平成19年10月5日(金)
13:00~15:00
ホテルフロラシオン青山 1F はごろも
1.開会
環境省から挨拶、資料の確認が行われた。
2.議事
(1)英国におけるカーボン・オフセットの自主規則(案)に関するパブリック・コメントの概要と英国環境・食糧・地域省(DEFRA)へのヒアリング結果について
事務局から資料1及び参考資料1の説明が行われた。
- 英国においては、DEFRAのパブリック・コメント案では自主認証排出削減量(Verified Emission Reduction:VER)は除外されており、英国下院の環境監査委員会(EAC)はVERを対象にすべきと主張している状況。
- 我が国のカーボン・オフセットについてVERを認める場合、VERのレジストリ(排出枠・排出削減量を記録する電子システム)が必要になるが、これについては環境省が別途実施している自主参加型排出量取引制度で整備されているものが活用可能。
(2)英国のカーボン・オフセット市場及び自主規則(案)に関するオフセットプロバイダーへのヒアリング結果
事務局から資料2の説明が行われた。
- VERの透明性については、現在英国では排出削減プロジェクトから生じるVERに関する情報はほとんど公開されていないようだが、カーボン・オフセットというのは、オフセットしたいと思った人が出したお金が確実な排出削減につながっているのが前提であり、ある程度の情報を開示することはオフセットの意義の観点から必要なのではないか。
- 排出権は単なる金融商品ではない。不動産投資信託(J-REIT)の流通に際しても、実際に土地を確認し、取引に当たっては土地の管理の方法もしっかりみていく。環境も同様であり、金融への目配りも大事だが、現場を離れた制度設計にならないようにすべき。
- Verification(排出削減量の認証)がどうあるべきかという点が最も重要。温暖化防止の点からいえばVERが全く流通しないのではどうしようもないが、炭素の確実な排出削減が確保されないといけない。
(3)英国下院環境監査委員会報告書の概要
事務局から資料3の説明が行われた。
(4)第1回検討会における委員の御意見の論点別整理
事務局から資料4の説明が行われた。
- カーボン・オフセットについて、シンプルでいいので定義を明確にすることが必要。「自主的」「オフセットをする人が削減努力を行うこと」「確実な排出削減に結びつくこと」といったような要素が入るべき。
- カーボン・オフセットをしようという人は、京都議定書に基づくクレジットか、自主認証排出削減量(VER)かはこだわらない人がほとんどと思われる。しかし、日本の京都議定書目標の達成に貢献できるものかどうかは、消費者は知りたいのではないか。
- VERの質をどうするのか、どう透明性を確保するのかのバランスが難しい。質を確保しようとすれば、対象となる排出削減プロジェクトも減ってしまう。
- 温室効果ガスの排出削減以外の付加価値、たとえば地域の持続可能な開発への貢献といったことに資金を出したいと思う企業・人もいるので、そういう主体も許容できるような制度にしていくべき。
- レジストリ上で確実に管理できることは重要。レジストリのあるスキームに基づくVERであるかどうかも基準になるのではないか。
- どの排出量をオフセットすべきなのかについても検討を進めることが重要。
- 国民運動にどうつなげていくかという観点からは、行動力があるのはやはり子供。お年玉でも行動できるようなものにできた方がよいのではないか。また、企業にとっても、たとえばどのくらい排出しているのかを目に見えるものにしてあげれば、排出削減やオフセットという行動につながる。「お金を出せば排出してもいい」ではなく、「お金を出して排出削減を進める」といった流れを生み出すべき。
- DEFRAのように品質マークを出す方向かどうか、特にオフセットプロバイダーにマークを付与するかどうか、認証機関の果たすべき役割についても重要。