分類 4-(5)-4

 

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協力事業名
中国におけるトキの保護・増殖の支援活動
事業の概要
トキは学名をニッポニア・ニッポンといい、世界で最も絶滅のおそれの高い鳥類である。かつては、日本をはじめアジア大陸東部のロシア・ウスリー地方、中国、朝鮮半島などの広範囲に分布していたが、現在は日本と中国だけに生存している。日本においては、新潟県の佐渡トキ保護センターに7羽が人工飼育され、一方、中国においては、野生の個体が約130羽、人工飼育の固体が125羽、合計で約250羽が生存している(2000年10月現在)。中国においては、既に絶滅したものと考えられていた時期があったが、1981年に中国科学院の学者が7羽のトキを再発見して以来、20年の歳月を経て、野生・飼育下を合わせ250羽にまで増加した。しかし、個体数は増加傾向にあるが、トキという種の保存の観点からは、まだ楽観できる数字ではない。また、野生のトキが生息するための環境が少しづつ失われトキを取り巻く問題は深刻である。財団法人日本鳥類保護連盟では、1995年からトキ絶滅の危機から守るため、野生のトキが生息する中国陝西省を中心に保護・増殖の支援活動を行っている。その背景には、トキを守ることが、生物多様性の保全の観点からも大きな意義を持ち、さらに中国の個体群が繁殖可能な今こそ、緊急に取り組むべき課題であるという認識がある。
事業形成の経緯
1981年5月、中国において既に絶滅したと伝えられていたトキ7羽が再発見され、これを契機に1985年6月、東京で”日中野生鳥獣保護会議”が開催された、日中両国のトキ保護のための基本的合意がされ、日中トキ保護の第一次協力事業が日本政府はじめJICAや民間団体を中心に行われた。また、1995年以降、中国性負の構想を基に、環境庁及び当連盟が中心となって第二次協力が行われることとなる。当連盟では、1995年から3年間にわたり、環境事業団地球環境基金や経団連自然保護基金の助成を受け、地元住民への啓蒙普及や陝西トキ救護飼養センターの施設の拡充に協力している。また、1995年12月には『中国トキ保護支援基金』の創設や地元への経済効果を考慮に入れるエコツーリズムの概念に沿った『中国トキ保護観察団』の派遣なども行っている。
日本側担当組織

(主担当組織)

財団法人日本鳥類保護連盟

(主要担当者名)

(関係する政府機関)

環境省自然環境局野生生物課

中国側担当組織

(主担当組織)

陝西省野生動物保護協会
中国鳥類バンディングセンター

(主要担当者名)

(関係する政府機関)

国家林業局
陝西省林業庁

日中以外の
国の関与
なし

主な対象地域

(現地受け皿組織)

(地域)陝西省洋県

(組織)陝西省野生動物保護協会

財源
助成金、寄付など
財政規模
(2000年度) 約210万円
これまでの成果
地元住民への普及啓発、育雛器等の器材提供、支援基金設立による調査・研究や繁殖地の環境整備、施設拡充、視察団派遣などを実施し、中国のトキ個体数増加の一助になったものと考えられる。
今後の展望
トキを絶滅から防ぐためには、日本と中国の政府及び民間団体が協力して、一層の保護・増殖に取り組む必要がある。今後も、当連盟では野生のトキが安定して生息できる環境作りを主に、支援を含めた協力を行う予定である。
開始時期
1995年4月
終了時期
未定

備考
(参考資料等)

 
記入者
及び連絡先
(組織/部署)財団法人 日本鳥類保護連盟 総務室 (氏名)杉本 吉充
(住所)〒166-0012 東京都杉並区和田3-54-5
(Tel) 03-5378-5691 (E-mail)
(Fax) 03-5378-5693 (URL)