(1)我が国におけるカーボン・オフセットのあり方(パブリックコメント案)について
事務局から資料1の説明が行われた。
- カーボン・オフセットを[1]市場流通型と[2]特定者間流通型の二つに分けて[1]を重視した形で指針がくまれているが、[2]についても広くカバーされているということを早い段階で明確にした方がよい。[2]についてもいろんなビジネスモデルが出てきうるが、クレジットの信頼性等を同じような考え方で扱うべきということだと思う。
- カーボン・オフセットをしたいという人は、オフセットに要する費用を払うとき、寄付に近い考え方をもっているのではないか。
- 「自己活動」を実感の湧くような言葉にできないか。個人は日常生活からの排出をオフセットするのであり、普及を考えればそのようなことがわかる言葉の方がよいのではないか。
- カーボン・オフセットの取組のキーは、ライフスタイルの見直し。どこかにそのような表現を入れるべきではないか。
- 認証・認定といったようなことがいくつかでてくるが、基準については既存のものをできるだけ使うのが現実的。排出削減の算定手法についても、国民運動の中でも多くある。それらと齟齬がないようにすべき。
- カーボン・オフセット型の商品の場合には、排出量全量をオフセットするのはコスト的に難しい場合もある。どのくらいオフセットしたのかという情報をオフセット・プロバイダーが出すようなシステムとすべきではないか。
- 森林吸収源増加の永続性についてもいろいろな議論がある。ここを厳格にするあまり、オフセットの取組が狭くなるようなことがないようにすべきではないか。
- 今まさにカーボン・オフセットの取組をしようと思っている人をdiscourageしないようにすべき。基準等に策定ついて、スケジュール感をもって進めることは、ビジネスの観点からも重要。
- 既に発行済みのクレジット、又は発行が近いクレジットでオフセットすることが重要ということだが、この場合オフセットに使えるクレジットの供給が少なくなってしまう。今後の広がりも考えると、将来発行されるクレジットを生み出すプロジェクトにも目配りが必要ではないか。
- 環境対策と温室効果ガスの排出削減双方を実現するコベネフィット型のプロジェクトをどう進めていけるのかについても検討が必要ではないか。
- イベント・会議を行った後に事後的にオフセットの状況を公表することも重要ではないか。
- VERについても、レジストリで管理されていることが重要ではないか。このレジストリも、既存のもの、民間のものを活用することを考えてもいいのではないか。
- 特定者間完結型のプロジェクトからも将来クレジットが発行されることもあり得る。これについてもインベントリが必要ではないか。
- カーボン・オフセットが商品の一部のみしか行われていない場合、その旨を表示することも重要ではないか。
- ちゃんとしたカーボン・オフセットの場合はいいが、中にはいい加減なものも必ず出てくると思った方がよい。詐欺的な行為をどこで防ぐのか、よく考えて欲しい。特定者間完結型であっても、お互いをよく知っているというわけでは必ずしもない場合もある。海外で行われているプロジェクトについて現場を見ているわけではない場合も多いだろう。
- オフセット・プロバイダーの質についても考えないといけないかもしれない。クレジット、プロジェクトを選ぶ能力があるかどうかが重要。
(2)その他
今後のスケジュールとして、本日の議論を踏まえた修正を行ったうえで、来週にもパブリックコメントを開始すること、その結果を分析したうえで明年1月中~下旬に次回検討会を開催することとされた。