- 10:00 - 11:15
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「気候変動に強靭な開発」に向けた適応策の推進
- 主催者
- 国際協力機構(JICA)
- 共催者
- 地球環境戦略研究機関(IGES)
- 内容
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概要
パリ協定の下で平均気温上昇を1.5℃以内に抑えるための対策を進めているが、気候変動の影響が一層顕著になる中、資金や対策の不足が続いている。
特に影響を受けやすい途上国においては、適応策のニーズと適応策への資金フローとの間には大きなギャップがあり、事前投資、気候変動対策と持続可能な開発を両立させる「気候変動に強靭な開発」を進めることにより影響を縮小することが必要である。また、パリ協定の実施、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた相互の連携強化が不可欠であり、気候変動、生物多様性、環境汚染等を組み合わせたシナジーの必要性が共有されている。JICAは、日本の経験をいかした事前投資を含めた適応策支援とともに、気候変動適応策と他の課題解決のコベネフィットやシナジーの発現を事業において推進している。
本イベントでは、「気候変動に強靭な開発」の実現に向けて、気候変動対策と持続可能な開発を両立させて、マルチセクターでシナジーを発現させるための方向性を、特に適応策に焦点をあてて、国際機関、研究機関、政府、援助機関等の視点から明らかにすることを目的とする。プログラム
冒頭あいさつ
- 宮崎 桂|JICA 副理事長 最高サステナビリティ責任者
基調講演 適応策に向けた開発金融機関の取り組み
- ファティマ ヤスミン|アジア開発銀行(ADB) セクター・テーマ担当副総裁
冒頭発表1
日本政府の気候イニシアティブ- 渡邉 和紀|財務省 副財務官
冒頭発表2
適応策と気候変動に強靭な開発に向けたアプローチ- 見宮 美早|JICA サステナビリティ推進特命審議役 企画部 サステナビリティ推進室長
冒頭発表3
地球規模課題に対処するための気候変動と開発課題のシナジー- ディアナ ウルゲ フォルザッツ PhD|IPCC 副議長
ケーススタディ
適応策の好事例- ロザリンド アーモーンピタックパン|タイ天然資源環境省 気候変動環境局 気候変動適応部 気候変動適応ガイドライン能力強化セクション長
パネル討議
- モデレーター:川西 正人 PhD|JICA 国際協力専門員
- パネリスト1:ディアナ ウルゲ フォルザッツ PhD|同上
- パネリスト2:ロザリンド アーモーンピタックパン|同上
- パネリスト3:ナイーダ クリシュナ モルガド|ADB 気候変動対策専門官
- パネリスト4:マチェイ ソコロフスキーPhD|慶應義塾大学 総合政策学部 特任准教授
閉会挨拶
- 松澤 裕|環境省地球環境審議官
- セッション
サマリー -
JICAは人間生活の安全保障の観点も踏まえた気候変動適応策の重要性を強調し、コベネフィットアプローチと事前防災投資などを通じた「気候変動に強靭な開発(CRD)」の考え方・重要性を紹介した。ADBは日本を含む開発金融機関との連携に焦点を当て、IPCC副議長からはSDGsと気候目標のシナジー追求とトレードオフの最小化の重要性が強調された。財務省は「気候変動に強靭な債務条項」のパイロットプログラム導入開始を発表した。パネル討論では、CRD実現に向けたマルチセクターでの取組、科学・技術の活用、モニタリング評価の強化なども議論された。
登壇者・パネリスト集合写真 JICA宮崎副理事長による冒頭あいさつ IPCC ディアナ ウルゲ フォルザッツ氏の発表 パネルディスカッション
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