんお願いします。

○山本委員 コメントですが、電力であれば排出係数というのは決めたらいいんですが、熱は非常に測定が難しいところがあるので、この辺は相当考えないといけないところであるなと思います。
 以上です。

○新美座長 ありがとうございます。
 ほかになければ、東京都の事例についてはこれくらいで終わらせていただきたいと思います。
 最後になりますが、環境省から連絡事項等がございましたらお願いします。

○高橋室長 長時間、活発な御議論ありがとうございました。きょうの御意見を踏まえまして、またさまざまな資料を整理していきたいと思います。
 次回の検討会は、10月3日金曜日の13時から15時に、この同じ虎ノ門パストラルで開催を予定しております。次回は10月3日でございますので、それまでの間、9月、先ほど申しましたように秋の試行に向けてまた政府部内でも検討を行いますので、必要に応じまして個別にこれまでの議論を整理して秋からの試行にも反映していきたいと思っておりますので、その辺はまた個別に御相談したいと思います。
 また、関連で、まだ詳細は決まっておりませんけれども、VERのスキームを検討しておりますが、先ほどもラーニング・バイ・ドーイングとございましたが、具体的な高知県のようないろいろな事例をできるだけ取り上げて検討していきたいと思います。そういう一種のモデル事業のようなこともできれば、近いうちに実施したいと思っております。
 以上でございます。

○新美座長 それでは、本日第5回の検討会を終了したいと思います。
 長時間にわたり、熱心に御議論ありがとうございました。それでは、失礼します。

閉会