環境省地球環境・国際環境協力カーボン・オフセットカーボン・オフセットに用いられるVERの認証基準に関する検討会

カーボン・オフセットに用いられるVER(Verified Emission Reduction)
の認証基準に関する検討会(第4回)議事録

平成20年7月29日

於・虎ノ門パストラル 新館5階 ミモザ

開会
議事
 (1)VER認証基準策定の趣旨について 
 (2)VER認証基準(素案)について
 (3)その他
閉会

開会

○高橋室長 お待たせいたしました。定刻となりましたので、ただいまから第4回のカーカーボン・オフセットに用いられるVERの認証基準に関する検討会を開催させていただきます。
 本日は、冨田委員と明日香委員が御欠席との連絡をいただいております。それから、飯田委員は30分ほど遅れて来られるという連絡をいただいております。
 それから、開催に先立ちまして、環境省の幹部の異動がございましたので御紹介させていただきます。
 まず、地球環境局長が南川から寺田にかわりました。寺田局長、きょうは所要で欠席させていただいております。
 次に、大臣官房審議官の森谷でございます。
 それでは、今後の進行につきましては新美座長にお願い申し上げます。

○新美座長 委員の皆様、暑い中をお集まりいただきましてありがとうございます。今日も御熱心に御議論いただきたいと思います。それから、傍聴の皆さんも御参集いただきましてありがとうございます。
 それでは、議事に入る前に事務局から資料の確認をお願いいたします。

○事務局 それでは、資料の確認をさせていただきます。
 議事次第をめくっていただきまして、資料1は「VER認証・発行管理スキーム(案)」で1枚A4縦のものです。資料2として「国内VER認証・発行・管理スキーム(素案)」でございます。資料3は「化石燃料からバイオマスへの燃料代替の方法論案」でございます。資料4がA4横置きの「VER認証・発行・管理スキームの運営体制について」でございます。資料6が「カーボン・オフセットの仕組み」ということで、高知県の事例の紹介資料でございます。それから、資料番号をつけておりませんけれども、最後に、A4横置きの「排出量取引の国内統合市場の試行的実施」環境省案というものをお付けしております。
 以上、過不足があれば事務局までお願いいたします。

○新美座長 よろしいでしょうか。資料がお手元になければ手を挙げてお知らせください。

議事
(1)VER認証基準策定の趣旨について

○新美座長 それでは、早速、議事に入りたいと思います。
 まず、資料に従って環境省の高橋室長から、「VERの認証基準策定の趣旨について」御説明いただきたいと思います。

○高橋室長 それでは、私のほうから趣旨ということで説明させていただきます。資料としては、番号が付いておりませんけれども、一番最後に色刷りの「試行的実施」環境省案というものを御覧いただきたいと思います。
 趣旨を改めて御説明しますのは、前回までVERということで、グリーン電力証書を取り上げていろいろと具体的な検討をいただいてきております。まだグリーン電力証書につきましては最終的に詰めるべき点も少し残っておりますけれども、今回若干予定を変更いたしまして、グリーン電力証書だけではなくてVER全般について、一度全体像を体制も含めて御議論いただきたいと思っております。
 その趣旨は、当然このVERのスキームというのは検討することになっていたわけでございますけれども、特に、今御覧いただいております「排出量取引の国内統合市場の試行的実施」というものと関係してくることもあり、少しピッチを上げてこの部分について方向性を御検討いただきたいということでございます。
 この試行的実施ですが、御案内のとおり福田総理の6月の演説、「福田ビジョン」の中で排出量取引についていろいろと発言されているわけでありますが、その中で、今年の秋からできるだけ多くの業種、企業に参加いただいて、この国内排出量取引について国内統合市場の試行的実施を行うということを表明されております。それを受けて現在、政府部内では関係省庁の中で検討チームを作りまして、具体的に国内統合市場の実施についてどう行うかということを詰めてございますが、これはあくまで環境省の現時点で考えられ得る、実施可能なものということで整理したものでございます。
 大きく2つのパーツがございまして、1つは真ん中の緑の枠の左側ですが、国内排出量取引の試行的実施ということで、これまで左側にあるような自主参加型の排出量取引制度を2005年から実施しておりまして、既に200社以上参加されておりますけれども、その制度インフラを活用して、この参加者やメニューを大幅に拡大していこうということで実施したいと考えております。
 具体的には、既に参加している方に加えて、自主行動計画等で自主目標を既に設定している方に参加していただく。その場合、総量目標もあれば原単位目標、この場合は活動量を設定することによって総量に換算する必要があるかと思いますけれども、様々な目標がございますので、それをベースに参加していただく。
 あるいは、排出量取引の排出枠の配分方法の中で、ベンチマークの活用が言われております。そういうことを踏まえて、新たにベンチマークという手法を使って目標を設定することも、できれば是非やっていただきたいと思っております。
 そういう形で事業所単位、企業単位、複数の企業単位、実態に応じてフレキシブルな形で参加いただければと思っておりますが、そういう形で多くの企業の方に自主的な目標をもとに参加していただくということをお願いしたいと考えております。
 もう1つは、右側に点線で囲まれておりますが、国内対策促進ということで、「信頼性の高い国内クレジットの創出」をやりたいと考えております。これは左側の新目標を設定するような比較的大規模な企業ではなくて、中小企業とか森林バイオマスの活用等により追加的な削減をする活動をされた場合には、それをクレジットとしてきちんと認証して取引の対象とするということをやりたいと考えております。それによりまして排出量取引の柔軟性を高めるとともに、国内対策の裾野を広げていく、国内対策を幅広く促進していくことも狙っていきたいと思っております。
 いずれにしても、試行的実施については、下側にあるようなこれまで自主参加型の排出量取引制度で培ってきた排出量のモニタリング報告、第三者検証のルール、あるいはクレジットの保有取引をきちんと管理するための登録簿は国際的な標準に合致したものを既に開発してきておりますので、そういうものを最大限活用した形でこういうものを進めていきたいと考えております。
 今日御議論いただくVERについては、この国内クレジットという中で活用を期待しているものでございます。ちょっと裏を見ていただきますと、これは先月発表したものとほぼ同じですが、既に設置しておりますカーボン・オフセットフォーラムを母体に、そこが今日御議論いただくようなVERの基準というものを策定して、それに基づいて国内の様々な削減事業、あるいは吸収もあると思いますが、そういうものをVERとして認定していく。そしてVERを発行し、それをきちんと登録簿の中で管理していく体制を早急に立ち上げていきたい。
 その目的としては、右にございますように、当初の目的であるカーボン・オフセットに利用することはもちろんございます。その中でより追加性という意味で、一定の条件に合致するものについては国内排出量取引の試行的実施の中で、国内クレジットとして活用していくことも可能にしていければと思っております。いずれにしても、左下にございますように、これまでの自主参加型の取引での知見を最大限活用していきたいということでございます。
 この細かい内容はきょう御議論いただきますけれども、一応この趣旨、全体の位置づけとしてはこういうことでございますので、若干時間的には厳しいところもありますが、是非活発に御議論いただきまして、国内クレジットについて秋以降実施可能な体制の整備について御指導賜ればと思っております。
 以上です。

○新美座長 どうもありがとうございました。
 ただいまの高橋室長の御説明に関しまして御質問等がおありかと思いますので、発言される方はネームプレートを立ててお知らせください。どうぞよろしくお願いします。
 特に御発言ございませんか。VERの議論を我々のカーボン・オフセットの中でしてきたわけですが、試行的実施ということでスケジュールが繰り上がったといいますか、思ったよりも早いタイミングで国内取引が制度化されようということで、我々も少し面食らったといいますか、ペースアップしなければいけない状況になったかと考えております。高橋室長のへ質問等で、もう少しこの辺を説明して欲しいということがありましたら、どうぞ遠慮なく。
 それでは、仲尾さんお願いします。

○仲尾委員 1つ確認なんですが、VERの用い方としては、御説明されたように国内の排出量取引に用いる場合とカーボン・オフセットに用いる場合と2種類あるんですが、ここでの議論はこの両方に用いられるクレジットを議論するということなんでしょうか、それともカーボン・オフセットに用いられるクレジットということに集中するんでしょうか。

○高橋室長 この2つについては一定の違いがあると思っておりまして、最終的にはVERというスキームの中で、両方について対応できるようにしたいと思っております。ただ、今日事務局からいろいろ説明させていただく資料については、基本的にはカーボン・オフセットの自主的なオフセットに使われるVERを想定した内容になっておりまして、その中で、国内排出量取引試行的実施に使うためにはさらにどういう条件が必要かということについては、できれば次回御議論いただければと思っております。

○新美座長 よろしいでしょうか。
 では、小林さんお願いします。

○小林委員 既に昨年から春にかけて指針を検討しましたけれども、こういった新しい事態の中で排出量取引の国内統合市場ということが考えられるわけですけれども、基本的にはあのとき検討した指針の中身からは、ずれないわけですね。

○高橋室長 基本的には、ずれておりません。ただ、2月の指針においては、基本的には右側にあるような自主的なカーボン・オフセットを想定した中身になっているので、国内排出量取引の試行的実施に使うということになると、少し新しい視点、要は京都議定書の目標達成に対する追加性の視点が入ってくるのかなと、そこは少し議論が必要かなと思っております。

○小林委員 そうすると、よりコンプライアンス・クレジットという形に軸足を置いて検討する必要があるわけですね。そう考えてよろしいわけですね。

○新美座長 おっしゃるとおりで、カーボン・オフセットにおけるVERを議論していく中で、国内取引に合わせて、より要件を加えることになろうかと思います。そのときにどういう点に注目したらいいのかということは、スケジュールとしては次回に行っていただく予定です。今日はその前提としての、カーボン・オフセットの中でのVERの検討をしていただくつもりです。ただ、注意していただくのは、その議論を次回ではもう少し絞り込んでいくことになるという予定でおります。よろしいでしょうか。
 他に御質問、御意見ございましたら。どうぞ。

○向井委員 先々週の金曜日に各省庁と連絡会議が行われたと思うんですが、統合的運用というのが「福田ビジョン」の指示だと理解しているんですが、環境省案と他の例えば経産省案と、近いうちに何かリンクするというか、統合するというか、そういう方向性で検討されているんですか。

○高橋室長 今政府の中では、内閣官房が事務局になりまして、環境省、経済産業省、国土交通省、農林水産省、金融庁、外務省に入っていただいて検討チームをつくっておりまして、その中でこの試行的実施について企画・立案し、運営していくことになっておりますので、当然今後、関係各省庁がそれぞれ案を持ち寄っておりまして、統合という趣旨に合った形で実施できるように調整していきたいと考えております。

○新美座長 ほかにございますでしょうか。どうぞ。

○赤堀森林吸収源情報管理官 林野庁でございます。
 初めて加えさせていただいたので非常に基礎的な質問かもしれませんけれども、こちらは環境省案、先ほどの質問とちょっとかぶるかもしれませんが、下のほうに制度インフラがございます。モニタリング・検証ルール、登録簿、市場。ここも先ほどと同じように、これからこういった形で統合ルールをつくっていくという理解でよろしゅうございますか。

○高橋室長 いずれにしても、詳細についてはこれからということになりますけれども、我々としてはこれまでつくってきた既存のものは最大限活用して、できるだけそれを幅広く使っていただきたいということで、いろいろと意見交換していきたいと考えております。

○新美座長 他にございますでしょうか。どうぞ。

○小原委員 東京都の小原でございます。
 今日のこのA4の横型の資料に、「国内統合市場」とか、そこここに「国内」という文字がたくさんあるんですけれども、今回議論するのは、あくまで国内におけるCO2削減につながる取り組みについて、そこから出てくるクレジットをどう取引できる状態にしていくかという議論だという理解でよろしいわけですね。国内の取り組みに対する問題で、言ってみれば国外とのやりとりを通じて、日本の排出枠自体を動かすものではない。日本の排出枠の中の割り振りの問題に関する議論をここではする。割り振りというか、日本国内の枠組みの中で評価される取り組みとして、どういう取り組みをどう評価するかという議論をここではするという理解でいいでしょうか、ということでございます。

○高橋室長 枠組みとしては、国内の枠組みです。ただ、そこで流通するクレジットの種類については、これもこれから議論の対象になるわけですけれども、可能性としてはCDMのクレジット、JIも現に流通しておりますし、そういうものの流通も当然含めて考えることになるのではないかと思っております。

○新美座長 ほかにございませんでしょうか。
 なければ、次のテーマで議論する中で確認したりすることもあろうかと思いますので、とりあえず基準策定の趣旨については終わりたいと思います。

(2)VER認証基準(素案)について【資料1〜5】

○新美座長 続きまして、「VER認証基準(素案)について」を御議論いただきたいと思います。事務局から、資料の1〜5を用いて御説明していただきたいと思います。
 それでは、よろしくお願いします。

○三菱総合研究所 事務局を務めております三菱総合研究所の真野と申します。よろしくお願いいたします。
 それでは、資料1と資料2に基づきまして、VERスキーム(素案)ということで御説明させていただきたいと思います。
 まず資料2の最初の前提部分、VERの認証スキームを作るに当たって基本的な考え方について簡単に御説明させていただきたいと思います。こちらは、自主的な削減努力に基づく温室効果ガス削減取組みに対して確実で透明性の高いモニタリング・算定、検証・認証等のルールを示すとともに、VERの発行・管理に関する枠組みを規定するものです。
 VERには、先ほども質問がありましたけれども、国内の削減等のものと海外のものがありますが、この基準では、まず国内に基づくものについての規定を行います。海外については今後の検討課題といたします。
 VERは、プロジェクトベースの自主的な削減取組みを促進することを目的として発行されるものでありますが、発行された後は、VERは財産的価値を有するものとして商品のように流通して、売買が行われますので、このルールの準拠性あるいは正確性は極めて重要であると考えております。
 したがって、このスキームにおけるモニタリング・算定は、基本的にプロジェクトベースの算定・検証の国際基準であるISO14064-2、あるいは検証・認証の国際基準であるISO14065といった国際基準になるべく合わせて策定していくことを考えております。
 2番目として、VERのもたらす意義・効果ということですけれども、VERは、市民、事業者、NPO、地方自治体等が主体的に行うカーボン・オフセット等の自主的な取り組みに活用されることを想定しております。2008年2月に公表されたカーボン・オフセットの指針にあるとおり、カーボン・オフセットの自主的な取り組みの実施は、温室効果ガスの削減・吸収を実現するプロジェクトへの投資につながり、これらのプロジェクトの実施に貢献すると考えられますので、非常に重要だということです。
 3番目は、本スキームに基づいて発行されるVERの用途ですが、こちらは先ほど仲尾委員等から御質問がありましたが、今回のスキームで発行されるVERは、カーボン・オフセット等の自主的な取り組みに活用されることを想定しております。一方で、日本経済団体連合会が実施している環境自主行動計画等で目標遵守等に活用するということも考えられると思います。
 これは先ほど環境省のほうから説明がありました、図の裏のほうの「国内排出量取引(試行的実施)」と「カーボン・オフセット」とありますけれども、今日御説明する内容は、この右側のカーボン・オフセットの部分を中心に考えているものでございます。
 このカーボン・オフセットではなくて、自主行動計画等の目標遵守に用いられるVER、ここでは仮に「遵守用途VER」と名づけておりますけれども、これは自主行動計画等に基づいて京都議定書の削減目標の達成のために使われるということですので、これが経済的・社会的に可能なプロジェクトについて、もともとやられるようなプロジェクトについてそのVERが発行されてしまった場合には、結果として日本の総排出量の削減をもたらさない恐れがあるということで、この遵守用途のVERの認証については、よりオフセット目的のVERよりも厳しい基準と考える必要があるとしております。
 具体的には、この遵守用途のVERについては、ベースライン、方法論、有効化審査のあり方等、追加性も含めて改めて検討が必要であると考えております。
 それでは、具体的なスキームを資料1のフロー図に基づいてざっと御説明させていただきたいと思います。
 資料1をごらんいただきますと、上から下が時間軸の流れになっておりまして、それぞれのステップが左側に書いてございます。それぞれの主体は、プロジェクト事業者、第三者検証機関、J-COFという形で主体が記載されております。それぞれの主体がそれぞれのステージにおいて、どういったことを行うのかというのがこのフロー図になっております。
 [1]として方法論の設計とあります。こちらはCDMの方法論とイメージが近いんですが、こちらは既存の方法論。これはまた後ほど説明しますけれども、このスキームでは、あらかじめ想定されるプロジェクトについては、方法論を事務局側、J-COF側で作成しておくことを想定しております。
 例えば、バイオマスの発電事業の方法論があらかじめあれば、それを使っていただければいいんですけれども、そういった方法論がない新しいタイプのプロジェクトを提案される場合には、こちらの方法論の作成を事業者自身が行います。方法論を作成した後にJ-COFに、方法論審査/承認を依頼するという流れになります。
 既存の方法論を適用する場合には、[2]のプロジェクトの計画のところからスタートできまして、事業者はプロジェクトの計画書をつくります。その計画書を作って、それをJ-COFに申請します。J-COFでは、申請の受付とその内容がルールに準拠しているかという点を確認して、問題がなければ登録ということでプロジェクトの登録をして、一般にウェブ上で公開するという流れになります。
 こちらまでがプロジェクトの計画段階で、点線の下になりますけれども、今度プロジェクトの実施段階になりますと、モニタリング等がありますけれども、[5]のモニタリングでは、方法論にのっとってモニタリングを実施して、事業者は報告書を作成いたします。報告書は第三者検証機関に報告して、第三者検証機関の検証及び認証を受けます。
 第三者検証機関は、その内容に基づいて研究・認証報告書を策定して、その内容をJ-COFに提出いたします。J-COFでは、その内容に問題がないということであれば、VERの発行を行って、事業者の口座にVERを入れます。VERはJ-COFが管理する登録簿のほうで一元的に管理して、VERが発行されたことを今度またプロジェクト事業者に発行通知をする。
 基本的にはこういった流れになります。
 それぞれのステップについて、資料2に基づいて御説明させていただきます。
 1ページ、[1]の方法論の設計という部分ですが、こちらは先ほど御説明しましたとおり、このスキームでは、一般的に想定されるようなプロジェクトについては、スキーム運営事務局側で方法論をあらかじめつくって、それを提供することを考えております。具体的なプロジェクトとしては、こちらに挙げているようなプロジェクトを想定しておりまして、再生可能エネルギーによる発電、バイオマスの燃料代替、ボイラー更新、空調・照明等の効率化、断熱強化、設備運用の改善、森林管理、こういった内容のプロジェクトについてあらかじめ事務局側が方法論を作っておく。
 事業者においては、こちらの内容に当てはまるプロジェクトであれば、あらかじめ用意されている方法論を使って計画書を作成していただくことができる。こうすることによって事業者の方法論作成の負担を減らすということを考えております。
 また、こちらのあらかじめ用意する方法論にないような全く新しいタイプのプロジェクトを提案される場合ももちろん可能でして、その場合には、新規方法論として事業者みずから作成し、申請を行うという流れになります。
 また、あらかじめ用意された方法論を使っても、多少内容が異なる場合とかモニタリング方法が異なる場合、こういったものについては変更を要請しまして、J-COFがその変更の審査、認定を行うという流れになります。
 次に[2]のプロジェクトの計画ですけれども、これはプロジェクト事業者がプロジェクト計画書をあらかじめ作成して、事務局に提出することになります。
 この申請書の内容、計画書の内容の項目案としてこちらに示しておりますけれども、こちらはCDMのPDDに基づきまして、いわゆる国内で行う場合には必要がない情報について削除する。なるべくこちらの内容は必要最低限の情報に押さえるということで考えております。
 3ページ、[3]の申請に行きますけれども、プロジェクト計画書、あるいは申請書を事業者から受け取った後は、J-COFがその内容を確認いたします。その際に確認する内容は、基本的にはルールに準拠しているか。ルールに準拠しているというのは、すなわちベースラインシナリオ、ベースライン排出量、追加性、あるいは使うモニタリング方法の内容が合っているかどうかを確認いたします。
 この点はCDMと1つ違う点なんですけれども、CDMでは、第三者機関による有効化審査を計画段階で求めております。それに対して、このスキームでは第三者機関ではなくて、事務局であるJ-COFが申請を受け付けて確認する形にしております。この理由としては、このルールをなるべくベースライン、あるいは追加性に関してのルール、ガイドラインを明確に示すことによって、第三者ではなく、J-COFが確認できるレベルに落とし込む。そうすることによって事業者の有効化審査に係る負担、あるいはコストというのをなるべく減らすことを目的としております。
 逆に極端な話、この申請をせずにプロジェクトが終わった後に、事後報告的にやってもいいのではないかという考え方もあるかと思いますが、そちらについては実施前に申請書を提出する形をとっています。この理由としては、プロジェクトを実施した後で、例えばルールに準拠していないことがわかったということがあると、VERが結局発行されないというリスクが事業者側に発生してしまう。そういったリスクをなるべく低減させるために、最低限のルール準拠のチェックをJ-COFが事前に行うという流れにしております。
 続きまして、4ページ、[3]−2ベースラインの部分です。こちらは既存設備の継続利用を基本として考える。ただし、方法論、プロジェクトの種類によっては必ずしも適用できない可能性がありますので、これは方法論で詳しくは定義する。
 その排出削減、あるいは吸収量の計算方法は、基本的にはCDMに準拠した方法といたします。吸収量の計算方法については、今日の資料ではあまり詳しく書いていませんけれども、別途、今後検討して定めていくことになります。
 この吸収量あるいは削減量の計算方法を、既存設備の継続利用という形にしておりますけれども、それ以外の方法としては、表11にあるように主に3つの方法が考えられます。1つは過去の排出量をベースライン排出量とする方法、2つ目がベンチマークに基づいてベースライン排出量を求める方法、3つ目が既存設備の継続利用をベースとしてベースライン排出量を設定する方法でございます。この3つの大きな違いは、[1]は実績データを使う。[2]、[3]についてはあくまでも推計したデータ、推計値でのベースライン排出量を使うところが大きく異なります。
 この3つのうち今回[3]を提案している理由としては、1つは計算方法が簡便で済むこと。2つ目として、ベンチマークも有効な手段として考えられますけれども、ベンチマークをさまざまなプロジェクトの種類について設定することが難しいのではないかということで、既存設備の継続利用をベースライン排出量として置いたらいいのではないかと考えております。
 次に6ページに参りまして、[3]−3の追加性立証方法。この追加性というのは、CDMで言うプロジェクトがビジネス・アズ・ユージュアルでないということを証明する。このプロジェクトとしなければ、この事業がなされなかったということを何かしらの方法で証明させるものですけれども、こちらでは追加性の立証方法としては、2つ例として挙げております。
 1つ目は、ポジティブリストを用意するというものです。特定のプロジェクトの種類については、ビジネスベースでは通常は導入されにくいと想定されますので、それについてはプロジェクトの種類であれば、追加性があると整理してしまうという方法です。例えばこちらに挙げておりますような再生可能エネルギー等のプロジェクト、あるいは省エネ、空調等のインバータ制御、ヒートポンプといったものが考えられます。こちらの中身については今後精査が必要ですけれども、こういったプロジェクトの種類によって追加性を決めてしまうという考え方です。
 [2]としては、ベンチマークを設定する。例えばボイラーの効率、断熱材、コジェネレーションといったものについては、効率数字を一般的になされているような効率の値から求めてベンチマークを設定する。そのベンチマークの数値を超えるものについては追加性があると考えるというものです。
 7ページの表2の部分に、追加性の立証方法について幾つか考え方を示していますけれども、一般的にこの3つが想定されます。1つ目はバリア分析と言われるもので、CDM等でよく使われるものです。いわゆる投資の何か障害があるか、技術的な障害があるか、こういったものをチェックすることにより追加性を求める。[2]はベンチマークというものです。[3]は今回提案しているプロジェクトの種類で提案するというものです。
 [1]のバリア分析については、それぞれのプロジェクトごとにケース・バイ・ケースで追加性があるかないかを細かく見ていく必要があるということで、多少難しさがある。[2]のベンチマークについては、妥当なベンチマークを設定することが必要になってくる。[3]については、プロジェクトの種類で決めてしまうので簡易的になりますが、対象プロジェクトを限定することによって、さまざまな種類のプロジェクトがこの考え方では促進できない可能性があるというものです。
 8ページ、[4]登録になりますけれども、こちらは事業者が申請した内容を事務局であるJ-COFが確認して、問題がなければ登録して、ウェブ上でJ-COFが公開することになります。
 続きまして、9ページの[5]のモニタリングの部分ですが、モニタリングでは主に大きく2つの考え方を示しております。設備単位でモニタリングをするというもの、もう1つは事業所単位でモニタリングをするというものです。このモニタリングというのは、例えばエネルギー関連のプロジェクトであれば、どのぐらいエネルギーを使っているかを測るということですが、通常、プロジェクトベースのものについては、設備単位でのモニタリングが一般的に行われております。CDMにおいても設備単位という形になっておりますけれども、先ほど紹介したプロジェクトで、例えば照明、空調等の省エネルギープロジェクト等の薄く広く設備を導入して削減を図るプロジェクトの場合には、その設備単位でのモニタリング、例えば蛍光灯の一つ一つに計測器をつけることは不可能ですので、その場合は事業所単位でのモニタリングも認める考え方になっています。
 この場合、当然、設備単位と事業所単位で任意に選べるというよりは、適切なものを選ぶという形になりますので、これはモニタリング方法を事業者が選んで提出した際には、J-COF等でその妥当性をチェックすることが必要になってまいります。
 次に10ページ、[6]のVERの検証・認証です。重要な点としては、検証・認証は、ISO14065等の国際的に認められる基準等に基づいて認定を受けた第三者検証機関が実施するというものです。第三者検証機関が実施することによって、独立性をもって排出量等の妥当性を確認する必要がある。国際的にもこういった流れにあるということで、こういった基準を示しております。
 最後のポツになりますが、第三者検証機関は民間企業が担いますので、この民間企業は何かしらチェックを行う際に、不適切な業務遂行等が発覚した場合、これについては資格停止等の処分を下すということで、第三者機関が適切な業務を行うような担保を行う必要があると考えられます。
 11ページ、[7]番のVER発行ですけれども、第三者検証機関が提出した検証・認証報告書に基づいてJ-COFがVERを発行いたします。J-COFがこの発行と登録簿の管理を一元的に行うことによってプロセスの効率化と二重計上等を防ぐことになります。
 12ページ、最後になりますが、[8]VER登録・管理のところです。こちらはVER専用の登録簿を今回改めて作ることを考えております。発行されたVERは、J-COFがプロセス事業者の口座に移転して、J-COFがその旨を通知する。システムの内容としては、既にある国別登録簿と同じようなものが想定されますけれども、ここで重要なのは、日本国内で発行されるVERは、J-COFが管理するVERの口座で一元的に管理される。そうすることによって1つのプロジェクトに関して、いろいろなところでVERが発行されるという問題を防ぐことを考えております。
 以上で資料1、資料2の説明は終わります。

○新美座長 続けてお願いできますか。

○パシフィックコンサルタンツ パシフィックコンサルタンツの小西と申します。
 資料3の御説明をさせていただきます。資料3では、化石燃料からバイオマスへの燃料代替の方法論案ということで示しておりますが、この位置づけについて御説明させていただきます。
 今資料2の説明がありましたが、その中で実現可能性の高いプロジェクトタイプについては、事務局側で事前に、あらかじめ方法論を用意するという話があったかと思いますけれども、今回示している資料3は、その中の1例という理解でお願いいたします。
 幾つかのプロジェクトタイプについて、こういった方法論を作成する予定なんですけれども、今回は、化石燃料からバイオマスへの燃料転換といったプロジェクトの方法論案を示させていただいております。なぜこういったプロジェクトタイプについて今回示したかという点について補足しますと、資料5で、高知県の事例でバイオマスへの燃料転換がモデルとして考えられている。このプロジェクトタイプに使える方法論ということで、こういったプロジェクトタイプの方法論を作成したということでございます。
 まだ空欄や精査中のところがあったりするんですが、1つの案ということで、これを事例に方法論の構成とか流れを御説明して、もっとこういうところを書いたほうがいいんじゃないかとか、長過ぎるとか、短過ぎるといった御意見をいただければと思っております。
 方法論の各項目について説明させていただきます。題名は、「化石燃料からバイオマスへの燃料代替の方法論案」としておりまして、「(AM0036を参考にして作成)」と書いてあります。このAM0036とは一体何だという話ですが、これはCDMで認められている方法論の名前でして、CDMでのバイオマスへの燃料転換の方法論が、大規模の方法論なんですが、AM0036という名前なので、それをもとにその後の計算方法とかモニタリング方法を今回作成させていただいたことになっております。
 1として対象プロジェクトと書いております。この方法論を使えるプロジェクトというのは一体どういうものかを規定することにしております。ここで規定したプロジェクトタイプ、こういったプロジェクトであればこういった計算方法ができますという、その計算方法の部分を2以降に書いているという構成になっております。
 具体的には、今回の事例ですと、既存のボイラーの燃料を化石燃料からバイオマス残渣に転換するプロジェクトということで対象プロジェクトを書いていまして、ただし、適格性が証明されたプロジェクトで、かつ次の条件を満たすプロジェクトであることということで、すべてのバイオマス残渣への転換プロジェクトが対象になるわけではない、そういう前提で書いておりますが、こういった形でこの方法論を使えるプロジェクトの条件をしっかり明記することにしています。
 次に2番目なんですが、ベースラインシナリオということで、1で規定されるプロジェクトがなかった場合にどういった状態になっていたのかということを、ここで言葉で説明しております。先ほど資料2の説明でもありましたが、基本は現状維持のシナリオを想定しておりまして、書いているとおり、これまでどおり既存のボイラーでは化石燃料が使用される状態をベースラインシナリオと考えて、それと1で規定されるプロジェクトの差の部分が排出削減量になるという話です。
 3番はバウンダリーということで、排出削減量を計算する際のGHG排出源、どの排出源を計算するときに考慮したらいいんだという問題があると思うんですが、それを明記しているところです。この表は、CDMでこういった表が用いられて、どういった排出源を考慮するのかというのがまとめられていますので、それを参考に書かせていただきました。
 例えば今回のプロジェクトタイプでは、ベースライン排出量として、バイオマス燃料に転換されなければ既存の化石燃料が使用されていたと思われますので、その化石燃料使用に伴うCO2排出量をベースライン排出量とする形でまとめさせていただいております。プロジェクトの排出としては、間伐材の切り出し、バイオマスの事前処理、あと収集・運搬等でCO2が排出されるだろうか、その分はプロジェクト排出として削減量から差し引いてください、という考え方を採用しています。
 4番は計算式です。3のバウンダリーのところでどういった排出源を考慮するのかというのがわかるんですが、各排出源についてどういった計算式でやるのかというのは人それぞれだと思いますので、そこについて統一的にこういった計算式を採用しましょうということで書いております。[1]としてベースライン排出の計算式を書いておりまして、[2]としてプロジェクト排出量の計算式、ページをめくっていただいて2ページ目では、[3]として排出削減量の計算式として、ベースライン引くプロジェクトと書いております。
 計算式の詳細については今回省かせていただきますが、基本的には活動量掛ける原単位ということで、どれだけ化石燃料が消費されるのか、それ掛ける化石燃料のCO2排出源単位といった考え方で計算式を書いております。
 最後、5番のモニタリング手法ですけれども、4で計算式中にいろいろパラメーターが出てきますけれども、パラメーターの値を規定して、その式にその値を代入すれば排出削減量の値が出てきますが、その代入する値をどうやって求めるんだ、どうやって測定するんだというあたりを5で書く予定です。そのパラメーターごとに、どういった測定方法、QA/QC、どういった品質を確保する方法をとるのかという点をこの表を使ってまとめさせていただこうと考えています。
 最後は、3ページ目の本方法論に関するFAQと書いていますが、こういう方法論を提示させていただいて、これを見て自分のプロジェクトの排出削減量を計算することがなされると思うんですが、その過程で、この方法論のこの部分がわかりにくいとか、いろいろ質問等が出てくると思いますので、それをFAQという形でまとめれば方法論を使う人にとってわかりやすいというか、不明点がここで解決されることになっていいんじゃないかと考えているところです。
 今回御説明しましたのはあくまで案ですので、構成とか流れとかいろいろまずい点がありましたら、御指摘いただければと思います。
 以上です。

○新美座長 どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして、J-COFの加藤さんから資料4について御説明をお願いします。

○カーボン・オフセットフォーラム ありがとうございます。
 それでは、カーボン・オフセットフォーラム、J-COFの加藤から、資料の4について御説明を申し上げたいと思います。
 今まで資料1、2、3の御説明がありましたが、これを運営体制、組織の面から言ったらどういうふうに機能するかというところで、今日は案を御提示させていただきたいと思います。
 一番初めに、VER理事会と書いているところですが、VERの認証・発行・管理スキームの全体的な責任を負う理事会の機能を持つものを置きたいと考えております。実際はこれは個別の機能の正式決定をやる機関でございますけれども、この下に、お手元の資料にございますようにVER検証機関の認定機能、それからVERプロジェクト方法論の審議機能、それからプロジェクトの登録をする機能、その次に、少し上になりますけれども、VERの登録簿の上に小さい丸を書いていますが、VERの発行登録簿管理をする機能、それからもう1つは、第三者独立委員会の機能を持たせることを原案では考えております。
 下の機能のところの御説明をさせていただきたいんですけれども、VER検証機関の認定機能のところ、これは資料1で言うと[6]の部分で、検証する機関の検証するライセンスといいますか、その資格をきちんとここで認めることを考えております。その資格を認めるのであれば、その認定の手続とか管理をする手続、これは原案ではISOにのっとった形でやるのが適切では、という議論もございます。こういったことをVERの理事会の下で1つ考えております。
 もう1つは方法論のところですけれども、小西さんから御説明があったあらかじめ方法論があったほうが例えばボトムアップで一から方法論を作るよりは、事業者の皆様にとっても時間が省ける。こういったものをあらかじめVERプロジェクト方法論審議機能のところで作っておいて、これを皆様に一たん御提示する。それがない場合においては、先ほど真野さんからも御説明があったとおり、事業者の皆様から申請していただく。これについて審議したり、またマニュアルのデータベースをつくることも考えられます。
 それから、資料1で言うと手続の3と4になりますけれども、VERを生成する手続、プロジェクト登録する事前の審査をしたり、それから登録済みのプロジェクトがきちんと進行しているか、実際に類似の例えばCDM理事会ではウェブサイト上でも見られるかと思いますが、こういうのがきちんと世の中に、透明性の高い形で知らされるというのが、この機能の1つの重要性であると思います。
 発行されたVERがきちんと登録簿で管理されて、ダブルカウントがないとか、きちんとトランザクションが管理されることが1つは事業者の皆様にとっても有益なことかと思いますし、きちんと削減量が管理されるという意味でも適切なことかと思われます。
 もう1つは第三者独立委員会というところですけれども、こういった取り組みをやるときに、例えばVER理事会の決定が妥当であったか、もしくはいろいろなクラリフィケーション等があれば、より透明性の高いスキームが運営できる。こういったことで第三者独立委員会というのがあれば、またそれが1つの助けになるのかなと考えております。現段階ではこういう案をJ-COFのほうでは考えております。
 以上でございます。

○新美座長 どうもありがとうございます。
 それでは、引き続きまして山本委員から、資料5について御説明をお願いします。

○山本委員 それでは、資料5を御説明します。
 私は委員をやっていますけど、6月16日に公表された「高知県・ルミネモデル」ということで、高知県の排出削減のプロジェクトをやるスキームを昨年10月から高知県のほうで委員会をつくって、その委員として入っておりました。その委員には、私のみならず小林委員と環境省の3名がなって、VER検討会の前身ともなる委員会でいろいろ検討しておりましたので、その中身を簡単に御説明いたします。
 まず最初に、カーボン・オフセットの仕組み。これは仕組みそのままを書いておりますけれども、これはもともと新宿に本店のあるルミネさんが、社員の意識をアップするために、カーボン・オフセットを使って社員一人一人が意識を向上したいということで、カーボン・オフセットの仕組みを使うに当たって、オフセットするクレジットをできる限り国内の排出削減クレジットを使ってオフセットしたいという思いもあって、そういうクレジットがきちんと供給できるところを探していたというのがまずあります。
 続きまして、2枚目ですが、実際にクレジットの供給先である高知県でやっておった事業の中身でございます。真ん中のほうに[1]、[2]、[3]と書いてありますので、その順番に御説明します。
 制度の概要ということで上に書いてありますが、先ほど方法論のところでも説明がありましたが、森林整備に基づく間伐材をボイラー用の燃料――石炭を使っておったんですけど、その代替燃料として木質バイオマスを使用することにより、排出削減を得るというものです。
 しかも、できる限りインターナショナルのスタンダードに準拠した形でやろうということを当初から考えておりまして、ISO14064-2のプロジェクトの要件、それから、検証機関に基づく14065の要件にできる限り合致した取り組みをしようということで、これも終わっているわけではなくて現在進行中のものですが、こういったことができるようなスキームづくりをやっております。
 方法論も、先ほど御説明があった方法論を準拠した形で使っております。特にモニタリングについては、既に自主参加型で3年間の実績がありますので、そこで蓄積されたモニタリングのやり方、検証のやり方をできる限り使って制度を確保するとともに、効率的にモニタリングをやるという方法を適用しております。
 内容ですけれども、[1]のところで間伐材が出てきまして、それを発電事業者が、これは石炭火力発電所ですが、石炭の代わりに間伐材を使う。それによって[3]で木質バイオマスにより化石燃料削減ということです。間伐材を使うに当たって、当然のことながら間伐材の事前処理、クラッシャー等の処理を行って[3]で使えるようにする。ここできちんと検証できるように、第三者機関も14065にのっとって検証できるようにしようとしております。
 実際のプロジェクトは既に始まっておりまして、平成19年度が、去年の10月から今年の3月までで間伐材1100トン、CO2に直して約1300トンぐらいの削減を得ている。3年間のプロジェクトで、今年度は1年間なので2100トン、来年度も2200トンという形で進めております。
 次のページですが、ルミネモデルの概要ということで、左手にVERを創出する高知県側、右側にオフセットを行うルミネ側という対比で書いております。ともすれば森林整備は、非常にコストがかかるということでなかなか進まなかったんですが、その森林整備の対策費用の代金、費用に充当する形で、高知県のプロジェクトで発生したVERの売却代金を充当する形にしております。
 カーボンへ貨幣価値を付与して、こういった大きなオフセットをしてその代金を排出削減のほうに向けるということで、国内でお金が回って国内の排出削減を促進するスキームにすることによって、将来的な低炭素社会の実現に向けて少しでも寄与できればと考えております。
 それから、その後ろが若干見えにくくなっていますが、2枚目のほうが最初のほうで、一番上、これは四万十川上流の森林のところですけれども、ここで間伐を行って、間伐材をロープで引き上げて、それから2枚目ですが、ハーベスターという非常にマルチで、切った丸太をそのまま枝葉と分けて、それから通常の住宅で使うのであれば3mなので、3mの柱にボンボンと切ってしまうという非常に優れものです。
 その下が、実際のボイラーが設置してあるところの工場へ搬送された間伐材ということで、その間伐材をこのクラッシャーでクラッシングして、クラッシングした後のチップをボイラーで燃料代替として使うという形でやっております。
 以上です。

○新美座長 どうもありがとうございました。
 今まで連続して御説明していただきましたが、それらをもとに御議論していただきたいと思います。基本的には資料2に掲げられている柱をそれぞれの御説明が補強するという形をとっておりますので、資料2を中心に議論を進めていただきたいと思います。
 論点をまとめますと、1つが認証基準の目的、VERの位置づけということで、お配りされた資料の1、2ページに該当するかと思います。
 それから、2番目の論点が、資料2にあるような方法論から登録までになると思います。そして2番目の論点については、方法論案について小西さんが説明してくれました資料3が対応するかと思います。
 それから、第3の論点が資料2の[5]ないし[8]のモニタリングからVER登録・管理までになろうかと思います。
 それから、論点の4がVERの認証・発行・管理スキームの運営体制ということで、これについてはJ-COFの加藤さんから説明いただいた資料4が対応するかと思います。
 それから、5番目の論点が高知県の事例で、山本さんから御説明いただいた資料5をもとにして御議論いただくことにしたいと思います。
 今申し上げました5つの論点について、時間の都合もありますが、1、2、3、4、5と申し上げた順序で進めてまいりたいと思います。
 まず最初の論点の認証基準の目的、あるいはVERの位置づけについて御質問、御議論がありましたらお願いしたいと思います。
 山本さんお願いします。

○山本委員 資料2のほうで御説明いただいて、今回は特にオフセットのほうに力点を置いて書かれているということなんですが、次のVER検討会ではコンプライアンスのほうを検討するということで、そのことを少し考えますと、これは確認なんですが、クレジットの質という点で、1トンの質というかクオリティーに関しては、今回のオフセットのスキームで得られたクレジットも、次で検討しようとしているコンプライアンスのクレジットについても、同じ質だと。ただ、ベースラインの設定がどこになるか。例えば自主行動計画がベースラインになるのかとか、そういうベースラインの設定が変わるだけでクレジットの質は全く同等だという理解でよろしいのかというのが1点です。
 それから、資料1で、コンプライアンスのとき検討になると思うんですけど、既存のCDMのスキームと今回のスキームの違いをきちんと比較した上で、次のコンプライアンスのときには、何が足りないのかということをやったほうがいいのではないかと思います。
 特に今回、通常のCDMであれば、登録するときに検証機関がバリデーションレポートを公開して、何もなければ登録になるというので、若干登録した後に公開するとか、あとはモニタリングの報告書についても、これも私は公開したほうがいいと思うんですけれども、検証機関が公開する。あとバリデーション・アピリフィケーション・レポートというのも公開したらいいと思いますが、もう少し透明性のあるところもやっていったらいいのではないかと思います。
 以上です。

○新美座長 ありがとうございます。
 どうぞ、小林さん。

○小林委員 今、山本委員からもポイントの説明があったと思いますが、全般的に流れているのは、CDMの制度が基本になっていると私は理解しました。そこで非常に大事なポイントは、もともとのVERの目的のところに絡んでくると思いますが、資料2の1ページのところに、自主的に取り組みに活用することを想定しているというのが基本である。一方では、目標遵守等に活用可能であるということで、目的はあくまで自主的取り組みが主体であるけれども、こういうふうにコンプライアンス、目標遵守に活用される。どっちが主かということを私は明確にすべきだろうと思います。
 今のずっと一貫した説明から見ると、軸足をどっちかというと遵守目的に置いているような印象を多くの方は受けたと思います。ということは非常にCDMの、もちろん追加性なんか違いますけれども、CDMの仕組みに従ってこの成績がつくられている。そこで山本委員からもありましたように、この自主的取り組みと目標遵守の切り分けを、CDM制度をベースに置くのであれば、どこが違うかということをもう少し明確にしたほうがいいと思います。多分ここの委員の方々初め傍聴の方を含めまして、CDMのプロでないとほとんどわからないんじゃないかと思います。
 もちろんこの制度自身の透明性、信頼性、その他考えるならば、かなり制度自身しっかりした仕組みが必要であろうかと思うんですけれども、CDMをベースに置くならば、その辺の切り分け、必ずしも自主取り組みだったらここまで要らないのではないかということもあるんじゃないかと思います。
 山本さんからも御紹介がありましたように、私は高知の制度設計にも当初からかかわっておりますし、他の自治体でもお手伝いしているケースがあるんですが、どこまでこういった制度をがっちりやるかというのは非常に難しいところだろうと思いますし、高知がやっているようながっちりしたことが全部でできるとは思わない。自治体が行う場合にはかなり可能性があるかと思うんですけれども、例えばNPO、NGO、市民団体等が行う場合、一体どういうことができるかということも考えていく必要がある。
 もちろんこの中には、そういったみんなができるようにするためのいろいろな手法が取り上げられていることも私は十分わかります。方法論をちゃんと示すこととかさまざまな工夫があろうかと思うんです。これを普及するためには、いかにこのCDMをベースにするならば簡略化できるか。もしくは、ある程度これぐらいのレベルを維持する必要があるなら、どのように多くの方々に普及できるようにするかということの検討が私は大事ではないかと思いました。
 以上です。

○新美座長 ありがとうございました。
 今の点で何かございましたら。

○高橋室長 ありがとうございます。私どもとしては、山本さんがおっしゃったように、次回検討いただく遵守目的のVERと今回のカーボン・オフセットのVERの違いというのは、基本的にはベースラインの引き方の違いであって、仮にVER、オフセット目的であってもこれは市場流通を前提にしておりますので、それなりの数字について信頼性が必要でありますから、量の正確さ、信頼性という意味では同じである。ただ、そのベースラインなりが違ってくる。そういう違いかなと思っております。
 より細かい違い、小林さんがおっしゃったどこが違うかということについては、次回までに少し整理してよりわかりやすい形で説明できるようにしたいと思っております。今日違いを議論しだすとそれだけで時間が過ぎてしまいますので、それは次回にさせていただきたいと思っております。
 それから、今小林さんがおっしゃられたようなことでありますが、私どもとしてはCDMは1つの事例として使っておりますが、CDMをそのままやるのではなくて、それを基本としながら、これは国内でやるものでありますし、できるだけシンプルにするということでございます。他方で、ある程度定型化したものをつくることにより、その取り組みがより幅広くできるのではないか。余り恣意的なものを許すとかえって皆さん困るのではないかということで、できるだけ定型的なものをきちんとこの場で議論して、それをいかにわかりやすく説明するかということは、また別途考えたいと思っております。
 ですから、オフセットの中で、2月の指針の中で、いわゆる特定者間ということで流通しないようなものはまた別途、それはそれぞれまたあるかもしれませんけれども、今日ここで議論いただいているスキームは、あくまでも市場を通して流通するという、消費者なり企業なりがお金を出して買うものを前提としておりますので、そこについては一定の信頼性、国際標準から見ても、妥当な信頼性を確保する必要があるのではないか。それをいかに効率的にやるかというのは、もちろん議論していただければと思っています。

○新美座長 よろしいですか。

○小林委員 今の御説明でよくわかりましたけれども、そうすると大きく分けるとVERには遵守型、コンプライアンスと、それから自主取り組みに使うものがある。その自主取り組みの中には市場流通型と特定者間がある。そうすると大きく分けて全部で3つになりますね。それぞれについて、どのような制度設計をするかということを今後考えていく必要があるのではないかと思います。ですから、そこの場合に中心になるのは、これは自主取引型の市場流通型をベースにして、それに遵守型については追加性の問題、特定者間についてはもう少し簡略化したもの、そういうふうに考えてよろしいわけでしょうか。

○高橋室長 基本的には今おっしゃられたような、オフセットに用いるVERというのが一番幅広いものとしてベースになるのではないかと思います。遵守型については、それにさらに追加的な要件が加わってくる。そういう頭の整理でよろしいのかなと思います。

○新美座長 続いて、飯田さんお願いします。

○飯田委員 遵守型のお話は次回ということですので、何をもって遵守とするかという話はまたそれに向けてじっくり議論させていただくとして、資料5の高知県のケースで、ルミネさんが高知県からVERを購入されている。それから高知県にお金を払っているということなんですが、そのファクトとして、私は遅れて来たので全部聞いてないんですが、ルミネさんは企業会計上、この購入費用をどういうふうに充てられているのかということを教えていただきたいと思います。要は損金にできているかどうかということです。
 それから、これまでのグリーン電力のケースでは、何らかの国の制度的な位置づけがないとそこら辺が難しいとしたときに、遵守ではない今回議論している自主的なVERを、環境省としてはどういう形で損金化なり国の制度の位置づけに持ってくることによって、いわゆる損金として充てられるような形にするのかどうかという見通しなり、可能性なり、方向性なり、どういう御意見をお持ちかということを教えていただければと思います。

○新美座長 わかりました。まず事実の問題としてどういう処理をしているか、おわかりの範囲で。

○山本委員 すみません、実態としてはこういうスキームを立ち上げて、ルミネが購入するということの枠組みだけが決まっているだけで、実際に活動についても社員一人一人の通勤に伴う活動をオフセットしようということで、今度8月、9月、10月の3カ月間でそれぞれ現状の通勤ルートを出していただいて、さらに何がしかの排出削減ができるルートなり、歩くなり、乗り物を変えるなりのエコプランを2つ3つ出してもらって、そのプランを3カ月で実践していただいて、そういった取り組みを今からやろうとしております。やった後にそういったオフセットしようとしているので、今のところはどういうお金でやるかということはまだなので、わかり次第また御説明したいと思います。

○新美座長 ありがとうございます。
 環境省はこういったクレジットの対価をどういうふうに処理する方向で考えていらっしゃるかという質問もあったと思いますので。

○高橋室長 今の時点で、具体的にこういうふうにやればこうなりますということは、関係者とも協議しなければいけませんし、申し上げられません。ただ、あくまで自主的なものであれば、それを損金算入というのは難しいと思います。だからといって、そういう自主的なものをやることは意義がないということはないと思います。ただ、可能なものについては、そういう形で処理できれば普及が促進されることも当然ありますので、それは事柄に応じてできる範囲でやっていきたいと思っております。

○飯田委員 目的なり何なり遵守に使えること、つまりコンプライアンスということと、自主的にやるということと、それから企業がそれを損金として扱えるということは全部別のことなので。自主だから損金は別だとなると、これは絶対に広がらないですよ。そこはきちんと道筋をつくらないと。コンプライアンスはまた次の話なので。もちろんコンプライアンスであれば、損金化というのは高速道路ができると思うんですけれども、そうじゃないVERをもし環境省としてまじめに普及させようとするのであれば、その損金化についてまじめに検討しないことには、ほとんど意味がないと思います。

○新美座長 私は企業会計は全くの素人ですので、CSRに使った費用はどう処理されているんですか。

○飯田委員 環境対策費用とかそういった形になると思います。

○新美座長 自主的なオフセットもCSRの一環でやるということであれば、そういう処理も十分可能なんじゃないでしょうか。

○飯田委員 それが通っているのであれば、今までグリーン電力とかはとっくに損金ができているわけです。そこら辺は国税なり財務省なり税当局との話をきちんとしながらやっていかないと、難しいのではないかと思います。

○新美座長 それはわかりました。
 ほかに今の関連で何かございますか。

○小笠原オブザーバー グリーン電力証書の損金化のお話についてごく簡単に御報告させていただきますと、現在、国税庁とグリーン電力証書の支払った対価についての損金算入について協議を行っている段階でございます。

○新美座長 ありがとうございます。
 私個人としては、そうではなくて、やはりCSRの費用と少なくとも同じように取り扱っていくべきかと思います。これはそのうち議論になると思いますので、ここでは、いろいろな考え方が今出ているということだけ押さえておいてほしいと思います。
 他にございますでしょうか。

○向井委員 さっき高知県の話題が出てしまったので、後で聞こう思ったんですが、忘れないうちに今言っておきますけれども、さっきのカラー写真の中にあるチップ化工場は公的資金を投入してつくった工場ですね。そういう場合、国も県も公的資金、税金を投入しているわけです。そういう場合どういう考え方をしたらいいのか。さっきの追加性云々の議論と大いに関連があると思っておるものですから。ルミネさんの今回の高知県モデルは実証研究ということであればわかるんですけれども、もしこれが本番であればいろいろと問題が生じるんじゃないかということがあるので、公的資金と今回のVERが併存できるのかどうかというあたりを素朴に知りたいということが1つです。
 それから、さっき小林先生が非常にわかりやすい整理をされたんですけれども、環境省がこのVER検討会を設置した目的は、あくまでも遵守目的のVERではなくて、カーボン・オフセットに用いられるというタイトルどおりの意図で設置されたと理解しているわけです。先ほど来の御説明は、コンプライアンスに用いられるVERとも何か抵触するような話になっているような気もするものですから。
 何を言いたいかというと、今回、遵守目的でないカーボン・オフセットのために創出されるVERであるということであったとしても、その使い道はあくまでもトレーダブルというか、流動性が高い、市場でそれが自由に動き回るというVERにはどうもなりにくいのではないか。単にカーボン・オフセットに用いられて、それで無効になって、そのクレジットの寿命はおしまいというふうに出口がはっきり決まっているようなイメージを私カーボン・オフセットのVERについては思っているわけです。
 さっき高橋さんから、トレーダブルであるという御説明がありましたが、本当にそうかいなとどうも疑問がますます大きくなってきておりますので、次回検討するコンプライアンス用のVERについては、トレーダブルであるべきだと思いますけれども、それを双方同じ質のクレジットであるという前提で検討すること自身、無理があるんじゃないかという気がだんだんしてきました。

○新美座長 今の点について御説明ありますか。

○高橋室長 最後の点については、オフセットは確かに1回オフセットに使えばそれで無効化されておしまいですけれども、トレーダブルという意味は、そのクレジットを第三者が買うことができる。今回の高知県の例でも、高知県内ではなくて東京のルミネが買うわけですけれども、そういう形で市場に出てくれば、それを第三者が買うことができる。そういう意味では、市場に流通している。それが何度も何度も転売されるわけではないですけれども、そういう形でオールジャパンでクレジットを使いたい人が買って使うことできる。そういうところがあれば、それで市場流通ということが言えると思います。逆にそういうものであれば、遵守目的のものと同様に1トンは1トンという信頼性はきちんと確保しなければいけない。そういう意味でのスキームの必要性は十分あるのではないかと我々は考えております。

○新美座長 どうぞ、山本さん。

○山本委員 先ほど資料の写真のほうで、クラッシャーとか設備関係は主に事業者が自分のお金で設置しております。高知県がファイナンシャルもサポートしているのは、基本的に林地残材を山から持ち出して、運搬して、工場に行くまでの運搬費用。その運搬費用がかなりかかるので、その部分を補填しているという位置づけです。

○新美座長 小原さん。

○小原委員 今の話の中で私ちょっと理解できてないところがあるので、割り込むような形で質問して恐縮ですが、1ページの一番下のところで、オフセットに使う用途と遵守用途で、でき上がったVERを用途のほうで2つに分けているような書きぶりに見えますし、今そういう議論はなされていたかと思うんですけれども、山本委員がおっしゃられたように、そのでき上がったVERというのは、量として確定していく手続やら何やらという点では、その両方に関して違いというのはなくて、実は発行するもとになったプロジェクトのベースラインを決めるときに違いがあるだけだということであれば、これは用途ではなくて、もとの発行プロジェクトの違いによるVERの違いだということですね。
 だとすれば、言ってみれば削減のもとになる取り組みが、コンプライアンスしなければいけない立場の人が、自らのコンプライアンスの対象になるような取り組みを通じて出してきたVERなのか、コンプライアンスを負ってない方が何らかのプロジェクトを通じて出してきたVERなのかという違いであって、でき上がったVER自体はトレーダブルだし、変わらないし、全く普通にそれがたまたまオフセットに使われるか、たまたまコンプライアンスのために別の義務を負っている方が使われるかという行き先の違いが結果的に出てくるだけで、ここで議論している話は、実は用途という名前に引きずられているんですけど、そこは論理がごちゃごちゃになっていないか。私はそう思ってしまって、ここしばらくの議論についていけないでいる状況です。これは実際どうなんでしょうか。

○新美座長 今の点ですけれども、先ほど来説明があるのは、削減量の明確性については両者に違いがないということは確認されていたと思うんです。違うのは、ベースラインの引き方というか、ベースラインの確認がどこまでしっかりできているかできていないのかで、VERにタイプの差があると思うんです。ベースラインがきちんと確定しているものはコンプライアンスのほうにも使えます。しかし、ベースラインのほうが手続として確たるものがきちんと用意されていない場合には、トレーダブルであるけれどもコンプライアンス用には使えないと、そういう説明だったと思います。あと追加性かな。

○高橋室長 クレジットの質は同じですけれども、クレジットの種類とかベースラインの引き方が違う。例えば種類で違うとすれば、一番わかりやすい例は森林吸収ですね。森林吸収は自主的なカーボン・オフセットであれば使ってもいいと思いますけれども、それを遵守に事業者が使うということになると、3.8%の枠を産業部門が達成に使うことはできませんから、それはもともとプロジェクトのタイプとしてできないということになります。
 その辺は次回整理したいと思いますが、結果的に用途に。簡単に言うと、CDMのCERだって今遵守にも使えるし、自主的なオフセットにも使っているわけですから、用途は両方で使えるわけです。そういう意味では今回議論していただくVERは、基本的にすべて自主的なオフセットに使うことはできるけれども、遵守目的ということであれば、一部しか使えない、一定の要件を満たすものでしか使えないということになると思います。

○新美座長 よろしいでしょうか。
 小林さんお願いします。

○小林委員 今の件については私もいろいろ意見がありますが、次回にするとして、端的に言いますと、私は事業者、このプロジェクトをやる人が何を使うかによって決めることだと思うんです。多分そうだと思います。それによってどういう手続をしてどうするかというのは、プロジェクトを行う人が決めていくことではないかと思います。
 先ほどの高知県の件で追加説明したいと思いますが、向井委員の追加性の問題は、山本委員が削減のほうの技術的なことにウェートを置かれたので、そういうふうに思われたかもしれませんが、実際こういうプロジェクトができることが私は大きな追加性だと思います。つまり林地残材とか間伐材をバイオエネルギーとして使うということは、現実問題なかなかできなかったことなんです。そのためにいろいろな障害があったわけですが、それを高知県でいろいろな仕組みをつくって克服したということ、これが私は大きな追加性だと思います。
 例えば、この写真の1ページを見てほしいんですが、これは森林に詳しい方が見たらすぐわかると思いますが、これは林地残材です。2ページ目に間伐材を出しているところがありましたが、これは本当の林地残材です。全く今まで活用できなかったような枝、葉の部分なんです。こういうものを搬出して使えるようにしたということは大きな追加性です。これによって今後、従来は大量に林内に放置された林地残材を使える道が1つ私はできたのではないかと理解しております。
 その裏には、この制度設計に当たって、高知県初め委員会がいろいろな面で検討した成果だと私は認識しております。別に自画自賛ではありませんけれども、この制度を詳しく調べていただければそのことはよくわかると思います。
 以上です。

○新美座長 今の説明で、公的資金が使われていることは、特に問題にするほどではないという御理解ですか。

○小林委員 私はそう思いますけれども、国内で今後どう考えるかは検討していってもいいと思います。例えばCDMにおけるODAの問題等ありますが、こういうのは実際にどういうふうにお金を使っていくかという中で検討していくことで、私はこの一部の基金に公的資金を使われているのは、追加性としては問題ないのではないかと考えます。
 以上です。

○新美座長 それでは、赤堀さん。その後、日比さんのほうに回します。

○赤堀森林吸収源情報管理官 どうもありがとうございます。
 いろいろ話も出てきているのでコメントという感じなんですが、1点、CDMに非常に近いなという印象なんですが、CDMが非常に複雑化しているという議論もあります。一方、特にコンプライアンス・クレジットということであれば、非常に質が高くなければいけないということで、そういうところもいたし方ないところなのかなと思います。今回は必ずしもコンプライアンスということでなければ、その辺どのくらいCDMに比べて複雑化を回避するのかなということで、逆に国際的なCDMの知見も日本にあると思いますので、その辺をどのくらい活用するのかなということです。
 それから、次の話題かもしれませんが、例えばAM0036を使った形の方法論が例として挙げられていますが、例えばガイドラインみたいなものもCDMと同じように、J-COFさんなりどこかがつくるのかなということも興味としてあるところでございます。

○新美座長 最後の点は次の論点で扱うとして、それでは日比さんお願いします。

○日比委員 資料2の中で幾つか御質問なんですが、1つはプロジェクト計画の申請書案というのがあるんですが、この中で、例えば社会環境影響の検討が入ってくるのかどうか。今回、国内プロジェクトのVERが対象に検討されているんですが、そこがどうなのかというのが1点です。
 それから、この制度は、基本的にこれからプロジェクトを考えて申請してというのが前提にあるのかなと思うんですが、既にオフセットの取り組みをいろいろ始められていたり、始めようとしている事業者もいるかと思いますが、そういった場合、レトロアクティブに対象となってくるのかどうかという質問です。
 3番目は細かい話なんですけれども、モニタリングのところは、設備単位、あるいは事業所単位という言葉遣いがされていますが、森林管理が入ってきているので、言葉的に森林設備とか事業所とちょっと合わないので、そこの整理が必要かと思いました。
 以上です。

○新美座長 ありがとうございます。
 先ほど挙げた論点2のほうに入っていますが、論点1について特に御意見なければ、論点2に入ったものとして議論を進めていきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 仲尾さん。

○仲尾委員 先ほどCDM、JIをずっと参考にしているんじゃないかということなんですが、私自身はここにあるようにISO14064-2を基本としていると書いていますので、この流れそのものは、CDM、JIはもともとこのISO14064-2をもとにつくっているので、当然そうなんですけれども、これをもとにする限りは、この流れそのものは変わらないんじゃないかと思っています。簡略化できるところは、例えば方法論をどこまで簡略化するかとか、そういう詳細なところはある程度簡素化できると思うんですが、資料1にあるようなこの流れ自体はISO14064-2に基本的に従っていますので、ここのところは変えられないのかなと思っています。

○新美座長 ありがとうございます。
 一応資料1の根幹になるのは、CDMとかJIの問題ではなくて、ISOの問題だと。だから、これに乗る限りはこの流れは大きく変わることはあり得ないという御指摘だと思います。この点はVERの目的のところで確認されていると思いますが、今の御指摘を受けて、この流れで一応行きましょうということでよろしいでしょうか。
 どうぞ。

○小林委員 私はそれでいいと思うんです。それでいいと思うんですけれども、その場合ISOがどういうものかということをよく理解する必要があると思います。特にそれはここの言葉で言う、検証する場合に基本になると思いますし、そういったISOのやり方をよく理解したところでなければ検証機関にならない。また、それを認定する場合に、その辺のことを十分に理解した上でやる必要がある。ということは、おのずから検証機関は限られてくるのではないかと思います。このVER制度を期待して、いろいろな人がこれに参画したい、環境ビジネスチャンスとして検証もやりたいと思っているかもしれないけれども、その辺ははっきり私はしておく必要があるのではないかと思います。

○新美座長 どうもありがとうございます。
 今のは非常に重要なポイントだと思います。やはりマーケッタブルであるということからすると、きちんとした管理システムが必要であるということで、こういったISOの基準をベースに置くことになっていると思いますので、現実の運用についても、小林委員がおっしゃったようにポイントについてはきちんと押さえていかなければいけない。このことは、この委員会では共通認識であると理解していいかと思います。
 それでは、論点1についてはまた繰り返し出てくるかもしれませんが、論点2のところでお二人の方から幾つか御質問、御指摘がありましたが、それに関連して、それ以外でも結構ですが、資料2の[1]方法論設計から、[4]の登録ところまでについて御意見、御質問がありましたらお願いします。
 水野さんお願いします。

○水野委員 ありがとうございます。
 まず6ページですけれども、これはいろいろな御意見があろうかと思うので、絶対そうすべきだということではなくて、私自身の意見で申し上げますと、この追加性の立証方法というコンセプトは外したほうがいいと思っております。細かい話ですが、追加的なという用語はいいと思うんですが、追加性と言った瞬間に、CDMの用語で言うアディショナリティーということになると思います。CDMのアディショナリティーというコンセプトはまことに正しいわけですが、これまでの経験で、実際に実施というのは、特に化石燃料削減のプロジェクトにおいては大変難しい。
 厳密にCDMの論理を当てはめるのであれば、VERという制度がなければ実施する、しないというのが分かれ目になるはずです。VERがなければ、やらない。そこは莫大な利益がVERで入ってこない限りかなり線引きは難しいと思っております。
 さらに、それでもやるというのが仮に証明できたとしても、私はそうは思いませんけれども、日本は京都議定書目標達成の義務を負っているとすれば、何もしなくてもというのもおかしいですが、6%削減というのはどのみちやる話なんだから、それがベースラインなんだという主張も出てくるわけです。
 さらに、コンプライアンスのクレジットでいくと差し引きゼロということでありますから、さらに追加性、いわゆるCDMの追加性を議論していると全く労多くして益なしと私は思っていまして、代替案を挙げるとしたら適格性、エリジビリティー、それは政策として環境省さんなり日本として、このVERを発行させることが環境にいいんだと、流通させることが全体の削減につながるという政策でやっていく。追加性というのは論理になってしまいますから、適格性というのは、ある政策ということですから、そういったようなワーディング及びコンセプトにしたほうがいいと思っています。
 さらに、CDMと同じかどうかという議論があったと思いますが、私自身はこれはCDMとは、全くとは言いませんが基本的に違うわけです。それで資料2とか資料3は、当然ストレートにCDMに準拠するわけなんですが、確かにCDMを知っている人にわかりやすい言葉を使っていると思うんですが、先ほど小林さんがおっしゃったように、CDMをよく知っている人は結構限定的で、しかもこれからいろいろなところで草の根的なカーボン・オフセットの活動を推進するときには、CDMというのをほとんど見たことがない人もやっていくときに、実は今のCDMの制度は結構わかりにくいところがありますので、私はそれは避けたほうがいい。最低限CDMと同じ用語を使っているのに、違う使い方をすると両方に混乱しますから、CDMで使っていない用語もこちらで使った方がいい。それが1つは追加性と適格性です。
 もう1つあると私が思いますのは、そういう意味では資料3にCDMの方法論では、必ずアディショナリティーというのが出てくるわけですけれども、それが書いてないというのは大変いいことではないか。
 もう1つ、わけのわからないというか、私自身はいつも理解に苦しむのはバウンダリーという言葉でして、これは日本語で何と言うのか。境界ということなんですけれども、CDMのバウンダリーのコンセプトに当てはめていくと、たまに理解が大変難しい場面もあって。資料2のほうでは、バウンダリーのところは「地理的範囲」と書いてあったと思います。CDMで最も有名な方法論であるACM0002、要するに再生可能エネルギーのグリッド接続というもの、バウンダリーに何と書いてあるかというと、そのグリッドにつながっている発電所全部と。それ全部範囲なのかというのは、感覚的に大変理解しにくいと思っています。
 資料3に書いてあるバウンダリーも、別に境界が書いてあるわけではないんです。どことどこを計算するかということを書いてあるだけです。例えば私はバウンダリーという言葉をやめて、排出量計算の範囲とか、こことここの範囲を計算してください。書いてあることはそういうことだと思いますので、そういった形に変えたほうがよりわかりやすいかと思います。
 もう1個、最後ですけれども、セクトラルスコープ。これもCDMでは確かにあって、主にDOEのアクレディテーションの範囲と一致させるということ。確かに森林とエネルギーは違うだろうということで、専門知識は違うだろうと思うんですが、結構、感覚的にはセクトラルスコープというのはよくわからないというか、無理にここでCDMに準拠してセクトラルスコープという名前をつけなくても、分ける必要が出てきたら、CDMの世界とは別に、我が国独自のもっとわかりやすい分け方で分けて考えていけばいいと思っております。ポイントとしては、CDMを参考にするものの、それと全く一緒にする必要はなく、むしろ一緒にしないほうがいいと思っております。
 以上です。

○新美座長 小林さんの御意見ともかなり似たような共通点のあるところですが、その点、小林さんいかがですか。

○小林委員 私も今の水野委員の意見に賛成というか、赤堀さんもおっしゃったようにCDMというのは非常に複雑化して、私も当初からずっと関わっていますが、よほど専門家でないとわからないことが多いと思います。
 そこで、そういったことを使ったためにVER自身が所期の目的を達成できないということであれば非常にもったいないと思いますし、皆さんがおっしゃったようにCDMのいいところは生かして、それを国内化する作業をやったらどうかと思います。これは今後CDM制度の見直しがあると思いますので、それにまた生かせるのではないかと思います。特に用語は、こなした格好でどうするかは非常に難しいと思います。

○新美座長 確かにおっしゃるとおり、用語はCDM、各国の排出枠が義務づけられているところとつけられていないところの間でのやりとりがあったら、へたをするとリーケージがあるということでかなり厳密にやっているんですが、特に我が国の国内でのVERを考えるときに、全く同じ概念で考えていく必要は必ずしもない。ただ、基本的なコンセプトなり枠組みは大いに参考になるけれども、現実の要件とか概念は、少し国内VER用にモディファイすることは大いにあり得るのではないかと私個人も賛成したいと思います。その辺はいかがでしょうか、ほかの方の御意見も伺いたいと思います。
 小笠原さんお願いします。

○小笠原オブザーバー オブザーバーなので最後のほうにと思っていたんですが、時間が余りなくなったようなので失礼いたします。
 厳しさという話が出ているんですが、これは自主的な枠組みだという認識をしておりまして、私どもグリーン電力証書制度を認証させていただいているんですが、そういう経験から申し上げても、自主的なものだけにみずから律しなければならない。そういう意味では、先ほどお話もありました社会的合意とか、適法性とか、計量の正確性をみずから律しながら、正確性、順法性を担保してまいりました。
 そういうところをちゃんと詰めていこうとすると、恐らくこの方法論は非常に複雑になっていくのではないかと思います。そういう点でいろいろな種類のものがあり得る中で、例えば資料3を拝見しても、例えば運搬の消費量はどういうふうにだれが証明するんだろうとか、いろいろ疑問が出たりするんですけれども、そういうところを踏まえて、どこまで正確性を求めていくべきものなんだろう、どこまで法律の遵守とか社会的妥当性を詰めていくものなんだろうというのが、いろいろなお話をお伺いして全くわからなくなってきております。
 そういう意味で、東京都さんも太陽熱の検討会をされていて、ある程度社会的な正当性、量の正確性を担保した上でスタートさせようと今検討されているところだと思いますが、そういうところと比較して相当緩いものだったりすると、それは自主的なPRだからいいよ。ただ、それはあくまで放棄される方もいらっしゃるわけで、その点があいまいになってしまうと、こうした制度の信頼性が危うくなるのではないかという懸念もあるので、どこまでの正確性とか法的遵守をやっていくかは、ある程度議論しながら分類とか細かく方法論を設定することを順番に考えていったほうがいいんじゃないかと思います。

○新美座長 わかりました。今おっしゃられていることは、排出量なら排出量の捕捉の仕方はきちんと正確にやらなければいけないという御趣旨だと思うんですが、こちらの議論はそうではなくて、追加性とかそういった概念について違う解釈もあってもいいんじゃないかということで、ちょっと論点が微妙に違うように思うんですが、その辺はいかがですか。
 排出量の捕捉の仕方は、正確であるべきだというのは、ほとんど異論はなかったと思いますし、おっしゃられたような曖昧なところがあれば、とことん詰めていくことについてはほとんど違いがなかったと思いますが、その辺はいかがですか。

○小林委員 私は排出量は当然正確にすべきであるし、それは検証可能であり実証可能であるべきだろうと思います。その追加性というのはなぜ出てくるかといったら、CDMが途上国と日本でやる。その中の特性から言うといろいろな制約があると思うんです。ですから、そういった制約をどこまでこの制度の中で外せるかということを検討するのが1つの方法だと思います。例えばJIとCDMは違いますけれども、CDMであるがゆえにかえって難しい問題がいろいろあるわけです。それをどうやって外すか。つまりそれはさっき言ったCDMのいいところは当然生かすべきなんですが、不要なところはどういうふうに除いていくかということの検討も必要だと思います。

○新美座長 そういう意味で、CDMで国内VERで必要ないところを外したということになると、直ちに追加性という概念がある意味で別の解釈になる可能性もあるから、言葉を変えてもいいんじゃないか、適格性ということでもいいんじゃないかという御議論につながってくると思います。

○小林委員 その辺はかなり議論したらいいと思います。私は水野さんの御意見は非常に拝聴すべきところがあります。それは水野さん自身がCDMに精通しておられるから、その辺がよくおわかりなのではないかと思います。

○新美座長 日比さん。

○日比委員 先ほど勇み足で論点2に入ってしまって申しわけなかったんですが、今の議論のところでいきますと、私個人の経験から、植林、再植林のCDMに長く携わってきたんですが、皆さん御存じのとおり、ほとんどこれ進んでいない状況があります。これはいろいろな見方があると思いますが、1つには植林以外の、いわゆる削減CDMが先に先行して、それに基本的には準拠する形でルールがつくられていった結果、植林にそぐわない部分が多々あったのかなというのが実際に開発者としてかかわった印象として持っております。そういう意味では、そのアナロジーを今回の議論に当てはめると、必ずしもCDMでやっているからすべてやればいいかということには多分ならないだろうと感じるところがあります。
 それからもう1つは、森林保護、これは基本的には海外のプロジェクトになってくるかと思いますが、当然CDMになっていない事業、方法論でありますので、それを扱うのか扱わないのかということも多分今後議論されると思います。そのことも考えていくと、小林委員や水野委員のおっしゃったところに近いと思いますが、CDMに必ずしもすべて合わす必要はなく、むしろそこから学んで改善していく方法、特にボランタリーであればと考えております。

○新美座長 山本さんお願いします。

○山本委員 皆さんいろいろ議論されて、1つは、もともとISO14064-2という国際標準に準拠してやるということなので、国際整合性がとれたものであるべきだというのは皆さん御理解されていると思います。基本的にISOというのは、どの国どの制度でも適用可能ということなので、当然皆さんがおっしゃるように、日本的にどのようにすれば一番やりやすいかというのは、この中に盛り込んで。今回も結構盛り込まれていると思いますけど、あえてやられたらいいと思います。
 ただ、一番の思いは、国内の排出削減を進めたいという思いが私もあって、国内の排出削減をどうやったら進められるんだ。こういったVERを出して、オフセットをやってそのお金で、先ほど小林委員からもありましたが、今までなかなか利用できなかった林地残材を利用できるようにしたという、そのスキームは非常にすばらしいと思います。だから、今までできなかった国内の削減等の取組みをいかにやっていくかというところに力点を置いて、なるべくそれが進むようにやっていくようなスキームを考えていくべきである。国内排出削減がいかに進むかというところに力点を置くべきだと思います。
 以上です。

○新美座長 ありがとうございます。
 どうぞ。

○向井委員 資料2の、例えば2ページに「プロジェクト参加者リスト」と書いてあって、参加者の名称、住所等が書いていますが、さっき質問というか意見で述べたように、自治体というのはプレーヤーとして認められるべきなのかどうかというあたりを明確に、つまり参加者の条件を明確にしてほしい。
 というのは、草の根的にVERプロジェクトを発掘することを全国的にやっている立場からすると、小さな山村のようなところがこういった仕組みに期待しているところが大きいんです。現在のJ-VETSでは参加が認められないというか、認められていないということで、もっと認めてほしいというのが現場的な意見なんです。認められた場合にはどんな条件、例えば国から補助金をしっかりもらっているようなところについては、どういう条件なら参加者と認めるよとか、こういう場合はだめだよとか、きちっとガイドラインをこの場で作るべきであると思います。そして、安心して参加できるような条件を整えてほしいということが1つです。
 それから2番目の意見ですが、6ページの追加性。これも私はCDMに暗い立場からすると、CDM用語というのは極力使わないでほしいという思いです。そして追加性というのは特にわかりにくい概念なものですから、ポジティブリスト方式というのは、私もプロジェクトを実際に発掘して企画している立場からすると非常にわかりやすいとうか、だれでもこういうものが今回は該当するなということで、わかりやすいポジティブリスト方式というのは非常にいいかなという気がしますので、これを拡充していくことが1つです。
 それから、このポジティブリスト方式と、それから、9ページのモニタリングの方法論が何らかのガイドブックに記載されていたとして、それが本当に意味があったのかどうかということを、だれがどうやってフォローアップするのか。余り意味がないものであれば削除するなり何なりという仕組みも、是非この中に入れておきたいという気がします。

○新美座長 ありがとうございます。
 前者の点について何か。

○高橋室長 自治体がこういう仕組みに大変期待されているというのは、私どももJCAPというのを設立しまして、肌で感じておりまして、私どもとしては自治体も当然プレーヤーとして参加していいのではないか。補助金の話は、もう一回勉強しますけれども、基本的にはそういうことを考えております。
 それから、少し前に日比委員から御指摘のあったもので1点お答えが漏れていたのが、社会環境影響の話です。これについては、CDMの場合は途上国ということで大変議論になるんですけれども、これは国内ですので、基本的には我が国はそういうアセスメントの制度ができているということで、特段この中で新たにそういう規定を設ける必要はないんじゃないかと考えておりますが、その辺はもし御異論があれば御議論いただければと思います。

○新美座長 この点はどうですか、他の法制でカバーされているということですね。

○日比委員 基本的にそういうことだろうと思っておりました。1つだけ気になるのは、国外のクレジットも議論してくるときの整合をどうとっていくか、そこの整理は必要かと思って申し上げました。

○新美座長 わかりました。それは留意点としてということでよろしいでしょうか。
 他にございますでしょうか。司会の不手際で時間もほぼ尽きようとしているんですが、まだ大きな論点が2つ。高知県の例は先ほども出ていますので、あればということにしますが、資料2の[5]のモニタリングからVERの登録・管理について、何か御意見ございましたらお願いします。
 これとあわせて、運営体制の資料4についても御議論があれば御意見いただきたいと思います。
 山本さんお願いします。

○山本委員 資料4の運営体制のところで、これ申請受付はどこがやるのかということと、それとCDMでのいろいろな経験から、ともすれば事務局が事務処理をかなり停滞させているというのもあるので、できる限り、いつ申請したらいつごろ承認されるのか、そういう時間的なものを明確に提示してあげると、非常に安心して申請も手続もできるのではないかと考えております。

○新美座長 受付の窓口もここで明記したらというのはどういうことでしょうか。

○山本委員 受付がどこになるんでしょうか。

○新美座長 その辺はJ-COFのほうで説明ください。

○カーボン・オフセットフォーラム 御質問ありがとうございます。
 受付については、フィジカルには事務局がお受けすることになるかと思いますが、この資料4で言うと、登録機能のところが実際には受付に当たる。受付を受理した後に、例えばコンプリートチェックを行って登録するという形になると思います。
 それからもう1つ御指摘のありました、第何営業日だとどのくらいのタイムラインで活動ができるということも、基本的に設計の中に前向きに入れていきたいと考えております。

○新美座長 これはポジティブリストがそれでいくということになると、それに乗ったものは結構早くいくことになるわけですね。リストに定型的に乗るようなものは。

○三菱総合研究所 ポジティブリストというのを設けている1つの目的は、なるべく明確化するということですので、明確化すればするほどそういった手続の時間が短くなるという認識です。

○新美座長 それで可能な限り早く、迅速に処理したいということだと思います。
 ほかに。仲尾さんお願いします。

○仲尾委員 これは環境省さん、J-COFさんどちらにお伺いしたらいいのかわからないんですけれども、カーボン・オフセットはJ-COFさんが運営ということに多分なるんだと思うんですが、コンプライアンス・マーケットができた場合は、これもJ-COFさんということになるんでしょうか。もしも案がおありでしたらお伺いしたいと思います。

○新美座長 VERの認証・登録についてですか。

○高橋室長 秋からの試行をどういう体制でやるかというのは、これから議論するので、今の段階ではまだ確定的なことは申し上げられませんが、ただ、ここで議論していただくVERの登録・発行は基本的に一元化したほうがいいのではないか、ばらばらにやらないほうがいいのではないかと思っております。

○新美座長 小林さんお願いします。

○小林委員 資料4、その他を見ましても、このJ-COFの位置づけが非常に大きいことがよくわかります。それはそれで構わないと思います。J-COFの今現状を私はよく知りませんが、これだけの仕組みを運営してスムーズにしていくために、かなりの組織体制、それから資金がいると思いますが、その辺の裏づけはどうなんでしょう。先ほど心配がありましたように、たくさん申請が出た場合に、滞ってしまうようなこともあるかもしれない。

○高橋室長 その辺は走りながら強化していきたいと思っておりますので、ぜひ御協力を賜ればと思っています。

○小林委員 この運営の資金というのは、VERのクレジットの何%をここに充てるとか、そういうことは全くないわけですか。

○高橋室長 そこまで頭が回っていないということで、当然、将来的には料金、認定料という議論もいずれいると思いますが、そこまでまだ議論が入っていない。まずはもう少し技術的なところをきちんと詰めてと思っております。

○新美座長 ほかに。赤堀さんどうぞ。

○赤堀森林吸収源情報管理官 どうもありがとうございます。
 第三者独立委員会を設置するということで、これはとてもいいことじゃないかと思います。というのは、これはARCDMの話なんですけれども、ガイドラインができたときに、ちょっとまずいんじゃないかと。これはオブザーバーとして発言したり、あるいは最終的には交渉でいろいろたたいて直したというところはあるんですけれども、そういった不服というか、最初からこういうことをお話しするのもよくないかもしれませんけれども、そういった場合に、外からどういうふうにお話ができるかというところの窓口として非常に必要ではないか。ただ、もう少し事業者の方が何か質問できるとか、そういったようなシステム。これだと委員会ですから、入らないとなかなかお話はできないと思うんですけれども、その辺はどうお考えですか。

○新美座長 今のは不服なり何かあったときの紛争処理というよりも、事前のコンサルティングというか、相談窓口みたいなものは考えているかどうかということですか。この辺はJ-COFさんはどういうふうに考えていらっしゃるんですか。

○カーボン・オフセットフォーラム コメントありがとうございます。
 おっしゃるとおり、一般の方々からの意見も基本的にはお受けすることはあると思います。ただ、1つはこういったクレジットを生み出すような組織なりを作るとなると、同じような質問とかコメントを受けることが多いと思います。これとは関係なしにやっているJ-COFの体制でも、同じような質問を何度も受けることがありました。1つは手続上の重複を避けて、かつ皆さんにわかりやすくする。ただ、個別の例えば異議申し立ての手続をどうするかというのは今後の課題になってくるかと思います。

○新美座長 ほかに。小原さんどうぞ。

○小原委員 この手続の流れの関係で言いますと、中間的な主体をもう今の段階からイメージしてフローを考えたほうがいいのかなという印象を持っております。と申しますのは、冒頭、高橋室長のほうから御説明いただいたA4の資料の裏面のところで、考えられる削減プロジェクトの例として例示が挙がっている、中小企業による削減活動とか、あるいは再生可能エネルギーの活用といったプロジェクトで言いますと、特に太陽光の話で言うと、すごく零細な規模のものがちょっとずつたくさんの主体がやってきてクレジットが出てくるというケースが考えられます。それをVERという仕組みを活用して、支援の対象として、そういう取り組みを進めていこうという政策的な意図がなければ、もう初めから無視してしまえばいいんですけれども、むしろそこにちゃんとVERの仕組みが資金調達手段として機能することがすごく重要だと思います。そうなってくるとこのプロセスを回そうとしたときに、個別の中小企業1件1件がJ-COFさんに申請する仕組みにしてしまうと恐らくパンクする。
 自治体の話、私どもは東京都ですけれども、東京都では先ほど小笠原さんのほうから言及していただいたように太陽熱、現時点ではポジティブリストの中に入っていないからどうしようと思っているんですけれども、太陽熱から出てくるグリーン電力証書を具体化しようという検討もしていて、その中では個別の各家庭のところに入っていく小規模のものを、東京都がやるのかなと思っておるんですが、1回束ねるところが1つ必要であろう。その束ねるところが認証機関と接点を持ってちゃんと認証していただきながら、トレーダブルなものをしっかり計量して出していこうというプロセスを仕組みとして固めようとしているところがございます。
 したがいまして、今後の手続を考えられるときに、今の段階から想定される削減プロジェクトの中に零細規模なものを考えるのであれば、中間的な束ねの主体を既に意識し始めて、その中間的な束ねの主体に対して求める要件も、ここで議論されておいたほうがスムーズなオペレーションにつながるかと思います。
 以上です。

○新美座長 今のは非常に重要な御指摘で、例えばNGOがまとめてやってきたときに、それは全く手放しでいいかどうか。もっと考えると、匿名組合みたいなものをポンとつくってそこが束ねてきたときにはどうするかとか、いろいろな問題があると思いますので、確かに議論しておく必要はあるんだろうなと思いますので、検討課題ということでリマークしておきたいと思います。
 水野さんお願いします。

○水野委員 私は多分次回欠席なので、コンプライアンス・クレジットとボランタリー・クレジットのコメントだけしたいんですが、手続は同じだというお話がずっとあったと思って、ベースラインが違うという話があったかと思うんですが、私はベースライン排出量というのは可能な限り客観的に決められるものであって、コンプライアンス・クレジットとボランタリー・クレジットを分けるところは、まさしく制度というか、政策というか。ですから、1つはディスカッションする。これは政策的に、あるクレジット量をディスカウントすればコンプライアンスになる。または政策的に太陽光についてはこれだけ認めるとか、発行する前からこれはコンプライアンスなのか、コンプライアンスとして使えるのか、自主的に使えないのかというのが予見できるような制度の問題だと私は思っております。

○新美座長 それは貴重な御意見として、次回のときに議論の対象として持っていきたいと思います。
 大分予定の時間を過ぎておりますが。小林さんありますか。

○小林委員 先ほどの小原委員のことにも絡むんですが、一番初めに室長のほうから御説明がありました、国内の統合市場ができた場合、ほかの省でも排出量取引制度を検討していると思うんですけれども、このカーボン・オフセットの特色をどこに出すかということ。その中で零細なところとか、地方ベース、村ベースのところができるとか、より環境にウェートを置いたプロジェクトを重視するとか、さまざまな特色の出し方があると思うんですけれども、その辺のことも考えておく必要があるのではないかと思います。

○新美座長 小笠原さん。

○小笠原オブザーバー ごく簡単にですが、追加性の話とか方法論の話、それから計画、実施のところについて、恐らくイメージが若干異なっているかなということを強く感じました。ということで、できればJ-COFさん等と個別になってしまうんですが、我々がどういうことをやっているか等についても意見交換させていただければと思います。

○新美座長 ありがとうございます。
 大詰めに近づいていますので、そういった点でのすり合わせ、共通認識の形成はぜひよろしくお願いしたいと思います。出てきたときに、またこの委員会で御報告、議論していただくことにしたいと思います。
 高知県の例はほとんどスキップしたんですが、高知県の事例で何か御議論、御質問ございましたらお願いします。
 小原さん。

○小原委員 一言だけ。高知県の仕組みはすごくいい仕組みで、ここに対してルミネさんが支払われた金額が、ルミネさんにとって経費として認められるようになるのは、今後この広がりをつくる上ですごく重要だと思います。対症療法としては、高知県さんがこういう形でかんでいると、高知県さんへのふるさと納税みたいな形でやれば、5000円を超えた部分について税額の控除を受けられて、お金が返ってくるという仕組みは今のスタイルそのままでできます。高知県さんの事業として構成してしまって処理はできるんです。ところが、ふるさと納税でふるさと納税を引っぱってくるために、地元の産品を納税してくれた人に送るみたいなこともいろいろな自治体はやっていますので、その産品としてクレジットを送りますみたいな形にしてしまえば成立はするんです。ただ、それは本質的な話ではなくて、買い取っている話ではないんです。そこに経済的な価値をちゃんと位置づけでやっていこうという話になると、今もう手近にできる対策ではなくて、本質的に経済価値を持ったものがどうして移転していくんだというところをちゃんと詰めていく作業をやって解決することが、今後大きく広がっていく上で重要だと思います。
 1点だけそれに関連して今気になっているのは、ルミネさんは東京都の排出削減義務づけの対象事業者に入っていたはずなんです。そうすると高知県でできたこのクレジットで、東京都の義務を履行したいんですけどという話が来たときには、たしか条例上はそれを認めるはずなんです。100%そのまま認めるのではなくて、たしか東京都外のものは換算率を入れたはずだったんです。そうするとこのクレジットというのは社員啓発用にとどまらず、ルミネさんとして義務履行として、これだけ計量をしっかりしたものを持ってきましたよと持ってこられたときに、ああやるんだろうなと考えているところです。
 そうしたときに条例上の根拠の根拠づけというか、裏づけのあるクレジット量になりますので、これは今後、損金としてどうして認められないのという話は必ず出てくるな、今からこれは考えなければいけないなというのは、高知県さんのプロジェクトから派生する課題として、今こういう問題がありますよということです。
 以上です。

○新美座長 どうもありがとうございます。
 特にカーボン・オフセットを考えた場合には、コンプライアンスでない場合は、損金処理できるかどうかというのは制度の推進上で非常に大きな課題だと思います。早急に話をつけてもらいたいということになるんですかね。
 ほかにございますでしょうか。
 本当に申しわけありませんでした。ちょっと司会の不手際で行ったり来たりして時間も大幅に過ぎてしまいました。本日の議論はこれくらいにさせていただきたいと思います。

(3)その他

○新美座長 環境省のほうから何か連絡事項がございましたら。

○高橋室長 大変有益な御議論、ありがとうございました。
 次回は、8月27日水曜日の午前10時から12時ということで、この同じ虎ノ門パストラルのプリムローズという部屋で開催を予定しておりますので、またよろしくお願い申し上げます。
 以上でございます。

○新美座長 それでは、第4回のVER検討会を終わりたいと思います。本日はどうもお忙しいところありがとうございました。

閉会