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環境協力に携わる方々へ

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日系企業の海外活動に当たっての環境対策(マレーシア編)

「平成11年度日系企業の海外活動に係る環境配慮動向調査」報告書

本書の構成と使い方

 本書は、マレーシアの環境問題の現状や環境法規制の内容などを解説した「第1章」、マレーシアに進出している日系企業(製造業)の具体的な環境対策への取り組み事例を紹介した「第2章」、そして第1章、第2章の内容をより深く理解するために役立つ「資料編」で構成されている。本書でいう日系企業とは、マレーシア日本人商工会議所及びジェトロ・クアラルンプール・センターの会員企業を指し、日本側の出資比率等の特定の条件がないことをあらかじめお断りしておく。また、今回の調査では、現地訪問調査を受け入れてくれた日系企業はすべて製造業であったため、第2章に紹介した環境対策への取り組み事例もすべてが製造業のものであり、本書全体の内容も製造業の環境対策に主眼をおいたものになっていることを、あわせてお断りしておく。


さらに本書は、各章及び各章の中の各節がそれぞれ独立しており、各企業の環境対策への取り組みの実状にあわせて、それぞれ必要な環境情報を抜き出すかたちで読むことができるように工夫している。なお、本文中に記載されている法令や組織名等については、すべて本財団による仮訳であることにご留意いただきたい。

具体的な本書の構成は以下のとおりである。


「第1章」は、マレーシアにおける環境問題の現状や法規制等の動向についての最新情報を、第1節「マレーシアと日系企業」、第2節「マレーシアの環境問題の現状」、第3節「マレーシアの環境行政と環境関連法規」、第4節「水質汚濁対策」、第5節「大気汚染対策」、第6節「産業廃棄物対策」、第7節「環境影響評価に関する制度」の、7つの節に分けて解説している。


第1節では「マレーシアと日系企業」として日本とマレーシアの関わりや同国への日系企業の進出経過などを紹介する一方、第2節ではマレーシアの環境問題の現状を水質汚濁、大気汚染、廃棄物問題などの課題別に解説している。そして第3節以下では、日系企業の環境対策に不可欠であるマレーシアの環境法令や環境行政組織、各種の環境規制に関する情報を分野ごとに分けて詳しく解説している。


このうち第3節では、環境行政の仕組みと産業公害に関連する環境法規制の体系、企業進出に当たって必要とされる各種の環境関連手続きについて、そのポイントを紹介した。


その後、第4節~第6節では産業公害対策に不可欠な水質汚濁、大気汚染、産業廃棄物の3分野についてそれぞれ、法規制の仕組みや規制基準の内容を解説している。最終節の第7節では環境影響評価に関する制度の紹介にページを割いた。


なお、第1章に収録した情報については、環境局の担当官に対するヒアリング結果を中心に、マレーシア政府の発行した各種資料などを参考にした。


「第2章」は、まず第1節にマレーシアに進出している製造業を中心とした日系企業の環境対策への取り組みの特徴などをまとめている。そして、現地訪問調査で収集した日系企業の先駆的な環境対策への取り組み13事例を、第2節「厳しい排水基準に対処している事例」(5事例)、第3節「環境マネジメントシステムを構築している事例」(4事例)、第4節「その他の先進的な取り組み事例」(4事例)に分けて紹介している。


マレーシアにおける製造業を中心とした企業の環境対策への取り組みは、水質汚濁対策が基本となっていることから、今回の収集事例も水質汚濁対策への取り組みが中心となっている。また日系企業はISO14001の認証取得をはじめ、環境管理システムの構築に積極的に取り組んでいることを受けて、第3節にそれに関連した取り組み事例をまとめている。


さらに第4節には、環境汚染の未然防止に関する取り組み事例を取りあげた。

巻末に「資料編」として以下の情報を収録した。

  • [参考資料1] 1974年環境法(1998年改定版)(全文)
  • [参考資料2] マレーシアの指定産業廃棄物の処理・処分を規定した1989年指定産業廃棄物に関する環境規則(本文)及び具体的な指定産業廃棄物の種類を規定した同環境規則の別表1
  • [参考資料3] マレーシアを中心とした東南アジア4ヵ国における日系企業の環境問題への取り組みの現状
  • [参考資料4] マレーシア及び日本における環境情報関連窓口

 このうち参考資料1には、第1章の第3節で解説した1974年環境法への理解を深めるために、同法の全文の日本語訳を掲載した。また参考資料2には、マレーシアで産業廃棄物対策に取り組む場合に必要となる指定産業廃棄物の処理・処分に関する環境規則を、抜粋してその日本語訳を収録した。


なお、参考までに本書に用いた通貨の換算レートは、1マレーシアリンギ=約30円である(2000年2月現在)。