平成19年10月31日(水)
15:00~17:00
虎ノ門パストラル新宿 5F ミモザ
1.開会
環境省から挨拶、資料の確認が行われた。
2.議事
(1)米国におけるカーボン・オフセットの現状と豪州の連邦政府及び州政府の気候変動に関する政策動向について
事務局から資料1及び参考資料1の説明が行われた。
- オーストラリアは、ここ数年の大干ばつや今年の集中豪雨があって、オーストラリアのグラスルーツの考え方がずいぶん変わった。州レベルでもとても熱心。
- 国際市場での流通を考えれば、オフセットクレジットは質を確保する必要がある。
(2)VER(Verified Emission Reduction)の検証基準の事例について
事務局から資料2の説明が行われた。
- それぞれのVERの認証基準については、プロジェクトを認証しているのか、プロダクトを認証しているのか、明らかにした方がよい。
(3)カーボンオフセット関連事業を実施している、又は実施を検討している我が国の事業者へのヒアリング結果概要について
事務局から資料3の説明が行われた。
(4)我が国におけるカーボン・オフセットのあり方(パブリックコメント骨子案)について
事務局から資料4の説明が行われた。
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今の我が国のカーボン・オフセットの状況を踏まえれば、規制的措置を執るというよりは、一個人として温室効果ガスの削減に貢献したいという人たちに幅広く参加の手段を提供し、幅広く参加を促していくということが重要。また、将来どのようにカーボン・オフセットを推進していくのかについてロードマップを作ることも重要。その観点では、将来に向けてフレキシビリティを残していくことも大事。
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今回の指針の意義は、カーボン・マーケットの推進のためには、カーボン・オフセット関連市場を育成すること、温室効果ガスの排出削減を推進すること、という二つだろう。
- カーボン・オフセットとはどういうものなのかについての理解を広めていくことも重要。
- 「市民の参加の促進」「自主的な取組」ということが大事だが、信頼性の確保も忘れてはならない。
- まず削減努力を行った上でないとオフセット商品を買ったらいけないのだろうか。そこまで厳正にしなくてもいいのではないか。
- カーボン・オフセット推進の趣旨は、カーボン・オフセットをすることによってカーボン・ニュートラルまでもっていくということなのではないか。
- ただ、カーボン・ニュートラルでないといけないとすると、オフセットにかかる費用が高くなり、参加が広まらないことにも留意が必要である。
- VERに関する一定の基準については、間口を広くしていくことも大事だが、手放しということではいけない。
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理解が進んでいる消費者であれば、ラベリングの際には、[1]CER(償却口座へ移転)、[2]CER(取消口座へ移転)、[3]環境省の自主参加型国内排出量取引制度の排出枠(JPA)、[4]グリーン電力証書、[5]国内排出削減VER、[6]国内吸収源VER、[7]海外排出削減VER、[8]海外吸収源VERのうちどのクレジットを使ってオフセットをしているのかについて情報提供するくらいはあってもいいのではないか。
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ラベリングや第三者認証については、政府と民間それぞれがどのような役割を果たすのかについて、しっかり議論が必要。第三者認証については、自治体でもできるような配慮をして欲しい。
- 市場メカニズムを活用するのであれば、透明性の確保は非常に重要。特に、比較可能性を確保することが大事。
- 透明性の確保の観点からは、ダブルカウントを防ぐべく、レジストリの整備も重要。
- 透明性の確保の観点からは、クレジットがきちんと無効化されたかどうかのフォローもきちんとやらなければならない。
- 「無効化」などわかりにくい用語が多い。最後に用語集をつけたらどうか。
- クレジット1トンが確実な1トンの削減であることを担保することも重要だが、プロジェクトの意義を評価することも重要ではないか。