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日系企業の海外活動に当たっての環境対策(中国―北京・天津編)

「平成15年度日系企業の海外活動に係る環境配慮動向調査」報告書

本書の構成と使い方

 本書は、中国の環境法規制の内容などを解説した「第1章」、中国(北京・天津地域)に進出している日系企業の具体的な環境対策への取り組み事例を紹介した「第2章」、そして第1章、第2章の内容をより深く理解するために役立つ「資料編」で構成されている。本書でいう日系企業とは、在中国日本商工会議所の会員企業等を指し、日本側の出資比率等の特定の条件がないことをあらかじめお断りしておく。また、今回の調査で現地訪問調査を受け入れてくれた日系企業には製造業の割合が多かったため、本書全体の内容も製造業の環境対策に主眼をおいたものになっていることを、あわせてお断りしておく。


さらに本書は、各章および各章の中の各節がそれぞれ独立しており、各企業の環境対策への取り組みの実状にあわせて、それぞれ必要な環境情報を抜き出すかたちで読むことができるように工夫している。なお、本文中に記載されている法令や組織名等については、全て本財団による仮訳であることにご留意いただきたい。

具体的な本書の構成は以下のとおりである。


「第1章」は、中国における環境法規制等の動向についての最新情報を、第1節「中国の環境政策と環境関連法規」、第2節「中国の大気汚染対策」、第3節「中国の水質汚濁対策」、第4節「中国の産業廃棄物対策」、第5節「土壌汚染対策」、第6節「地方環境行政における取り組み―天津市の事例―」の、6つの節に分けて解説している。


第1節では、中国における環境政策の発展の経緯や、その特徴などを解説した後、日系企業の環境対策に不可欠である産業公害に関連する環境法令や各種環境規制の体系、環境行政の仕組みなどに関して記載した。そして、第2節以下では、これら環境法令や規制を分野ごとに分けて詳しく解説している。


第2節~第5節では産業公害対策に不可欠な大気汚染、水質汚濁、産業廃棄物、土壌汚染の4分野についてそれぞれ、詳しく法規制の仕組みや規制基準の内容を解説している。


そして、最終節の第6節では天津市を例に取り上げ、地方行政組織における環境対策や地方独自の規制などの紹介にページを割いた。


なお、第1章に収録した情報については、国家環境保護総局(SEPA)および天津市環境保護局(天津EPB)に対するヒアリング結果を中心にまとめた。


「第2章」は、まず第1節に中国に進出している日系企業の環境対策への取り組みの特徴などをまとめている。そして、現地訪問調査で収集した日系企業の先駆的な環境対策への取り組み14事例を、第2節「汚染物質の排出削減へ向けた先進的な取り組み事例」(6事例)、第3節「環境マネジメントシステムを経営改善に結びつけている事例」(3事例)、第4節「環境保全をめざしたその他の工夫事例」(5事例)に分けて紹介している。


中国には様々な業態の日系企業が進出して産業活動を行っているため、今回収集した環境対策の取り組み事例の内容も幅広いものとなっている。製造業の取り組みに関しては、排水、排ガス、廃棄物対策のほか、それにとどまらない積極的な取り組みも含めて重点的に第2節にまとめている。そのほか、第3節ではISO14001などの環境マネジメントシステムを経営改善に活用している取り組み、第4節では製造業以外の企業や中小企業の様々な取り組みを取り上げ、環境対策を企業活動の一環として積極的に取り組んでいる事例としてまとめている。

巻末に「資料編」として以下の情報を収録した。

  1. [参考資料1] 中華人民共和国環境保護法 1989年12月26日施行(全文)
  2. [参考資料2] 中華人民共和国大気汚染防止法(全文)
  3. [参考資料3] 中華人民共和国水汚染防止法 1996年改正(全文)
  4. [参考資料4] 中華人民共和国水汚染防止法実施細則(中華人民共和国国務院令第284号)(全文)
  5. [参考資料5] ボイラーの大気汚染物質排出基準(天津市地方基準DB12/151-2003)(全文)
  6. [参考資料6] 中国および日本における環境情報関連窓口

 参考資料1には、第1章の第1節で解説した環境保護法への理解を深めるために、同法の全文の日本語訳を掲載した。また参考資料2には、大気汚染の防止を目的とした「大気汚染防止法」、参考資料3には水質汚濁防止を目的とした「水汚染防止法」、さらに参考資料4には、その具体的な管理規則となる「水汚染防止法実施細則」の全文日本語訳を掲載した。参考資料5に天津市の地方基準として制定された「ボイラーの大気汚染物質排出基準」の全文日本語訳を掲載した。


なお、参考までに本書に用いた通貨の換算レートは、1人民元(1RMB)=約15円である<2004年1月現在 > 。